僕の図書館へようこそ



どうも皆さんこんにちは、僕の名前はアルフォンス・ミシェルと申します。
誰に自己紹介してるんだって……?
そんなこと気にしてちゃ、素敵な貴方のお顔が台無しですよ。
さてさて、業務も一段落着きましたし今度は返却された本のチェックでもしましょうか。

ウィン

おや自動ドアの音が……誰かやってきたようですね。
ああ……いつもの眼鏡の坊やですね、こんにちは。
「こんにちは、司書さん」
うん、良い返事ですね。
文庫の棚の方へと歩いていきましたが、今日も待ち合わせでしょうか。
何か文庫本を手に閲覧コーナーへ戻ってきましたね。
今日は何を読んでいるんでしょうか……どれどれ。
ちょっと距離があって見えづらいですね……さ、ん……三国志?
……読めるんでしょうか、最近のお子様はすごいですね。
僕も自分の仕事をしましょうか、本のコードを機械で読み取って、と……。

ピッ、ピッ、ピッ……
ウィン

また、誰かいらしましたね。
サングラスに黒いシャツ……眼鏡の坊やの待ち合わせ相手ですね。
あんまり、待ち合わせ場所として利用するのは好ましいことじゃないんですけど……ま、眼鏡の坊やの顔
に免じてここは目をつぶりましょう。
きょろきょろしてますね、坊やを探してるんでしょうか。
坊やはそこの閲覧コーナーにいらっしゃいますよー、と見つけたみたいですね。
にこにこしながら駆け寄っていきましたね、まったく仲がおよろしいことで。
隣に座って、なにやら楽しそうに話をしてますね……三国志の話でもしてるんでしょうか?
そもそもあの二人はどのような関係なのでしょうかねぇ……。
親子にしては黒い方の人がわかすぎますし、普通に考えれば兄弟ですかねぇ?
仕事終わり……には見えないですし、学校帰りといったところでしょうか?
しかし、兄弟だというのに不定期に外で待ち合わせですか……うーん……。
まさか恋人……いやいや、はっ、まさか近所の怪しいお兄さんと坊やですか?!
いけません、これは犯罪の匂いが……。


「なーに、一人でぶつくさいってやがるんだ」
……おっと僕としたことが、取り乱してしまいました。
……ん?
「お前、思ってること全部口に出てるぞ」
おや、これはこれは、こんにちは城西さん。
今日も麗しいお姿してらっしゃいますね。
「………………これ、貸し出し頼むわ」
そんなに照れなくてもいいじゃないですか。
「照れてねえ!!」
しー、図書館内ではお静かにお願いしますよ。
えーっと、話題のミステリーに……恋愛小説ですか?
「わりーかよ」
いえいえ、城西さんでもこういう物を読むのですね、と思っただけですよ。
「……増田の野郎がラブソング書けとか言ってきやがってよ……」
ははぁ、その参考にですか。
しかし、恋愛小説を読んだだけではリアルな、気持ちのこもった歌詞は難しいと思いますけどね。
どうです?僕と一緒にリアルな恋愛、してみませんか?
恋愛小説以上の体験させて差し上げますよ……ふふふ。
「……お前そういう冗談言うのやめろよな……」
僕は一言も冗談なんて言ってませんけど?
僕は……本気ですよ城西さん。
貴方のその透き通るような白い肌も、鋭く光るその瞳も全て僕の腕の中に収めたいぐらいです。
「……お前なぁ」
貴方がどう受け取ろうと自由ですけどね。
とりあえず、今度一緒にお食事でもいかがですか?
「あー、考えといてやるよ」
それはどうも……はい、貸し出し手続き完了です一週間後までには返却してくださいね。
「おう、じゃあな」
ええ、それでは。
……城西さん行ってしまいましたね、もっとゆっくりしていけばいいのに。
おや、いつの間にか坊やと黒い人もいなくなっていますね。
どこかへお出かけなされたのでしょうか。
結局今日もあの二人の関係はわからずじまいでしたね……ううむ。
さてさて、一週間後までに完璧なデートプランを立てなくてはなりませんね、これから忙しくなりますよ!
城西さんは何がお好きでしょうかね?
やはり、ここは外で食事か何かをしていい雰囲気に持ち込んで一気にというのが妥当な所でしょうかね。
……城西さんが借りて行った小説の中身を実行してみるのも面白そうですね……。
ああ、何はともあれ一週間後が非常に楽しみですね。
ね、城西さん。



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