もしも神様がいるんだとしたら。
何故、俺達にこんな感情を持たせたのだろう。
俺達はただ、大好きな人のそばで、ずっとここにいれたらそれで良かったのに。







どんな時の中でも 2







昼も夜も、ティーダはアーロンと一緒にいる事が多くなった。
ふたりで一緒に食事を作ったり。買い物に行ったり。
それは、ザナルカンドにいた頃を思い出させる柔らかな、少し寂しい時間。
だけれども、二人は笑う事が多くなった。もちろん、心のそこからの笑顔ではなかった。
それでも人肌を欲し、ブラスカとジェクトの居ない夜は抱き合う事もしばしばだった。

「ね…アーロン」
彼の上に寝そべったティーダを、撫ぜる。
アーロンの奥深くに放たれた熱い迸りが、動く度に秘部から漏れる。
「次はさ…アーロンが…」
蒼い瞳の言うとおりに、アーロンは身体を起こした。
体位を逆転させて、艶かしく濡れるその唇に噛み付くように口付けた。
空いている腕で、ティーダの身体中を愛撫しながら、秘孔を指先で突付くとティーダから
くぐもった声が漏れる。
「アーロン……」
濡れた視線が。
「ティーダ……」
悲劇を起こそうとしている。
「も…きてよ…」
流れ始めた不思議な感情と、ドス黒い感情は。
「はぁ…ッアーロッ…!!」


名を付けるとしたら。





深い愛情と、醜い嫉妬。










2人がその異変に気付いたのは、随分と遅かった。
ブラスカと少し離れた街へ旅行に行くと旅立ってから一週間がたった頃だった。
手紙でおいて書置きをしていった。
だが二人が帰ってきた時には、部屋の明かりはおろか人の気配すらしなかった。
「なんでぇ、アーロンもティーダもいねぇのかよ」
部屋の明かりをつけて、ジェクトは一通り部屋を回ったが、誰ひとりとしていない。
「どうしちゃったんでしょうね」
呑気にソファに座るブラスカは特に心配をすることもなく、テレビのスイッチを入れる。
「……なぁ」
少し低音の、彼独特の不安げな声。
「なんですか」
「俺……すんげぇ嫌な予感がするんだけど」
ブラスカはゆっくりとジェクトを振り返った。
「あいつら、出て行ったんじゃねぇの…?」
「そんな訳ないですよ。アーロンは私の虜ですから」
どこからそんな強気な発言が…と、ジェクトはぶつぶつとつぶやくが。
「距離を置いて愛情を確かめるって言ったのはどこの誰でしたっけ?そんなに
心配しなくたってあの2人は大丈夫ですよ」


2人は気付かない。

もう、悲劇は始まっているという事を。







暫くすると、アーロンとティーダはお互いに両手にいっぱいの荷物を抱えて帰って来た。
これから夕飯の支度をするといって、2人仲良くキッチンへ消えていく。
「ちょ、それ多すぎだと思うんだけど」
「そんな事はないぞ。料理は何事もチャレンジが必要だ」
「うわー、アーロンの口からチャレンジなんて言葉が出たッス」
「なら…お前がこの続きをやってみるか?お前に出来るのか、この続きが?」
「無理!!無理!!無理ッス。もう何も言わないからアーロン続きどうぞ」
「ふん」
ティーダがアーロンに向ける笑みは、かつて自分に向けられていた笑顔。
否応なしに、ジェクトの脳裏には最悪な結末がよぎった。
「………」
肩肘でブラスカを小突くと、ブラスカもまた少し不安げな瞳でジェクトを見つめた。
重い腰を持ち上げ、ブラスカはキッチンに近づく。
「何を作っているんだい?」
「今日の夕飯」
にこやかな笑顔で聞けば、自分と目をあわさずにボールに入った卵をかき混ぜるティーダの
少し低い、不機嫌そうな声。
「どうなるかはアーロンの腕次第…かな?」
そこでやっと視線を合わせたティーダ。
表情は笑顔そのものだが、瞳が笑っていない。そんな気がした。
「ブラスカはジェクトと洗濯物をたたんでおいてくれ。皺はきっちり伸ばしてな」
アーロンも視線こそ合わせないものの、その口調はどこか柔らかいものがあり、
ブラスカは少し安心して、承諾し、ジェクトを引っ張って二階へと消えていくのだった。
「……いいの?」
「なにがだ」
急に静かになったキッチンに、2人の小さな声が響く。
「ブラスカさん…アーロンに戻ってきそうだったのに」
「………」
ブラスカの不安そうな声は2人は理解していた。
なのに。
「いいんだ。お前こそいいのか?ジェクトも不安そうに俺達をちらちら見ていた」
「………」
流れ始めたドス黒い感情は。
「…俺も…いいッス」

確実に悲劇の螺旋を巻き続けていった。









久しぶりに、ティーダはジェクトと早くにベッドに入る事になった。
正確に言えばティーダは何時も通りで、ジェクトが早く寝に来たというだけの事であったが…。
「ん…あれ…オヤジ…今日は早いッスね…」
「ん?ああ…」
ごそごそと布団に包まるジェクトからは、いつもの酒のにおいがしない。
俺とアーロンをはぶってたの、少しは反省してんのかな…?と、ティーダは少し嬉しかった。
甘えるようにジェクトの腕に絡まって、何時も通り穏やかな幸福感と共に寝ようと思い。
(…あれ……)
ティーダはそこで気付いた。
昔ほどの幸福感が無い事に。
(あれ…?なんで……)
「ティーダ…」
疑問符の飛び交う中、それを勘違いしたジェクトの大きな身体がティーダにのしかかって来た。
「オヤジ…?」
「久しぶりだから…いいだろ?」
「ちょ、オヤジ……!」
無理やり押さえつけられて、強引に口を割られた。
抵抗しようにも手首を押さえ付けられている為、身動きひとつ取れない。
その前に、ティーダはなぜこんなにもジェクトの行為に反抗しているのか理解出来なかった。
少し前まで、この腕に抱かれる事に恋焦がれていたはずなのに。
「オヤジ…ちょっと、待って…ッ」
「待たねぇよ」
身体を割られて、股に腕が伸びる。
初めてこの、紅い瞳が怖いと思った。
嫌だ。嫌だ。
ティーダの思いとは裏腹に、ジェクトはその手を動かし続けた。










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