神様登場
「デウス・エクス・マキナ」。この名前はどうにも変だ。
じつは、業界用語でこの言葉は、「ムリヤリこじつけたオチ」を意味するらしいのだ……
ラテン語で「機械仕掛けの神」の意。
ギリシア語のtheos apo mechanesのラテン語訳で、「機械仕掛けの神」「機械仕掛けで現れる神」の意。
転じて難局打開のための安易な解決策を指す。
古代ギリシア演劇においては、劇中の葛藤が高じて解決不可能の局面を迎えると、しばしば突如として神が現れ、人間の眼に映っていなかった真実を解示して難関突破の糸口を与え、芝居が終わる。
このような場面に神を登場させるために一種のクレーンのような仕掛けが考案され、これが「機械仕掛け」と呼ばれた。
(参考文献:「世界大百科事典」平凡社 )
「デウス・エクス・マキナ」の名は機械の親分、機械の神というつもりでつけられたと考えるのが定説だが…
- ネオ=THE ONEだ→ONEの文字を組み替えて名づけた
- アンダーソン君=救い主に祭り上げられている人間→son of man(キリスト)が名の由来
- スミス=やたら数が多い→米国で多い苗字Smith
- モーフィアス=不思議の国の案内人→夢の神モルペウス
- パーセフォニー=化け物集団の中で王妃様のように振舞っていた→地獄の王の妃ペルセポネー
……といったように、マトシリーズにおいて名前にはすべて意味がある。デウス・エクス・マキナという名を聞いた時、西洋人、特に作劇に携わる作者達なら
字義通りの「機械の神」という意味より裏に隠された意味に聞こえるものと思われ、それを頓着せずに名づけたとは考え難い。
付け加えると、ジェフリー・ダロウはこのキャラを「ナフキンに20秒くらいで描いてしまったものだ」と白状している。
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