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【姉しよ】きゃんでぃそふとSSAAスレ【つよきす】
1 名前:保管庫の中の人 :05/03/21 01:32:44 ID:idX94tCt
「きゃんでぃそふと」から好評発売中の「姉、ちゃんとしようよっ!」、
今夏発売予定の新作「つよきす」のSS&AAネタ投稿スレッドです。

★保管庫
姉、ちゃんとしようよっ! SS&AA保管庫
ttp://yellow.ribbon.to/~nechan2/
★前スレ
姉、ちゃんとしようほっ!SS&AAネタスレ part3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1090147206/
★本スレ
きゃんでぃそふとスレ71
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1110551079/
★関連・過去スレ
姉、ちゃんとしようよっ!SS&なりきりネタスレ(前々スレ・dat落ち)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1079724057/
こんな柊姉妹は嫌だ!2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1088017525/
柊雛乃だがお前らに一言いいたい事がある
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1057/10571/1057137971.html


2 名前:名無しさん@初回限定 :05/03/21 01:44:39 ID:Tf9EiUIS
2

3 名前:名無しさん@初回限定 :05/03/21 01:47:25 ID:07gXx/80
3ゲトー
>>1オツカレー

4 名前:名無しさん@初回限定 :05/03/21 01:52:48 ID:SiGAOCUm
4様

5 名前:名無しさん@初回限定 :05/03/21 02:04:22 ID:X8XZ98to
次はこっちか
>>1

6 名前:名無しさん@初回限定 :05/03/21 02:53:11 ID:kacU12t3
      ,へ'" ̄``''‐-、,   ,、-‐''' ̄ ̄`-、
     /´-、、,,,,``'''‐-`Y彡/,、´、、、,     l
     l l l l-'"''~==/``<,=ミミミヽl   / .l
     ', ll    /il   llヾ、`ヽヽミミl  / /}
     ll/// l /Yl l   ll lヽ  l` l  /  l
      l// l l l~~l .l l l ll l l   lミ、l/ _l
     // l l l ll .l l .l ll l ll l l==ノヽ、
     リl l l l l lー リリノ'リ`lll ll ll l l lヾ,、=彡'ヽ
      >llヽlーヒ┐    -'tァーャノノ f`ヾ',= _l┘´
      ~フミ.l', t:」     t__,.' l/ /ノl==彡~ヽ
      /-,_l l,  、      /  / l ̄へ/^'`
      //l ll.ヽ、 ヽ__フ  ,、,.'// ll  l´`ヽ   <1乙
      // ll lll l ll` ‐ ィ ´_/// /lll ll l lヽ
  /^ー、_/ ヽ lll-‐''´l>〉>=// /‐-、l ll  l lヽ
 /   ,ヽ  /リl _  {//ヽ>{ /   ,.-=、l l ll ヽ
、l    ノイll l  ll/ ミt‐,=―‐‐、 ,、',‐'" ヽl ll. ヽ
l `'`'´`l'll lll l  ll、-‐=>'=、,  / 〃    ll ll  ll
.〉^^^'イ リ / / L/ / l l,`ノ 〃l     ll ll llll
イl===l  /`//ミミ /====lヽ/  ヽ、   l./ l / ll

7 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 09:40:14 ID:E9VKlG9f
7
>>1

8 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 09:59:03 ID:jQhOkESG
>1
早漏さん

9 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 11:54:34 ID:E3dJOE4q
あは、お疲れ

10 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 12:41:23 ID:4izWVuui
乙です

11 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 18:48:31 ID:yBtSNbyE
>>9
ともねえ〜(モミモミ)

12 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/21(月) 21:59:26 ID:/vA9XDRA
>>1


13 名前:保管庫の中の人 :2005/03/21(月) 22:07:19 ID:vt8yC3gw
よくよく見返してみたらSSとAAの間の『&』が抜けてますよ?
前スレ>>942のをまんまコピったつもりだったのにorz

λ... <姉様に釘打たれてきます…


14 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/22(火) 02:03:38 ID:fDexpRTM
>>9
あぅ・・・やめてよ。は、離して!

15 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/22(火) 04:34:54 ID:HF+rhzo0
>>13
大丈夫ですよ。

早速だけど、ネタっぽいSS丸投げしてもいいかな?

16 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/22(火) 13:01:27 ID:fDexpRTM
>>15
うほっ、 お願いしますw

17 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/22(火) 19:54:06 ID:CGM/Kovy
>>15
読みたい〜

18 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/22(火) 22:46:40 ID:TvpAXgyE
マダー?(AA略

19 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 03:44:34 ID:KGlgnemB
すまない。書き込んだあとソッコーで寝たもんだから

いるかちゃんネタ
あまり期待しないで

20 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 03:46:19 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(1)

朝、いつも通り朝食の片づけを終えた俺は、玄関掃除のために外へ出た。
すると、門のところに、どこかで見たことのある人影が見えた。
「あ、不審者発見。」
「ひどいですよー空也さん、不審者だなんて」
姉様の事務所の事務員、いるかちゃんが立っていた。
「冗談だよ、いるかちゃん。ところで、なにしてるの?こんなところで」
今日は仕事はないって言ってたけど。
「えっと、今日はお姉様のことで」
「えっ、お姉様にまたなんかひどい事された?」
「違いますよー。ちょっとした事務手続きで来たんですよ」
あえて“また”とつけたのだが、否定されなかった。ちょっと悲しかった。
そこで冗談で、
「え、辞めるの?」
「ひどいですー!」
即答で否定の声が帰ってきた。
「しょうがないですね。空也さんには特別に教えちゃいましょう」
いるかちゃんは、ちょっとふくれていたが、すぐいつもの顔に戻って話を続けた。
「実は、お姉様が・・・」
「フンフン」
「新しい」
「ウンウン」
「車を買っちゃったんですよー!」
「・・・へ?」
「だから、新しい車を買っちゃったんですよ」
一瞬俺は黙ってしまった。
「うちにあったの?そんなお金」
「なんでも、翔さんがほぼ全額出したらしいですよ」
バカだあのオヤジ。


21 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 03:50:52 ID:KGlgnemB
いるかちゃんの話はこうだ。
ある日、姉様以外全員出払っていて、たまたま姉様が部屋で車のパンフを見ているところにオヤジが帰ってきたらしい。
「ただいまー!誰か居ないのかーい?」
「なんですか、お父様」
「おお!愛しき我が要芽よ!!お前だけは出迎えにきてくれると信じていたぞ!」
「それで、どうしたんです。こんな明るい時間に帰ってくるなんて」
「まあ、ちょっと忘れ物取りにね」
「そうですか」
「ところで、要芽はなにしてたんだい?」
「私は、別に・・・」
「なに、隠さなくたっていいじゃないか?」
はぐらかしたが、かなりしつこく聞かれたらしい。
それで、仕方なく車のパンフやら本やらを見てたことを言ったらしい。
「車、新しいの買うの?」
「まだ、買うと決めたワケでは・・・」
「ようし、パパがお前のために買ってあげよう!どんな高いのでも買ってやるぞ!」
かなり早合点である。
「なにがほしいんだ、どれがいいの?」
しつこく迫ってくるオヤジをさっさと会社に戻そうと、冗談半分で、ある車を見せたらしい。
「これが、一番いいと思ってます」
「・・・・・・」
さすがにオヤジもそれを見て黙ったらしい。
何しろ値段がぶっ飛びな値段だそうだ。
「で、お姉様、いくらするやつ見せたの?」
そういるかちゃんにたずねると、
「それが、7000万円くらいのらしいんです」
「7000万!?」
いくらなんでも、冗談でそれはないでしょう、姉様。
そりゃあ、オヤジだって黙るよ。


22 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:08:46 ID:KGlgnemB
↑いるか、跳ねられず(2)
↓いるか、跳ねられず(3)

オヤジは、それを見てから3分くらい黙り込んでしまったらしい。
「どうしたんです、お父様?」
「・・・要芽、ホントにこれ?」
「ええ」
姉様はそう聞かれて、即答したという。これで仕事に戻るだろうと。
「・・・・・・」
「・・・お父様?」
「・・・よぉし、わかった!なんと言っても、お前の頼みだ。買ってあげよう!!」
「え!?」
姉様が面食らったのは当然である。
まさか、本気にするとは思ってもいなかったからだ。
「あの、お父様」
「いいや!なにも言うな、要芽。いい女にはいい車が必要だ。お前のような美人にはこれくらいの車でないと釣り合わんからな!いやぁ、パパとしたことがうっかりだよ、はっはっはっは!」
と、かなり気前のいいようなセリフに聞こえるが、
「声が震えて、目も潤んでたわね。普通あんな冗談、真に受けないわ」
と、姉様はいるかちゃんに言ったそうな。
でも、言うほうも言うほうですよ。
しかし、さすがバカオヤジ。姉様のことになると、親バカぶりを存分に発揮だな。
それでも普通は冗談だと思うけどな。

23 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:10:51 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(4)

「で、それが今日届くの?」
「はい。私は受け取りの時の説明やらなんやらのために来たんです」
「ふーん。」
「で、どこのどんな車なの。いるかちゃん」
「それが」
「うんうん」
「わからないんです」
「は?」
「お姉様、いくら聞いても教えてくれないんです。あまりしつこく聞くと弄ばれちゃいますし」
「は、ははは。それはまいったなあ」
うーん、驚かすつもりかな。
「まあ、来てからのお楽しみってやつだね」
「そうですね」
そんな話をしていると、大きなトラックとセダンがうちの前で止まった。
「すいません。柊さんのお宅はこちらですか?」
セダンから降りてきた、スーツを着た人が聞いてきた。
「はい、そうですが」
「そうですか。代理店のものですが、ご注文のお車、お届けにあがりました」
「わざわざご苦労様です」
「いえいえ。ところで、受け取りは代理人の方がすると伺っておりましたが代理人の方は・・・」
「わたしです」
と、いるかちゃんが代理店の人に言った。
そのまま、いるかちゃんと代理店の人が話し始めたので、俺はトラックのほうに目を向けた。
トラックから、さらに2人降りてきて、トラックの後ろを開けた。
トラックの羽の部分も開き、車の大まかなシルエットが見えた。
スポーツカータイプかな?
ゆっくりと車を降ろし始める。


24 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:15:41 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(5)

色は黒、か。姉様らしいや。
車がトラックから降ろされ、俺らの前に止められた。
俺は、正面から見ようと、車の前にまわった。
そこで俺は、ボンネットにあるエンブレムを見て驚いた。
「フェ、フェ○ーリ!?」
俺は驚いた、いや、驚かずにはいられなかった。
あのフェ○ーリ、である。それが今、目の前にある。
しかもこれ、立ち読みした雑誌に載ってた限定モデルってやつか?
よく手に入ったな。たまにはやるな、バカオヤジ。
俺はまじまじと見た。
内装も黒。メーターがアクセントな感じで赤だった。
「ドライブ好きなのは知ってるけど。まさか、これで・・・」
そんなことを考えてる俺のとこに、いるかちゃんと代理店の人が来た。
「どうですか?」
「いや、あの・・・、すごいとしか」
「あとで、じっくり乗ってみてください。良さがわかりますよ」
「はあ」
そういって、いるかちゃんの方を向いた。
「こちらが、車のキーですので」
「はい、わかりました」
「それでは」
そういって、キーをいるかちゃんに渡して、代理店の人は帰っていった。


25 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:29:35 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(6)

「・・・・・・」
玄関先に立つ俺といるかちゃん。
「いるかちゃん」
「はい?」
「お姉様、これ、どう使うって言ってた?」
「とくになにも」
「そ、そう」
「フェ○ーリって今までに見たことある?」
「これが初めてです」
再び黙る2人。
「空也さん」
「なに?」
「ちょっと乗ってみましょうか」
「・・・はい?」
かなり大胆なことを言ったぞ。
「いるかちゃん、それはマズいよ」
「大丈夫ですよ。エンジンをかけなければいいんですから」
「そりゃあ、そうだけど・・・」
「大丈夫ですよ、座るだけですから」
「うーん・・・。まあ、いっか」
「じゃあ、開けますねー」
ガチャ。
「うわー。ドアが上に開きますよー」
「ふむ、ガルウィングか」
「じゃ、先に私が座ってみますねー」

26 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:30:57 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(7)

そういっているかちゃんは、運転席のシートに座った。
「うーん、前がよく見えませんねー」
「ははは。いるかちゃんじゃ、ちょっとシートの位置が低いかもね」
「でも、座り心地がいいですねー」
「じゃ、俺は助手席に」
助手席側のドアを開けて、シートに座った。
「あー、確かに。いい座り心地だなぁ」
「なんか、私と空也さんの位置が逆な気もしますねー」
「確かに、いるかちゃんがこれ運転するところ、想像できないなあ」
「もう。空也さん、今日は失礼なこと言い過ぎですよ」
「ごめんごめん」
「でもー」
「ん?」
「やっぱり、エンジンかけたくなっちゃいますねー」
「え!?」
さっき言ったことと話、違ってませんか、いるかちゃん?
「まずいってそれは。ダメだって」
「大丈夫ですよ。かけるだけですから」
「でも」
「えーと、キーを回して、スタートボタンを押すっと・・・」
「おーい」
いるかちゃんは俺が止めるのも聞かず、エンジンを始動させた。
「ポチッと」
キュルルルル、ブォン!
「・・・わりと音、静かですねー」
「そうだね。って、いるかちゃん。もういいんじゃないかな?」
「んー、せっかくですから、ふかしてみますねー」
「なんですと!?お、音でお姉様が・・・」


27 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:36:38 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(8)

「えいっ」
ブォオン!
「ひゃー。やっぱりすごい音ですね」
「そ、そうだね。ね、もう、いいでしょ。いるかちゃん?」
「んー、ちょっと運転したいですね」
「ナ、ナンダッテー!?」
あり得ない、かなりあり得ない。大胆すぎるよ、ていうか無謀だよ、いるかちゃん。
「大丈夫ですよ。この周りを軽く走ってくるだけですから」
「いやデモね、世の中には、やっていいことと、超えちゃいけない線が・・・」
「空也さん、日本語おかしいですよー」
「でもね、あの・・・」
「それじゃ、いきますよー」
グッ。
あれ、いるかちゃん。アクセル全開?てことは・・・。
キュルルルル!!
「のわー!!」
案の定、思いっきりホイールスピンして、俺らを乗せたフェ○ーリは動き出した。
ひょっとしているかちゃん、ハンドル握ると性格変わるのか?!
それから10分後・・・。
無事に何事もなく家の前に帰ってきた。
「楽しかったですねー、空也さん」
「そ、そうだね・・・」
「どうしたんですかー、元気ないですよ?」
「そ、そんなことないよ・・・」
かなりご機嫌ないるかちゃんと、少し疲れた俺がそこにあった。
「さ、お姉様が起きないうちに元の位置に止めますよー」

28 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:41:19 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(9)

ガタッ!
「い、いるかちゃん!?」
「はぅ!ちょ、ちょっと乗り上げてしまいましたね」
「ちょっとって・・・。買って早々、傷ものにしちゃ・・・」
「だ、大丈夫ですよ。すぐ元に戻しますね」
こっちが大丈夫じゃない。
いるかちゃんが車をバックさせた。
ゴッ。
あれ?今、「ゴッ」って音がしましたよ。いるかちゃん?
「はぅ!い、今の音は・・・」
「い、いるかちゃん。それ以上は言わなくていいよ・・・たぶん」
いるかちゃんは乗り上げていたことを忘れていた。
うちの家の前には歩道があり、歩道と車道の境目がちょうど段差になっている。
当たったとしたら、左フロントのバンパーだろう。
「と、とりあえず、早く止めて」
「ら、らじゃーです」
と言って、さらにバックさせた。その直後、
ゴンッ!!
「あ・・・」
2人、声がかぶった。
今度は、後ろに立っていた電柱にぶつけてしまったのだ。
2人とも、無言で車を降りた。
いるかちゃんが、その場に座り込んでいた。
「はうぅー、どうしましょうー。このままじゃ、お姉様に虐められちゃいますー」
俺が、ぶつけたところを確認すると、見事ブレーキランプのところが割れていた。
「これは、ダメだな」
「そこを何とか!空也さん、何とかなりませんか!?」
「何とかっていわれても、修理自体は簡単だけど部品がないことにはどうしようも・・・」
「なーに2人で騒いでんの?」


29 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 04:46:12 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(10)

「わっ!」「はわわっ!」
いつの間にか、俺たちの後ろにねぇねぇが立っていた。
「わっ、これフェ○ーリじゃん。どしたの、これ?」
「お姉様がオヤジに買ってもらったらしいんだ、と言ってもオヤジが早合点したんだけど」
「いいなー要芽姉。ショウもあたしに買ってくれないかなー」
「でも、もう一台これクラスの車買ったら、あのバカオヤジ破産しちゃうよ・・・って、そんなこと言ってる場合じゃなあぁい!」
「うにゃ、なんかしたの?」
「じつは、かくかくしかじか・・・」
「ふんふん・・・。マズいねそれは」
「何とかなりませんか〜、瀬芦里さん」
既に半泣き状態のいるかちゃんが、ねぇねぇにすがる。
「何とかって言われもにゃ〜。素直に謝ったら?」
「それで許してくれたら、いいんだけどなぁ」
「そんなわけないでしょう」
「あ・・・」
「そ、その声は・・・」
振り返ると姉様が立っていた。
「お、お姉様!私、今すぐこの事件の犯人を捜して参ります、では!」
「逃げるなよ」
「あうぅ〜」
立ち去ろうとしたいるかちゃんは、ソッコーで捕まえられた。
「まったく、いつまでたってもこないから来てみれば、こんな事をしてるとはね・・・」
「あ、あの、お姉様、その、これはですね・・・」
「いるか、あなた運転免許証というもの、もってたかしら?」
「うっ」
いるかちゃん、無免かよ!
「お仕置きが必要ね」
「はうぅ〜」
なんというか、当然の結果だった。

30 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 05:06:01 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(11)

「私の部屋に来なさい。たっぷりかわいがってあげるわ」
「お姉様・・・」
「それと・・・」
そういって、姉様が俺の方を向いた。
「空也」
「は、はい!」
「空也がそばにいながらこんなことになるなんて、あなたにも少し責任があるわ」
マズい、このままだと俺もお仕置きか!?
俺が顔を強ばらせていると、
「ふふ、そんなに怯えなくてもいいわよ。空也には軽い罰を与えるから」
「は、はい・・・」
姉様は、俺の頬を撫でながらそういった。
お仕置きではなかったが、罰が与えられることになった。
「自分の部屋にいなさい」
そういって姉様は、いるかちゃんを引きずって家の中へ入っていった。
軽い罰、とは言ってたけど、なんだろう。
想像するのが怖いので、俺はさっさと自分の部屋に向かった。
その後、部屋に来た姉様が、俺にさせたこと。それは・・・


31 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 05:07:54 ID:KGlgnemB
いるか、跳ねられず(12)

「あの〜、もういいでしょうか?」
「まだよ」
マッサージをさせられていた。
すでに2時間。
「姉様、すごくこってますよ」
「ここ3週間、休む暇がなかったから仕方がないわね」
確かに連日、深夜に帰ってくることが多かった。
睡眠時間も少し削ってたみたいだから、かなりきつかったのだろう。
「もういいわ。ありがとう」
「い、いえ・・・」
さすがに腕がダルい。
「ふふ・・・。空也も混ざる?」
「い、いえ!遠慮しておきます!」
「そう。残念ね」
そうはいっていたが、姉様の顔は残念そうな表情の中に微笑みが隠れていた。
もし俺も参加したら、いるかちゃん共々ひからびるかもしれん。
いるかちゃん、ごめん。
その晩、柊家にいるかちゃんの声が響いたとか響かなかったとか。


32 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/23(水) 05:10:26 ID:KGlgnemB
以上です。

思いっきり趣味に走ってごめんなさい。
思いつきで書いちゃってごめんなさい。
いろいろごめんなさい。


33 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/23(水) 09:28:41 ID:A++3BR+H
激しくGJ!
乙でした。

34 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/23(水) 13:38:44 ID:Eg/cf7vo
翔の会社フェ○ーリの一つや二つじゃ傾かないような気もするが、でも面白かったw

35 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/23(水) 17:02:32 ID:vgok7NEP
GJ!
オツカレ〜。おもしろかた〜よ

36 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/23(水) 19:36:45 ID:CBIlUrl0
>>34
フェラ○○ぐらいだったら要芽の稼ぎで楽に買えそう。

つーか翔の会社は何の会社なんだろうか
プロフィールには関連会社の社長って書いてあったが
何の関連会社なんだろうw


37 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/23(水) 23:26:49 ID:njr485ti
ο
              _ ,−、
             / `i .ノ                 ともねえ愛してる
           _人_.ノ/  ./ヽ.      /ヽ.
         /    ll.   /.  ヽ__,./ _  ヽ、   . −、
        /      |!、  ノ , ´      `゛   ヽ  (   )
      /      ./ ヽ./ "  、_,..|    * ', ノ` ー ';
  .  /      /i    { *  ヽ  lヽ、__.  j´     j
    !.      /  l.   '、       ヽj`ー、_ `ー、_   /
    ヽ、   /     !    ヽ          `ヽ    ヽ
      ` ー´      '、                '、    ^
          ο                    ー、


38 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/24(木) 03:13:31 ID:kGMl6pbs
GJ
ところで1の壬生初登場のシーンを思い出してくれ。コイツをどう思う?

39 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/25(金) 08:30:08 ID:O2JLpeJE
港署の刑事かな。

40 名前:保管庫の中の人 :2005/03/27(日) 22:32:23 ID:z7SHZhbv
このスレでもおなじみのAA職人様がつよきすキャラのを
作ってくれてましたのでAAスレから転載しときますね。

※椰子 なごみ
    、, _,.、
    '´   ゙ヾ
   l イ从从ゾ
   l リ ゚ -゚ノリ
   | l{(とス)}
   ノリ く/_|j〉リ
     し'ノ

※鉄 乙女
       _
     '´,   `ヽ
    | lノノノ)リ))
     ル(i| ゚ -゚ノリ
       く)个iつi!=====
      く/_|j〉
      し'ノ

※霧夜 エリカ
    , ― 、
    ,'_ '´  ̄ ヽ
    [》ミ〈((^)))〉
    iヾ(リ゚ ‐゚ノリ
   ノノ⊂)个i>
  .   く/_|j〉
      し'ノ

41 名前:保管庫の中の人 :2005/03/27(日) 22:33:05 ID:z7SHZhbv
192 名前:530 ◆530SPECaOc 投稿日:2005/03/27(日) 14:50:56 ID:nDEMwONo
前スレ>926続き
つよきす  ◎  by きゃんでぃそふと  ◎

※佐藤 良美
       __
    '´,  `ヽ
   《ミi(从从))
   <メ(リ゚ ー゚ノ)>
  . 〃⊂)个)つ
     く/_|j〉
      し'ノ

※蟹沢 キヌ
      _
    '´,  `ヽ
    !爪リリ从)ゞ
   ノwリ゚ ヮ゚ノル
    ⊂)个iつ
   .  く/_|j〉
       し'ノ

※大江山 祈
        _
    '´, '^V^ヽ  。
   i |从゙"ソリj /
   | (リ´ヮノリ/
   |_リ〈(`ー')つ
     /'`´|
      `tァァ

(´-`).oO(メイン終了…サブは追々…)

42 名前:お姉ちゃんの料理修行(1) :2005/03/27(日) 23:33:32 ID:jW3MvO5e
いくらかの時が過ぎ、海お姉ちゃんは高校を卒業した。
それからお姉ちゃんは、なんと家事をすると言い出したのである。
専門学校に通いつつ、家事をこなしてみせると意気込んでいた。
ちなみに、専門学校とは『それっぽい系』らしい(意味わからん)。
幸い、ともねえという最高の見本がいるので、ともねえを見習って頑張る毎日である。
俺は俺で、跡継ぎの修行として親父の手伝いをすることになった。
親父ほど遅く帰るわけじゃないけどね。
海お姉ちゃんの学習能力はかなりのものだった。
最初は失敗ばかりだったけど、次第に慣れて様々な家事をこなしていく。
あの不器用なお姉ちゃんとは思えないぐらいだ。
しかし、いくら頑張っても全く上達しないものがあった…

「モエ!しっかりしろー!傷は浅いぞー!」
「へ、部屋に布団をひいてくるわ!」
「医者を呼んできます!」
「うむ、頼んだぞ!」
「あぅ…もうやだぁ…」
そう、料理である。いや、少しはマシになった。
バッドエンド直行から意識が飛ぶ程度まで緩和されたのだ。
もちろん、体が貧弱な雛乃姉さんや姉貴が食べたら一発アウトだろうが。
ともねえに横で教えてもらいながら作っているのに、これは一体どういうことか。
出来上がったら当然ともねえが試食することになり、そしてダウンする。
さすがにともねえも我慢の限界が来てしまったようだ。
「うぅ〜…しぼむ〜。」

43 名前:お姉ちゃんの料理修行(2) :2005/03/27(日) 23:35:01 ID:jW3MvO5e
「…何故うみは料理がうまくならんのかのう。」
雛乃姉さんは素朴な疑問を俺にぶつけてきた。
最初の頃は俺が教えていたのだが、試食はしない。
まだその頃は作っている過程を見ただけで明らかにヤバイとわかっていたからだ。
どうしてあの作り方で見た目がいいのか、まったくもって謎である。
「とにかく、ともえが倒れてしまった今、くうやが料理を教えるしかあるまいて。」
「えぇっ!?それはちょっと…」
俺が拒否しようとしたその瞬間、雛乃姉さんの目がギラリと光った。
「くうやよ…よもや我の命令を聞けぬと申すのか…?」
これを言われるとツライ。俺はヒエラルキーの最下層に居る身。
かたや雛乃姉さんは頂点に君臨するお方。
たとえそれが命を賭けることであっても、命令は聞かねばならない。
「う…それは…それはそれ、これはこれということで…」
「ええい、ならんならん!
 親父殿には我から言っておくから、お前はうみに料理を教えてやるがよい!」
…どうやら覚悟を決めなくてはならないようだ。
「あの…雛乃姉さん…」
「うむ、骨は拾ってやる。安心せい。」
俺…死ぬのかな…

44 名前:お姉ちゃんの料理修行(3) :2005/03/27(日) 23:36:07 ID:jW3MvO5e
「というわけで俺が教えることになりました。」
「うん!くーやが教えてくれるなら、お姉ちゃんできそうだよ〜。」
「じゃ、とりあえず基本中の基本。玉子焼きを作ってみて。」
「は〜い。」
お姉ちゃんの料理が始まった。
…想像以上にヘタクソなようだ。
油は使いすぎ、卵のカラは入りまくり、塩ももう少しで大量に入れるところだった。
これで見た目は普通というのが凄い。
「ぜぇ、ぜぇ…お、お姉ちゃん本当においしく作ろうとやってる?」
「うん、そうだよ〜。」
…ウソだ、絶対ウソだ。
おそらくともねえのことだろう、体をはって止めるということがなかったのかもしれない。
「ま、とにかく出来上がったことだし、ひとつ…」
パクリ
「…ぐはぁ!」
舌が焼ける!歯がきしむ!鼻が曲がる!目がしみる!頭が…頭がぁぁ〜〜!!
「あぁ〜…く、くーや〜!」
「あが…あががが…お…姉ちゃん…何を…入れ…た…の…」
がくり…

…俺が起きたのは、それからまる1日経ったあとだった…
どうやら、後で聞いた話では、他にも知らないうちに何か入れていたらしい。
その正体は…完全に不明である。

45 名前:お姉ちゃんの料理修行(4) :2005/03/27(日) 23:37:52 ID:jW3MvO5e
俺はお姉ちゃんと横になりながらじっと考えていた。
そして、おもむろに質問を投げかけてみる。
「お姉ちゃん、本当においしく作ろうと思ってる?」
「当たり前だよ〜。でもね、何故か…」
う〜む、これは相当な重症だぞ。
おいしく作ろうと思って作っているのに、その気持ちが完全に空回りしている。
最終的に完成するのは殺人料理ばかり。
といっても、やはり少しは進歩しているようだ。
食べてすぐにマズイとわかるようになっているし。
帰ってこれないところまで逝ってしまうことがなくなっただけでもたいしたものだ。
だからといって、このままでいいはずがない。
どうにかしなくては…
「お姉ちゃん、おいしく作ろうとしているのにな〜。」
おいしく作ろうとしてマズイものが…ん!?
「そうか、そういうことか!」
俺は叫ぶと、ガバッっと起き上がった。
一か八かだが、いいアイデアを思いついたぜ!
「ど、どうしたの、くーや〜?」
「お姉ちゃん、これならいけるかもしれないよ!」

46 名前:お姉ちゃんの料理修行(5) :2005/03/27(日) 23:39:04 ID:jW3MvO5e
俺の考えは正解だった。
賭けだったけど、なんとか成功に導くことができたぞ。
みんなに証明するため、俺は早速全員を居間に集めた。
「どうやら成功したようだな、くうやよ。」
「本当に海の料理が食べれるようになっているの?」
「イカ、もしアウトだったら承知しないわよ。」
「むふふ、問題ナッシングですよ、みなさん。」
「お〜ま〜た〜せ〜。」
笑顔でお姉ちゃんが登場し、みんなの前に料理を置いていく。
とりあえず今日はカラアゲを作ってもらったのだ。
「さぁさぁ、遠慮しないで食べてよ〜。」
しかし、やはり全員は不安な表情のままである。
ま、そりゃそうだよな。
「うみゃ、食べれるんだろーね?」
「もちろんだよ〜。」
ねぇねぇですらも疑いまくっている。誰もまったく食べようとしない。
仕方がない、ここは俺が一肌脱ぐしかなさそうだ。
「食べないなら俺がもらっちゃうよ。あーん…」
モグモグ…
「ど、どうなの空也?」
「イカ、大丈夫なの…?」
みんなが固唾を呑んで見守る中、俺は…

47 名前:お姉ちゃんの料理修行(6) :2005/03/27(日) 23:40:41 ID:jW3MvO5e
「…うん!おいしいよ、お姉ちゃん!」
「わーい!ありがと〜、くーやぁ。」
俺の感想を聞いたところで、みんながゆっくりと箸をのばしはじめた。
そして一口放り込むと…
「うむ、うまいぞ。」
「ええ…進歩したわね、海。」
「あぅ…わ、私の教え方がヘタだったのかなぁ…」
「ホントおいしいわ。それにしてもどうやって教えたの?」
「そーそー。」
とにかくみんなはそれが知りたいことだろう。
何せほんの少しの間に一気に上達したんだから、誰だって気になるところだ。
「いや、特別な事はしてないんだ。お姉ちゃんはおいしく作ろうとして作ると、めっちゃマズくなる。
 だったら、その逆ならどうかと思ったんだよ。」
「つまり…マズイものを作ろうとして作ると、おいしいものが作れたということ?」
「その通りです。」
「そ、そんなことでよかったなんて…」
「うーん、やっぱりお姉ちゃんとしては複雑だよ〜。」
ま、そりゃそうだよな。
「いやいや、うみよ。今はこれでもよいではないか。
 努力すれば、いずれは本当に気持ちを込めて作れる時が来るというものだぞ。」
「うん。そうなれるように頑張るよ〜。」
「今後はともえが教えてやるようにな。」
「わかった。」
「くうやもうみも、今回は大儀であったな。飴をやろう。」
「ありがとうございます。」
「わーい。」
やれやれ、無事にミッションが終了してよかったよかった。

48 名前:お姉ちゃんの料理修行(オマケ) :2005/03/27(日) 23:43:47 ID:jW3MvO5e
うれしいな〜うれしいな〜。
みんなにおいしいって言ってもらえてうれしいな〜。
「あ、高嶺お姉ちゃん。」
「海があそこまでおいしいもの作れるなんて思わなかったわ。」
「うん。でもね、最初は大変だったんだよ。
 マズイものを作ろうなんて、普通は考えないもん。」
「そうよね。」
「でもね、高嶺お姉ちゃんのおかげだったんだよ。」
「へ?」
「高嶺お姉ちゃんのために作ろうと思ったら、自然とうまくいったんだよ〜。」
「こら待て!それはどういう意味よ!アタシだったら残飯程度でもいいやって思ってるワケ!?」
「え〜、そんなことないよ〜。私、高嶺お姉ちゃんのためなら偽札だって大量に作れるよ〜。」
「うぬぬぬ…フンだ!」
あ〜あ、怒っていっちゃった。
カルシウムの足りないツインテールはイヤだね〜。

「なんなのよ、海の奴…!」
「お、姉貴。」
「ちょうどよかったわ!くらえ、シャイニングウィザード!」
「グエー!な、なにするんだ…」
「虫の居所が悪いのよ!アンタは黙って蹴られなさい!」
「うわーん!お姉ちゃーん!」
シャキーン!
「はい、お姉ちゃんですよー。高嶺お姉ちゃん、何やってるのかな〜?」
「う、海…」
「これはもうポイント溜まったから、アレを実行に移す時がきたね〜(チャキッ)。」
「な、何を取り出したのよ…あ、あわわわわ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

その後、高嶺お姉ちゃんはボウズ頭で発見されたよ〜。
どうしてだろうね〜。不思議〜(・ε・)。

49 名前:シンイチ :2005/03/27(日) 23:46:26 ID:jW3MvO5e
久々に書きましたが…もっと練ったほうがよかったですね。
結局またいるかちゃん出せなかった…

50 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/03/28(月) 01:00:50 ID:4INKLL52
お疲れ様です!
おもろいな〜。
お姉ちゃんの料理、逆転の発想でうまくなるとは・・・。
食ってみたいな・・・。
しかし姉貴、難儀だなー。

最後に。
sageたほうがいいっす。

51 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/28(月) 08:40:01 ID:FGBZRuhp
>>40-41
おぉ!いいね。

というか、
もしかしてさ...このスレ立っている事を
その職人さんが気付いてなかったりして...(苦w

52 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/28(月) 11:03:02 ID:mlMDEX/U
今さ、姉しよの同人ゲーム作ってるんだけどさ。
姉しよって互換キャラ作り易いのな。
とりあえず今作ってるヤツの互換を上げてみる。


H×Hより
団長=クロロ・ルシルフル(ダンチョー繋がり
イエヤス=ノブナガ(名前で
空也=シズク(掃除機繋がりw
京=パクノダ(悲劇繋がり
蛇の団=幻影旅団(やってくれと言わんばかり


聖闘士☆星矢より
雛乃=ライブラ(☆矢知ってるヤツなら理由が分かるはず
姉様=水瓶座(クールだから
姉貴=双子座(二つの顔もってるしw
摩周=牡羊座(優雅だから
いるかちゃん=獅子座(猪突猛進だから。変更の場合も有り


NARUTOより
マル=九尾の狐(ひなのん専用召喚獣

特撮系より
瀬芦里=仮面ライダータイガ(原作のタイガは最悪だけどね・・・
巴姉=ライダー全般(555だったり剣だったり・・・。技は剣かな
トーコ様=カイザ&ドラゴンオルフェノク(格好よさ重視。一番の萌えキャラですから

海はあえて分類させません。フリーウェアでは彼女の活躍少ない・・・海が嫌いなわけではないよ?

53 名前:保管庫の中の人 :2005/03/31(木) 01:32:21 ID:+kbmE4O7
>>51
前スレとか前々スレに山ほど投下してくれてる人なので
さすがにそれはないかと…。

54 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/31(木) 13:40:25 ID:VQuc+pRY
ともねえの指輪発見〜クロウ初戦のエピソードは既出?
ガイシュツじゃなかったらへたなりに書いたのを投下しようと思うのだが・・・。

55 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/31(木) 16:13:58 ID:bYo5eXva
>>54
既出じゃない気がする
いや、もう既出でもいいよ
とりあえず投下キボンヌ

56 名前:発見〜遭遇1/9 :2005/03/31(木) 17:12:54 ID:VQuc+pRY
ごそごそ。
私は今、家にある蔵の中で、今度の考古学のレポートに使えそうな資料が無いか探している。
この柊の家は古くからこの土地にあるらしく、そうなると家の蔵からも面白いものが見つかるんじゃないかと思ったから。
蔵を探し始めてから約三十分。
手前のほうにはお父さんが趣味で集めた骨董品がいくつもあったけど、どれも今回のレポートの参考にはなりそうもなかったから、今はもう少し奥を探している。

見上げると、荷物が詰まれた上のほうに、木製の小箱が一つある。
「なんだろう。あの箱・・・」
似たような箱はいくつも見てきたのに、あの箱に妙に惹かれるのは何でだろう?
中身、何が入ってるんだろう。
「と、届くかな。」
少し背伸びをすれば届きそうだ。
「も、もう少しで・・・届いた!ん?うわっ。」
ぐらり
どーん
荷物がいくつか倒れてきた拍子に私も尻餅をついてしまった。
「いたた・・・。」
「何だ今の音は?巴か?大丈夫か?」
お昼を食べ終わって縁側でまったりしていた雛乃姉さんが、蔵の戸口のところから声をかけてくれた
「あはは、大丈夫だよ雛乃姉さん。」
そう雛乃姉さんに答えてから、手元に落ちてきた小箱をみる。
ずいぶんと古そうだ。
箱の表面に何か書いてあるけど、達筆すぎて読めない。
何でか分からないけど、どうしてもこの箱の中身が見たい。
手が自然に箱の蓋へと導かれてる気がする。
蓋を開けてみると、
「・・・指輪?」

57 名前:発見〜遭遇2/9 :2005/03/31(木) 17:13:33 ID:VQuc+pRY
かわいい、とは思わないけど、はめてみたくなった。
左手の薬指に指輪をはめる。
一瞬、沖縄にいる空也のことが頭に浮かんだ。
「あは。けっ、結婚指輪。」
自分で言っておいて何だけど、恥ずかしい。
頭に血が上ってくるのが分かる。
くらくらしてきて、感覚が麻痺して、視界もぼやけてきた・・・って何かおかしい!
ばっ。
急いで指輪をはずすと、頭がすっきりして、視界もクリアになった。
まさか、この指輪のせい?
「モエー!どこー?晩御飯まだー?早くしないとツインテール焼いてたべちゃうぞ〜!」
えっ?
セロリ姉さんの声で我に返る。
蔵の中から外を見ると、もうとっぷりと日が暮れていた。
そんなはずは・・・。さっき雛乃姉さんが声をかけてくれたときは、午後も早いうちだったのに。
箱に戻した指輪を見つめていると、高嶺の悲鳴が聞こえてくる。
しまった!夕飯の買い物もまだだった!
急いで蔵から出て、居間で高嶺のツインテールを引っ張っていたセロリ姉さんを見つける。
「セロリ姉さん早まらないで!こっ、これから買い物にいって来る。」
「え〜!これからなの?じゃあもうこのツインテールのことはあきらめてね。」
「ちょっと、いい加減に離しなさいよ!巴姉さんも早くこの猫どうにかして!」
「あぅ、高嶺っ!耐えて!お姉ちゃん、すぐ帰って夕飯作るから!」
「巴お姉ちゃん、ゆっくりでいいからね〜(・3・)」
急いで支度をして、ラスカルにまたがった。
そういえばあの指輪、なんだったんだろう?
今度お父さんが帰ってきた時、聞いてみようかな。
あぅ、それより商店街、まだ開いてるお店あるかな。
私はエンジンを噴かして商店街へ急いだ。


58 名前:発見〜遭遇3/9 :2005/03/31(木) 17:14:24 ID:VQuc+pRY
お、お父さん。ちょっと、見てほしい物があるんだけど。」
「んー?なんだ?婚約者の写真でも見せて、パパにどう思うか判断してほしいのか?
ならばあえて写真を見る前に否!と言っておこう。
しかしがんばって説得するお前を見て、ワシも最終的には折れて・・・」
「あぅ。ちっ、違うよ。これ、なんだけど。」
今日は久しぶりにお父さんが帰ってきた。
とは言っても、帰ってきたのは夜の九時過ぎで、明日も早くに出て行ってしまうらしい。
ちょうど二人っきりになったので、例の指輪について聞いてみることにした。
あの日、夕飯の片付けも終わった後に部屋に戻ると、指輪の箱が机の上に乗っていた。
蔵の中から持ち出した記憶は特になかったのに。
それでさらに興味を惹かれてしまったんだ。
「ん〜〜〜。ダメだな。」
「えっ?」
「こんなセンスの無い指輪を贈る男なんて、パパ、賛成しかねる!」
「ちっ、違うって!この指輪、家の蔵で見つけたんだ。お父さんのじゃないの?」
「ワシはこんな指輪、知らんぞ。買った覚えも無いしな。欲しいのか?それ。」
「そういうわけじゃないんだけど・・・。」
「ま、気に入ったなら巴、お前にやろう。家の蔵にあったんなら、ワシの物といっても間違いじゃないからな。」
「ありがとう。」
「さてと、じゃあパパはほかの娘達(特に要芽)とも親子の愛情の確認にでも行ってくるからな。」
お父さんはそういうと、意気揚々と二回へ上がって行った。


それから私は、指輪を右手薬指にはめて生活した。
この間みたいにめまいが起こるかと思って、はめる時はちょっと不安だったけど、もうあんなことは起こらなかった。
最初は姉さん達や妹たちにからかわれたけど、不思議と外す気にはならなかった。
ちょっと指輪が大きめって事もあって、台所で水仕事するときは無くさないように外したりしてた。

59 名前:発見〜遭遇4/12 :2005/03/31(木) 17:21:27 ID:VQuc+pRY
居間のテーブルの上に料理を並べていく。
すると間もなく、みんなが集まってきた。
「「いただきます。」」
「ふにゃ〜、モエの作る晩御飯はおいしいにゃ〜。」
「あぁ!それはアタシのエビフライよ!勝手に食うなぁ!」
「タカがエビフライ食べたらダメだよ。共食いになっちゃうよ?」
「ならないわよ!返せー!このどら猫が!」
「しょうがないなー。ほい。」
セロリ姉さんが高嶺のお皿に尻尾だけ返した。
「やったね!高嶺お姉ちゃん。それ食べたら、自慢のツインテールにさらに磨きがかかるかもよ〜。」
「くぅ〜。この馬鹿コンビがぁ〜!」
高嶺が私のほうを見る。
「巴姉さんは、もう十分大きいんだから、食べなくても平気よね〜。エビフライ、頂戴。」
私が返事をする前に、高嶺が私のお皿からエビフライを持っていく。
「あぅ・・・。そんなにもって行くの?」
「何か文句でもあるの?アタシおなかが減って死んじゃいそう・・・。」
「そっ、それはダメだ!もっと持っていっていいよ。」
「うまうま。タカのエビフライ、うまうま。」
「あぁ〜!巴姉さんからもらったエビフライまでぇ!」
「高嶺、セロリ。そんなに食べちゃったら巴がかわいそうでしょう?私のを少し分けてあげるわ。」
そう言って要芽姉さんは私のお皿に野菜を移していく。
「あは、あ、ありが・・・」
キンキンキン・・!

60 名前:発見〜遭遇5/12 :2005/03/31(木) 17:23:14 ID:VQuc+pRY
え?
なんだろう?耳鳴りがする。
ドクン、ドクンドクッドクッドクドク。
動悸も激しくなって、全身を血が駆け巡るのを感じる。
体が、熱くなる。箸を持つ手にも汗がにじみ出てくるのが感じられる。
・・ンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
行かなきゃ!
バッと立ち上がり居間を出ようとすると、雛乃姉さんに呼び止められた。
「巴!どこに行くのだ?まだ食事にあまり手をつけてないではないか。」
振り返ると、みんなが箸を止めて私のほうを見ている。
「・・・私、行かなきゃ!」
それだけ言って、ラスカルの所まで走った。

「ほれ、セロリ、高嶺。巴が泣いて走っていってしまったではないか。少々やりすぎよの。後で巴に謝っておくのだぞ。」
「は〜い。」
「す、すみませんでした。雛乃姉さん。」
「それから要芽、お前もどさくさにまぎれて・・・」

61 名前:発見〜遭遇6/12 :2005/03/31(木) 17:25:23 ID:VQuc+pRY
動悸がまだ止まらない。
春先とはいえ、まだ夜にバイクにジャケットも着ないで乗るのは寒いのに、体もぜんぜん冷えない。
それに、私はどこに向かっているんだろう?
体が向かうべき場所を知ってるように、自然にハンドルを切る。
それにだんだん、耳鳴りも強くなってくる。

海岸通りに出た。
「ん?な、なんだろう、あれ。」
砂浜のほうを見ると、人影が二つ。
そのうち一つはもう一つの影より頭四つ分ぐらい大きい。
あそこだ!
ラスカルを道路脇に止めて砂浜へ走って降りた。
「えっ?」
思わず声が漏れた。
男の人が一人、うつ伏せで倒れていて、側には鳥の頭をした人が立っている。
男の人の周りの砂は、より黒かった。
死んでる?
ガクンとひざをついてしまった。
その音に、鳥頭が私のほうを見た。
鳥頭は私のほうを見ながらも、男の人のほうに歩んでいく。
鳥頭の影が倒れている男の人の上に不自然に伸びて、ざわざわと波立ったかと思うと
「お、男の人が、きっ、消えた?」
その私の声に答えるように、鳥頭がシャーっと威嚇するように口をあけた。
動悸と耳鳴りがさらに激しくなる。
こっ、殺される。
鳥頭が私のほうに歩み寄ってくる。
逃げなきゃ!
立ち上がろうとしたその時
『・・・クロウ・・・』
「え?」

62 名前:発見〜遭遇7/12 :2005/03/31(木) 17:26:52 ID:VQuc+pRY
私のお腹の底辺りから、声が響いてきた。
いつの間にか耳鳴りが止まっている。
『戦え』
「えっ?だっ、だれ?」
その間にも鳥頭は近寄ってくる。
『クロウ・・・戦え・・・纏身・・・』
クロウって、あの鳥頭のこと?
それに戦えって?
逃げなきゃいけないのに、体がしびれて動かない。
クロウも目の前に立って腕を振り上げた。
ダッ、ダメだ。殺される!
『纏身しろ』
「纏身っ!」
わけもわからず叫んだ。
クロウの手が振り下ろされるのが見えた。
ドーーーーーン!
「クウェァーーーー!」
?どうなってるんだ?何でクロウの手が無くなってるんだ?
それに
「なっ、何これ?」
私の手が、紫色のごつごつしたものに変わっていた。
いや、手だけじゃない!
足も!
体も!
顔も!
「い、いやぁ!」
『ジガ・・・戦え・・・クロウを・・・倒せ!』
「やだぁ!たっ、戦うなんて!」
「ジ・ガァーーーーーーーー!」
クロウが私のほうに駆けてくる。

63 名前:発見〜遭遇8/12 :2005/03/31(木) 17:35:33 ID:VQuc+pRY
『倒せ、・ぉせ、タォせ、たぉ・、殺せ!』
「まっ、まって!何で傷付け合わなきゃいけないんだ!なっ、仲良く・・・」
ガッ!
クロウが片腕でパンチを入れてきた。
すんでのところでそれを払いのけた。
すごい勢いなのに不思議と、手が痛くない。
続けてクロウがパンチや蹴りを何発も入れてくる。
「クワァァァアア!」
「まって!あぅ!い、嫌だ。戦うなんて!殺すなんて!」
『殺せ!・・・も家族・・・れた。倒せ!殺せ!』
え?今、家族って・・・。
家族・・・。
その時、雛乃姉さんや要芽姉さん、セロリ姉さんに高嶺、海、そして沖縄の空也の顔が浮かんだ。
さっきの男の人は、このクロウに殺されたのかもしれない。
だとしたら、だとしたら、クロウがみんなを襲わないとは限らない!
嫌だけど、人殺しとはいえ、怪物を殺すのは嫌だけど、家族が殺されるのは
「もっと嫌だ!」
バチン!
「クァ?」
クロウの一撃を、今まで以上に強くはじいた。
その衝撃で、もう一本のクロウの腕も吹き飛んだ。
格闘技なんて遊びでセロリ姉さんが教えてくれたぐらいしか知らないのに、頭の中で、私の放つ一撃がクロウにあたる映像がイメージできる。

64 名前:発見〜遭遇9/12 :2005/03/31(木) 17:37:59 ID:VQuc+pRY
スッ。
「はあぁぁぁぁ・・・」
構えて、拳に力をためた。
「ゲガァァァァァアァアアア!」
クロウが最後の抵抗という感じで、猛突進してきた。
「てやぁぁああああ!」
ドグチァッ!
クロウのお腹ど真ん中に当たり、クロウは吹っ飛んで光を放って・・・
「ゥェェェェエ・・・」
ドゴオオォォン
爆発の後、奇妙に光る粉が舞い、風に吹かれて消えた。
「こっ、殺しちゃった。」
ぽすっ。
力が抜けて、再びひざを砂浜についた。
「あ、あは、これじゃあ、わ、わたしも、同じじゃないか。か、怪物だよ。姿も、こんなになっちゃったし。」
ふらりと立ち上がって、テトラポットの陰にうずくまった。
こんな姿じゃ、見つかったら大変だ。
なんで、こんなことになっちゃったんだろう?
もう、元の姿に戻れないのかな?
もう、家族には会えないのかな?
これからも、ずっと戦っていかなきゃいけないのかな?
「うう・・・。うえぇぇええぇ。ぐすっ。うぇぇええええん・・・」

65 名前:発見〜遭遇10/12 :2005/03/31(木) 17:39:53 ID:VQuc+pRY
「モーエー!どーこいったー?」
あれ?寝ちゃってたのかな?
まだテトラポットの陰、って言うことは、あれは夢じゃなかったんだ。
「巴姉さーん!」
「おっかしーなー。確かにこっちからモエの匂いがしたんだけどなぁ。」
セロリ姉さんと、高嶺の声だ。
探しに来てくれたのかな?
自分の手を見てみる。
でも、もうこんな姿じゃ・・・あれ?戻ってる。
「あ、あそこに巴姉さんのバイクがあるわよ!」
「よしっ!砂浜に下りてみよう!」
顔も、手も、足も!戻ってる!
ジャリッ。
なんだろ?お腹の辺りから・・・
服の上からお腹を触ってみると
「うわっ、お腹辺りと、背中は・・・」
まだ直ってなかった。
右手を見ると、指輪がなくなっている。
どこいったんだろ?なくしちゃったのかな?
そう思った瞬間
シュイン
指輪が薬指から浮き出てきた。
「なっ、何これ!外さなきゃ。」
はっ、外れない!
うそ!
あんなにユルユルだったのに!
「おっ、モエはっけーん!」
あっ、セロリ姉さんに見つかった!
引っ込め!
シュルン、ズブズブ・・・

66 名前:発見〜遭遇11/12 :2005/03/31(木) 17:48:21 ID:VQuc+pRY
ほっ、本当に引っ込んじゃった。
今のでなんとなく分かった。
多分今夜起きた一連の出来事は
「この指輪のせい?」
「モーエ!心配したんだぞ!こんなところで、って、かなり目が真っ赤だね。」
「ちょっと〜、アタシをおいていかないでって言ってるでしょ〜。」
「あっ、セロリ姉さん。たっ、高嶺も。」
「もう、巴姉さん、心配かけないでよ。急に飛び出していって。」
「私たちだけじゃなくて、要芽姉もうみゃもモエを探してたんだよ。ひなのんは家で捜索本部長ね。」
「えっ・・・?い、今、何時ぐらい?」
「十二時になるところよ。もう、落ち込むのは勝手だけど、迷惑はかけないでよね。そりゃあ、アタシが姉さんのエビフライ取ったのは悪かったけど・・・。」
「タカ、そうじゃないでしょ。」
「うう・・・。分かってるわよ!ごっ、ごめんなさい。巴姉さん。」
二人の顔を見る。
セロリねさんは飄々と、高嶺は何でか申し訳なさそうに私を見ていた。
すると、自然に涙が出てきた。

67 名前:発見〜遭遇12/12 :2005/03/31(木) 17:49:12 ID:VQuc+pRY
「うっ、ぐすっ、うえぇぇぇぇぇぇぇ・・・」
「ありゃりゃ、またタカがモエを泣かした。ひなのんにちーくろ!」
「何でアタシなのよ!元はと言えばあんたがアタシのエビフライ・・・」
ああ、そうだ。
私はみんなを守らなきゃいけないんだ。
この日常を、奪われるわけにはいかない。
そのためには、戦わなきゃ。
弱音なんか、言っていられない。
「えぐっ、えぐっ。」
「さー、モエ。もう戻ろ。いつまでもこんなところにいると、風引いちゃうよ。」
「うっ・・・ぐすっ。うん。」
「巴姉さん。」
「ん?ど、どうしたの?」
「帰りはー、巴姉さんの後ろに乗って帰っていいかな?セロリ姉さんの後ろ、怖いんだもん。」
「あぅ、そっ、それはダメだ!」
背中とお腹に触れられるわけにはいかない。
「えー、なんで?まだ怒ってるの?」
「怒ってはいないけど・・・お、お姉さん命令。」
「わ、分かったわよ。それくらいの命令、罪滅ぼしに聞いてあげるわ。でも、これでもうおあいこよ!」
「ほれ、タカ、行くよ。帰りも風にしてあげるよ。モエも、帰ろ!」
「うんっ!」
この先何が起ころうとも、私は絶対に、家族を皆を守ってみせる。
そして私は、ラスカルにまたがり、家に帰った。

68 名前:SSD :2005/03/31(木) 17:52:12 ID:VQuc+pRY
思ったより長くなってしまった。
途中から予定数変わってるし
無駄に長いし。
吊ってきますorz

69 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/31(木) 19:52:31 ID:WuH++B5D
やっぱかっこいいなぁ。

70 名前:名無しさん@初回限定 :2005/03/31(木) 20:52:30 ID:3NHw/6u4
すげぇ、格好よすぎ。あと、
>「あは。けっ、結婚指輪。」
ってとこに萌え萌えだー(*´∀`)ポワワ


(・ε・)無粋なツッコミだけど、私の顔はこうだよ〜

71 名前:SSD :皇紀2665/04/01(金) 01:13:00 ID:MhLWJdEB
>(・ε・)無粋なツッコミだけど、私の顔はこうだよ〜
ウグヘェボラァ!
何か違うなと思うとなしに思ってたんだ・・・。
ごめんよ。海お姉ちゃん。

72 名前:名無しさん@初回限定 :エロゲ暦24/04/02(土) 01:02:47 ID:iU3QGGeW
職人様に感謝を


※佐藤 良美
       __
    '´,  `ヽ
   《ミi(从从))
   <メ(リ゚ ー゚ノ)>
  . 〃⊂)个)つ
     く/_|j〉
      し'ノ

※蟹沢 キヌ
      _
    '´,  `ヽ
    !爪リリ从)ゞ
   ノwリ゚ ヮ゚ノル
    ⊂)个iつ
   .  く/_|j〉
       し'ノ

※大江山 祈
        _
    '´, '^V^ヽ  。
   i |从゙"ソリj /
   | (リ´ヮノリ/
   |_リ〈(`ー')つ
     /'`´|
      `tァァ


73 名前:SSD :2005/04/04(月) 08:21:58 ID:eLIYcD2+
もう一個SS行きます

74 名前:六姉妹探偵の事件簿〜解決編〜 :2005/04/04(月) 08:23:47 ID:eLIYcD2+
雛乃の場合
「空也、犯人は、お前であるな?」
「なっ、違うよ。俺じゃないよ。」
「たわけ!とぼけるつもりか!?」
「俺じゃないって、本当だよ。」
「この雛印の印籠が、目に入らんとでも言うのか!」
「ははーーっ!」
「えっへん!」
「って、姉さん、そんなことじゃ俺が犯人だって言う証明にはならないよ。第一、推理すらして無いじゃない。」
「す、推理とな?」
「そう、証拠もちゃんと示さなきゃダメだよ。」
「ムムム、難しいものよな。でも、何だ、アレだ。これから我が推理を展開し華麗に事件の真相を暴いていく姿をどこをどこのプロデュー

サーが見ているかも分からんであろ?ああ、心配するな。そうなった時でも我(ry」
「・・・」

要芽の場合
「空也、犯人はあなたね!」
「うっ、そう言うからには、ちゃんとした推理と証拠があるんでしょうね?姉様。」
「当たり前じゃない。私を誰だと思っているの?アリバイの証明からはじめるわ。まず、あの時雛の姉さんは・・・」
・・・
「まっ、参りました。確かに俺がやりました。」
「ふふふ。やっと認めたわね。でもね空也。私だってこのままかわいい弟を犯罪者として扱うつもりは無いわ。」
「姉様・・・」
「司法取引って知ってる?」
「裁判で検察側と弁護側の同意により被告が罪を認めた場合景気が軽くなるってあれですか?でも、今は裁判じゃないし、検察官も弁護士

も・・・」
「そうよ。だからあなたを私の好き放題にさせてくれるなら、見逃してあげるって言っているのよ。」
「警察行って自首してきます。」


75 名前:六姉妹探偵の事件簿〜解決編〜 :2005/04/04(月) 08:27:13 ID:eLIYcD2+
瀬芦理の場合
「空也、犯人はあんただねっ!」
「なっ、何を言っているんだよ。俺じゃないよ。ねぇねぇ。何か証拠でもあるのかよ!」
「ない。」
「無いって・・・。じゃあ何で俺が犯人だと思ったの?」
「勘、かな?」
「勘って(汗」
「おっ、汗を書いたね空也。」
ぺろり
「うわっ、何でいきなりホッペを舐めるんだよぅ。」
「この味は嘘をついてる味だよ!柊空也!」

巴の場合
「はっ、犯人は、空也だっ!」
「違うよ。なんか証拠でもあって言ってるの?ともねえ?(さわさわ」
「あぅ・・・しょ、証拠なら、あっ、あるよ。」
「へぇ・・・。証拠はこの豊かな胸の谷間にあるのかな?(モミモミ」
「あぅ!ちっ、違うよ。しょ、証拠は・・・あっ・・・はっ、離して!」
「何?ともねえ、感じてるの?お友達(ぬいぐるみ)に聞かれちゃってるよ?(がばっ」
「くっ、空也はいい子だからエッチなことはダメだ!だから・・・どっ、どいて。証拠見せるから。」
「ともねえは俺のこと犯人だと思ってるんでしょ?だったらいい子じゃないから続けます。(ジジジィ・・」
「やっ、やめてよぅ・・・ぐすっ、うえぇええぇえ・・・。」


76 名前:六姉妹探偵の事件簿〜解決編〜 :2005/04/04(月) 08:36:04 ID:eLIYcD2+
高嶺の場合
「イカ、犯人はアンタね。」
「何で俺が犯人だって思うんだよ。姉貴。きちっとした推理と証拠はあるのか?」
「ハァ?何で私がわざわざそんなこと説明しなくちゃいけないのよ?」
「いや・・・、だって探偵ってそういうものでしょ?」
「私がアンタが犯人だって言ってるんだから、間違いなワケが無いでしょ?」
「そんな事、理不尽だ!証明できないなら俺は犯人じゃない!」
「何を勘違いしているのかしら?私がこう言っているんだから(ゲシゲシ、アンタはおとなしく(ぐりぐり、お縄につけば(コロコロ、いい

のよ!(プチンプチン」
「海オネイチャ〜ン!」

海の場合
「く〜や!呼んだ〜?」
「姉貴が俺が犯人だって決め付けるんだよぅ」
「犯人は、空也じゃないよ〜。」
「なーんでそうなるのよ!状況が空也が犯人だって示してるじゃないのよ!アンタだって、何でイカの事疑わないのよ?」
「愛のなせる業だよ〜」
「証拠だってあるのよ!これとそれとあれと・・・」
「むっ、悪魔で空也を疑う気だね〜?高嶺お姉ちゃん?」
メモメモ〆(._.)
「高嶺お姉ちゃん、満期・・・と(ボソ」
「何メモってるのよ!満期って何?」
「高嶺お姉ちゃん、懺悔の時間だよ〜(・ε・)」

おわり


77 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/04(月) 11:31:34 ID:JvcHSgbN
ともねえ…

78 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/04(月) 20:12:09 ID:isoDZDjF
ねぇねぇで吹いたw

79 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/05(火) 18:18:59 ID:8FoWB7Dc
ブチャラティワロタwww

80 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/04/08(金) 03:16:23 ID:xEkkVoDy
また丸投げしまーす。

81 名前:TAKE1 1 :2005/04/08(金) 03:28:45 ID:xEkkVoDy
久しぶりに集まった、昔の友人たち。
昔話に花が咲き、またそれを肴にして酒を酌み交わす。
「ちょっと酔っちゃったかな?風に当たってくるね」
「あー、俺もちょっと当たってくるかな」
「お前、変なことするなよ」
「うるせー。するかよっ」
2人で外に出た。
「・・・・・・星」
「え?」
「きれいだな」
「・・・そうだね」
「・・・・・・みんなでこうやって集まるの、何年ぶりかな」
「5年ぶり、かな」
「・・・・・・そうか」
2人で空を見上げた。
「寒いな」
「当たり前よ、冬だもの」
「でもな・・・」
「北国生まれのくせに、なに言ってるの」
茶化すように、彼女が言った。
「うるせー。ほっとけ」
「変わってないね。全然」
「あ?」
「ちょっと都合悪くなると、すぐに「うるせー」って言うの」
「う、うるせーよ」
「ほら、あはは」
「ほっとけ」
「あ、そうそう。それもよく言ってた」
「ちっ」
思いっきりからかってやがる。

82 名前:TAKE1 2 :2005/04/08(金) 03:32:23 ID:xEkkVoDy
「・・・・・・でも」
「なんだよ、まだあんのかよ」
「一つだけ、・・・変わったね」
「なにが」
「カッコよくなった」
「それだけかよ」
「うん。それだけ」
「つまんねー」
「でも、カッコいいのはホント」
「言ってろ」
「ねえ」
「ん?」
「あたし、どこが変わったと思う?」
「は?」
「言ってみて」
「変わってねーよ」
「うそ」
「変わってねーって。その性格」
「あ、ひどーい。傷つくなぁー、その言い方」
「まあ」
「ん?」
「綺麗になったな、昔より」
「ホント?」
「それに・・・」
「それに?」
「スタイルがよくなった」
「昔からだったでしょ」
「いや」
「・・・・・・?」
「胸が、昔より大きくなった」
「スケベ」


83 名前:TAKE1 3 :2005/04/08(金) 03:39:43 ID:xEkkVoDy
そんなことを言いながら、空を見上げてた。
「・・・彼氏、いるのか?」
「・・・・・・いるよ」
「そっか」
「・・・・・・うん」
「いいやつか、そいつ」
「・・・・・・まあね」
「そっか・・・・・・・・・」
一瞬、強い風が吹いた。
「寒ーい。私、先に戻るね」
背を向け、中に戻ろうとする。
ギュッ。
「ちょ、ちょっと。なんのつもり?」
「・・・・・・・・・」
彼女を抱きしめた。強く、強く。
「ちょっと、痛いって」
「・・・・・・・・・」
「いくら昔から無愛想で口数が少なかったとはいえ、これは言ってもらわないとわからないわよ」
「・・・・・・・・・」
「ふざけてるつもり?」
「・・・・・・やろう」
「え?」
「・・・ばかやろう」
「なんで、ばかやろうなのよ」
「・・・・・・・・・」
「さ、戻るから離して」
「・・・・・・・・・」
「離してよ」
「・・・・・・くな」
「え?」
「・・・行くな」

84 名前:TAKE1 4 :2005/04/08(金) 03:43:20 ID:xEkkVoDy
「・・・・・・え?」
「どこにも行くな。俺のそばにいろ」
「・・・・・・・・・」
「俺だけのものになれ」
「!!」
そのまま、しばらく黙ってしまう2人。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・カ」
「ん?」
「・・・バカ」
俺の冷たい手に、暖かい滴が落ちてきた。
「なんだって?」
「・・・バカ」
「なんでバカなんだよ」
「バカだから、バカって言ってるんじゃない」
「なんでだよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「おい」
「・・・遅いのよ」
「あ?」
「・・・遅すぎるのよ」
「なにが」
「・・・もう、ホントに鈍いんだから」
「・・・・・・」
「私の今のこの気持ち、どうすればいいのよっ!」
「・・・・・・ごめん」
「謝らないでよっ!また、出てくるじゃないっ・・・うっ・・・うぅっ・・・・・・」
「泣いてる、のか・・・・・・」
彼女の体の向きを、俺のほうに向ける。
「見ないでよ・・・・・・」

85 名前:TAKE1 5 :2005/04/08(金) 03:45:12 ID:xEkkVoDy
泣いてる顔を見られまいと、俺から顔を背ける。
それを強引に俺のほうに向け、唇を奪う。
「んっ」
短く、彼女の唇を覆う。
「っはぁ、ちょっと、いきなりなによっ、んんっ」
また彼女の唇を、今度は長く覆う。
「んふっ、ん・・・・・・」
互いの舌を絡め合い、味を確かめ合う。
雪は、降っている。
しずしずと、白く、2人の周りに降り積もる。
2人の周りだけ、時間が止まってるかのようだった。
お互いの気持ちを確かめ合う接吻は永く続いた・・・・・・・・・。

86 名前:TAKE1 6 :2005/04/08(金) 03:52:12 ID:xEkkVoDy
「かぁーーーっと!!」
「お疲れー、2人とも」
「くーやぁ、寒かったでしょ〜。はい、ジャケット〜」
「ありがとうお姉ちゃん」
「はい姉さん、紅茶」
「ありがとう」
「うむ、2人とも、御苦労であった。飴をやろう」
「ありがとう、姉さん」
「ありがとうございます」
俺たちは今、北海道にいる。
しかも、冬真っ盛りのこの時期に。
なんで、そんな時期に来ているかというと・・・。
「やぁー、2人ともお疲れー!なかなかグッと来たよ」
そう、この人、瀬芦里ねぇねぇが事の発端である。
全員、居間でまったりしているところに突然えぇねぇが来て、「自主制作映画を撮ろう!」とか言いだし、あれよあれよという間に、ここまで来てしまった。
ちなみに、企画・脚本・演出がねぇねぇで、監督は雛乃姉さん、カメラ・編集が海お姉ちゃん、アシスタントがともねえ、高嶺姉貴は「カチンコ」と、「お前、変なことするなよ」等の男役のセリフ(お姉ちゃんが編集の時に姉貴の声を変換するって言ってた)である。
そして、役者がオレと要芽姉様。オレとしては何ともおいしい役目だ。
姉様も、あまり乗り気ではないが、まんざらでもない様子だ。
ただ、少し機嫌が悪い。いきなりこんな事になったこともあるが、一番の理由は・・・。
「空也ちゃん、お疲れっ☆甘酒飲む?」
「クーくん、お疲れ様」
そう、帆波ねぇやと歩笑ねーたんも来ている。
ご存じの通り、姉様はねぇやとはあまりうち解けていない。
以前よりはだいぶいいのだけれど。
ただ、いるだけならまだよかったのだけど、
「ほなみよ、今の2人の演技はどうであった?」
「そうねー、まずまずいいんだけれど、もう少し硬さをとったほうがいいかなぁ」
そう、演技指導で来ているのである。
「で、あるか。具体的には?」
「まず、要芽ちゃんは、セリフをもう少し自然に言えば、あとはオッケーよっ」
「ふむ。では、くうやは?」
「空也ちゃんは、たまに自が出そうになってるから、そこを気をつけてねっ☆」

87 名前:TAKE1 7 :2005/04/08(金) 03:57:11 ID:xEkkVoDy
「うっ」
本職やってるだけあって鋭いなぁ。
とりあえず、今のシーンはオーケーらしい。
「ねぇねぇ、こんなの撮ってどうするの」
「ん、それはね、んっふっふっふっ・・・」
「な、なんだよぅ、教えてくれてもいいじゃん」
「実は・・・、ネットで公開するんだ」
「えっ?」
「それで見た人から、いくらか払ってもらうんだ」
「やっぱり、そういうことだったのか・・・」
「なによー、要芽姉とおいしい思いしてるくせにぃー」
「そ、その件は、どうも」
「あとで、たーっぷりとお礼してもらわないと割に合わないにゃー」
と言って、じと目でこっちを見てくる。
「うっ、わかったよ・・・・・・」
「さーて、なにでお礼してもらおうかなぁ」
うっ、なにでお礼させられるか想像するのがすごく怖い・・・。
「ところで、ぽえむよ。作家の立場から見て、すとーりーはどうであるか?」
「ちょっとシンプルすぎる・・・」
「確かに言えてる〜」
「いいじゃん、初めてなんだから。ところで、うみゃ。準備はできた?」
「いつでもオーケーだよ〜」
そういうと、どこから出したのか、お姉ちゃんはハイタワー型のデスクトップパソコンとノートパソコンを目の前においていた。
「じゃ、2人とも。次のシーン、いくよー」
「まだあるの?いい加減寒くなってきたわ」
「まあまあ要芽姉。次のシーンは暖まるからさ」
「?」
「では、次のシーンの内容、ひなのん!発表お願いします」
ねぇねぇがそういうと、雛乃姉さんが紙を取り出し読み上げた。

88 名前:TAKE1 8 :2005/04/08(金) 04:01:10 ID:xEkkVoDy
「うむ。次は、2人が交わる“しーん”だ」
「・・・・・・は?」
一瞬なんのことかわからなかった。
「交わるって、なにが」
「人と人に決まっておろう」
「誰が」
「かなめとくうや、おぬしら2人しかおらぬだろうが」
「どこで」
「ここに決まっておる」
「いつ」
「今だ。分かりきったことを聞くでない、このたわけ者」
そういって姉さんはオレの頭を扇子でペシ、と叩いた。
「ちょっと瀬芦里!どういう事!?」
「あそこまで熱いキスしておいて、終わりってのはちょっとねぇー」
「そうじゃなくて、私たち2人を凍死させる気!?」
「大丈夫だって、全部脱ぐワケじゃないし」
「そういう問題じゃないでしょう!」
「いいじゃん、これっきりなんだから」
「とにかく、私は降りるわよ」
「でもぉ、要芽姉もわりと本気でキスしてた様に見えたけどぉー」
図星をつかれたのか、一瞬言葉が詰まる。
「っ、瀬芦里!!」
「あはは、ごめんごめん。でも、今日はそんなに寒くないらしいし。それに、慣れてきたでしょ?」
「まさか、この衣装はそのために選んだの?」
「ピンポーン」
「・・・はぁ、迂闊だったわ」
「で、やる、やらない?」
「・・・・・・」


89 名前:TAKE1 8 :2005/04/08(金) 05:35:31 ID:xEkkVoDy
姉様は黙り込んでしまった。そこへ、ねぇやが近づいていった。
「どうしたの要芽ちゃん?浮かない顔してるわよっ?」
「少し黙ってくれる?」
「あン、要芽ちゃん冷たーい。帆波おとなしくしてるのにー」
そういって両手の人差し指をツンツンさせる。
「ところで瀬芦里ちゃん。次のシーンってどんな感じなの?」
「あんた話聞いて無かったんかい」
「念のためよっ」
絶対嘘だ。
「次のシーンは、クーヤと熱く絡むんだよねー」
「あン、こんな屋外でなんて淫靡だわっ」
「で、いま役者のオーケー待ちなんだけど・・・」
「ふーん」
そういって、唇に人差し指をあててねぇやは少し考えていたようだった。そして、
「じゃあ、要芽ちゃんがやらないなら、私がやる!」
「えっ!?」「おっ」「!!」
なんて事を言い出すんだ、あんた。
「でも、役者が変わっちゃうしなぁ」
「うんうん」
確かに、役者が変わってるのはマズいよな。
「大丈夫よっ。うちの事務所のメイクさん連れてきたから☆」
「なぜに?」
「女優はいつでも出る準備しておかないと」
そう言って、ウインクを飛ばすねぇや。
「・・・あ、そう」
深く突っ込むのはやめよう。
「でもメイクだけじゃごまかし効かないっしょ?」
「ノープロブレム!そのメイクさん、ハリウッドでVFXって言うんだっけ?それの特殊メイクチームにいたらしいの」
「えっ、すごいじゃん!じゃあ、とりあえずメイクしてきてくれる?」
「オッケー☆」
そういって、ねぇやはロケバス、というかただのレンタカーの中に入っていった。

90 名前:TAKE1 9 :2005/04/08(金) 05:37:18 ID:xEkkVoDy
2時間後・・・。
「おまたせー」
「ねぇや、どんな感、じに・・・」
「ワオ。超そっくり・・・」
「で、あるな。喋らなければどちらが本物が分からんのう」
「姉さん、そんな・・・」
あ、姉様が珍しく焦ってる。
確かに、声聞かなきゃ分かんないくらいそっくりだもんなぁ。
「でもさ、声はどうするの?いくら外見が似てても声が違っちゃあマズいよ」
「その点は、うみゃ!」
「帆波さんの声の周波数いじって、要芽お姉ちゃんの声に変えちゃうからだいじょ〜ぶ!」
「じゃあ、進路オールクリアねっ☆」
「待ちなさい!」
その流れを、姉様が遮った。
「あなたにやらせるくらいなら、私がやるわ」
「あらぁ、やる気無かったんじゃないの」
「ふっ、気が変わったのよ」
「・・・そっ。じゃあ、がんばってね要芽ちゃんっ」
「あっさりと引き下がるのね」
「だって、他人の役を奪ってもおもしろくないもの」
「・・・そう」
「でもいいなぁ、空也ちゃんと青姦なんて」
「ねぇや、下品な言い方しないでよ」
「だって、事実じゃない。淫乱だわっ」
「黙れよ」
「あン、いつもの要芽ちゃんだわっ」
「2人ともー!そろそろいくよー」
ねぇねぇがオレたちを呼んだ。
「わかったー」


91 名前:TAKE1 10 :2005/04/08(金) 05:39:15 ID:xEkkVoDy
そう返事をして所定の位置へついた。
そこでねぇねぇは、とんでもないことを口にした。
「あ、ちなみにこのシーン、ライブ配信するから」
「・・・はい?」
瀬芦里さん、今なんて言いました?
「えっ、どういうこと?」
「だから、ライブ配信。つまり、生撮り」
「・・・マジで?」
「マジで」
「じゃあ、あのパソコンは・・・」
「ライブ配信用にうみゃに用意してもらったんだ。うみゃー、準備オッケー?」
「いつでもいけるよ〜」
「間接視姦だなんて、エロいわっ」
「・・・ねぇや、まだそのカッコしてたの?」
「あっそうだ。歩笑ちゃん脅かしてきちゃおっと」
人の話聞いてないし。
「さ、シーン2いくよ!」
大丈夫かな、この映画・・・。


92 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/08(金) 06:35:48 ID:ktBIHYpQ
お、終わってるのか?

93 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/08(金) 10:46:41 ID:KI9IkoSp
>>80
「おわり」とか「今日はここまで」みたいなこと言って頂けると
投下が終わったかどうか判るので助かります

94 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/04/08(金) 17:30:03 ID:6We8tNYr
すいません。
7つ目投下した後に寝落ちしてしまいまして。
あわてて残り3つ投下して回線切っちゃったので書き忘れてました。
10で終わりです。
ご迷惑おかけしました。

95 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/08(金) 17:57:40 ID:WBeLDefC
道理で8が2つw

96 名前:15 ◆uq4J1ypP0c :2005/04/08(金) 18:28:53 ID:6We8tNYr
あっ!
・・・・・・
>>89-91は番号ひとつずらして読んでください。
全部で11ですね。はぁ・・・・・・。
旅に逝ってきます・・・・・・。

97 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/08(金) 22:41:17 ID:DJWAPSQu
>>15
乙カレー
おもしろかったよー
導入読んだ時誤爆かと思ったけどw
そういうのもアリですねぇ

ちょっと気になったのは
ねぇやの変装は特技だから
特殊メイクやPCで音声加工のくだりはいらなかったかも。
あと、ねぇねぇは欲しいものはころしてでもうばいとる人なので
芝居とは言え空也と要芽姉がセックルするシナリオを
自ら書くとは思えんのだけど。
以上、重箱の隅終了。

続編キボンしつつ姉様と寝てきますオヤスミー

98 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:03:09 ID:svjTAR6z
うららかな春の日差しを浴びて、縁側でぼーっとする。
ともねえが大学の春休みで家にいて
家事を手伝ってくれるせいもあって
昼飯の後かたづけが終わると割とヒマだ。
姉様は仕事。
雛乃姉さんもねぇねぇも姉貴もお姉ちゃんも、皆出かけてる。
残っていたともねえは買い物に行ってしまって
家には俺一人。
マルすらいやしねえ。退屈なことこのうえない。
沖縄だったらこういうとき団長やイエヤスでも誘って遊びに・・・
っと、沖縄で思い出した。
隣に遊びに行こう。
ねえやかねーたんか、どっちかでもいてくれればいいんだけど。

99 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:03:49 ID:svjTAR6z
「こんちゃー。空也でーす」
鍵は・・・かかっていない。誰か家にいるのだろう。
我が家のごとく入り込む。
まずはねーたんの部屋。
ねーたんは割とインドア派だから家にいる可能性高し。
ただし、執筆中だと邪魔はできない。
部屋の前で立ち止まり、ノックを・・・
「・・・エロイムエッサイムエロイムエッサイム我は求め訴えたり・・・」
中から、何やら声がします。ねーたんの声です。
「・・・大いなる魔界の公爵たる汝×××よ、我が呼びかけに・・・」
呪文です。黒魔術です。ねーたん、とうとう魔道に堕ちましたか。
鍵穴から中を覗き込む。
暗い。
暗い部屋の中央で、ろうそくの明かりの下
ねーたんは水晶玉に手をかざして
何事かまだつぶやいている・・・
「・・・我、柊 巴の愛を望むものなり。古の盟約により我に与えよ・・・」
・・・おいおい。
聞かなかったことにして引き返す。
ちなみに、×××の部分は、とても人間の発声器官で出せる発音ではなかったので省略。
間違って正しく発音して何か出て来ちゃったら困るし・・・

100 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:04:28 ID:svjTAR6z
次、ねえやの部屋。遊びに出ているかもしれないが・・・
軽くノックをして呼びかける。
「ねえやー?空也だけどー」
「・・・えっ?」
バタバタバタ・・・あわただしく物音がする。
またどうせ部屋が散らかし放題で、慌てて片づけてるんだろう。今さら遅いって。
「入るよー」
ガチャリと遠慮なくドアを開ける。
「ちょ、ま、待っ・・・!」
案の定、散らかった部屋に、叫びかけたねえやの抗議の声が響く。
部屋の真ん中に肩を並べて座っている・・・二人の女性。
一人は、ねえや。もう一人は・・・ねぇねぇ。
二人とも・・・裸・・・・・・
「・・・失礼しましたぁっ!!」
バンッ!!
あわてて飛び出し、後ろ手にドアを閉める。
・・・そうなの!?なんか最近仲がいいなとは思ってたけど・・・
そんな仲だったのぉ!?

101 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:06:19 ID:svjTAR6z
「おーい、くーやー」「空也ちゃーん?」
ねぇねぇが呼んでいる。ねえやが呼んでいる。
やけに優しげで、それでいてどこか陰にこもった声で。
「言いません言いません誰にも言いませんから!!」
「いいから入っといでよー」
「いやホント誰にも何も・・・」
たじろぐ俺の前でバン!とドアが開き
素っ裸のままのねぇねぇが薄笑いを浮かべながら現れた。
「い・い・か・ら・入・れっ!」
「いっ・・・っきゃやあああぁぁぁぁっっ!?」
ねーたんに黒魔術の贄にされるのと
ねえや・ねぇねぇコンビに蹂躙されるのと
どちらが生き残れる可能性が高かっただろうか。
ズルズルと部屋に引きずり込まれながら、俺はふとそんなことを考えていた。

部屋の真ん中に放り出され
震えながら生まれたばかりの子羊のように怯える俺の前に
ねえやがちょっと照れたような顔で立つ。
でも全裸。
「あのね、別に・・・その、変なことしてたわけじゃないのよ?」
「そうそう。ちょっと二人で計画してることがあってさ」
と、ねぇねぇ。でもやっぱり全裸。
・・・どうなるの、俺。絞りとり殺される予感。

102 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:07:24 ID:svjTAR6z
「けけけけけけ計画てななななな何さ?」
「いやー、ちょっとね・・・アタシらセクシーアイドルユニットとして売り出そうかと思ってさ」
「・・・は?」
「で、まあお互い体見せっこして、魅力を確認してたってわけよ」
・・・はぁ。
想像したような禁断の世界はただの幻想だった。
・・・幻想じゃなかったら命取られてたかもしれないが。
しかしまた・・・こういう妙なこと考えつくのはねぇねぇだな。
ねえやも割とノリで動く人だし。
「ね、どう空也ちゃん?あたしたちなら、イケテるでしょー?」
そういうと、二人揃ってちょっとHっぽいポーズとかとったりする。
うーむ・・・見慣れた二人の体だけど
改めてこうして見せつけられると、確かにすごい迫力だ。
しかも、単純に当社比2倍。
そこらの青少年を悩殺するのなぞわけもないだろう。
だが・・・ちょっと問題もある。
「セクシーは問題ないけど、アイドルっていうには年齢的に問だあだだだだだ!?」
「何か・・・」「・・・言った?」
Wアイアンクロー。
破壊力も、当社比2倍だった。

103 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:08:45 ID:svjTAR6z
「ギブ!何も言ってません!ギブギブ!」
必死に二人の腕をタップするが、食い込んだ指は頭から離れない。
頭蓋骨がミシミシと悲鳴を上げる。
ヤベエ、意識が・・・!
「アイドルでも、問題ないわよねー?」「まだ二人とも若いもんね?」
「アイドル、全然オッケー!だからギブ!」
すっと手が離れていく。どうやら顔の形が変わる前に助かったようだ。
「最初から、そう言えばいいのに」「素直じゃないわよね、空也ちゃんって」
しかしアレだ。
裸の美女二人にアイアンクロー決められてギブギブ言ってる俺って
絵面としちゃすげー情けねえよな・・・

「まあ、セクシーアイドルユニットとして売り出すつもりなのはよくわかりました」
「くーやも、いろいろ協力してよね」
「やっぱり、男の子の視点でアドバイスとか欲しいもんね」
「よくわかりましたし協力も惜しみませんが、とりあえず何か着てください」
「あら」「おっと」
しかし、この二人で組むとなんていうか
技の1号(ねえや)、力の2号(ねぇねぇ)みたいな感じだな。
「で、二人でどんなことメインにするの?歌?」
コントかと思ったがそれは言わないでおく。
「あ、二人じゃないんだよ」
「・・・へ?」

104 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:12:36 ID:svjTAR6z
「一応、三人でユニット組もうと思って」
・・・三人。後、一人・・・って・・・
「はっ!?まさか・・・要芽姉様を!?」
ちょっとボケてみたり。
「いやー、要芽姉には断られちゃってさぁ」
「冷たいわよね、要芽ちゃんって」
誘ったんかい。
どう考えたって、要芽姉様がエロいステージ衣装着て
愛想を振りまきながら歌ったり踊ったりするわけがない。
想像するとちょっと楽しいが。


「でも大丈夫!もえを入れるからね」
「巴ちゃんなら、あたしたちのユニットに充分加えられるわよね」
まあ・・・あと出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んでるのは
ともねえか海お姉ちゃんになるわけだが
「ともねえはもうこの話聞いてるの?」
「うんにゃ、まだ。ま、もえの意志は関係ないし」
ひどい話だ。
嫌がるともねえに無理矢理派手で恥ずかし目な衣装を着せ
衆人環視のステージに立たせる。
半べそをかきながら歌い踊るともねえ・・・
いいな、それ。
・・・ハッ、つい本音が。
いかん、ここは俺がともねえをかばってあげなければ。

105 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:13:26 ID:svjTAR6z
「ともねえは無理じゃないかなぁ・・・恥ずかしがりだし」
「えー?もうもえの分の衣装も作ってるのにー」
「衣装?」
「歩笑ちゃんに、巴ちゃんの分、って言ったら真剣になって作ってくれてるの」
・・・ねーたんも何考えてるんだか。
と、まさにそのとき
ドアをあけ、顔を少し赤らめたねーたんが部屋に入ってくる。
「姉さん、瀬芦理さん・・・巴さんの衣装、できたよ」
手には・・・・何か服らしいものを持っている。
ねえやがそれを受け取ると、広げたりひっくり返したりして吟味している。
・・・なんか・・・ビニールとか使ってるな。
「お疲れさまー。ふんふん、なかなかいい出来。さすが歩笑ちゃんねっ♪」
「あの・・・ちょっと見せてもらってもいい?」
「いいわよー。はい」
手に取ってみる。
ふむふむ・・・
伸縮性の高い布地が使われてるな。レオタードみたいな感じか。
これだと、ぴったりフィットでボディラインがくっきりだろう。
しかも、布地の部分はあまり多くない。
かなりの部分に、半透明だったり完全に透明なビニールが使われてる・・・
「ねーたん」
「なに、くーくん?」
「これ、大事なところ全然隠れないですよ?」
ていうか、穴があいてます。大事なところに。
「そこは、オプション」

106 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:15:34 ID:svjTAR6z
「いや、ここがオプションはまずいでしょ」
「そうかな・・・でも、これを着た巴さん、すごく素敵だと思う」
ねーたんはなかなかわかってくれない。
ハッキリ言うしかないか。
「素敵っていうか激しくエロいけど、これで外に出たら逮捕されちゃうよ!」
「くーやは細かいとこ気にしすぎだにゃー」
「細かくないよ!大事なことですよ!?」
「だから、外に出るときだけオプションをつける」
考え方が逆なような気がする。
「ちなみに、これがオプションパーツ。これで外出もOK。ぶい」
・・・ビニールじゃん。透けてるじゃん。ダメじゃん。
ふと、裏地に縫い込まれた刺繍に気づく。
・・・なんか見たこともない文字(?)が。
「ねーたん、これは?」
「う・・・それは、おまじないの一種」
何故か視線をそらす。
「・・・おまじない、って、どんな?」
「秘密」
・・・さっきの、黒魔術か。
ともねえ、いろいろ絶体絶命。

ピンポーン
絶好のタイミングで犬神家に呼び鈴が鳴り響く。
部屋の外、インターフォンから、おどおどとした口調で声がする。
「あ、あの、こんにちは・・・と、隣の巴、です・・・空也、お邪魔してますか?」

107 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:19:46 ID:svjTAR6z
しまった。
家を出るとき「お隣に遊びに行きます。よかったら、ともねえもおいでよ。空也(はぁと)」
と、置き手紙を残してきたんだった・・・
廊下に飛び出し、インターフォンに飛びつく。
「ともねえ!来ちゃダもがもむもんむぅ!」
伝えたい言葉は、背後から襲いかかってきたねぇねぇに遮られた。
「巴ちゃーん、遠慮しないで入って入ってー」
「あ、帆波さん・・・」
「空也ちゃんも、瀬芦理ちゃんも、歩笑ちゃんもいるわよー」
「じゃ、お邪魔します・・・」
ああ、ダメだよともねえ。
ここに来たら、きっとあのHな服を着せられちゃうよ。
あんな服を着たともねえを見たら・・・俺・・・
辛抱たまりませんよ?
・・・いや、そうじゃなくて。
「ん?抵抗がなくなったねくーや?」
「いや、そんなことはありませんじょ?」
パッ、とねぇねぇが手を離し、俺は自由の身に。
「・・・とめる?」
「う・・・」
「・・・とめないの?」
「うう・・・」
三人が俺を見て、ニヤリと笑い
そして・・・俺は共犯者になった。
いいじゃん!
ぶっちゃけ、俺だってホントは見たいんだよ!

108 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:20:36 ID:svjTAR6z
「お邪魔します・・・あは、皆で何してたのかな」
無邪気に笑うともねえ。
「実はね、ぽえぽえが、もえのために服を作ったらしいんだよ」
「今それを見てたところなのよー」
「え・・・私のために・・・歩笑ちゃんが?」
「うん。がんばった」
「そ、そうなんだ・・・ありがとう、歩笑ちゃん」
嬉しそうに微笑むともねえ。
あー、もう罪悪感いっぱい。
そしてそれ以上に期待感いっぱい。
「それで・・・これがそうなのかな?」
ともねえが俺の手の中に目を留める。
「うん・・・今、くーくんに感想を聞いていたところ」
「あは、そうなんだ・・・ど、どうかな、空也・・・わたしで、似合うかな・・・?」
なんと答えるべきか。
俺としては是非着ているところを見たいが
自分からコレを着てくれるとは思えない。
無理矢理着せたら泣き出しちゃいそうですらある。
「あー・・・えー・・・ともねえ、自分で見て」
「?うん・・・じゃ、ちょっと貸して」
コスチュームを受け取ったともねえを、俺たち三人は興味津々で見つめる。
最初は、嬉しそうに
やがて、苦笑いが混じり
そして、真っ赤になって
ともねえはうつむいて、コスチュームをねーたんにそっと差し出した。

109 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:23:38 ID:svjTAR6z
「ご、ごめん、歩笑ちゃん・・・こ、これは・・・・着られないよ」
まあ、そうだろうなぁ・・・
しかし、ねーたんは諦めない。
「どうしても・・・着てもらえない?」
目をうるうるさせてともねえを見つめている。
「あう・・・だ、だって・・・恥ずかしいよ」
「人に見られるのが恥ずかしい?」
「うん・・・」
「だったら・・・私だけにでも、見せて欲しい」
「えっ・・・」
「・・・ダメ?」
見つめ合う二人。いいのか、これ。
やがて、ともねえがまだ赤い顔で少し微笑んだ。
「ぽ・・・歩笑ちゃんにだけ、なら・・・いいよ」
おいおい。
「じゃ・・・私の部屋に行こう」
「・・・うん」
嬉しそうなねーたんに手を引かれて
まんざらでもない顔でともねえが部屋を出ていく。

部屋を出ていくとき
ねーたんが表情に出さずに
だけど、間違いなく笑っていた。

残された俺たちはただボーゼンとしていましたとさ。

110 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:24:43 ID:svjTAR6z
その後。
ともねえは犬神家に、というか
ねーたんのところに入り浸りになっている。
二人で何をしているのかは、まだ怖くて聞けない。
ねえやとねぇねぇは、ともねえを仲間にするのは諦めたようだ。
が、セクシーアイドルユニットそのものはまだ諦めていないらしい。
「あら、空也くん。久しぶり」
「あ、透子さん。ちわっす」
「・・・ちょっと聞きたいんだけど・・・いいかしら?」
「なんすか?」
「あなたのお姉さんに、芸能界に興味ないかって言われてるんだけど・・・」
「・・・おっと、急用を思いだしちゃった。じゃ、これで!」
「あ、ちょっと!」
無理だ。そりゃ透子さんはセクシーだし、女教師ってちょっとそそるけど
アイドルは無理だと思う。いろいろな面で。
「この際、空也ちゃんを加入させるってどう?」
「おっ、女装くーやもいいかもね?」
やめて。頼むから変なこと考えるのやめて。
「女装した空也ちゃんと・・・3Pとか・・・燃えそうよね・・」
・・・女装、いいかも。

111 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/08(金) 23:27:01 ID:svjTAR6z
ひさしぶりに姉しよSS書きました。
私の中では、ねーたんは黒いです。
そして女装空也キュンは願望ですw

112 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/08(金) 23:50:54 ID:WBeLDefC
入り浸って何をしてるのか、早く問いつめてくださいw

113 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/09(土) 01:29:56 ID:ipQzwZaQ
ねえやとねぇねぇかぁ・・・スゴイことになりそうな・・・ジュルリ
GJ!

114 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/09(土) 06:27:27 ID:4tmIKr6H
絶対、体力がもたないと思うw


115 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/09(土) 15:01:28 ID:LI02p3a5
2005年4月某日。柊家、居間。
六姉妹に加え、隣の犬神姉妹までもが集まって
黙ったままなにやら深刻な顔をつきあわせている。
やがて、一同を見渡した雛乃が口を開いた。
「揃っておるな?では、始めるとしよう」
一人、怪訝な顔をしていた要芽が雛乃を見る。
「あの・・・姉さん?」
「何だ、要芽?」
「私、先ほど急に召集されたばかりなので、今日の集まりが何なのか聞いていないのですが」
瀬芦理もそれを聞いて手を挙げた。
「はいはーい!あたしは聞いたけど、何だか忘れちゃった」
「しょうのないやつらよのぅ・・・では、今一度説明しよう」
呆れながらも、雛乃は立ち上がり今一度皆を見回した。
「知っての通り、きゃんでぃそふとの次回作は「つよきす」と決まっておる」
「はい・・・私たちは、出番なしとか」
「甘いぞ要芽。我ら一同、お呼びがかかればいつでも参上できるよう、心がけておかねばならぬ」
「はあ・・・まあ、どうしても出てほしい、ということならイヤとは言いませんけど」
「場所も近いしね〜」
「だが、ここで一つ問題があるのだ」
「問題?」
「次回作のヒロインは、みな強気な娘、ということなのだが・・・」
「それなら、私は問題ないですね」
「で、あるな。我は皆のお姉さんであるから、まあある意味強気でもあろう」
「瀬芦理と高嶺も問題ないですね。海も状況によっては強気ですし」
「うむ。まあ、ほぼ全員問題ないのだが・・・一人だけ、強気とはとうてい言えぬ者がおるのだ」
皆の視線が一人に集中する。
柊家四女、柊巴に。
「・・・あう?」

116 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/09(土) 15:05:57 ID:LI02p3a5
「巴姉さんは・・・強気になりようがないんじゃないかしら」
「だよね〜。巴お姉ちゃんは、総受けで決まってるみたいな〜」
「そうかもしれんが、それではファンの皆様に申し訳が立つまい」
「もえが強気にかぁ・・・想像しにくいにゃ〜」
一同、頭の中で強気になった巴を想像し始める。
「強気でグイグイとリードしてくれる巴さん・・・・・・(ぽっ)」
歩笑は、何か妙な妄想をしたらしい。
「巴姉さんが・・・リード・・・・・・(ぽっ)」
それを聞いて、高嶺もまた何か妄想したらしい。
「いいわね、それ!」「うん、いいと思う」
それ以上は特に反対する意見も出ない。
「うむ、他に意見がなければ、皆で巴が強気な娘になれるよう、協力してやってほしい」
「は〜い」
意見がほぼまとまりかけたところでようやっと、当の巴がおずおずと手を挙げる。
「あう・・・わ、私の意見は・・・」
「ん?何かあるのか巴?」
「も、もともとこういう性格だし・・・無理に次回作に出なくても・・・」
「却下する」
「あう・・・」
困惑する巴に雛乃が耳打ちする。
「・・・よいか巴。次回昨はおおまかに2部構成になっているらしい。第1部で主人公に攻略され・・・
 第2部では、主人公と徹底的に恋人同士の甘い関係になるのであるぞ」
「あう?」
「どうだ?前作では空也と恋人同士の甘い関係というのはそれほどなかったであろう?
 次回作ではそれがかなうのだ。ただし、それにはお前が強気にならねばならぬぞ」
「・・・・・・が、頑張る!」
主人公が空也ではないということは、意識的に黙っている雛乃であった。
「うむ!では、本人の承諾も得たことであるし、巴が強気な娘になれるよう、皆よろしく頼むぞ!」
こうして、柊巴強気化計画は始まったのであった。

「つよきす」に姉しよ関係者が呼ばれることは決してないということを
このときは、まだ、誰も知らない・・・

117 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/09(土) 15:08:12 ID:LI02p3a5
気分が乗ったのでもう一本
書き始めるとまだ書けるもんですねー

118 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/09(土) 17:42:16 ID:IqVTGd6x
>>117
GJ!!
そういえば、さすがにまだつよきすSSはないですなぁ

119 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/09(土) 23:54:18 ID:po6NFQtp
>118
発売されて無いしw
やっぱりやってみなきゃSSはかけないだろ

120 名前:SSD :2005/04/11(月) 19:27:00 ID:iyT5Px+O
最近にぎわってきましたね。
そこでおいらも新作投下。行きます。

121 名前:日常との境目1/12 :2005/04/11(月) 19:27:44 ID:iyT5Px+O
「ふわぁ〜〜ぁ。」
まだ眠いな。
外を見るとまだ空の半分が薄暗い。
いくらなんでもこんな時間にともねえも起きて無いだろう。
今日は先に朝食の準備をして驚かしてあげよう。
顔を洗ってから台所に向かうと、何らやおいしそうな匂いがする。
台所を覗いてみると・・・
「とっ、ともねえ!」
「あは、おはよう、空也。」
もう何品か作り終えてるようだ。
さすがともねえ。
「もう、朝食の準備終わったの?」
「あぅ・・・こっ、これは違うんだ。」
「違うって・・・あ、そうか。」
そういえば一週間ぐらい前に今日は出かけるって言ってたな。
「ねーたんと出かけるんだったっけ?」
「そう。歩笑ちゃんとお出かけするんだ。これは・・・そのお弁当。」
ともねえは顔を赤らめながらも嬉しそうだ。
作り終えたらしいおかずも輝かんばかりの気合の入れようだ。
よっぽど楽しみにしていたんだな。
「でっ、でもちゃんとみんなの分の朝ごはんも作るよ。それにまだ早いし、くっ、空也は寝てていいよ。」
「じゃあ今日の家事は全部俺がやっておくから、朝食はお願いするね。」
「あぅ・・・。そっ、そういう意味で言ったんじゃないんだけど・・・」
「分かってるよ。ともねえはいつも頑張りすぎなんだから、今日ぐらいは一日のんびりしておいで。」
するとともねえは一瞬表情を暗くすると
「でも、夜までには帰ってくるよ。」
最近になってまたクロウが出てき始めた。
とは言っても、ともねえが指輪を見つけた最初の夏ほどの数は出ていない。
一旦はクロウの出現が落ち着いたものの、ねぇやとねーたんが隣に越してきた年の秋口から、月に二、三匹のペースで出てき始めた。
つい二週間前にも出たばっかりだった。
その時は駆け付けたら透子さんがすでにやっつけていたが、やはりともねえは緊張を解いていない。

122 名前:日常との境目2/12 :2005/04/11(月) 19:30:34 ID:iyT5Px+O
「ご飯が出来たら呼ぶから。」
「じゃあお言葉に甘えて・・・」
寝ましょうかね。
台所を出て部屋に戻ろうとすると、廊下の角から台所を覗く影が一つ。
ねーたんにしては覗き方が素人だ。
それにいくら仲がいいとは言っても、一応は他人の家にこんな朝早くに黙って家に入ってこないだろう。
俺が台所から出てくるのに気が付いたのか、覗いてた人影がツインテールを揺らして居間へ消えた。
人影を追って居間へ行くと・・・
「Zzzzz・・・」
二月の糞寒い早朝に居間で布団もかけないで畳に突っ伏している姉貴発見。
「姉貴、いくらなんでも無理があるよ。」
「Zzzzz・・・」
「俺は頭はよくは無いけど、そんな狸寝入りに騙されるほどじゃないよ。」
「くぅ・・・ばれてたのね。」
姉貴は鼻の頭を手で押さえながら起き上がった。
大方、居間に滑り込んで狸寝入りを決める時に、畳に鼻でも擦ったんだろう。
「何で台所を覗いてたの?」
「うるさいわねー。アンタには関係ないでしょ。」
「確かにそうだね。俺には関係ないか。じゃ俺は寝るよ。」
「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!」
素っ気無くされたのが気に障ったのか、居間を出ようとする俺の腕をとり、引止めた。
「なんだよ姉貴。俺はもう眠いんだから離してよ。それともなんで覗いてたのか話してくれるの?」
「うぅ・・・。しょうがないわね。こんな朝早くから私と話が出来るんだからありがたく思いなさいよ!」
姉貴は遊びべたのともねえが、越してきて半年とはいえまだ土地に不慣れなねーたんと出かけるのが心配で仕方が無いという。
「・・・だから私が陰ながら見守ってあげようかと思って。けなげでしょ〜?」
「要するに、ともねえとねーたんに嫉妬してるんでしょ?」
「なっ!そんなわけ無いでしょ!せっかくアタシが話し相手になってあげてるんだから(ゲシゲシ、素直に(グリグリ、感動していればいいのよ!」
「や、やめてくれよぅ。」
その後俺は五分ぐらい蹴られ続けた。
しかし弁当の中身をチェックするだけの為に普段朝弱い姉貴が早起きしたのか。
嫉妬の力っていうのはすごいもんだな。
でもそう考えると姉貴がちょっとかわいく思える。

123 名前:日常との境目3/12 :2005/04/11(月) 19:35:08 ID:iyT5Px+O
二度寝して目が覚めると、今度は居間からいい匂いがしてきた。
居間へ行くと俺以外の全員がそろっていた。
姉貴はあれからずっと起きていたのか、早くも疲れたような表情をしている。
「「いただきまーす」」
みんなが食べ始めたのを見ると、ともねえは早速傍らにおいてあったリュックを背負って立ち上がった。
「巴よ、もう出かけるのか?」
「うん。今日はぽ、歩笑ちゃんと出かける日だから。もう朝食は先に失礼したよ。」
「おお!そうであったな。よし、我が許す。家事はすべて空也に任せて、楽しんでくるがよい。」
「うん!」
あれ?さりげなくひどいこと言ってなかったかな?
ともねえは元気のいい返事をして今から出て行った。
「・・・ご馳走様。」
「あれ?姉貴、もう終わったの?まだ全然食べて無いじゃない?」
「うん・・・食欲が無いのよ。」
「高嶺よ、大丈夫か?」
「大丈夫よ、雛姉さん。」
「にゃ!じゃあもったいないから私がタカの分までもらっちゃうよ!」
「ダイエットなんかしても、胸は大きくはならないよ〜(・ε・)」
「っ!うるさいわねぇ。あんたらも少しは心配したらどうなの?とにかく、私は部屋に戻るわ。」
そう言うと姉貴も居間を出て行った。
「へーんなの。タカらしくないね。」
「高嶺も寂しいんでしょ?巴が歩笑ちゃんに取られたような気がしてるのよ。」
くいっ、くいっ。
ん?誰かが俺の服を引っ張っている。
振り向くと・・・
「イカ!行くわよ。」
姉貴がいた。
障子戸の隙間からみんなには見えないように俺に話しかけている。
「行ってらっしゃい。」
自然と小声になってしまう。

124 名前:日常との境目4/12 :2005/04/11(月) 19:38:49 ID:iyT5Px+O
「ハァ?何言ってるの?アンタも行くのよ!」
「えっ?でも俺、まだ食ってるし・・・」
「いいから早く自然に居間を出なさい!海にばれたら後でアンタをメッタメタにしてやるから!」
「わっ、分かったよ。」
みんなのほうに向き直り・・・
「あっ、そうだ!俺、今日出かけなくちゃいけないんだ!」
「何を言っているの空也?今日はあなたが家事をしなくちゃいけないのよ。」
「あ〜、やっぱりだめだよねぇ・・・」
後ろから殺すと姉貴がささやいている。
「姉様!ごめんなさい!俺、やっぱり出かけなきゃ!」
「空也。おぬし、要芽の言うことが聞けぬというのか?」
「でも姉さん、前に姉様が作ったご飯、おいしかったって言ってたじゃない。また食べれるチャンスだよ。」
「うぬぬぬ、確かに、それは魅力的よな・・・。要芽、家事は皆で分担するから、料理はおぬしが作れ。」
「姉さん・・・私、今日は久しぶりの休みなんですが・・・」
「ええい、我がこう言っておるのだ!空也にもたまには休みが必要であろ?それより何より、我は要芽の手料理が食べたいのだ。」
「強引なんですね・・・姉さん。」
とか何とか言いながら、姉様はどこか嬉しそうだ。
なにやら話が纏まったらしいので、俺は反論されないうちに急いで廊下に出た。
「フフン、イカ!アンタなかなか機転が利くじゃない。」
「ああでも言わないと、開放してもらえそうに無いからね。」
「じゃ、早速行くわよ。巴姉さんなら、たった今歩笑を誘って駅のほうに行った所よ。」
「いや、俺にもそれなりに準備というものが・・・」
「そんなもの、しなくていいでしょ?財布もって無いなら交通費だけは貸してあげるわ。」
「おごってくれないのか・・・。」
「ハァ?あたりまでしょ?私といっしょに尾行できるんだから、それだけでそこらへんの男なら涙を流すわよ。早くしないと見失っちゃうわよ!」
姉貴は俺の手を引っ張って、家の外へ出た。

数メートル先を、ともねえとねーたんが仲良く並んで歩いている。
それを電柱の影から見つめる俺と姉貴。

125 名前:日常との境目5/12 :2005/04/11(月) 19:41:42 ID:iyT5Px+O
「うわぁ、楽しそうだね。ともねえ、笑ってるよ。」
「うぅ。確かに楽しそうね。」
「あっ、ねーたんがともねえの手を取ったよ!ともねえの顔が真っ赤に!」
「むっかつくわね〜!覚えてなさいよ!巴姉さんも、歩笑も!」
うわっ、姉貴、すげぇ顔になってる、とは口が裂けても言えない。
話題を変えないと、姉貴の怒気にやられてしまう。
「とっ、ところでさ、何で俺までついて来なくちゃいけなかったの?」
「普段から利用価値の無いアンタでも、何かの役に立つかもしれないでしょ?例えば、張り込み中のパシリ、とか。」
聞かなきゃよかった。
その後ともねえとねーたんは電車に乗り、横浜まで出た。
もちろん、俺と姉貴もくっついてきた。
横浜で二人は何をするわけでもなく、観光地をめぐっったり、買い物をしたりしている。。
ともねえがねーたんに名所を詳しく教えているのだろうか?
しばらくすると、二人は公園のベンチに陣取った。
俺と姉貴は後ろの茂みに潜む。
「ここなら二人が何話しているか聞こえるわね。」
「盗み聞きするの?俺、なんかそういうの嫌だなぁ。」
「うるさいわね!このイカ!ここまでつけて来たんだから、アンタも同罪よ。」
「そんな・・・。」
「しっ、何か話してるわよ。」
耳を澄ます。
「え?巴さんもお弁当作ってきたの?」
「う、うん。ぽ、歩笑ちゃんの為に、は、早起きしたんだ。」
緊張してるのか、いつもより余計にどもってるともねえ。
「・・・うれしい。私も巴さんの為に、お弁当作ってきたんだよ。」
「あぅ・・・、う、嬉しいよ。あ、ありがとう。」
「お互いがお互いの為にお弁当作ってきたんだね。」
「う、うん。」
「私たち、やっぱり良いお友達。」
「・・・」
ともねえが『友達』という言葉に昇天している。

126 名前:日常との境目6/12 :2005/04/11(月) 19:44:55 ID:iyT5Px+O
「何!?巴姉さんったらあの表情!私と巴姉さんなんか、姉妹だもんね!」
「そ、そうだね。」
姉貴のツインテールが怒りで天を突く形になっている。
すげぇなこのツインンテール。
自在に動かせるのか?
「わぁ!巴さんのお弁当、おいしい!」
「そ、そうかな?うまく出来てるかな?」
「うん、おいしいよ。・・・もうちょっと辛くてもいいとおもうけどね。」
「あぅ・・・。ご、ごめんね。」
「ううん。いいの。辛さ抜きでなら、120点。もちろん、100点満点でね。」
ねーたんは辛党だからな。
たいていの人の料理はね−たんには甘すぎる。
「今度はともねえがねーたんの料理に手をつけるよ。」
「歩笑の料理は辛すぎるから、巴姉さん、悲鳴でも上げそうよね。それで愛想尽かされちゃったりして。」
愛想を尽かしはしないだろうが、それ以外のところは否定できない。
俺やねぇやはねーたんの辛口の料理に慣れているが、ともねえは別だ。
ペンションでねーたんが料理を作っていたころは、マスター若葉は七味やカレーパウダーなどの香辛料は金庫に入れて鍵をかけていたぐらいだ。
ねーたんの料理は気合が入れば入るほど辛味が増す。
ともねえは耐えられるのか?
ともねえが箸をのばす。
「どう?巴さん?」
「お、おいしい!」
ん?どういうことだ?
普通なら辛いって言う反応が先に来るはずなのに?
「ちょっとイカ!どうなってるのよ?何で巴姉さんは平気なの?」
「いや、わかんないよ。しっ!何か言ってるよ。」
ねーたんがともねえの顔を覗き込むように話している。
「辛く無いでしょ?」
「うん。で、でも、どうして?ぽ、歩笑ちゃんの料理は辛くて私には無理だって、くっ、空也が言ってたけど。」
「巴さんの為に、私、がんばって香辛料ちょっとしか使わなかったんだよ。」

127 名前:日常との境目7/12 :2005/04/11(月) 19:48:31 ID:iyT5Px+O
「歩笑ちゃん・・・。」
「巴さん・・・。」
なんか目を潤ませて見詰め合ってますよ。
「くぅぅ。やるわね歩笑。」
「でもさ、俺一つ気になるんだけど。」
「何よイカ。」
「ねーたん、いま『ちょっとしか』って言ったよね。」
「言ったわね。」
って言うことは・・・
「あっ、みてみて。ともねえの額から汗が出てきたよ。」
「あれは後から辛味が来るタイプね。フフン、やっぱり歩笑は巴姉さんのことが分かてないんだわ。」
ともねえの顔がずんずん赤くなっていく。
「あぅ・・・。今になって、かっ、辛い。」
「巴さん、はい、これ。」
ねーたんが魔法瓶を取り出して何かを注いでともねえに差し出した。
それを一気に飲み干すともねえ。
「あまい・・・。かっ、辛味が引いていくよ。」
「巴さんなら私が香辛料使うの抑えても、絶対辛いって言うかと思ってたから。くす、巴さんの事は、全部分かるんだよ。」
「ぽっ、歩笑ちゃぁん。」
うわぁ、顔が近けぇ。
ふと隣の姉貴を見ると・・・
「ったく!むかつくわねぇ!歩笑、ぜっっっっっったい許さない!」
周りの空気が黒くゆがんでる。
逆らわないようにしようと改めて思った。

その後は二人はどこに行くでもなく、ずいぶん長いことベンチで次回作のことや柊家で起こった事件などについて話し込んでいた。
確かに今日は二月にしては結構あったかい。
しかしいくら暖かくても日が傾いてきて流石に寒くなってきた。
冬は日が沈むのは早い。
気が付くとあたりはとっぷり日が暮れていた。

128 名前:日常との境目8/12 :2005/04/11(月) 19:52:34 ID:iyT5Px+O
「くしゅん!ったく、いつまでここで話すつもりかしら、あの二人。」
「確かに、あれは周りが見えてないよね。」
いつの間にか二人の話題は好みのタイプになっていた。
その話の中で名前は出ないものの、タイプが俺であることを臭わす好みの特徴が上がっていくのがうれしかった。
その間姉貴は「調子に乗るんじゃないわよ、このイカ!」と三十秒おきぐらいに言っていた。
「・・・でもね巴さん。」
「何?歩笑ちゃん?」
「私、今言ったほかに、他にも好みのタイプがあるんだよ。これに関しては、例を挙げられるよ。」
「どっ、どんな人?」
「・・・巴さんみたいな人。」
さっ、流石ねーたん!俺には言えないことを平然と言ってのけるっ!そこにシビレ(ry
でも、これっていいのか?
八人の姉の内、二人がレズ・・・たまらねぇ。
いや、姉様もレズっ気あるから三人か?
ともねえはあまりにびっくりしたのか、固まったまま動かず、しかし顔はトマトみたいに真っ赤だ。
「なっ、何言ってるのよあの女!巴姉さんはねぇ!私の姉さんなのよ!もう見てらんない!」
「ちょ、ちょっと!姉貴!出て行っちゃダメだって。」
「うるさい!離しなさいよこのイカ!」
姉貴を必死で抑える。
しかし、当の二人はお互いを見つめあったまま動こうとしない。
「あっ、ねーたんが・・・」
目をつぶってともねえに顔を近づける。
「歩笑・・・ちゃん。」
とともねえの口がささやくように動いた。
これはズキュゥゥゥンか?
二人の顔がどんどん近づく。
その時
キンキンキンキンキン!

129 名前:日常との境目9/12 :2005/04/11(月) 19:56:50 ID:iyT5Px+O
「モガモガ・・・ぷはぁ!イカ!よくも邪魔・・・ってどうしたの?」
今のは、クロウ!?
ともねえのほうを見ると、ともねえにももちろん聞こえたらしく、顔を上げていた。
「巴さん・・・?」
「ごっ、ごめん歩笑ちゃん、私行かなきゃ!」
立ち上がるともねえの手をねーたんが取る。
「どうしたの?巴さん?」
ともねえは一瞬困ったような顔をして
「ごっ、ごめんね。私、行かなきゃダメなんだ。」
ねーたんをぎゅっと抱きしめると、駆けて行った。
「あっ」
寂しそうにともねえを見送るねーたん。
「フ、フフン。巴姉さんも、流石にあそこまでは・・・ってイカ!アンタまでどこ行くのよ!」
「悪い!俺も行かなきゃ!」
クロウの出現場所は結構近い。
俺もともねえを追って茂みを飛び出した。

「ったく!何なのよ・・・イカも巴姉さんも。」
歩笑を見ると、うつむき加減にベンチから立ち上がった。
「フフン、いい気味!調子に乗るからそういうことに・・・」
歩笑の肩が震えている。
・・・ったく、しょうがないわね。
がさがさと茂みから出て、歩笑の前に立った。
「高嶺さん・・・。」
「どうしたのよ。アンタらしくない。ほら元気出して。帰るわよ。」
歩笑の手を取る。
「うん。ありがとう。でも、いっしょにすごしたかったらもっと早く出て来れば良かったのに。」
「なっ、アンタ、私がつけてたこと気づいてたの!?」
「くす、あんな下手な尾行、ばればれだよ。」
「くうぅ、むかつくわね。でも、やっと笑ったわね。アタシに感謝なさい。」
「ありがとう、と言っておく。」
アタシと歩笑は手を取って駅のほうへ歩いた。

130 名前:日常との境目10/12 :2005/04/11(月) 20:00:17 ID:iyT5Px+O
ともねえの後を追うと、人気のない倉庫街にでた。
女の人がクロウに襲われているところへ、ともねえと俺が躍り出た。
「逃げてください!」
「えっ?えっ?」
「ほら、逃げないと俺があなたを襲っちゃいますよ!」
「ひ〜ぇ〜・・」
逃げんの早っえぇ〜。
「誰にも言うなよ〜っと。」
「空也!来てたのか!?」
「ちょっとね。」
狩を邪魔されたクロウが俺たちに駆け寄ってくる。
ともねえはポーズをとり、
「纏身!」
まばゆい光にともねえが包まれて、まともに見ることが出来ない。
視界が開けると
「クェェェェ・・・」
クロウが吹っ飛んでいた。
光りを目くらましとして使って、早速一発入れたのだろう。
「はっ、やっ!たぁ!」
吹っ飛んだクロウの着地点に先回りしたともねえが、すかさず連撃をいれる。
連撃を受けたが、クロウがふらふらと立ち上がろうとする。
しかし、その瞬間を待ってましたとばかりにともねえが
「ハアァァァア・・・」
力をためると、こぶしが光り、
「でやあぁぁぁぁぁあああ!」
メメタァ!
立ち上がったクロウのどてっぱらにあたり、再び吹っ飛び・・・
ドガァァァン!
あれ?俺の出番がありませんでしたよ?
纏身を解除したともねえに近づくと、小刻みに肩が震えている。

131 名前:日常との境目11/12 :2005/04/11(月) 20:06:48 ID:iyT5Px+O

「ぐすっ、ぐすっ。」
「どうしたのともねえ?クロウに邪魔されたのが悲しかったの?」
「ちっ、違うんだ。ぐすっ。今のクロウとたっ、戦ってる時、ぐすっ、クロウの事、憎んでたっ。」
「クロウは人を殺すんだから、当たり前じゃない。」
ともねえはその場に座り込み
「違うんだ!邪魔されたせいもあるけど、い、いつもの『声』に、の、のせられちゃったんだ。」
「ともねえ・・・」
「こっ、怖くなったんだ・・・。こ、今回ほど、自分が変わったっていうのを、じ、実感したことは、ぐすっ、ないよ。」
「大丈夫だよ、ともねえは強いじゃない。ともねえは変わらないよ。」
ともねえを抱きしめてあげる。
「うえぇぇぇぇぇぇ・・・。」
「もう、今日は帰ろう。明日は一日休んでいいから。」
ともねえが落ち着くまで待ってから、俺たちは家に帰った。

家の前に着くと、ともねえが犬神家のほうを見ている。
「ねーたんに謝るの?」
「・・・うん。」
ともねえがチャイムに手を伸ばすと、後ろから
「何をしに行ったのかは知らないけど、歩笑には、ちゃんとフォロー入れておいたわよ。フン、巴姉さんは私がいないと何もできないんだから。」
「たっ、高嶺!」
「歩笑、落ち込んでたけど、怒ってはいなかったわよ。でも、明日になったら顔を出しておくといいわね。」
「あ、ありがとう・・・。」
「それに何?あのデート?ポエムチャーン、ポエムチャーンって。ぬいぐるみまで買って、馬鹿みたい。」
「あぅ・・・。こ、このぬいぐるみは・・・。」
ともねえはねーたんとの買い物の際、ぬいぐるみを買っていたのだ。
「記念なんでしょ?ポエムチャンとのデートの記念!」
「ちっ、違うよ。これは、高嶺へのたっ、誕生日プレゼント・・・。」
「えっ?」
そういえば三日後は姉貴の誕生日だ。
俺はバレンタインに気を取られて、すっかり忘れてたとは口が裂けてもいえない。


132 名前:日常との境目12/12 :2005/04/11(月) 20:10:05 ID:iyT5Px+O
「ぽっ、歩笑ちゃんに選ぶの、てっ、手伝ってもらってたんだ。今日のお出かけは・・・」
「わっ、私のため?」
ともねえはコクリとうなずくと、ぎゅっと姉貴を抱きしめた。
「ちょっ、ちょっと!離してよ、恥ずかしいじゃない。」
そういう姉貴の声には力がこもってない。
ともねえもこれでなかなかプレイボーイ(?)だな。
「イカ!ニヤニヤ見てるんじゃないわよ!」
「へーいへい。じゃ、俺は先に家に入ってるから、雰囲気を楽しんでおいでよ、姉貴。」
何だかんだ言って、すべて丸く収まったじゃん。
後は、ともねえの纏身に関する問題だけだな。
クロウの目的も、指輪が作られた理由も未だ分からない。
玄関を開けて家に入ると・・・
「ふ、ふにゃ〜・・・」
ねぇねぇが死んでいた。
「どっ、どうしたのねぇねぇ!」
「う、うみゃが、うみゃがぁ〜。」
まさか!海お姉ちゃんが、ご飯を作ったのか!?
姉様もいるのに、そんなはずはっ!
「く〜や〜!」
お姉ちゃんが廊下の奥から走ってきた。
「これは、どっ、どういうこと?海おねえちゃん!?」
「要芽お姉ちゃんの料理に私が作った一品をまぎれさせたら、みんながぁ!」
「みんな、食べちゃったの?」
お姉ちゃんの首が縦に動いた。
なんということだ。
雛乃姉さんが一番心配だ。
早く介抱しなくては、手遅れになってしまうかもしれない。
これは今夜は眠れそうに無いな・・・。

133 名前:名無しさん@初回限定 ◆rUCYCMCB9w :2005/04/11(月) 22:17:17 ID:uBwKGKF+
ひなのんが...・゚・(つД`)・゚・ウワーン

134 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/11(月) 23:33:35 ID:JocXMaFn
第一回プログラム終了

優勝者 柊 海

柊 雛乃:食中毒。
柊 要芽:不明。食中毒?
柊 瀬芦里:食中毒。
柊 巴:プログラム終了後帰宅。
柊 高嶺:同上。
柊 空也:同上。

135 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/14(木) 10:27:25 ID:4LKdKwu7
半年以上前に書いてみたSSですが、
まとめサイト見ても、このネタを使ったのはなかったようなので、投下してみる。
見落としてたら、ゴメン
オチとかないし、日常の一コマ?です。
ここでは、初投稿です。

136 名前:オヤジの餌(1/2) :2005/04/14(木) 10:28:28 ID:4LKdKwu7
『やはり、オヤジが居ない方が、いいなあ』
夕べは、オヤジが帰ってきた。
また、姉様の手料理とかほざいたオヤジは、またもドッグフードを出されて、涙流していやがった。
まあ、いかにもな飲み屋の名刺なんぞ持ってりゃ、姉様の機嫌も悪くなってあたりまえだ。
そういや、なんでドッグフードなんかあったんだろう?それも、フレッシュタイプが…?』
ねぇねぇがいるから、キャットフードなら分かるけど…』
などと失礼なことを考えてもみた。
「あれ?オヤジに出したドッグフード、なんであったの?」
一瞬、姉様がピックとしたのを、その時は見逃していた。
「……」
そして、わずかな沈黙…
『おおっなんか拙いことでも聞いてしまったのか〜』
ふと、目をやると淫獣がいる。
「ああ、そうか!マルの餌か」
「そうよ」
姉様が、冷たい声で、答える。
『なんか、姉様が怒っているような気がするけど、気温は下がっていないな』
再び、淫獣を見て、
「そうか、お前も不憫な奴だなあ」
思い切りバカにした同情の声をかけると、なんか唸っている。
「これ、くうや、我がマルにそのような物を食べさせるわけないであろう」
雛乃姉さんに窘められてしまった。
「1号のだよ〜」
海お姉ちゃんが口にすると、また、姉様がピックとした。この時も、それを見逃していた。
「これ、うみ」
再び、雛乃姉さんが窘めるような口調で言う。
「まったく、モエもいつまでも、居なくなった者に買ってきて」
ねぇねぇが言った。だけど、全神経は、目の前の肉にしかいっていないようだ。
言われたともねえは、えっ?っという顔を一瞬する。
「…あうっ…ごめん…なさい…」
そう言うと、下を向いてしまった。

137 名前:オヤジの餌(2/2) :2005/04/14(木) 10:29:26 ID:4LKdKwu7
「あら、あれはお姉さまが…」
姉貴が言いかける。
『あっバカ、まったくコイツはしょうがないんだから』
ねぇねぇが、そういう顔をして、姉貴を睨んだ。
『まあ、ツインだから、しょうがないよねぇ〜(・ε・)』
お姉ちゃんは、そういう顔をしている。
姉さまは、またピックとした。このとき、初めてその様子に気付いた。気温も下がったように感じた。
姉貴も、何かに気付いたように、口をつぐんだ。
『あれ、これはもしかして、非常にまずいことを、聞いてしまったのかぁ〜』
「もう、これでこの話は、しまいじゃ。よいな、くうや」
姉さんの一言で、話は終わってしまい、そのまま、しばらく無言の夕食が続いた。
「…………」
「さて、我は、部屋に戻るか、ごちそうであった」
姉さんが、部屋に戻ると、ともねえも食卓の片付けを始めた。
「ごちそうさま」
姉様は、そういうと立ち上がり、部屋から出るところで、立ち止まった。
「高嶺、あとで部屋に来なさい」
そして、静かにそう言って、部屋を出て二階に上がっていった。
姉貴は、しばらく固まっていたが、急に振り向いた。
「このイカ、余計なこと聞くんじゃないわよ」
やっぱり、ゲシゲシと足蹴にされた。

翌日、午後になってようやく起きてきた姉貴に、再び足蹴にされた。
その後、姉貴がお姉ちゃんに攻撃されたのはいうまでも無い。

この話の真相は、もう秋の気配を感じられるようになったころ、姉様から聞いて初めて知った…

138 名前:136 :2005/04/14(木) 10:56:13 ID:4LKdKwu7
”『”が2箇所抜けてた
それに、
> 一瞬、姉様がピックとしたのを、その時は見逃していた。
×ピック
○ピクッ

でも、ピッグだったら、実は、ねえやの変装だったになってるところだ

吊ってくる……

139 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:00:55 ID:0aBrxF7J
することもなく過ごす休日の昼過ぎ
部屋のドアをノックしてきたのは瀬芦里だった。
「要芽姉?ちょっと・・・頼みがあるんだけど」
またお金かしら、と思ったけれど、顔を見るとそうではないらしい。
いつもの陽気さは影を潜め、いたって真剣な顔で・・・
目元が・・・赤く、腫れている・・・
泣いていた・・・?
「どうしたの」
少し躊躇った後
照れるようにして、瀬芦理が口を開く。
「あのさ・・・お葬式に着ていくような服、貸してくれないかな」
・・・なるほど。
瀬芦里は、見た目よりもずっとナイーブで、傷つきやすい娘だと
一緒に暮らしているうちに、なんとなくわかっていた。
ただ、傷ついた自分を人に見られることを嫌う。
たとえ、家族である私たちにでも。
だから、親しい人が亡くなったりすれば、一人どこかで涙を流すのだろう。
どこか、私に似ているような気がした。
「・・・どなたか・・・亡くなったの?」
興味があったわけではなかったが、何となく聞いていた。
「うん・・・今、電話があってさ」
うなだれて
今にも泣き出しそうな顔で
目をそらして、ぼそぼそと喋る。
「そう・・・ちょっと待って、すぐに出してあげる」
衣装ケースから、黒の上下を一揃い取り出した。

140 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:01:34 ID:0aBrxF7J
服を手にとって、ふと思い出す。
この前、これに袖を通したのは
あの人が、逝ってしまったときだった・・・
やめよう。
もう思い出さないと決めたはずだ。
思い出しかけたものを、目をつぶり、また心の底に仕舞い込む。
「サイズが合えばいいけど・・・」
「ありがと・・・」
・・・こんな瀬芦里は、見ていたくない。
だけど、なんと声をかけてやればいいのかわからない。
「・・・車、出してあげましょうか?」
「いいよ、大丈夫」
「でも、それスカートよ?それじゃバイクには乗れないで・・・」
バイク、と言った途端、瀬芦里の肩がビクンと震える。
「バイクには!」
一瞬、声を荒げ、そしてまたすぐに元の沈んだ顔に戻る。
「・・・バイクには・・・今は、乗らないけど・・・」
その反応で、なんとなく事情はわかった気がした。
よく話していた、バイク乗りの仲間たち。
その中の誰かが・・・なのだろう。
「・・・だったら、車、出してあげるから・・・ね?」
黙ったままうなずく瀬芦里に服を渡し
私も簡単に身繕いを始めた。

141 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:02:15 ID:0aBrxF7J
駅に向かう車の中で
隣に座った瀬芦里が、ぽつりぽつり、話しはじめる。

新しくバイク仲間に加わった、年下の少年のこと。
甘えん坊で、瀬芦里によく懐いていたこと。
弟のように可愛がっていたこと。
いつしか求められー許しー与えたこと。
その少年に、空也の面影を重ねていたこと。
そして、それに気づかれたこと。
少年が、ムキになって、空也の影を消そうとしていたこと。

「アイツは・・・私に、認めてもらいたかったんだ・・・一人の男として」
「速く・・・アタシより速く、走れるように・・・そしたら・・・アタシが振り向くと思ったのかな」
「速くなくてもよかったんだ・・・ただ・・・ずっとそばにいてくれたら・・・」
「ずっとそばにさえいてくれたら・・・誰かの替わりじゃないアイツを・・・いつか・・・」

私と同じだ。
失ってしまうところまで、同じ。
彼に心惹かれているようで、本当は空也の面影を見ているだけで
彼はそれに満足できずに、一人の男として認められようとして
地位と名声を求めて旅立って
何一つ手に入れることなく、逝ってしまった。
私を残して。

面影を重ねていただけのはずなのに
失って、その大きさに気づく。
いくら姉妹だからといって、そんなところまで、似なくてもいいのに。
瀬芦理を不憫に思い、そして自分自身を哀れんでいた。

142 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:05:37 ID:lE/QpOcG
駅に着いた。
切符を買いに行く瀬芦里の背中を見て
なぜか不安に駆られ、声をかける。
「瀬芦里」
「・・・なに?」
「その・・・何時頃、帰るの?」
このまま、瀬芦里が帰ってこないような、そんな気がして
だけど「帰ってくるの?」とは聞けなくて
そんな尋ね方をした。
「・・・わからない・・・ゴメン、わかんないよ・・・」

あのとき
私も、どこかに行ってしまいたかった。
誰も知らないところで、一人になりたかった。
一人になって、何がしたいというわけでもなかったが
とにかく、一人になりたかった。
だけど
姉さんもいて、妹たちもいて
どこに行くこともできなかった。
そして
それは、結局のところ、私にとってもよかったのだと思う。
家族に囲まれて暮らすことで
少しずつ、癒されていったのだから。
だけど、瀬芦理は違う。
一人になりたくなったら、ぷい、とどこかに消えてしまうだろう。
だけど、それは何も解決してはくれない。
帰ってきなさい。
貴方のために。そして、私のために。
そんな思いを込めて、もう一度瀬芦理に呼びかける。

143 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:06:37 ID:lE/QpOcG
「駅に着いたら・・・電話して。何時でもいいから。迎えにくるから・・・」
「要芽姉・・・」
「待ってるから・・・寝ないで、待ってるから、ね」
少し
ほんの少し、間をおいて
瀬芦里が、少しだけ、笑った。
「うん・・・ありがと・・・電話、するね」
帰ってくる。
瀬芦理は、帰ってくる。
それがわかって、私も少しだけ、笑った。

瀬芦理からの電話は、結局日付が変わった後だった。
他の姉妹を起こさないようにして家を出る。
駅前で待っていた瀬芦理は、何か気まずそうだった。
「あの・・・遅くなって、ごめん・・・」
「いいのよ」
帰ってきてくれただけで、今は十分。
「さ、帰りましょう」
「うん」
最初に部屋に入ってきたときよりは
いくらか元気を取り戻しているように見える。
帰りの車の中では、瀬芦理はほとんど何も話さなかった。
家について、車を降りるときになって初めて口を開く。
「要芽姉?」
「・・・なに?」
「今日・・・要芽姉の部屋で寝てもいい?」
甘えるような、目が見ている。
「・・・いいわよ」

144 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:07:29 ID:lE/QpOcG
ベッドの中で
しばらく二人、互いに見つめ合い、じっとしていた。
二人とも、下着だけの裸だったが
抱き合うことに躊躇はなかった。
瀬芦理は、堪えている。
その顔に手を伸ばし、ささやく。
「・・・いいのよ」
その一言で、堰を切ったように
瀬芦理は私の胸で、声を上げて泣いた。

あの日
誰かの胸にすがって泣きたかった私が
誰の胸にもすがれずに泣くこともできなかった私が
今、泣いている。
泣きじゃくる瀬芦理を抱きしめて
私も、あの日の私のために泣いた。

ひとしきり泣いた後、瀬芦理はただ一言
「ごめんね、心配かけて」
と漏らした。
聞かれたわけでもなかったが
なぜか誰にも話さなかった、私に起こったことを話した。
瀬芦理は、黙って聞いていた。
話し終えたとき、瀬芦理が尋ねる。
「要芽姉は・・・空也が戻ってきたら、どうするの?」
「・・・どうもしないわ」
「・・・アイツ、まだ・・・要芽姉のこと、好きだよ」
「いらないわ・・・もう・・・」

145 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:09:04 ID:Rmd72VZB
嘘だ。
だけど、愛してくれたものを、愛しているものを失うことには
もう耐えられない。二度と。
弟なら。
弟のままなら。
何があっても、弟は弟だ。変わらずに、失わずに、ずっと。
そうしよう。そういう関係でいよう。
今。そう、心に決めた。
「貴方はどうなの?」
「アタシはもう・・替わりの誰かは好きにならない。帰ってきたら・・・きっと、空也を好きになるよ」
「そう・・・」
瀬芦理は、私とは少し違う。
少し、羨ましかった。
「ねえ、瀬芦理?」
「なに?」
「もし・・・空也とうまく行かなくても・・・いなくなったりしないでね」
もう
失くしたくない。誰も。
瀬芦理が、胸の中でうなずく。
「うん・・・そばにいるよ、ずっと・・・」
今まで
なんとなく瀬芦理との間にあった壁が
全部取り払われた気がした。
微睡みながら、抱きしめる。
私の、大事な妹を・・・

146 名前: ◆Rion/soCys :2005/04/15(金) 14:11:33 ID:Rmd72VZB
2でのねぇねぇエンドでの要芽の反応あたりからの妄想で
ちょっとタブーっぽかったねぇねぇ処女相手ネタでした。
時間たったからもういいかなー、みたいな。

147 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/15(金) 18:04:11 ID:7bx8xwhL
>>146
クゥ〜・・・泣ける!GJ!

148 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/15(金) 19:45:13 ID:JUzyY4BB
全米が泣いた

149 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/15(金) 20:39:37 ID:G1fJUFGo
>>Rion
色々考えさせられました、GJ

150 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/15(金) 23:51:28 ID:vndeOC9s
激しくGJ!
ねぇねぇの初めての相手は弟なら気になる所だよ。
その辺の普通の男と寝る訳無いからな。
そういうとこフォローしてこそSSだ。

マリみてのパロ書いて受けてるつもりの
公式ノベルの作者に読ませてやりたいよ(`Д´)ノ


151 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/16(土) 05:46:02 ID:LHWVfsEp
自分の中の具合知ってる辺り複数人、しかも年上とやってる可能性が高いと思うが。

152 名前:保管庫の中の人 :2005/04/16(土) 22:51:24 ID:lcUONGF1
天災そのいち

236 名前:530 ◆530SPECaOc 投稿日:2005/04/16(土) 20:52:43 ID:xXeFgEqa
>192の続き

つよきす  ◎  by きゃんでぃそふと  ◎

※浦賀 真名
       ,.'⌒
      '´ `´`ヽ
     ル 〈ノ从リリ゙
    '从(i!゚ ー゚ノi
    .  <)个i>
   .    く/_|j〉
       し'ノ


153 名前:保管庫の中の人 :2005/04/16(土) 22:52:21 ID:lcUONGF1
そのに

237 名前:530 ◆530SPECaOc 投稿日:2005/04/16(土) 20:54:05 ID:xXeFgEqa
※おまけ

わてら、竜鳴館アホアホコンビや♪
アホレベルでは誰にも負けへんでー
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
aho
      ,.'⌒      _
     '´ `´`ヽ   '´,  `ヽ マケナイヨー
    ル 〈ノ从リリ゙ .  !爪リリ从)ゞ aho
   '从∩゚∀゚ノi  ノ∩ ゚∀゚ノル
      ヽ)个iつ   ヽ`个⊂)    aho
     く/_|j〉     く/_|j〉
     (./し'      しヽ.)

                                       ,.'⌒
                                 ≡    '´ `´`ヽ
                                     ル 〈ノ从リリ゙
      _   ̄ ヽ\从 /  ,’;;;',∵     _    ≡  '从(i!;´дノi
       _ `ヽ   >  .てヽ         '´,  `ヽ    . (lつフiつ
     '´,   `ヽヽ  ヽ   ヘ, ドガ!!!  ≡. !爪リリ从)ゞ      く/_|j〉
    | lノノノ)リ))i/ \从 /     ,’;;;', ノwリ;Tヮノル     (/し'
     ル(i|#゚дノリ/  >  .てヽ   ,’;;;',   (lつiつ
      と)个と)   /ヽ   ヘ, ドガ!!! ≡  く/_|j〉
     ⊂≡ヽ>彡´   ´Y,´ '           (./し'
        ヽ_)
____∧______
 さっさと教室に入れ!!


154 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/16(土) 23:18:20 ID:Gszq34JQ
アホアホコンビワロタw
てか、その職人さんこのスレがあるって
気が付いてないに100ねぇねぇ。

155 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/17(日) 14:29:13 ID:xr20bk28
よし、漏れも投下するぞ。
なんとなく思い付いたままのことを、パロりつつ描き上げた。


156 名前:空也、大学へ行く。 :2005/04/17(日) 14:32:12 ID:xr20bk28
プロローグ

「あの、空也。ちょっといいかな」
俺の隣で食器を磨いている巴姉が、何やら気まずそうに声をかけてくる
「? 巴姉、なに?」
一方の俺は、スポンジで食器をごしごし擦ってるところだ。
現在、AM9:00。
朝食の後片付けを巴姉としているのだが…。
「うん。ちょっとお願いがあるんだ。…これ、なんだけど」
少しだけ濡れていた手を自分のエプロンで拭きながら(なんか似合ってるぞ巴姉)、
巴姉はキッチン横に置いてあった“ソレ”を持ってくる。
どうやら誰かの弁当箱らしい。…え〜っと、てことは、だ…
「うん、分かったよ巴姉。誰に届けてくればいいの?」
「え…!?く、空也、どうしてその、分かっちゃったんだ?」
「まー、巴姉だしね〜」
海お姉ちゃんの口調を真似してみる。
「あう…わ、私だからか…」


「ほらほら巴姉、ションボリしてないで。
それで?誰に届ければいいの?」
シュンとしおれた巴姉に先を促すように訊ねる。
伏し目がちになっていた視線をおずおずと上げて(くそ、可愛いじゃないか!)
「うん。高嶺に届けてほしいんだ」
「……げ。」ツル、パリーン。
「あ!くく空也!!」
思わず食器を落としてしまった漏れガイル。よりによって姉貴ですかともえさん!

157 名前:空也、大学へ行く。2 :2005/04/17(日) 14:35:45 ID:xr20bk28
第一話「なんでアンタみたいな以下略」

は〜、巴姉さんのお弁当持ってくるの忘れちゃった。お昼は食堂か〜。でもここの食堂、あんまり美味しくないのよね。あー気が進まない。焼きソバで済ませちゃおうかな。
「たっかねー」
食堂にすべきかコンビニ焼きソバで済ますか考えている時、ちょっと離れたところから声をかけられる。
知った顔だ。とりあえず友人Aとでも呼称しておく。
「あら。どうなされたの?何か楽しそうに伺えるのだけれど」
↑これアタシね。……アタシなのよ!!
「ちょーっとね。……フフ、水臭いなー高嶺さんも!」
「……?どういう意味……」
「またまた!とぼけちゃってこのぉ!」
友人Aがバンバンと勢いよく背中を叩く。ってちょっとは手加減しなさいよ!
「あの、貴女のおっしゃりたいことがいまいち――」
「やぁ。柊さん」
アタシの言葉を遮り、一人の男がアタシと友人Aの間に割り込んでくる。
うわぁ……コイツって確か大学一のヤサ男とか言われているヤツだ。
「御久し振り。それはそうと……この前の返事、聞かせてくれると嬉しいんだけど?
俺と付き合ってくれるよね?」


158 名前:空也、大学へ行く。3 :2005/04/17(日) 14:38:56 ID:xr20bk28
……あー、そういえばそんなこともあったっけ。でもあれは、
「私の記憶が確かであれば、はっきりとお断りしたはずですが」
「それは本心じゃない。照れているだけなのさ、君は。恋愛に慣れていないみたいだから尚更、ね」
うっわ自己チュー爆発。なにナニ何なのコイツ!いや恋愛に慣れてないのは事実だけど。
「ですから、先日も言ったように私には――」
「そうそ!高嶺にはちゃーんとした彼氏がいるもんねー♪」

『え゛っ』

一瞬の沈黙のあと、何故かその場にいた殆どの人間の声がハモる(アタシ含む)
「ちょ、ちょっと!私にそういう男性は…!」
思わず友人Aに詰め寄ってしまうが、彼女はニタニタ笑いながら、
「まったまた〜。それじゃぁ、あそこで高嶺を待ってる人は誰なのかな〜」
「…?」
アタシを待ってる?全然心当たり無いんだけど。


159 名前:空也、大学へ行く。4 :2005/04/17(日) 14:41:36 ID:xr20bk28
「ああああああああんたアンタ!なんでここにいるのよ!」
俺の姿を確認するやいなやダッシュで駆け寄り、ボディに一発(もちろん周りに悟られないように)、
その後、周りがヒューヒューからかうなか姉貴は人通りの比較的少ない場所へと俺を連れてきた。
「いやなんでって、これ。弁当」
ぱちくり、と目を瞬かせた後、ありがたいような迷惑なような、複雑な表情をした。
はい、と言って弁当を渡す。姉貴はそれを素直に受け取った後、
ソッポを向いて近くにあったベンチへと腰を下ろす。
やれやれと思いながら、俺も姉貴の隣に座ろうとするが、
「こらイカ!あんた、全くもって気がきかないわね!」
「え、え?」
「アタシは今、飲料水を欲しているわ。なんか買ってきなさい。もちろんアンタの金でね」
「そんな横暴な!せめて金ぐらい…」
「うっさい!アンタはアタシの下僕で家畜で奴隷なのよ!?言われたことは即座に実行!さ、買いに行く!」
「…うぅ、世の中はなんて不公平なんだ…」

160 名前:空也、大学へ行く。5 :2005/04/17(日) 14:44:24 ID:xr20bk28
「ふん…巴姉さんの弁当を届けに来たのは評価に値するけど」
せめて人目につかないように来なさいよね。ったく。
あーもう。暫らくアタシが色々話しのネタにされるような予感が…
「へ、え…。彼が、君の好みのタイプなんだ」
うわさっきのキザ男!
「私とあの子はそういう関係ではありません」
きっぱりと言う。あくまで冷静に、ムキにならずに。これが一番効果的だ。と自分では思う。
「……本当に?」
「くどいです。そういう関係にはなることはありえません」
「そう、そうだよね!いやっはは、そうだよ考えれば当たり前のことだった。
君みたいな可愛い娘とあんな男とでは釣り合いが取れていない!」
「……。は?」
つりあいが、とれない……?
なんだろう。そこはかとなくムカツク…ていうか、はらわたが煮え繰り返ってくるっていうか…
「いや、いやいや何も言わなくても分かるよ僕は。
あんな見た目がチャラチャラしている格好だけの男、君に合うはずがないものな。
どうせあれなんだろう?無理矢理付きまとっているストーカー野郎なんだろう?
そうだいい機会だ、僕が君をあの男から守ってあげるよ。
ああいう輩には、世間の厳しさってやつを教えてやらなきゃ――」
………。
ぷちぷちブチ!!

161 名前:空也、大学へ行く。6 :2005/04/17(日) 14:49:17 ID:xr20bk28
「うう、遅くなってしまった」
「あははゴメンね、まさか弟君だとは思わなかったからさ」
隣には姉貴の友人が並んで歩いている。手には昼食らしきものが。
彼女は姉貴と一緒に食べるみたいだ。
あの後、ジュースを買いに行った俺は姉貴の友人に捕まって今まで
根掘り葉掘り色々聞かれてしまった。
いつから付き合いだしたのか、どれくらいの付き合いなのか、
ABCどこまで済ませたのかetc。
どうやら俺と姉貴をカップルだという勘違いをしていたらしい。
……ああだから姉貴は怒ってたのか。納得納得。
「まぁあれです。誤解が解けただけでもよかったです」
「あたしってほら、早とちりなとこがあるのよね。
君のお姉さんにも直すようにって言われているんだけどさ」
「あっはは、早とちりなんですか。たしかにそうかも」
「あ、ひどーい」
「冗談ですよ。お返しです。
………ん?」
なんか怒鳴り声が聞こえるな。
……姉貴??
「ん?どったの弟君?」
「ちょっとごめんなさい。ここで待っててもらえます?」
「んーいいけど。何の用事?」
「いえ、すぐ済みます。
それじゃ、ちょっと行ってきます。待ってて下さいね」


162 名前:空也、大学へ行く。7 :2005/04/17(日) 14:52:08 ID:xr20bk28
「―――だいたいなんで人間として下等で下劣で下品で愚者なアンタごとき
がアタシに話し掛けて良い訳妄想見るのも大概にしときなさいよねアンタご
とき男が女口説くこと自体冗談通り越して犯罪よ絶対ウラン水爆砒素原爆通
り越す大量殺戮兵器よねそもそもアンタが生きてること自体図々しいのよね
………ハァ!?アンタのことに決まってるだろうが!!いーいよぉぉく聞き
なさい!存在が犯罪といったらアンタ!ダサイと言ったらアンタ!ノロいト
ロいキショいサムいトッポいショッパいスッパいと言ったらアンタ!この綺
麗な学校を汚しているのはアンタ!この清浄さ溢れる学校を臭くしているの
はアンタ!これだけスッキリクッキリハッキリバッチリ言っときゃいくらの
馬鹿でも理解できるでしょ!?アンタはカス!アンタはクズ!アンタはドブ
ネズミ!アンタは―――」


163 名前:空也、大学へ行く。8 :2005/04/17(日) 14:54:06 ID:xr20bk28
「あー、やっぱりキレてら」
素の姉貴に戻ってるし。
「えーーーーーーっと」
姉貴に土下座で(しかも半泣きで)謝っている男に軽く黙礼を捧げる。
(頑張ってくれ。君の魂は我が英霊として生き続ける。
――可能性が無きにしもあらず)


そうして俺はその場から退散した。下手に近づこうものなら俺も巻き込まれてしまう。
そいつはごめんだぜイボンヌ。


それにしても。

「なんで姉貴、あんなにキレてたんだろ」


糸冬!!

164 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/17(日) 15:09:52 ID:mWWLpE/r
乙かれ〜

165 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/17(日) 22:53:35 ID:VBK63FuM
イボンヌって聞くとイヌボンを思い出す漏れも面白いと思っております。

166 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/18(月) 00:29:21 ID:1gFTsZpc
>165
それってコンプティークのネタか?

167 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/18(月) 00:52:07 ID:GjLHSSNM
イボンヌって聞いてもこゆうざしか浮かばないな

168 名前:156 :2005/04/18(月) 08:22:59 ID:bY833dLx
>>167
>イボンヌって聞いてもこゆうざしか浮かばないな
正解w気付いてくれてアリガd


第一話ですから、気が向けば続きを・・・って考えてます。

169 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/18(月) 15:00:27 ID:xiuB73pA
乙です。
やっぱなんだかんだいってもラブな姉貴の話はいいな。
ちょっと某大空寺を思い出したがw

170 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/18(月) 19:19:54 ID:SLDTPdVj
>167-168
確かにくーやも顔綺麗だしなw

171 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/20(水) 19:03:29 ID:PGw684XU
空也が免許を取ったときの話。
車を走らせながら、空也がセロリに言った。
「時速180km出したらさ、ハダカになってくれる?」
セロリは承知し、車は加速し始めた。

スピードメータが180を指したので、セロリが脱ぎ始めた。
全部脱ぐと、空也の目はおっぱいに釘付けになり、
車は道を逸れて横転した。セロリは怪我もなく車外に投げ出されたが、
脱いだ衣服と空也が車の中に閉じ込められた。

空也「助けを呼んできてくれ」
セロリ「いくらなんでも行けないよ。全裸なんだから」

空也は、車外へすっとんでいった自分の靴を指差して言った。
「隠せばいいよ、あれで。助けを呼んできて。お願い。
あのガソリンスタンドがいい。真っ直ぐ行ったところの」

セロリはその靴を手にとり、股間を隠すとスタンドへ一目散に走っていった。
着いたときには自分の格好も忘れて、従業員に向かって叫んだ。
「助けて!助けて!出られなくなっちゃったの!」

従業員が下を見ると、股間を隠している靴に目がとまり、
驚いて返事をした。
「もう手の尽くしようがない、かなり奥まで潜ってますから」

172 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/20(水) 19:15:28 ID:PGw684XU
車に乗っていた高嶺が、隣の席の海に提案をした。
「退屈しのぎにゲームでもしない?交代で質問を出し合って、答えられなければ相手に罰金を払う。
海の罰金は500円。私の罰金は・・・そうねぇ、ハンデとして5000円でどう?」
海は承諾した。
「地球から太陽までの距離は?」
海は黙って500円払った。
「約1億5000万kmよ。『1天文単位』でも正解にしたのにね。」
「じゃあ、丘に上がるときは3本脚で降りる時は4本脚のものはな〜んだ?」
高嶺は必死に考えたが解らず、とうとう目的地に着いてしまったので、5000円払って尋ねた。
「降参・・・答えは?」
海は黙って500円払った。

173 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/21(木) 00:05:24 ID:g1gvSA8D
>>171-172
ショートコント乙



174 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/21(木) 13:05:55 ID:LGlBOIVK
>>172
海お姉ちゃん…やるなw

175 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/26(火) 19:35:50 ID:Xv5gUFKh
_________|_
 |  _____ ∧_∧|_
   ̄| _____ (∀`   )_|_ 大人の階段のーぼるぅ〜♪
    ̄|  __ と     つ__|_  君はまだロンリーウルフ♪
      ̄|  __<  <ヽ |______|_  幸せはカナちゃんがきっと運んでくれると信じてるね♪
       ̄|  _(_)_γヽ______|_  掃除機だったと、いつの日か
         ̄|  ___(__ノ______|_  思う時がくるのさぁ〜♪
          ̄| ___________|_
            ̄|                |

_________
_________|_
 |  _______ ∧_∧ _
   ̄| ______(  ´∀`)|_ 柊の階段下りるぅ〜♪
    ̄|  ___ ⊂    つ__|_  姉の釘、五寸釘さ♪
      ̄|  __ 人  0_____|_ 居間で足を止めて〜
       ̄|  _ レ_________|_ 要芽の足音、気にしているぅ♪
         ̄|  __________|_ ツインだったと懐かしくぅ〜
          ̄| ___________|_ 振り向く日があるのさぁ〜♪
            ̄|              |

176 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/26(火) 19:43:40 ID:j5zPssED
ちょっと語呂悪いな

だがGJ

177 名前:あの人の声(1) :2005/04/27(水) 23:11:17 ID:GtbQt/7U
今日はあの人の命日。弟に似た、あの人の命日。
私は彼に、離れ離れになった弟の姿を見た。いや、彼が弟にそっくりだったのだ。
仕草も、性格も、顔も、雰囲気も、何もかもが弟にそっくりだった。
だからつきあっていたが、次第に弟ではないことに気づかされた。やはり、彼は弟にはなれなかった。
当然と言えば、当然のことだろう。
弟が帰ってきたとき、私達は別れてしまうのだろうかと思った。
しかし、例え弟にはなれないとはいえ、私は彼が好きだった。
心の底から、彼のことを愛していたのだ。
…でも、彼は私一人を置いて死んでしまった。
飛行機事故で、あっけない最後を迎えてしまった。
それから数年が経ち、弟は帰ってきた。
私は弟に嫌われようと寝込みを襲い、恐怖を植えつけた。
しかしそれでも、弟は私にくっついてきた。
心の氷を溶かされた私は、弟のことを心底愛するようになった。
しかし、ここで一つの疑問が生まれた。
今の私を、死んだ彼はどう思っているのだろう。
ただ弟に似ているというだけで、彼とつきあっていた軽薄な女と思っているのだろうか。
それとも、私のことを祝福してくれているのだろうか。
今日は墓参りに行くので、その時にでも彼に聞いてみよう…

178 名前:あの人の声(2) :2005/04/27(水) 23:12:58 ID:GtbQt/7U
私はお参りの準備を素早く済ませた。
車のドアを開けると、雛乃姉さんと空也が見送りにやってきた。
「それじゃ雛乃姉さん、行ってきます。」
「うむ。」
「あれ、要芽姉様。どっか行ってくるんですか?」
「ええ…空也、あなたは来なくていいから。」
「???…はぁ…?」
道の途中で花を買い、一人で墓地まで向かった。
静まり返った、誰もいない墓地。
私は彼の墓の前まで行き、水をかけてから線香と花を供えた。
手をあわせて目を閉じていると、ふと後ろから声がした。
「要芽さん…かい?」
私は声のする方向に振り向いた。
摩周君と同じぐらいの身長で、がっしりとした体をした男性に、私は見覚えがあった。
「あ…あなたは…お兄さん?」
「ああ、やっぱり要芽さんだ。久しぶりだね。」
「こちらこそ、ご無沙汰しています。」
「どうだい、久しぶりに会ったんだし、ちょっと話でもしないか?喫茶店にでも行こう。俺のおごりだ。」
「はぁ…ありがとうございます。」

179 名前:あの人の声(3) :2005/04/27(水) 23:15:13 ID:GtbQt/7U
彼には一人の兄がいた。7つ歳が離れている、非常に仲のいい兄弟だった。
お兄さんが大学を卒業した頃、両親が交通事故で亡くなり、お兄さんが彼の学費を負担していた。
弟思いの、優しいお兄さんだ。
彼がお兄さんに私を紹介したとき、お兄さんは本当に嬉しそうだった。
その分、彼が亡くなったときの落胆ぶりはかなりのものだった。
自殺してしまうのではないか…冗談ではなく、本当にそう思った。
「毎年、命日になると花があったけど…やっぱり君だったんだね。いつか会えると思ってたよ。」
「ええ…」
正直なところ、あれから私はあまり会いたくなかった。
どんな顔をしてお兄さんに会えばいいのかわからなかった。
「結婚したって聞きましたけど…今日は一緒じゃないんですか?」
「ああ。なんとなく…ね。
 君はどうなんだい?結婚したのか、それともいい人が見つかったのか。」
「え…ええ…その…」
やぶへびだったか。触れてほしくないところに話題がついてしまった。
彼の中に見た空也の幻影、それを私は追いかけていただけなのかもしれない。
それをお兄さんに知られるのが怖かった。
所詮弟は代わりだったのかと思われたくなかったのだ。
相手の怒りを買うのではないか、その恐れが私を取り囲んでいた。
沈黙の中、お兄さんが口を開いた。
「実はこの前、偶然君を街で見かけてね。
 一緒にいた彼が君の弟さんなのかな、凄く僕の弟に似ていたのを覚えているよ。
 あまり仲がよさそうだったから、声をかけないでいたんだけどね。」
「…!」
「どうなんだい、彼が君の弟なのかい?」
「え…あ…はい…」
私は力なく答えた。見られてしまった…お兄さんに…

180 名前:あの人の声(4) :2005/04/27(水) 23:17:15 ID:GtbQt/7U
お兄さんは私をどう思っているのか。やはり私のことを軽蔑しているのだろうか。
何か話そうとしても、全くノドの奥から声が出てこない。
お兄さんは話を続けた。
「弟がね、生前に言ってたんだよ。君の弟のことを。」
「…え?」
「会話していると、君がいつも君の弟の話をしていたってね。
 そのときの君の顔が、一番嬉しそうな顔なんだって言ってたよ。」
やはり打ち明けるべきだろう。
隠し通せるものではない。いっそ、打ち明けてスッキリしたほうが、お互いのためだ。
「…あの…私…」
「…?どうしたんだい?」
「実は…弟は血が繋がってないんです。それで私…今、あの子のことを愛しているんです。」
「…」
「私は…彼に弟の姿を見たんです。私たち姉弟はワケあって離れ離れになって…とても寂しくて…それで…
 ずるいですよね、私はあの人のことを…」
「いいんだよ、要芽さん。アイツはそのことを知っていたからね。」
「…!」
「アイツは俺に言ったよ。『要芽はもう一人の人間を愛している』ってね。
 その時は一体何のことかわからなかったけど、今の君の言葉で理解できたよ。」
気づいていたとは思わなかった。身代わりにされていたのを知って、私のことを…
「ごめんなさい、ごめんなさいお兄さん!私は…私は…」
「君はアイツが怒っていると思っているのかもしれない。でもそれどころか、アイツは逆に笑っていたよ。」
「…ど、どうして…」
「アイツはこう言ったんだ。『僕が死んでも、彼女は一人ぼっちじゃない、愛する人がいる』と。
 なんとなくだけど、自分が死ぬのを予感していたかもしれない。
 現にそれを聞いたのが…死ぬ1週間前だったんだ。病気でもなんでもないというのに、不思議なものだな。」
「彼がそんなことを…」
「ああ。君は心配することはないよ。
 アイツは幸せだったんだ。君に出会えて、本当によかったんだと思うよ。」

181 名前:あの人の声(5) :2005/04/27(水) 23:18:54 ID:GtbQt/7U
彼は私が空也を愛していることに気がついていた。
それでも、彼は私のことを誰よりも愛し、心配し、大切にしてくれた。
今になって、彼の本当の愛を知ったようだった。
彼の気持ちを大切に、私はこれからも空也を愛していくことを心に誓った。
それが彼にとっての一番の手向けになると思ったからだ。
お兄さんと別れ、車を走らせて家に向かう。
私の心は何か満ち足りた気分だった。
言葉で言い表すことはできないが、何かつまっていたものがスッと消え去ったかのようだった。
「あら、空也と巴じゃない。」
「あ、要芽姉様。」
「お帰りなさい、要芽姉さん。」
墓地からの帰りの道で、買い物に出かけていた空也と巴に偶然出会った。
買い物は済ませた後だったので、ついでに乗せて帰ることにした。
その車中で、空也は質問をしてきた。
「ねえ、要芽姉様。今日はどこに行っていたの?」
「く、空也…あの…」
「いいのよ、巴。…お墓参りよ。大切な人の…ね。」

182 名前:シンイチ :2005/04/27(水) 23:21:27 ID:GtbQt/7U
うあー…なんて中途半端なんだ…
こういうのは苦手ですね、無理するんじゃなかった…
次はどうしよう?以前のヤツの続きでもやろうか、それとも…

183 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/28(木) 21:44:34 ID:jqyYZmwS
乙カレー

184 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/28(木) 22:23:55 ID:7ulERqwo
心に染みるな

185 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/29(金) 16:30:03 ID:+UhwngKE
そ、その空也は偽者だ!中に摩周さんが入ってるぞ!

186 名前:156 :2005/04/30(土) 09:19:38 ID:Gn+pu3Ts
ろくでもないネタではあるが、ちと投下してみる。
これの元ネタ今ハマッてるんですよね・・・。

187 名前:柊王 アネモエガー(OP風) :2005/04/30(土) 09:23:16 ID:Gn+pu3Ts
アネネッ アネネッ アーネモエガーッ!
アネネッ アネネネッ アネモエガーッ!

走れ!弟に萌える姉
熱い!ロウソク ロープとムチ
要芽の視線は 空太郎 自分の未来 救うため
今こそ ゴースンクギー!
人の!空太郎食い漁る カナちゃん!絶対許せない

アネネッ アネネッ アーネモエガーッ!
アネネッ アネネネッ アネモエガーッ!

ファイナルフュージョン承認だ
今だ ベッドで合体だ
双髪雹弾!

ツインテール!シリンダァァァァァ!!

水攻め!罵り!エスエム!ローソク!
誕生!おとうと!柊の巨神
僕らの空太郎!

アッネッアッネッ アーネモエガー!!

(↓セリフ)
「君も史上最萌の柊王伝説にフュージョンせよ!」

188 名前:柊王 アネモエガー(OP風) :2005/04/30(土) 09:25:23 ID:Gn+pu3Ts
うわぁやっぱ最低かもorz

189 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/30(土) 09:34:29 ID:5eL2dz+E
(・∀・)

190 名前:名無しさん@初回限定 :2005/04/30(土) 22:34:59 ID:85JJcElR
おおっと華麗なスルーパスだ!

191 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/01(日) 21:02:50 ID:KOnnxh4a
流れも読まずに転載
290 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/01(日) 13:32:37 ID:7YCQxzjd
>192>236の続き

つよきす  ◎  by きゃんでぃそふと  ◎

※対馬 レオ(主人公)
       _
    '´   `ヽ
   i ソノリ从リ
   `(リ ゚ ー゚ノ
    /i `i´lヽ
    Ull_ハ_!J
      |__l_j

※鮫氷 新一
      _,,
    ''´    ヾ
   ル 从リ从)〉
    ゞ(i[゚]-ノii
    くj `i´lヽ
     ll_ハ_iン
     |__l_j

※伊達 スバル
       、,
    '´ '`´ ゙ヾ
    { ソ从从シ}
    メ(リ゚ ー゚ノリ
    ノ,'くj `i´lヽ
  ((  ll_ハ_iJ
    ゙  i_7、」

192 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/01(日) 21:05:05 ID:KOnnxh4a
転載その2

291 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/01(日) 13:36:37 ID:7YCQxzjd
※村田 洋平
      ____
    ,´ __ _゙i!
    {ミi´ ( i
    `(i ゚ ー゚ノ
     /j `i´lヽ
      ヽr T !ン
      |__l_j

※楊 豆花(やん とんふぁー)

    ,.-、 _ ,-、
    (_〃/ ^^ ヾノ
    /.ハ〈ノノ人))〉、
    〈/i」(リ゚ ー゚ノリ」、〉
  .    ⊂)个iつ
       く/_|j〉
  .      し'ノ

(;´-`).oO(髪飾りが微妙…)

193 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/02(月) 06:39:44 ID:LFX3KGwP
>51>53>154
スイマセン、スレを見落としていました…Λ||Λ



            ┃|         *',.`;
            ┃l|     _ ;.l`ヽ
          ∩┫l|   (_`ヽ_;/ , /;’、
    ,.-、 _ ,-、 l|从/ ヽ   ’ヽ  ’∴∩;*' '
    (_〃/ ^^ ヾノi |  て_   と( 、Д,)’;・ ←漏れ
    /.ハ〈ノノ人))〉i !|  (      ∨ ̄∨‘
    〈/i」(リ#゚ヮノl |! イY^\ ドガ!!!
     ┣⊂)个iソ ! |!
     ┃ く/_|jソ、
     ┃  `‐' \_)

194 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/05(木) 11:51:14 ID:xam9yHk6
>>193毎度毎度はげしく乙&GJです。

305 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/04(水) 00:04:18 ID:mD6qsRQN
姉、ちゃんとしようよ! 1〜2 (一部リライト) ◎  by きゃんでぃそふと  ◎

※柊 空也
        、,
    , '´ `´ ヽ
    { 从从リ》
    ヾ(i゚ ー゚ノi
     くi`'´iヽ
     r T iソ
     |__l_j

※柊 雛乃
      __)___
    〃 ,^i^ ヾ
   i ノノハヾバ
 .  ゙ゞl゚ ヮ゚ノゝ
    /ヽソ'ヽ
     l_/,==トソ
     〈/l_,ゝ

※柊 要芽
      _
    '´  `ヽ
   l ノリ从从〉
   |(lリ゚ ー゚ノli
   l く)i个)つ
   |l|〈__:_|liリ
  .    !_ハ_i

195 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/05(木) 11:54:53 ID:xam9yHk6
306 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/04(水) 00:04:32 ID:mD6qsRQN
※柊 瀬芦里

    ,-‐z__
   /,〃,へベ、
   |liミi((从リ)リ
   ノノノ(l゚ ー゚ノl|
  ((( く(_†_)つ
  ``` r T !
    .  i_/、」

※柊 巴
   .  く_
     '´ ヾ ヽ
    l ノノノ))))
    ヾ(リ゚ ヮ゚ノリ
    ノ.⊂)゙-゙iつヽ
   (   〈l_l|  )
      i_/、」


196 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/05(木) 11:58:30 ID:xam9yHk6
307 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/04(水) 00:04:49 ID:mD6qsRQN
※柊 高嶺

   /^▽⌒▽^ヽ
    | 〈从レ从〉 |
    リリ(li゚ ヮ゚ノリリi
     ⊂)゙ー'lつ
     〈,__j」
  .     し'ノ

※柊 海
       _
    '´,r‐M ヽ
    l 从i'"リ)〉
   ノリ(l(゚)ヮ゚ノリ
   (y⊂)又)つ
   》《 .〈_」
   "   し'ノ

197 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/05(木) 12:01:30 ID:xam9yHk6
308 名前:530 ◆530SPECaOc [sage] 投稿日:2005/05/04(水) 00:06:10 ID:mD6qsRQN
※犬神 帆波
       _
    '´, '^V^ヾ
    l i リリ'゙从》
    j レ!゚ ー゚ノリ、
   'ノ ⊂)水)つ
   ( (( く/_l〉リ
       し'ノ

※犬神 歩笑
       _
  . .「`Y´ M ヾフ
  └ァl 从i' リ))〉
    くw'(l゚ ー゚ノw>
    ん⊂)夲iつゝ
   .   f/_|:|_lゝ
       .~し'ノ~

(´-`).oO(柊、犬神両陣営のみ投下…)
(´-`).oO(空也と瀬芦里のみ新作です。)

>301
(;´-`).oO(後姿しか資料が無かった物ですから…指摘サンクスです)

198 名前:保管庫の中の人 :2005/05/06(金) 01:13:05 ID:x7i+vM4m
保管庫ここまで更新。
つよきすネタも少しずつ出てきましたね。


…それはそうと、「座薬 SS」で検索かけて保管庫に飛んできた弟は
おとなしく手を上げなさい。先生怒らないから。
いや、確かにあるんだけども。

199 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/06(金) 01:26:21 ID:1iEYszkA
>>198 ワロス 座薬マニアかw

200 名前:136 :2005/05/06(金) 23:22:17 ID:v8INKO37
「オヤジの餌」の作者です
保管庫の中の人氏
誤字脱字訂正ありがとうございました<(_ _)>

201 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/14(土) 20:32:33 ID:uDDQ4+v3
ねぇねぇで保守。

    ,-‐z__
   /ヾ>,へベ、フ
   |liミi((从リ)リ
  ノノノ (l ゚ヮ゚ノl|    ドガッ
  ((( 6(_†_と)  : .'∧_∧ ∴'.
  ``` ,(_゛~'"ワ)∴)).`Д゚) .;:; ∴.'
    .  レ' ̄ ._/ つ_ つ∴.'∴.
    彡    ,ノ ,, /
       .・.し'' し'
       .____


202 名前:姉しよ昔話・桃空也(1) :2005/05/15(日) 21:37:52 ID:J0jBkxcb
むかしむかしあるところに、帆波とぽえむというとても仲の良い姉妹が住んでいました。
ある日、帆波は山へ柴刈りに、ぽえむは川へ洗濯に行きました。
でも帆波は遊ぶ事しか頭の中にはありませんでした。
ぽえむが一生懸命洗濯をしていると、川上の方からとても大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
「こんな大きな桃なんて存在するはずがないね。」
なんだか嫌な予感がしたので、そのままやりすごしました。

ところがどっこい、ぽえむが帰ってくると、珍しいもの好きの帆波がその桃を持って帰ってやがりました。

「姉さん、こんな大きな桃なんてどう考えても気持ち悪いよ。」
「え〜、だっておもしろいじゃない。」
二人がもめていると突然、桃がひとりでに真っ二つに割れました。
するとどうしたことでしょう、中から男の子が現れたではありませんか。
「くっそ〜、あのクソ親父め!こんな狭苦しいところに閉じ込めやがって!」
出てきた男の子は元気一杯でした。
「な、なんなのこの子…?」
さすがの帆波もビックリして言葉を失い、ぽえむは姉の影に隠れておどおどしています。
「あ、あんたは誰なの?」
「ん?ああ、あんたが俺を運んでくれたのか。ええと、俺は…」
するとぽえむが突然、
「桃から生まれたから桃空也だね。」
「なんですか、その語呂の悪い名前は。」
「う〜ん、いいんじゃない?」
「おい、勝手に名前を決めるなよ。」
こうして男の子は桃空也と名づけられてしまい、この家の一員として生活することになりました。

203 名前:姉しよ昔話・桃空也(2) :2005/05/15(日) 21:39:05 ID:J0jBkxcb
桃空也はすくすくと元気に育ち、団長というアホな友達もできました。
しかし、女の人を見ると見境ナシになってしまうあたり、この子の父親はどんな人なんだと頭を痛めました。
今や村一番の女たらしです。
村の人気者のいるかちゃんも手篭めにされてしまいました。

それはさておき、すっかり大きくなった桃空也はある日、帆波とぽえむに呼ばれました。
「クー君、鬼が島って知ってる?」
「知ってるけどそれがどうかしたの?」
「実はね、最近になって鬼達が女の子を中心に連れ去る事件がよく起きているのよ。」
「な、何ィィィィィィ!」
桃空也は怒りをあらわにしました。
自分のものをとられたような気分でいっぱいでした。
「で、そんな鬼達を桃空也ちゃんに退治してもらおうってわけ!」
「もちろん!そんな横暴を許すわけにはいかないぜ!」
桃空也はあっさりと旅に出ることを決意しました。
うまくいけば女の子達を助けた後で、全員を自分のモノにしてしまおうと考えていたからです。

動機は鬼達とかわってねーじゃねーか。

ともかく鬼退治に出発する桃空也に、ぽえむは彼にお手製のきび団子を持たせました。
桃空也の夢と野望に満ちた旅が始まったのです。

204 名前:姉しよ昔話・桃空也(3) :2005/05/15(日) 21:40:50 ID:J0jBkxcb
しばらくすると、犬の『巴』、キジの『高嶺』、猿の『海』がついてきました。
「お、鬼退治に行くんだろ?私も…ついていっていいかなぁ…」
「アタシと一緒に旅ができることを光栄に思いなさい!」
「くーや、くーや、くーやぁ。」
こんなことを言ってついてきたのです。
しょうがないので桃空也はお供にすることにしました。
そしてお腹がすいてきた一行は、ぽえむのきび団子を食べることにしました。
するとどうしたことでしょう。
「…ぎゃひぃぃぃぃぃ!」
「辛いぃぃぃぃぃ!」
「水!水〜〜〜〜!」
きび団子は爆裂に辛かったのでした。

でも、一人だけ無事でした(・ε・)

気を取り直して歩いていると、突然カラスのバケモノが襲ってくるではありませんか!
「ギャァァァス!」
「こ、この野郎!」
桃空也は刀で斬りかかりましたが、なんと刀がポキンと折れてしまいました。
「うわぁぁぁ!ど、どうしよう!」
「イカ、なんとかしなさいよ!」
「こうなったらお姉ちゃんが電撃銃で…」
すると巴は突然みんなの前に出て、何かポーズをとりだしました。
「みんなを守るんだ…纏身!」
いきなり巴の姿が変わり、カラスのバケモノをあっさりと倒してしまいました。
それからみんなは心に決めました。

巴は怒らせないようにしよう、と。

205 名前:姉しよ昔話・桃空也(4) :2005/05/15(日) 21:44:24 ID:J0jBkxcb
一行は船で鬼が島をまっすぐ目指しました。
飛ぶのがしんどいと船に乗っていた高嶺は酔って吐いてしまいました。

汚ねーなオイ。

そんなことはお構いなし、ハーレムを目の前にした桃空也の気持ちは高ぶります。
ついでに股間も元気一杯です。
そしてとうとう鬼が島にたどり着いたのでした。
「よーし、みんな行くぞ〜!」

しかし、鬼達というのは…

「なんともまあ可愛い男子が来たものよなぁ。我もみらくるになったかいがあるというものよ。」
「あら…あなた可愛いわね…こっちにいらっしゃい…」
「おおっ!酒に肉とくれば可愛い男!やっぱこうでなくっちゃねぇ!」
「ウフフ…さあ、トモちゃんもこっちにいらっしゃい…」

こんなのだったからたまりません。
桃空也たちが適うはずもなく、あっさりと捕まってしまいました。
その夜、鬼達は桃空也達を存分に楽しみ、さらに一行はいろいろとこき使われるハメになってしまったのでした。

めでたしめでたし。

「おい!全然めでたくねえぞ!」
でもハーレムみたいなもんでしょ?
「あ、そっか…ってオイィィィィィィ!」

206 名前:シンイチ :2005/05/15(日) 21:48:00 ID:J0jBkxcb
自分で言うのもアレですけど、オチが弱いかな?うーん…。
ま、鬼のチョイスは自分なりに気に入ってるんですが。
次は何しようかな。

207 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/15(日) 22:08:17 ID:6+uiiKwr
>>206
・・・・・・・・・・・・いるかちゃんドコー?

208 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/15(日) 22:49:27 ID:+eDc3BPV
帆波「美味しそうな桃。パク」
空也(桃の中から)「わぁ、食ったら太るよ」
帆波「なんか言った?」
空也「ぎゃあぁぁ〜〜」
お終い
となる気もする

ねぇねぇだったら
瀬芦里「美味しそうな桃。パク、ペロリ」
お終い

209 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/15(日) 22:58:20 ID:XdlIn24S
ひなのんの場合「おお、川から桃が流れてくるぞ。しかし。。。我の力ではもって帰れぬしなぁ・・・(そのまま流れさる桃)」
お姉さまの場合「非常識だわ。。。。今のは見なかったしましょう。。。」
ともねえ「あぅ・・・・川から桃が。。。あは、持ってかえったらみんな喜ぶかな。。。」
ねーたんの場合「川から桃が流れてくる・・・・うぅ・・・疲れてるみたい、早く帰って寝よう・・・」



ツイン&うみの場合

ツイン「ち、ちょっとまちなさいよ!なんで私が桃の中にいるのよ!ってうみ。。。?あんた手に何もってンのよ!ぎゃーー!」
うみゃ「桃の中にはいっててかわいそうな高嶺お姉ちゃん、すぐにだしてあげるからねぇ〜。
だったかだったてーてーてー♪チェーンソー、これはかみすらバラバラにできるすぐれもので〜(ry」

210 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 02:38:33 ID:ZhoRPs8H
おとといから、1をはじめてる

しょっぱなから、あまりにも虐げられ、怒りにも近い感情を抱きつつ
海ねえさんに癒されまくった

仕事してても、「く〜や♪ く〜や♪」って声が
ず〜〜〜っと止まりません

こうやって、漏れの脳はだんだんスープになっていくんだ。

211 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 02:58:48 ID:ZhoRPs8H
しまった

Part.5 に書くつもりが誤爆っt

212 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:33:36 ID:W7WOA4P+


213 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:33:42 ID:c3TRKfLP
しけもく食ってみたお^^

214 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:33:49 ID:jGLvUNq+
しけもく



っていうかともねえがやっぱり一番だと思うんだが

215 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:09 ID:907TswzG
姉ちゃんにいけもくグリグリやられたい(*´д`*)

216 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:12 ID:C0LB2/RJ
おれもともねえが・・  ついでにしけもく

217 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:12 ID:bpWeOFlM
ウチの姉がシケモクばっかりしてる

218 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:22 ID:9USN16mS
しけもくはまずいよ。。。

219 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:26 ID:8r2g7mav
そして姉はしけもくを手に取り、こう言った・・・

220 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/16(月) 05:34:59 ID:C0LB2/RJ
早漏君

221 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 01:47:01 ID:dspIY2Qo
ここってエロSS投下していいのかな?
そういうの嫌いな人もいると思うので、聞いてみる。

222 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 05:01:37 ID:PQ4V6MFF
構わないはず。
なので、思いっきりやってみ

223 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 05:17:42 ID:O+PV0iFQ
過去にもエロSSあるし第一ここpinkだし

224 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 10:51:12 ID:nRg0MP9e
忘れてるかもしれないけど







姉しよってエロゲだぜ?

225 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 14:00:10 ID:1hejIN28
忘れてた

226 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 17:11:53 ID:nRg0MP9e
漏れとしては
なんだっ(ry
と言ってほしかったんだが

227 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 18:52:02 ID:G37aGbPu
>226
そういうときは、



みんな忘れてるかもしれないが、姉しよはエロゲだったんだよ!


ってしないとだめ

228 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/17(火) 20:41:42 ID:fZfgSiQh
         _人人∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧人人_
         >  な っ 、 な ん だ っ て ぇ ――――!! <
          ̄^WWVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVWW^ ̄

       _      ,-‐z__      __)___       _                 _>
    '´,r‐M ヽ   /,〃,へベ、   〃 ,^i^ ヾ     '´   ヽ . /^▽⌒▽^ヽ   '´ シ `ヽ
    l 从i'"リ)〉   |liミi((从リ)リ  i ノノハヾバ   〈从从リi l  | 〈从ル从〉 |  ((((ソリ从 i
   ノリ(l ・ε・ノリ   ノノノ(l*`ヮノl|  ゙ゞl;゚ロ゚ノゝ   |i、ロ゚ リl)|  リリi、ロ゚;il)リリ! . |l、っ゚ リ)シ
   (y⊂)又)つ  ((( と(_†_)つ   /ヽソ'ヽ  .   /(个i(ヽ !   ⊂i゙ー'(⊃    ,⊂i゙-゙(つヽ

229 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 22:11:07 ID:og9jVmee
職人様キター

230 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/17(火) 23:21:57 ID:nRg0MP9e
所でエロSSマダー(AAry

231 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/20(金) 21:06:17 ID:oIPTb7mg
アイディアはあるのに文章力が無い…

232 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/21(土) 03:53:20 ID:d2mFGbWX
221ですが、いるかSS書いてます。
ある程度の分量が書けたら、その都度投下します。


233 名前:ぴんくどるふぃん 1 :2005/05/21(土) 03:58:21 ID:d2mFGbWX
 いるかちゃんの幸せ。
 それは、要芽姉様の傍らにいること――。
 一点の曇りも無い瞳で、当たり前のように言ったから。
 ほんの少しだけ、姉様を羨ましいと思った。
 確かに俺はいい加減で、自分の気持ちをはっきりさせることも出来ない。
 要芽姉様が好きだ。その気持ちは、今でも変わることはない。
 
 でもそれは一生持ち続けていい願いだろうか。
 姉様と恋人同士になる。……それは、身体を重ねてすら約束されないことなのに。

「……私も空也のこと、好きよ」
 そんな甘い言葉。幼い日の姉様の姿。
そればかりを繰り返して、幾つの夜を越えてきただろう。
「……さん、空也さん」
「起きてください。ねえ、空也さんってば……」
 ……姉様がありえない口調で喋っている。
ああ、これは夢だ。
 自覚すると、夢の中の姉様の姿は、急速に薄らいでいく。

      *

「ああ……らぶり〜ですねえ。私もこんな弟が欲しかったです……」
 すりすりと頬擦りされる。頭の下は、絶妙な柔らかさのいるかちゃんの太股。
電車に揺られるうちに、どうやら俺は眠ってしまったらしい。

234 名前:ぴんくどるふぃん 2 :2005/05/21(土) 04:00:34 ID:d2mFGbWX
「寝顔、可愛いです……。やっぱりお姉様の血を引く方なんですねえ……」
 既に起きているのに、こんな独り言を言われては目が開けられない。
どうせなら、といるかちゃんの腰に手を回し、きゅっと抱きしめる。
「……どんな夢を見てるんですか、もう」
 慌てる仕草が可愛い。……ああ、本当は薄々気付いていたけど。
 いるかちゃんと逃げることになってから、俺は彼女を意識し始めていた。
 長い髪に揺れるリボン。年上のわりに、垢抜けない女の子で……。
熟す余地を残した、魅惑的なスタイルをしている。
 最初から可愛いとは思っていたが、それは恋とは違っていた。
言うなれば、「同志」。姉様に対する立場が似ていたから、親近感があった。
 しかし一人の女性として認識を改めると、何と言うか……
クラクラする。正直なところ、俺は完璧にいるかちゃんに参ってしまっていた。
 柊のお姉ちゃん達と比べてはいけないが……。
いるかちゃんは、彼女なりの不思議な魅力を持っていると思う。
姉様が手放さないのも、今ならよく理解できる。

「あ〜……この感じ。いつまでも抱いていたいような……」
「空也さん、お姉様と同じことを仰いますねえ……。
 けれど私の身体はひとつしかありませんし……困りました」
「うん……だからさっきから、姉様が羨ましいな、って声に出てるじゃん! 俺!」
 がばっと起き、自分の失態に突っ込みを入れる。
「はい、さっきから寝言も言ってましたよ。
 『姉様〜、許してくださ〜い』なんて」
 恥ずかしい……。そんなベタな寝言を吐いていたなんて。
「姉様には見られたくない所を見せちゃったし。……ははっ」
 帰れないかもな、と思う。自分の節操の無さが招いたことだ。
しかし、8人のお姉ちゃん達に会えなくなると考えると、どうしようもなく虚無感があった。

235 名前:ぴんくどるふぃん 3 :2005/05/21(土) 04:17:48 ID:ZJ/5f6p0
「大丈夫です、夜にちゃんと話す、って言ったでしょ?
 私がお姉様無しではいられないように、お姉様も同じなんですから」
 その自信は凄いな……。根拠はないけど、言うとおりかもしれない。
姉様がいるかちゃんを徹頭徹尾放り出す、なんて考えられない。
「いるかちゃんは大丈夫だと思う。けど俺は……」
 あの夜のこと。DNAが云々というよりは、
同じ部屋にいるかちゃんがいる事実に突き動かされて……。
 彼女を抱いた。その決定的シーンを、姉様に見られた。
 そして後の展開は、言わずもがな。
 お姉ちゃん達が必死で姉様を止め、その間に俺たちは二人で逃げた。
いるかちゃんは俺の手を取り、服を引っつかんで脱兎のごとく逃げ出したのである。
 その行動力と度胸。日頃から大胆なことを言う人だとは思っていたが……。
こんな状況になってもパニックにならないのは、姉様に鍛えられたからだろうか。
「あの、空也さん。一つ、言っておきますけど」
「え……何?」
 いるかちゃんは咳払いをすると、急に真剣な顔つきに変わった。
「男の子なら、もっとシャンとしていてください。
 “あんなことしなければ良かった”なんて顔をされて、喜ぶ女性がいると思いますか?」
 ごくたまーーーに見せる、いるかちゃんの“年上の顔”。
その勢いには昔から、どうしてか逆らえなかった。
 大きな瞳を前に、正直たじろぐ。どうにか視線をそらさず、俺は答えた。
「しなければ良かった、なんて思ってないよ。
 俺はいるかちゃんが、本当は怒ってるんじゃないかって……」
「後になって怒るなら、最初からあんなことさせませんよ」
 言って、ふっと笑う。そして、俺の頭を優しく撫でてくれる。

236 名前:ぴんくどるふぃん 4 :2005/05/21(土) 04:20:12 ID:ZJ/5f6p0
「こうすると幸せそうな顔をするって、お姉様も言ってました」
「男らしくとか言っといて、子供扱いはないんじゃないかな……」
「いいじゃないですか。年下なのは、ずっと変わらないんですから。
 それに子供扱いなんてしてないですよ」
 言って、自分の膝をぽんぽんと叩く。
「もう少しで着きますから。それまで、……どうでしょうか?
 私の膝の上の寝心地が、悪くなければの話ですけど……」
「……カップルみたいに見られるけど、いいの?」
「可愛い姉と弟。……そう見えて実は、というのも悪くないのでは?」
「ん〜……どっちでもいいや、もう。失礼しま〜す」
 いるかちゃんの膝の上。ふわり、といい匂いがした。
さわさわと頬を撫でられるうちに、あの夜の記憶が蘇ってくる。
「この夏の間は……私達……」
「え、何? いるかちゃん」
「い、いえ、何でもありません。……ところで空也さん、
 目を閉じたままでいいですから、私の話を聞いてくれますか?」
「うん、聞かせてよ」
 電車の窓がどこか開いていて、少しずつ違う風が流れてくる。。
 “この夏”。ひょんなことから訪れた、俺といるかちゃんの夏季休暇。
――というより、ほとぼりが冷めるまでの逃避行。
 柊の、犬神の姉さん達のことを思う。
 それぞれの反応。……想像するだけで恐いケースが幾つか。
俺も夜になったら電話でもして、自身の無事を知らせるべきだろうか。
 ……要芽姉様。次に会うときのことが、今はまだ想像できない。


237 名前:ぴんくどるふぃん 5 :2005/05/21(土) 04:27:41 ID:ZJ/5f6p0
「家の近くにも、海があるんですよ〜。健太と一緒に、小さい頃は良く遊びました」
 いるかちゃんの話に、時々相槌を打ちながら耳を傾ける。
正直なところ、少し興味が沸いてきたし、テンションも回復してきていた。
「砂浜に埋められて、夕方まで放置されたこともあったんですよ。
 あと三十センチの所まで波が来たときは、本気で健太を祟ってやろうかと……」
「……ねえ、いるかちゃん」
「はい? ……えっと、もしかして私、変な話してました?」
 目を開けると、いるかちゃんは頬を染めて焦っていた。
「あっちに着いたら、目覚めのチューで起こしてくれる?」
「……空也さん、全然私の話聞かずに、そんなことを考えてたんですか?」
「ちゃんと聞いてたよ。ただ先に確かめておきたくなった。
 いるかちゃんと一緒に過ごす以上……また、ああいうことがあるかもしれないし」
「こ、ここでそんな宣言をされても……私は……」
 やっぱり、一夜限りの間違いだろうか。
もっともそういう理屈を超えて、また押し倒してしまいそうだが……。
 けれど確かめておけば、思い止まれる。
俺といるかちゃんの関係。いるかちゃんの、気持ちを。
「……ほ、ほっぺたになら。唇にするのは、少し……その……」
「え……それじゃ、キスするのは全然OKってこと?」
 いるかちゃんはばふ、と俺の顔を抑え込み、それ以上の質問を遮った。
「いいですから、もう寝ちゃってくださいっ。でないと、鼻をつまんで起こしますからね」
「わ、分かったよ。余計なことはもう言わない」
「……よろしい。……ふわ。私も、眠くなってきました……」

238 名前:ぴんくどるふぃん 6 :2005/05/21(土) 04:29:19 ID:ZJ/5f6p0


 電車の音。いるかちゃんと、俺の寝息。……何ていう安らぎ。
「(ぐあっ)」
 肩にはいるかちゃんの胸が乗っている。……何ていう柔らかさ。
「(……寝られん)」
 無防備ないるかちゃん。下半身に集まる血。芽生える悪戯心。
「ん〜……お姉様ぁ……私、……いぬにでも何でも……なりますからぁ……」
「(うひぁっ……!)」
 思わず声を出しかける。いるかちゃんは寝ぼけて、俺の顔を舐めていた。
ペロペロと、子犬のように。……ディープキスでもし返してやろうか、と思う。
 しかし寝込みを突くのは、男子の本懐ではない。
「あ……んむっ……お姉ふぁま、ん……私にも、……」
 いるかちゃんは俺の唇を奪うと、舌を絡めて吸ってきた。
どういう夢を見ているのか知らないが……さっきキスは恥ずかしいと言っていたのに。
「(気持ちいい……)」
 ディープキスはその後丸二分は続いた。いるかちゃんの唇は、ほのかに甘い。
さっきチョコレート食べてたからか、などとぼんやり思う。
「ん……おっ、お姉様……そんな大きいの……」
「(……やばっ)」
 客が少なくて良かった、と心から思う。
いるかちゃんの手は俺の胸板を下がっていき、ついにジュニアへと辿り着いた。
 ズボンの上から撫でられる。いるかちゃんの言動からすると、
ディルドを着けた姉様に責められる夢でも見ているらしい。
 元々興奮は限度に達している。すりすりと擦られるうちに、我慢汁が出てきていた。
しかしここで出したら……大惨事。
 しかし出そうだからといって、いるかちゃんを起こすのも情けない。
「おっき……すぎます……こんなの……あふっ」
「(……あふっ)」
 ……かくして、たった一人の我慢大会の火蓋が切って落とされた。

239 名前:ぴんくどるふぃん 7 :2005/05/21(土) 04:32:43 ID:ZJ/5f6p0
           *

「……あ、空也さん。どこに行ってたんですか?」
 トイレから戻ってくると、いるかちゃんは起きていた。
妙に顔がつやつやしている。
「え、えーっと……ちょっと顔を洗ってきただけだよ」
「そうですか、残念ですねー……せっかく、私が……」
「いるかちゃん、どんな夢見てたの?」
「はうあっ! ……どど、どうしてそんなことに興味を持つんですか?
 お姉さんはぜーんぜん、変な夢なんて見てませんよ?」
「いるかちゃんって、結構……」
「な、何ですかっ? その結構……の続きは何ですかっ!? 
 ……うあ〜ん、そんな含み笑いしないでくださ〜い!」
 ……結局、俺が何をしてきたのかというと。
 いるかちゃんの愛撫で限界に達したので、電車のトイレで一発抜いた。
……フッ、パンツの中で出すよりは百倍マシだ。変態って言うな。
「……あ、空也さんっ。そろそろ、見えてきましたよ」
「長かったなー……思えば遠くに来たもんだ」
 駅のに近付き、電車はスピードを緩めていく。
俺は荷物を降ろしながら、何だかんだで嬉しそうにしているいるかちゃんに気付く。
「……やっぱりいるかちゃんは、笑ってる顔が一番似合ってる」
「ほ……ほんとですか?」
 いるかちゃんは言ってから、片手で携帯を操作し始めた。
「健太〜、お姉ちゃん、笑顔が可愛いって言われたよ〜」
 弟さんに電話をかけていた。

240 名前:ぴんくどるふぃん 8 :2005/05/21(土) 04:36:15 ID:44l0a9Ef
『へー、良かったな。……ていうか姉ちゃん、それどころじゃない。
 非常に申し訳ない話なんだけど……』
 電車が停まる。俺たちはホームへとひとまず降りた。
いるかちゃんは電話で話を続ける。
「あ、ごめん。今電車降りた所だから……それで、何だっけ?」
『今から家に帰っても、誰もいないぞ』
「……な、何で? どうして?」
「?」
 いるかちゃんに視線を向けられる。しかし、俺にはその意味が分からない。
『元から家族で北海道に行く予定でさ。姉ちゃんが帰ってくるって親父に一応言ったんだけど、
 予定変更はしないって。姉ちゃん大人だし、一人でも大丈夫だろ? ってことで……」
「そっか……そういえば、そんな話を聞いてたような……」
『つーわけで、しばらく避暑だから。カニ買ってきてやるから、留守番しててくれよな』
「あ、ちょっと待っ……」
 電話が切られたらしい。いるかちゃんは無言で携帯をポケットに入れ、
そして俺の方を見た。……なぜか決意の燃えた瞳で。
「あのですね……私の家族は、旅行中です。つまり……」
「……つまり?」
「み、皆まで言わせますか? ……つまりしばらく、私の家で……」
 いるかちゃんは口ごもった。もう、俺にも言わんとすることは分かっていた。
「二人っきり……?」
 ホームに、ひゅるると風が吹き込んでくる。夏だというのに、北陸の風は少し涼しい。
 蝉の声が今更に聞こえる。いるかちゃんは荷物鞄を両手で持ち、深くお辞儀をした。
「ふつつかものですが……よろしくお願いします」
 顔を上げる。見ている方もどうにかなりそうなほど、見事な赤面。

241 名前:ぴんくどるふぃん 9 :2005/05/21(土) 04:36:45 ID:44l0a9Ef
 頭の中で考えていることが、同じ。そう確信した瞬間、全身が熱を持ち始めた。
「……あ、あのっ。それでは、行きましょうか」
「う、うん……荷物は俺が……」
 いるかちゃんの鞄を持とうとしたとき、手が触れ合った。
……ひんやりとして、柔らかい。
 いるかちゃんは触れた手を押さえ、胸に当てた。
「わ……私からも、確認したいと思っていたことが一つ、ありまして」
 いるかちゃんは上目遣いで俺を見上げた。
「後悔……してませんか?」
「全然。……俺、いるかちゃんのこと好きだから」
「そ、その好きは、どういう好きですか? ただえっちさせてくれる女の子だからか、
 それとも……」
「色んな意味を込めて」
「……空也さんはやっぱり、ちょっと困った男の子ですね」
 荷物で手を塞がれたまま。ふわり、といるかちゃんは俺の首に手を回した。
「……ん……」
 今までで最も優しく、そして初めての――恋人として交わすキス。
 電車が、ホームに入ってきて。周囲で人の行きかう足音が聞こえても。
 まるで世界に二人だけになったような気分で、俺たちは唇を重ねていた。
 互いの鼓動を、感じながら。


242 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/21(土) 04:54:45 ID:44l0a9Ef
エロモードまでの伏線張りでした。また分量が書けたら投下します。
読み辛くてごめんなさい。⊂⌒~つ。Д。)つ

243 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/21(土) 10:31:46 ID:dNXHOJct
(;´Д`)ハァハァ…読みごたえ充分ですよ、GJ!

244 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/21(土) 12:35:05 ID:4WXSJT1p
これはオナ禁中の俺に対する戦線布告か?







やってやろうぢゃないか

245 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/21(土) 18:04:48 ID:x0u53jH7
かくして>>244の独りの我慢大会が始まった

GJですー

246 名前:244 :2005/05/21(土) 19:26:44 ID:4WXSJT1p
残念ながらもう六回もしちゃったよw
あらためてGJ!

247 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 00:52:32 ID:s5c+v3dV
ここで流れも読まずにエリカの足グリAAを貼ってみる

    , ― 、
    ,'_ '´  ̄ ヽ
    [》ミ〈((^)))〉
    iヾ(リ゚ ヮ゚ノリ
   ノノくi)个i>
  .   </j4ヲ グリグリ
      し_⌒~つ。Д。)つ

248 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 19:40:13 ID:U9zkyM6m

【社会】 タレント、弟を自室に連れ込んでのしかかり圧迫死。 【朝倉日報】

 義弟を尻に敷いて窒息死させたとして、神奈川県警鎌倉署は8月2日、タレントの犬神帆波
(芸名:犬上保奈美)容疑者(26)を殺人の疑いで逮捕した。
 殺害されたのは柊空也さん(17)。会話中、ふとしたはずみから体重のことで姉をからかい、
怒りを買って部屋に連れ込まれそのまま圧し掛かられたという。幼少時は日常的にやっていた
ことらしく、警察の調べに対し犬神容疑者は、 「生意気なので、こらしめてやろうと思った」 「ま
さか死んでしまうとは思わなかった」 と容疑を認めている。柊空也さんはヒロインの尻に埋もれて
死んだ主人公として永く語り継がれることになった。
 大の大人がわるふざけで弟を殺してしまうという、あまりにも理解不能なこの事件。隣に住む
柊要芽弁護士は、「これについてはノーコメント」と呆れてコメントもできない様子だった。また、
犬上容疑者の妹であり脚本・小説家でもある犬神歩笑(筆名:犬神詩子)は、亡くなられた空也
君を追悼して新作を手がけるとのこと。

 過去のニュース:ウルトラマン、また恐喝。
           「おーけーおーけー」が流行語大賞にノミネート。

249 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 19:51:22 ID:U9zkyM6m
【社会】「私はただ、幸せになりたかっただけなのに」 元モデル、胸で弟を窒息死。(081)

 神奈川県警鎌倉署は8月25日、元モデルで現在無職のセロリーヌ・柊容疑者(23)を殺人容疑で逮捕した。
 調べによるとセロリーヌ容疑者は同日、弟をひとけの無い浜辺に呼び出し自分と海外で過ごすことへ誘った
が、つきあう気が無いことを知らされ、腹を立て殺害。たまたま釣りをしようと通りがかった高校教師によって
通報された。警察の到着を知るとセロリーヌ容疑者は二輪車で逃走。改造バイクで東名高速道路を逆走しパ
トカーを振り切り、2ヶ所の検問を突破した。その後乗り入れた空港で服とチケットを奪い中国人探偵に成りす
ましてロサンゼルス行きの便に乗ろうとしたが、遅れて駆けつけた警官隊に取り押さえられた。
 同署によるとセロリーヌ容疑者は過去数十回にわたって住居不法侵入、窃盗、暴行、詐欺、傷害、もろもろの
道路交通法違反等で厳重注意を受けており、警察では現在、余罪の追及も執り行っているという。
 今回の事件で亡くなられたのは柊空也さん(18)。将来的には養父の後を継ぎ、ヒイラギカンパニー社長の
職に就く道が決まっていた。
 セロリーヌ容疑者は弟と肉体関係もあり 「かっとなってやった」「他の姉たちに盗られるくらいなら、破棄して
しまったほうが宝物(空也さんのこと)も嬉しいと思った」と供述、容疑を認めている一方で、「だから、わたしは
正常。」と言いつづけている。

 他のニュース:氷の弁護士、「これについてはノーコメント」。
          流行語大賞、「勝って当然」 「おーけーおーけー」を越え、「だからわたしは正常」が大賞候補に。


250 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 19:54:42 ID:U9zkyM6m
【社会】鎌倉の弟、またもや (960)

 弟を深夜の浜辺に連れ出し惨殺したとして、被害者の姉、地元の大学生である柊 巴(20)が殺人罪で
現行犯逮捕された。
 殺害されたのは今年18歳になる柊空也さん。現場の浜辺に不審な気配を感じたパトロールの教師が通
報、駆けつけた警官が発見したのは、犯行に用いたと思われる日本刀と、腹を大きく切り開かれた無残な
空也さんの遺体だったという。
 柊巴(20)はいまだに容疑を認めておらず、「私じゃない。これはみんな、クロウが」などと意味不明の言動を
繰り返しており、近く精神鑑定の必要があると指摘される。同容疑者について地元の住民は「大人しい子で、
いまだに信じられない」 と話す一方、「過度に責任感が強くがんばり屋、ノイローゼにならないか心配だった」
「怪しい目つきでゲームセンターを徘徊していた」 「深夜にバイクをとばして近所に騒音を振りまいていた」 など
も証言している。

  過去のニュース:
   ・増える行方不明事件。原因はいまだに謎。
   ・ウルトラマン、またまた恐喝


251 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 20:11:55 ID:zXb/3Vej
こういうの俺好きだわwもっとキボン!

252 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 20:28:45 ID:zs3lrjqe
ウルトラマンの恐喝事件がすっげー気になるw

253 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 20:33:37 ID:cVytwreO
海の毒殺もあるな

254 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 20:48:31 ID:0FQ8nj9e
【社会】 海の側で変死体見つかる

 昨日午後3時半頃、堤防の近くで一人の男子学生の変死体が見つかった。
 死んでいたのは今年19歳になる柊空也さんで、地元の有力企業の御曹司であり、かの有名な氷の弁護士柊要芽さんの義理の弟でもある。
 死因は大量に摂取した毒物のようだが、司法解剖の結果胃の内容物からは普通の料理が出てきただけで毒物などは検出されていない。
 柊家の長、鎌倉市内で有名な退魔士で、空也さんの義理の姉、柊雛乃さんは「確か海の手料理がどうとか言っておったが・・・まさかな」と、なにか知っている様子だが詳細については不明のままだ。
 尚、鎌倉署では、何か知っていると思われる直ぐ上の義姉柊海さんを呼び、近く事情を聞くつもりだ。

 過去のニュース:
    ・鎌倉の海に怪獣?正体はツインテール

255 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 20:59:13 ID:VdcZCYk9
氷の弁護士、弟を虐待

今日未明、鎌倉に住む柊空也さんが「姉に殺される」と警察に駆け込んだ。
容疑者は氷の弁護士と有名な柊要芽容疑者で
空也さんの証言によると
「金玉袋に釘を打たれた」
「金玉をペンチでコリコリされた」
「鞭て打たれた、ちょっと嬉しかった」
と証言している。
他にも住み込みのメイドに対して性的虐待をした
という証言も出ており、警察では余罪を追求している。

過去のニュース:ウルトラ家、父も恐喝

256 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 21:37:08 ID:tTn7llgS
姉貴の恐喝事件もあるんじゃないか
ねーたんによるストーカー被害もあるか
ひなのんは………空也が幼女連れ去りの誤認逮捕とか

ハっ!?それで腹を立てて粛清を実行か?

257 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 22:01:06 ID:CdtcZuiJ
【ゴールデンレス】
  ∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩  このレスを見た人はコピペでもいいので
   〉     _ノ 〉     _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
  ノ ノ  ノ  ノ ノ  ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
  し´(_)   し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です



258 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 22:14:01 ID:0FQ8nj9e
ねーたんのペンネームなんだっけ?

259 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/22(日) 23:53:09 ID:6xpGECXM
まあ…こうして見るといかに姉達には犯罪者というかドキュ(ry

>>258
詩子(しいこ)

260 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/23(月) 14:15:42 ID:uW0ZHIeS
http://www.ffa100s.mine.nu/tubaki/otometati_2.JPG

261 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/23(月) 20:44:29 ID:5IDrIH8C
【文芸】 女性作家、芥木賞受賞!!副賞は映画化!?

 作家、犬神詩子さんが芥木賞を受賞することがわかった。タイトルは「私と義弟と姉さんと」自分と姉、そして隣近所に住んでいる育ての弟「柊空也」さんをモデルにした初の自伝的小説で全三巻の大作だ。
今までにも幾度か候補に上がったがそのたびに受賞を逃していたが、今回から選考委員に内定した柊翔氏の鶴の一声により受賞が決まったようで、
詩子さんは「なにかフェアじゃないような気がする。。。(今度挑戦するつもりの)直川賞の選考委員に翔さんは入らないで欲しい」と複雑な心境を語った。
姉でタレントの犬上保奈美さんは「私の妹なんだから受賞するのが当然よ!ただ、私のグータラまで書いてあるのはちょっと・・・」と、こちらも複雑な表情を浮かべていた。
しかし、二巻である「姉編」の映画化には意欲的で「私がスクリーン上で活躍するところを楽しみにしててね♪チャオッ」と茶目っ気たっぷりに笑った。
この映画の脚本も詩子さんが新たに書く予定で「うう。。。このことを考えると胃が。。でも、みんなに喜んで欲しいから、がんばります。。。」とコメントしている。

【音楽】 はいぱぁやっちゅーチャオ☆ほなみん メガヒットか?
 今、邦楽の歴史を塗り替える異常事態が発生している。
 犬上保奈美のデビューソング「はいぱぁやっちゅーチャオ☆ほなみん」がものすごい勢いで売れている。いや、それ自体は驚くことではないが、売れている層がおかしいのだ。
 普通この手の歌を買うのは若者〜中年の男性、又は若い女性が多い。しかし、この歌は老若男女を問わずすべての層で売れ行き好調だというから驚愕だ。なぜこの歌が売れるのか町の人に聞いてみた。
「やっぱ楽曲ッスヨ!楽曲!」「俺が帆波さんのCDを買わないわけがあるまい。。。」「やっちゅーはウリナラが起源ニダ!ほなみんには謝罪と賠償を(ry」
などとなんだかよくわからないが大好評らしい。筆者も時代に乗り遅れないようにそろそろ買いに行こうかと悩んでいる・・・。

262 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/23(月) 21:04:07 ID:5IDrIH8C
【芸能】
氷の弁護士に異常事態。美人秘書と義弟が駆け落ち!?

最近氷の弁護士の異名とる「柊要芽」さんの様子がおかしい。裁判中に急にボーっとしたり、TV番組出ている最中でも話に上の空だったりするのだ。本紙は、そんな異常事態の続く柊家に直撃インタビューを試みた。すると、驚くべき真相が明らかになったのだ。
柊事務所の美人秘書、秋山衣瑠香さんと義弟の柊空也さんが駆け落ちしてしまったいうのだ。衣瑠香さんは柊事務所設立以来、要芽さんと二人三脚で頑張ってきた仲である。
裁判中に実弟の健太君に電話を掛けたり、裁判が終了した後TV局の囲み取材中にカメラにピースするなど常識ハズレな部分もあるが、仕事はそつなくこなす有能な人材だ。
そんなところに惹かれたのだろうか、空也さんはあろうことか柊家の一室で彼女と行為を始めてしまったのだ。
そこへ運悪く通りかかったのが要芽さんで、そのときに要芽さんが「二人とも私の前から消えなさい!」と口走ってしまったそうだ。
他の柊家メンバーは
「あれで要芽も寂しがりやなところがあるからな。早く帰ってくると良いが。。。」「う〜ん、まさかいるかちゃんに空也をとられるとは・・まぁ要芽ねえの気持ちもわかるけど。。。」「あぅ。。。空也が居ないと寂しい。私は怒らないから早く帰ってきて」
「フン!あんなイカどっかで氏ねばいいうわなにきゃー!」「お姉ちゃんはいつでもくーやの味方だよ〜」
と、半ば困惑気味に心配していた。
同じ事務所で働く摩周財閥の跡取り息子慶一郎さんも「彼女が居ないと仕事がはかどりません。それに要芽様の美しい顔に覇気がないのは見るに耐えない。。いや、そんあところも美しい!」といささか錯乱気味にコメントした。
要芽さん自身は硬く口を閉ざし本紙のインタビューには応じていただけなかったが後日FAXが届き
「ついカッとなって言ってしまった。もう怒ってないから早く帰ってきて欲しい」とそれだけが書いてあった。

263 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/23(月) 21:56:22 ID:7dIC7x32
オモシレー

264 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/23(月) 22:44:38 ID:5IDrIH8C
【社会】 ホテルの一室でまたも変死体発見 今月に入って七件目

 昨日未明、鎌倉のホテルの一室でベッドに横たわる男性の変死体が発見された。体はカラカラに干からびており、体液の90%が無い状態だった。
 死後一日と経過していないにも関わらずミイラ状態になっていたという異常な殺人劇に、鎌倉警察では特に若い男性に注意を呼びかけている。
被害のあったホテルからは謎の美人女性や白い仮面をかぶった謎の人物などが目撃されているが詳細は不明だ。
被害者は沖縄から上京してきた団長さん(20)で、ヒイラギカンパニー社長の一人息子の柊空也さんやタレントの犬上保奈美さんの友人。
空也さんは「あれほど知らない人にはついていくなっていったのに・・・」とコメントしている。


【芸能】 ヒイラギカンパニー社長、連夜の乱交騒ぎで厳重注意

 昨日夜半過ぎ、ホテルの一室を借り切って乱交パーティーを開いていたヒイラギカンパニー社長柊翔氏が鎌倉警察から厳重注意を受けていたことがわかった。
柊社長は、長年の強敵(とも)である壬生誠さんと一緒に若い女性を招いて連日乱交騒ぎを繰り返していた。
参加した女性の中には「またやってほしい」「あんな思いをしたのは始めて」と満足したコメントをする一方
「アナルばかり責めてくるのはやめて欲しい」「翔さんのあえぎ声がキモイ」など、不満もあったようで、その中の女性からタレコミがあったようだ。
柊社長は直ぐにFAXを各社に送ったが、
「暑くてムラムラしていた。どうにも我慢できなかった。だが私は謝らない。なぜなら私は社長だからだ!」と意味不明のコメントが書いてあった。

265 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 03:30:36 ID:KLb2gNVk
チクショウ面白いよ〜。
あれだ、良かったらコテを名乗る事をオススメします。

266 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 08:05:23 ID:x997N++u
255だけ別人な罠







すいません調子乗ってましたorz

267 名前:254&261以降 :2005/05/24(火) 19:30:16 ID:C9iTVmhy
漏れは>248-250さんの真似して書いた人でつ

268 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 19:41:43 ID:C9iTVmhy
【社会】 夏祭りの陰で義姉をレイプ?

 毎年行われている鎌倉の夏祭りの最中に弟が義姉をレイプするという事件が起こった。
加害者、柊空也容疑者は夏祭りの最中義姉を神社裏の木陰に呼び出し、犯行に及んだ。
しかし、被害者で義姉の柊瀬芦里さんの「死んじゃう!死んじゃう!」という叫び声に驚いた祭り客の通報により合えなく御用となった。
空也容疑者は「お姉ちゃんに誘われた。むしろ襲われたのは自分のほうだ。」と犯行を否定しており、
被害者の瀬芦里さんは「軽いスキンシップのつもりだったが、気持ちよくてつい声を上げてしまった。途中で止められて不愉快だ」とコメントしている。
鎌倉警察では二人の間では外での情事が普通になっているとみて、二人に厳重注意をするとともに強制猥褻での立件も視野に入れているという。
尚、もう一人の姉で氷の弁護士の異名をとる柊要芽さんは「全く・・・考えられないわ」とつくづく呆れた様子だった。

269 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/24(火) 19:47:41 ID:davfapkf
      _
    '´  `ヽ zzzz…
   l ノリ从从〉      _
   |(lリ‐ _‐ノli      |弁|
   l /)i个)ヽ       |護|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   |

270 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 20:07:33 ID:SkAOdgr6
姉様、起きて!

271 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 20:08:35 ID:C9iTVmhy
【社会】 今度は浜辺で少女をレイプ?

 柊家の御曹司、柊空也容疑者がまたもやってくれた。
今度は夜の浜辺で、いわゆる魔法少女の格好をした少女をレイプしているところを偶然通りがかった女性教師に通報されるという失態を犯した。
加害者の空也容疑者は「魔法少女にレイプはつきものだ」などと意味不明なことを言っており、近く精神鑑定を行う予定だ。
被害者の魔法少女まじかるともねえ(仮名)は「あぅ〜〜あぅ〜空也、無理やりなんて酷いよ。あう〜」と、心の傷は深い様子だ。
通報した女性教師月白透子さんは、「OKOK、こんなかわいいともちゃんなら三人ぐらい欲しいわ」
と、母性本能を刺激された様子で彼女を身元が判明するまで預かるということだ。

他のニュース:江ノ島水族館のいるかちゃん、海へかえる

272 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/24(火) 20:21:02 ID:davfapkf
          _  zzzz…
        '´  `ヽ.    _
    ,ヘ_ノ ノリ从从〉.    |弁|
  (にi_/_i〈(つ‐ _‐ノl)    |護|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   |

273 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 20:34:38 ID:M8oka6PM
>>272
もしかして、この姉様は…
「ふと、いいことをおもいついたんですけど」

274 名前:248 :2005/05/24(火) 21:01:04 ID:61MtDEy9
【OK】人気女性教師、少年をホテルで刺殺     (記事No.29146105)

 県内でも名門である私立開性高校の日本史教師、月白透子(20)が8月17日未明、殺人の疑い
で逮捕された。
 神奈川県警鎌倉市署の発表によれば月白透子は16日、今年18歳になる柊空也君にワインを
飲ませ、酔っ払わせてからホテルへ強引に連れ込み関係を結んだ後、殺害。悲鳴を聞きつけ即
座に駆け付けた被害者の姉が通報したという。同容疑者は窓を突き破り逃亡したが、第一発見者
の目撃証言と現場に残された指紋から犯人は月白透子(20)と特定、翌日逮捕された。
 担当刑事はこう語る。 「犯行は計画的で、死体処理のための準備が周到に成されていた。ホテル
のチェックインも偽名。あと30分通報が遅れていれば、この事件は明るみにでなかったかもしれない」
また事件の二日前に、月白透子の強引な誘いに対し走って逃げる空也君の姿が付近の住民に目撃
されていた。


275 名前:248 :2005/05/24(火) 21:01:39 ID:61MtDEy9
 月白容疑者は、教師としてはいささか特殊な経歴を持っている。
 地元の公立中学を卒業後、次の年に大検を合格、国内では珍しく飛び級を受け入れを行っている
名城大学に入学した。教育学部に奨学生として編入し、予備校講師としてアルバイトする傍ら、異例
の早さで教員免許を所得。姉妹が多く、教えるのは人一倍得意だったという。大学中退後は開性高
校の教壇にヘッドハンティング。予備校講師が私立進学校の教師としてヘッドハンティングされるのは
業界ではよく聞く話だが、「教師としては若過ぎる」 「でも、とても二十歳には見えない」 と保護者からの
不満も名門だけあって多かった。
 若さと実力で講師としての人気を集める一方で、日ごろから日本語がおかしかった、未婚であるのに
薬指に指輪を嵌めていた、女子校の教師であるにかかわらず男子生徒の親衛隊がいる、などと謎も多
かったという。
 著書 「日本史 月白先生のOK授業(透神ハイスクール 出版)」 「OK式 日本史一問一答 (同社)」等、
受験参考書の印税収入だけで年収800万を超えていた月白透子容疑者。透神ハイスクールは本件を
受けこれら著書を廃版・回収に踏み切ったが、全国の高校、予備校から「毎年授業で使うので、売って
くれないと困る」との声が上がっている。

 最新のニュース:
  ・月白透子、拘置所を脱獄。警官の銃を奪ってファミレスに立て篭もる。人質の安否は……
  ・「柊空也の姉をよこせ」月白の要求に、警察、柊要芽弁護士へ協力要請。
  ・「そいつじゃないってOK?」月白、みせしめでウェイトレスに発砲する。が、それもまた柊空也の姉。
  ・月白透子、地元大学生の協力あって遂に再逮捕。二時間後、また脱獄。
  ・警察署に蜂の大群が…………  警官27名が名誉なき殉職。

276 名前:248 :2005/05/24(火) 21:02:08 ID:61MtDEy9
【社会】 鎌倉の息子、鎖で縛られ殺害される。  【朝倉夕刊】

 神奈川県警は本日午前8時、海洋研究学者の壬生誠(42)を殺人の疑いで逮捕、また事件に深く
関与したとして、大学生の柊高嶺(20)を殺人教唆の罪で逮捕したと発表した。
 壬生誠(42)については、息子の腕を鎖で縛りつけ殴る蹴るの暴行を加え死亡させた疑い。
 殺害されたのは柊空也さん(17)。壬生容疑者にとって実の息子だが、生まれたと同時に勘当。
やむなく知人・柊の養子として鎌倉で育てられるはずだったたが、義理の姉から受ける虐待が目に
あまったためか、10年前、養父にも見捨てられ、さらに沖縄に預けられていた。警察の調べに対し
壬生容疑者は、「息子の成長が見たくてやった。それに家族全員、本人合意の上だった。これは
事故です」 と主張している。が、警官がかけつけた際、現場に同容疑者の言う長姉たちの姿は無く、
また成長が見たくて鎖で縛り上げ殴る蹴るなど正気の沙汰とは思えない供述内容だったため、全て
殺害を企てた壬生容疑者たちの狂言であるというのが警察側の見方である。
 殺人教唆の罪で書類送検を受けた柊高嶺(20)は、被害者の義理の姉。東京大学で心理学を専攻
する彼女だが、大学のサークル仲間は「上品に振舞ってはいたが、短気さが髪型ににじみでていた。
近頃は特に不愉快そうに、弟の話ばかりしていた」と語る。また、全国80店舗を持つ老舗型チェーン店
武田商店 鎌倉店のマネージャーは、「(空也くんが)夕方遅く息を切らして牛乳を買いにきたので、どう
したのかと訊ねると、いわゆるパシリとして一日中働かされているとのことだった。顔見知りだったので
世間話で引き止め、かくまってやろうと思ったが、遅れると蹴られる、といそいそと帰宅していった」と証言した。
 相次ぐ殺人、強姦事件に、近所の住民は「鎌倉も物騒になった」と嘆く。また今回の事件に対しても、加害者
の姉、柊要芽弁護士は 「ノーコメント」。
 壬生容疑者は現在、婦女誘拐の線でも取調べを受けているという。

 過去の記事:
    ・ウルトラマンの恐喝騒動、映画化。
    ・「家族愛がテーマ」 沖縄若手女流作家のヒット作、有害図書に指定。
    ・仮面ライダー、ホモビデオにまた出演。


277 名前:273 :2005/05/24(火) 21:08:58 ID:M8oka6PM
あれ、反応がなかった
太い、重いのコンボで反応がなかったってことは、本物の姉様か

278 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/24(火) 21:09:40 ID:davfapkf
  人人人人人人人人人人人人人人人人
<    判決!!全員死刑!!!!  >
  VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV

      _
    '´  `ヽ
   l ノリ从从〉       _
   |(lリ#゚ロノli l /_     |弁|
   l く)i个)にア   .    |護|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   |



      _
    '´  `ヽ zzzz…
   l ノリ从从〉      _
   |(lリ‐ _‐ノli      |弁|
   l /)i个)ヽ       |護|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   |


279 名前:248 :2005/05/24(火) 21:10:12 ID:61MtDEy9
 コラム  【知ってたのしい豆知識 1】

 ウルトラマンは一度、 本 当 に 捕 ま っ て い ま す。
 http://homepage1.nifty.com/ukyou/ukyou2/20020621a.html    恐喝の疑いで起訴されたタレント、
杉浦太陽(ムサシ隊員=ウルトラ マンコ スモス 役)について
 未成年を相手に、暴行、傷害。現金45万円を脅し取った疑い。
まあ、結局は示談の末和解。いくら金が動いたかは知りませんが、不起訴処分となったそうです。


 コラム  【知ってたのしい豆知識 2】

 本編で海たち姉しよキャラが吐くセリフは、ところどころで、劇中で 自 分 の弟 を 殺 し た 仮面ライダー、
王蛇 (萩野崇)のセリフに基づいています。
 ttp://www.tv-asahi.co.jp/ryuki/character/jinbutsu/index.html


280 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 22:40:21 ID:C9iTVmhy
俺、こういうネタ書いてて思ったんだけど、ひなのんて考えるの難しいとオモタ

というわけで誰かひなのんでキボン

281 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 22:47:45 ID:Fd+t6n08
>>278

ワロタ なんて弁護士だw

282 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/24(火) 23:26:05 ID:pnEnPzqi
弁護してねーw

283 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/25(水) 02:44:37 ID:JMGt9+DJ
>>248
乙、今日も楽しませていただきました

284 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/25(水) 09:06:39 ID:uCJVWICd
>>278
弁護士が判決言ってはまずいですよw

285 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/25(水) 15:03:45 ID:vLLYebpE
要芽姉様が弁護士なら
検察官は誰に?

286 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/25(水) 16:10:19 ID:GHv1NRqP
誰か逆裁でパロディ書いてー。
クーヤはナルホドくんで姉様が千尋さんで。
ひなのんが真宵ちゃんか?あれ、年が(ry

287 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/25(水) 16:24:22 ID:vLLYebpE
それだと、姉様は殺…うわ、はなせあせねえにうなSんDかねK

288 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/26(木) 19:49:15 ID:HLj0v3+3
>>276
>上品に振舞ってはいたが、短気さが髪型ににじみでていた。

ワロスwww

289 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/05/27(金) 07:35:27 ID:6NhY5H3W
           …みんとあいす(ボソッ
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i/ ̄ ̄ ̄ ̄
               _ _
      .         '´^V^ヽ ヾ
     _        《从'゙リリ i i
    |検|         リ、ヮ゚;リ |
    |察|        /(水(ヽ i
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

      _
  Σ '´  `ヽ zzzz…ハッ!!
   l ノリ从从〉        _
   |(lリ゚д゚ノli        |弁|
   l /)i个)ヽ         |護|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   |

290 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 01:43:45 ID:wScH5ELu
warata

291 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 11:33:26 ID:3tMCjvFM
「あんな美人ばっかりの姉妹に男が寄り付かないはおかしい。そこらへんはやっぱりお話だよな」
と思っていたけど、一連の報道記事を見ると、あの家にはむしろ人が寄り付かなくて当然のような気がします。



292 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 15:21:50 ID:GIChl7q3
>>288
むしろそれはサークル仲間に扮した海お姉ちゃんなんじゃないかとw

293 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 16:04:10 ID:BB2iBf3e
【社会】 世界に衝撃!NanoSoft社ついに買収される!

 日本時間午後二時ごろ、世界中で使われているOS窓ーず等を誇るNanoSoft社が買収されたという一報が入った。
NanoSoft社は今までもヒイラギカンパニーや摩周財閥などの敵対的M&Aによって買収の危機にあったがそれらをことごとく跳ね返してきただけに
その衝撃が世界中に伝わるまで時間がかからなかった。
今回NanoSoft社を買収したのは「Sky&Sea」社で社長の「Umi」と名乗る人物は
「(・ε・)」との謎のコメントを出しており他企業からは「ふざけすぎだ」「次はわが社のばんかと戦々恐々としている」「(0w0)ノシ」とのコメントが寄せられている。

※Sky&Sea社について
「Sky&Sea」社はネット上にのみ存在する企業で、ここ数年で異常なまでに業績を上げた会社である。
実質役員は「Umi」一人であり、また女性であるということがわかっている。
しかも彼女は人前に出ることはなく、そのくせ妙に広い人脈をもっているそうだ。
彼女は世界を影であやつっているという噂もあるが、どこまでが本当で嘘なのかはUmi本人にしかわからないであろう。

294 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 21:41:42 ID:GIChl7q3
>>293
(0w0)ノシ
誰だよ?w

295 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 22:45:02 ID:50Opv6xm
Umiにはきっと執事の爺さんが付いて回ってるんだ、間違い無い

敵対会社の重役に向かって「私はUmiです」って言うんだ、まちg(ry

296 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/28(土) 22:50:22 ID:HeZFA01Q
それエ(ry

297 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/29(日) 23:15:19 ID:HkJVDVLA
「一回は一回だよ〜(・ε・)」って蹴り入れるのかw

298 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/30(月) 00:34:53 ID:BazEiCaJ
黒いコートにバイクという出で立ちで
横浜の海岸にいるところを、警察に発見された。
彼女はずっと無言で身元を確認することが不可能だったので、
精神病治療病棟に入れられた。
身元に関する手がかりを掴めないものかと
介護福祉士が紙とペンを与えたところ、
女は怪人らしきものの絵を描いた。
病院主催のチャリティーショーに連れて行くと、
彼女は一瞬のうちにきぐるみを被り
怪人役の役者を次々なぎ倒してみせた。

299 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/30(月) 00:35:25 ID:BazEiCaJ
スマソ、誤爆した

300 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/30(月) 04:35:51 ID:JcGCKZdT
え、誤爆?w

301 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/30(月) 08:26:28 ID:9LshTIKd
ガイドライン?

302 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/31(火) 22:04:29 ID:gQjADRhQ
最近、記事ネタが流行ってて非常に出しにくいんですが、一つSSを書いたんで出していいでしょうか?

303 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/31(火) 22:31:37 ID:vOIdE/Ry
…いいんですよ(ニッコリ

304 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/31(火) 22:41:01 ID:+qDxVMhp
お〜け〜b

305 名前:SSD :2005/05/31(火) 22:44:07 ID:gQjADRhQ
あっ、ありがとう、ございますっ!
では早速・・・

306 名前:瀬芦里エンド後1/6 :2005/05/31(火) 22:45:16 ID:gQjADRhQ
空也と瀬芦里姉さんが突然海外漫遊に出て行って一ヶ月。
要芽姉様が海外に行ってしまってから半月。
柊家では残ったみんなの生活が少しだけ変わった。
海は相変わらず何らかの手段を使って空也と連絡を取ってるらしい。
「でも瀬芦里お姉ちゃんが連絡の邪魔するらしいの〜。私としては遺憾の意を表明しちゃうよ〜。」
とぼやいていた。
雛姉さんの生活にあまり変化があるようには見えない。
むしろ前よりも少し元気になったらしく、
「うむ、我も昼間、寝てばかりいてはなんなのでな、”ばいと”を探しているのだ。」
と張り切っていた。
一番の変化があったのは・・・
「あぅ、またご飯、七人分作っちゃった。」
巴姉さんだ。
「えーっ、またなの!?アタシはもう二人前も食べられないって昨日言ったからね!」
「うぅ・・・。ご、ごめんよ。」
「巴お姉ちゃん、最近量をよく間違えるよね〜。なんなら明日からはあたしが作ろうか〜?」
「高嶺、海よ。そうぼやくでない。世界には食べたくても食べられない子供たちがいるというではないか。それに何より、巴の作ったご飯

はおいしい。食べきれないなら、明日の学校での弁当にすればよかろう。」
「それもそうね。でも、巴姉さんはたくさん食べてよね。明日の夕飯も同じメニューなんてゴメンだから。」
「私は巴お姉ちゃんに感謝してるよ。作ってくれてるだけでもありがたいんだから〜。」
「あは。海、ありがとう。」
「自分だけ良い子ぶりやがって〜。」
「(・ε・)」
と、言うような事が頻繁に起こるようになった。
ご飯のことだけじゃなく、雛姉さんは、
「前にも増して、巴の部屋から聞こえる独り言の数が多くなった。」
と言うし、今まで寝坊なんてしなかった巴姉さんが朝になって飛び起きてくることもあった。
そして何より、どうやら来るべきものが来てないらしい。
その日がくると巴姉さんは一日中お腹を押さえて苦しそうにしているのに、最近それを見ていない。

307 名前:瀬芦里エンド後2/6 :2005/05/31(火) 22:51:54 ID:gQjADRhQ
次の日の午後、大学から帰ると、雛姉さんが
「高嶺、荷物を置いたら我の部屋まで来い。」
「いいけど、何で?」
「ちと、巴のことでな。」
荷物を二階の部屋に置いてから雛姉さんの部屋に行くと、海もいた。
巴姉さんはまだ家に帰ってきていないようだ。
「で、雛姉さん、巴姉さんのことで話って、何よ?」
「うむ。二人とも気が付いているとは思うが、最近の巴は様子が変であろ?」
「確かにね〜。この間も洗濯機がぐるぐる回るのをボーっと三十九分十二秒も見てたんだよ〜。」
「ア、アンタ、その間ずーっと時間計ってたの?」
「ま〜ね〜。証拠写真もあるよ〜。」
「ゴホン!兎に角、こうなると巴には何らかの悩みがあるのでは?と我は思うのだが。」
「多分その見解に間違いは無いわね。」
「だが、巴はあれで悩みとかは一人で抱えてしまう奴だ。そこで二人に相談なのだが、何か巴から悩みの種がなんであるかを聞きだす方法

は無いか?」
「なんだ〜。そんなことなら簡単だよ〜。」
「アンタ、なんか良い方法でもあるの?」
「自白剤さえあれば、誰でもこの問題は解決できるよ〜。用意しようか?」
「ア、アンタ何言ってるの!?そんなのダメに決まってるじゃない!ねぇ?雛姉さん。」
「ふむぅ・・・。自白剤、か。」
納得してるし・・・。
「ダメダメダメ!自白剤は絶っっ対ダメ!」
「ふむ、高嶺がそこまで言うなら、ほかの方法を考えざるを得ないな。」
「じゃあ、高嶺お姉ちゃんは何かほかに考えがあるの〜?」
「うぅ・・・催眠術、とか?」
「結局同じじゃない〜。それだったら自白剤のほうが・・・。」
・・・

308 名前:瀬芦里エンド後3/6 :2005/05/31(火) 23:00:19 ID:gQjADRhQ
「おお!我に名案が、いや、ここまでの策なら妙案、と言っても過言では無いな。」
「何何?どんな方法なの?」
「ふふふ、聞いて驚け、みて驚け。いや、このままだと我は歴史上に『伝説の策士』として名を残してしまうかも知れぬな。ま、そうなっ

た時でも安心せい。我はお前らを見捨てはせぬぞ。」
「「・・・」」
「で、早速我の妙案が聞きたいであろ?二人ともちこう寄れ。」

雛姉さんの思いついた妙案と言うのは・・・
一、前に瀬芦里姉さんが『まるっち』の販売用に作ったあの着ぐるみを私が着て、巴姉さんの部屋で待機。
二、巴姉さんが帰ってきて、部屋に入ったところでアタシがぬいぐるみの妖精として話しかける。
三、ぬいぐるみと心が通じたと思わせておいて、悩みを聞いてあげる。

「すご〜い!流石雛乃お姉ちゃん!それなら絶対うまく行くよ〜。」
海は手をパチパチと叩いて喜んでいる。
「ふふふ、完璧、であろ?」
「ちょ、ちょっと海!」
「何?」
雛乃姉さんには聞こえないように海に問いかける。
「アンタ、本当にそれでうまくいくと思ってるの?」
「当たり前じゃない〜(・ε・)。巴お姉ちゃん、あれで結構抜けてるところあるから、ばれないよ〜。」
「巴姉さんだって、そこまで馬鹿じゃないわよ!」
「誰も馬鹿だなんていって無いよ。巴お姉ちゃんは純粋なのー。早くデジカメの準備しなくちゃ!」
「高嶺、早くしなくては巴が帰ってきてしまうぞ。」
「ぬうぅ・・・分かったわ。」

アタシがまたこの間抜けなぬいぐるみを着るなんて・・・。
大量のぬいぐるみに囲まれて、巴姉さんが帰ってくるのを待っている。
こんなところにいるとアタシまでおかしくなっちゃいそうだわ。
雛姉さんは怪しまれないように巴姉さんを普通に部屋まで誘導する役。
海は瀬芦里姉さんが残した天井裏ルートからアタシと巴姉さんを”見守る”役。
あいつ、絶対この計画を利用して私を笑いものにする気だわ。

309 名前:瀬芦里エンド後4/6 :2005/05/31(火) 23:05:48 ID:gQjADRhQ
「高嶺、聞こえるか?今巴が帰ってきたぞ。」
連絡用にと海が持ってきたトランシーバー(イヤホンつき)を通して、雛姉さんの声が聞こえる。
「がんばってね。高嶺お姉ちゃん。私は見守ることしか出来ないけど。あ〜、いい表情〜(パシャ、パシャ」
・・・なんか踊らされてる気がする。
廊下からトントンと足音がする。
巴姉さんだ。
こんな馬鹿らしい(とは口が裂けてもいえない)計画でもなんだか緊張するわね。
部屋の前で足音が止まって、巴姉さんのシルエットが障子戸に手をかける。
ガラッ
「たっ、高嶺!何やってるんだ?私の部屋で。」
・・・
(カシャッ、カシャッ)
待ってましたとばかりに、イヤホンを通してシャッターを切る音が聞こえる。
早速ばれてるし。
「な、なんでもないわよっ」
すっと立ち上がり部屋から出て行こうとするアタシを、ボーっと見つめる巴姉さん。
「ダメだよ〜、高嶺お姉ちゃん。今回を逃したらもう次は無いよ〜。」
しょっ、しょうがないわね。
くるっと巴姉さんのほうを振り返り
「うぅ〜〜〜。巴姉さんの様子が最近変だから、私が聞いてあげようと思ってこんな格好してるのよ。
ホラ、巴姉さんってこうでもしてほぐさないと、悩み話さないでしょ!」
「高嶺・・・」
ウルウルとした瞳であたしの事を見ている。
もう、早く話しちゃってよね。
一刻でも早くこんな格好・・・
「・・・かわいいな。その格好。ナ、ナデナデしてもいいかな?」
「ダメ!悩みがあるんでしょ!早くそれをぶちまけてっ!」
「あぅ・・・」
「ツインテールは心が狭いなぁ〜(ボソ」
「っ!兎に角、何か悩みがあるんでしょ?せっかくアタシがこんな格好までして聞いてあげようって言うんだから。」

310 名前:瀬芦里エンド後5/6 :2005/05/31(火) 23:10:28 ID:gQjADRhQ
なっ、悩みなんて無いよ。毎日楽しいし、みんな仲良くやっていけてるし、ただ・・・」
「寂しいのだろう巴?空也がいなくなって。」
いつの間にか雛姉さんが障子戸をあけて会話に参加している。
廊下から巴姉さんに歩み寄りながら雛姉さんが続ける。
「確かに、あれや瀬芦里、要芽達がいなくなって少々静かにはなったが・・・」
「ちっ、違うんだよ。雛乃姉さん。だ、誰がいなくなったのが寂しいとかじゃ、ないんだ。」
「なぬ?違うとな!?ぬぬぬ、我もまだまだのようだな・・・。」
「要芽姉さんや瀬芦里姉さん、空也がいなくなったのは確かにさっ、寂しいけど、
皆目標があって出て行ったわけだし、空也と瀬芦里姉さんは幸せそうだったし・・・」
「確かにそうよな。瀬芦里と旅行に出て行くと我に報告しに来た時のあの空也の顔は、いい顔をしておったなぁ。」
「それに雛乃姉さんも高嶺も、海もいるから、寂しくは無いんだ。
ただ、いつかは皆この家から出て行ってしまう日が来るのかなって、思うと、
ひぐっ、いつか私だけ、とっ、取り残されるかもって、うぐっ、不安で・・・うえぇぇ。」
「何を言っておるか。巴よ。たとえこの先我ら家族がバラバラになろうとも、住む場所が違おうが、
我ら姉妹は一心同体。寂しいことなぞ何も無いし、呼べばすぐに飛んで来ようぞ。
それに何より、お前が取り残されることなど考えられんわ。」
「姉さん・・・」
「ほれ、頭を貸せ。なでてやろう。」
巴姉さんがしゃがんで雛姉さんの前に頭を差し出す。
ナデナデ・・・
「ね、姉さぁん!」
「よしよし、飴をやろう。」
やれやれ、巴姉さんも手間がかかるわね・・・ってさっきからアタシ、全くしゃべってないじゃない!
結局、雛姉さんが全部解決してるし。
それを横でこんな格好でただ見てるだけのアタシ。
(カシャッ、カシャッ)
「流石雛乃お姉ちゃんだね〜。高嶺お姉ちゃん、もうちょっと蚊帳の外感が出せるといい写真になるんだけどな〜。」
「もう写真を撮るなー!」
・・・

311 名前:瀬芦里エンド後6/6 :2005/05/31(火) 23:16:39 ID:gQjADRhQ
「くーやと瀬芦里お姉ちゃんも、もうそろそろ帰ってくるって〜。」
年も明けて正月気分も吹き飛んだころになって、要芽姉様から帰ってくるという連絡があった矢先、海から報告があった。
「おお!これはまた一気に騒がしくなるな。巴よ、家事も忙しくなるが、よろしく頼むぞ。」
「あは、またお帰りパーティーのメニュー考えなきゃな。」
と、巴姉さんはうれしそうに鼻歌を交えて台所に向かって居間を出て行った。
「巴姉さんも単純よね〜。皆帰ってくるって聞いただけで、あんなにうれしそうにしちゃって。」
「そういう高嶺お姉ちゃんもうれしそうじゃない〜。ほほが緩んでるよ。」
「う、うるさいわねっ!」
海が頬をふにふにと突っついてくる。
これからこれ以上騒がしくなるなんて・・・ま、いいか。

312 名前:SSD :2005/05/31(火) 23:22:09 ID:gQjADRhQ
姉しよ1のほうの瀬芦里エンド後を書いてみました。
読みにくい行が少々あって申し訳ないです。
あと、ともねえの生理日の反応は前に本スレのほうで某名無しさんが
言っていたのを参考にさせていただきました。m(_ _)m
自分としては海おねえちゃんをうまく使えたので自己満足です。

313 名前:名無しさん@初回限定 :2005/05/31(火) 23:42:10 ID:gLVPFOiX
乙と誰も言わぬなら言わせてもらおうか

314 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/01(水) 00:00:28 ID:cxsai1lu
漏れも乙と言っちゃうぞ。

315 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/01(水) 09:37:43 ID:CDfpRM1y
乙乙と言うなら俺はGJと言わせてもらう

316 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/01(水) 12:39:10 ID:8FzwWzrd
あえて言おう「よくやった!」と

317 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/01(水) 19:48:05 ID:efUnGrhc
程よいテンポで良い感じ

318 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/01(水) 20:15:56 ID:b0PoI4DY
    __(___
   '´  ヽ_ヽ
   l、lノノ八l )      ぐっじょぶ、であるな。
   リl|.゚ ヮ゚ノl  >(雛)<  飴をやろう
    ノ _ソ_ ]⊃
   └u|--|┘
    .ノl__」

319 名前:SSD :2005/06/01(水) 22:53:42 ID:sD9ZV1c/
>>313-317
こっ、こんなに感想が。・゚・(ノД`)・゚・。マリガd
>>318
恐悦!

320 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/03(金) 01:56:02 ID:qRjvhK9V
【地域】 少年の謎の変死体事件 原因は姉のクッキー? 【毎朝新聞】

 先月、鎌倉で起こった少年変死体事件で柊空也さん(18)の義姉(19)
を殺人容疑で逮捕した。
 調べによると「私はくーやにクッキーを食べてもらいたかっただけ、殺
すつもりなんてなかった」と泣きながら自供したという。
 警視庁の捜査によって彼が死亡直前に食べたと思われるクッキーか
らトリカブトのおよそ8000倍もの毒物をもつ物質が発見された。
 彼の義姉である柊要芽弁護士は「あの子の作る物は殺人的にまずか
ったが、まさか人が死ぬとは思ってもいなかった」と驚きを隠せない様子
であった。

過去のニュース:
   ・【経済】ヒイラギカンパニー社長柊翔氏、株価大幅下落の責任をとり辞職
   ・【コンピューター】世界各地で被害相次ぐウィルスMS.Blajer、被害総額250億ドル
   ・【エンターテイメント】犬神帆波(芸名:犬上保奈美)容疑者(26)脱税疑惑で書類送検
   ・【地域】神奈川県私立高校教師、未成年者にまた性的暴行容疑で逮捕
   ・【コンピューター】NanoSoft社OS窓ーずにまた深刻なセキュリティーホール

321 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/03(金) 21:31:21 ID:mZMYFJkp
【コンピュータ】不正アクセス防止法違反で女優を逮捕

本日未明、不正アクセス防止法違反で女優の犬上保奈美容疑者(26)が逮捕された。
調べによると、同容疑者は○月×日21時頃、有名オンラインゲームのサーバーをクラッキングし、
データの改ざんを行ったとされ、同日22時頃、神奈川県警に逮捕された。
同容疑者は、「空也ちゃんや歩笑ちゃんと一緒に居たし、、そんな面倒なことはしない」と供述するが、
サーバーへの侵入も、改ざんされたキャラクタも犬上容疑者の物、更に、管理側に
「(・ε・)」と謎のメッセージを残している事から、今後もこの問題について追求していく模様。
隣人である柊要芽弁護士は「信じられない。まさかここまでするとは…」と落胆しているという。

しかし、犬上容疑者に妹で小説家の犬上詩子氏は
「〆切に追われていたからはっきりは解らないが、確か私に夜食をねだった後すぐ寝たと思う」と
話し、前出の義弟である柊空也さんも「やりかねないが、自分と一緒に居た」と話している事から、
別の人物が犬上容疑者のパソコンをクラックした上で更にクラッキングを行ったという線も考え捜査する模様。

共同通信

過去のニュース:
【速報】楽○、26失点完封負け
神奈川少年変死事件、犯人は教師?
氷の弁護士、遂に不敗神話ストップ

322 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/03(金) 22:02:37 ID:5yK4fnF4
>>320-321
脱税に不正アクセスか。2度逮捕されても芸能人てのは復帰するからな。

323 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/04(土) 13:16:13 ID:F4BsSlYA
ハックとクラックを混同してるような。

324 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/04(土) 20:48:11 ID:LtOf/Nu8
誰か空也死亡記事の後日談SSを書いてほすぃ

クロウうんぬんで精神病院に収容されかかる巴姉、
続々と明るみに出るセロリーヌ容疑者の前科、
家宅捜査で発見される海の盗撮テープ300本、被写体は全て弟の空也さん、
科学的に証明される ツインテール=短気 の法則 などなど

325 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/04(土) 21:38:09 ID:HFYYTB66
>空也死亡記事の後日談SS
鬱になるから俺はいやだorz

326 名前:6月6日夜〜翌早朝 :2005/06/06(月) 21:23:32 ID:nDdi/hPC
カラカラカラカラ・・・
「ただいま。」
「おっ、要芽姉、お帰り。ずいぶん遅かったね〜。」
「瀬芦里・・・まだ起きてたの?ちょっとね、明日までにまとめておいた方がいい仕事があったのよ。」
「おつかれ♪あれ?手に持ってるのは何?お土産?食べ物?」
「違うわよ・・・。ほら、巴が今日、誕生日だったでしょう?プレゼント。」
「なーんだ。ツマンナイの。」
「でも、この時間じゃ巴はもう寝てしまったわね。」
「モエは寝るの早いからね。モエだけじゃなくて、ひなのんも若い衆も皆寝ちゃったみたいだよ。
と、言うことで、要芽姉も一杯どう?」
「ふふ、じゃあお邪魔しようかしら。ところで、瀬芦里は何か巴にあげたの?」
「『一日瀬芦里姉ちゃんが遊んであげる券』をあげたよ。」
「あなたらしいわね。雛乃姉さんや妹たちは?」
「んー、よくわからない。皆きれいに包装してたからね。うみゃのプレゼントは怪しく光ってたけど。
そうそう、ポエポエやホナミも来てたよ。」
「どうりで肥えた豚の臭いが残ってると思ったわ。」
「まぁまぁ。ところで、要芽姉は何買ってきたの?食べ物なら私がもらってあげる。」
「私は鍋つかみよ。もちろんぺんぎん柄の、ね。」
「へー、徹底してるねー。」
「私はぺんぎんが大好きだし、巴も動物が好きでしょ?」
「一石二超ってやつだにゃ。」
「一石二『鳥』よ。」
「流石要芽姉、会話なのに字の間違いまで指摘するなんて・・・」
・・・

327 名前:6月6日夜〜翌早朝2/3 :2005/06/06(月) 21:28:38 ID:nDdi/hPC
スッと障子戸が開いて・・・
「あれ、要芽姉さん、お帰り。」
「あら、巴、起きてたの?珍しいわね、こんな時間まで。」
「モエも遂に夜更かしするようになったかー。おいでおいで。お姉さんといっしょ飲もう!」
「ふと目が覚めたら居間から声がするから、た、楽しそうだなって思って。」
「巴、ほら、これ。誕生日でしょう?あげるわ。」
「え、あ、ありがとう。開けてもいいかな。」
「もちろんよ」
(がさがさ)
「うわぁ、かわいい・・・。ありがとう、要芽姉さん。」
「瀬芦里お姉ちゃんからは改めて杯を授けよう!(トクトクトク)ほれ、モエ、飲んだ飲んだ!(グイグイ」
「あぅ、わ、わたしはいいよ。お酒あんまり、飲めないし・・・。」
「あんまりいじめては可哀想だわ。」
「ふっふーん。モエは飲ますと大胆になるから、その先を見てみたいと思ってね。
要芽姉も、どうなるか見てみたいでしょ?」
「・・・確かに、興味あるわね。」
「あうぅぅ・・・」
・・・

「かっ、要芽姉さんはいつも、私の胸、大きさ確認してくれるけど、す、すごく恥ずかしい。」
「何を今更。その反応を見るのが楽しいんじゃないの。」
「瀬芦里姉さん!」
「ん?何?」
「モエって私の事呼んでくれるけど、かわいいから、気に入ってるんだ。もっとかわいく、なりたい・・・。」
「はいはい、モエは十分かわいいよ。」
「うそだぁ〜。で、でも、私も、またま、魔法少女になれるかな?」
「何を言っているのかよくわからなくなってきたわね。」
「いい感じに酔って来たんじゃない〜。まだまだこれからだよ!」
・・・

328 名前:6月6日夜〜翌早朝3/3 :2005/06/06(月) 21:30:55 ID:nDdi/hPC
「私は・・・・・・・・・・(ブツブツ」
「あちゃー、さらに酔うと、もうしゃべれなくなっちゃうんだねー。」
「歩笑ちゃ・・・・(ブツブツ)・・・・・・・・・ダメだよ・・・」
「これだけ酔ってれば、今は何をしても覚えてないかもしれないわね?ふふふ。」
「いや、今日は流石にやめてあげようよ。誕生日だしさ。」
「・・・そうね。惜しいけど、許してあげましょう。瀬芦里、巴を部屋に運んであげて。」
「はーい。ほらモエ、おいで。」
「モ、モエェ・・・エヘヘヘヘ。」
「ふわぁぁあ。私はもう寝るわ。瀬芦里も巴を寝かしたら寝なさいな。」
「はーい。」
・・・
「モォエ、寝んねしな。ね。」
「うん・・・。」
「じゃ、私はもう行くからね。お休み。」
ぎゅっ
「ん?どしたの?」
「んー、なかよく・・・。」
「うん?お姉さんと一緒に寝たいの?・・・わかったよ。今夜だけね。」
「ん。」
「寝る場所もなかったし、ちょうどいいか。ちょっと大きめだけど、いい抱き枕だにゃ。」
・・・

「あぅぅ。何で今朝はこんなに頭が痛いん・・・あれ?要芽姉さん?」
「あらおはよう。」
「ど、どうしたの?こんなに朝早く?」
「だって昨晩はあんなに巴が激しかったんだもの。瀬芦里と二人で消えた後も、体が火照って眠れなかったのよ。」
「え?え?確かに、せ、瀬芦里姉さんは隣に寝てたけど・・・」
「巴って、お酒飲むとあそこまで大胆なのね。びっくりしちゃったわ・・・。
昨晩の事をばらされたくなかったら、今夜は私の部屋に来て、私の相手をなさいな。」
「うわぁ!し、知らない知らないぃ〜。」
「(ふふふ。騙されるなんて、単純ね。これで当分巴で楽しめそうだわ。ふわぁあ。仕事までもう一眠りしよう。)」

329 名前:SSD :2005/06/06(月) 21:35:49 ID:nDdi/hPC
ともねえ誕生日記念SS書いてみました。
・・・すみません、オチて無いですorz
っていうかおいらともねえ書いてばっかりだo.....rz

330 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/06(月) 21:37:46 ID:ulX6C97O
拝見させていただきました
ともねえ最高です

331 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/06(月) 22:12:26 ID:PZv/bZO+
ともねえ(;´Д`)ハァハァ…GJ

332 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/06(月) 22:30:27 ID:BStUughN
GJ
ともねえかわいいよともねえ

>>331
梅雨時期だし、梅雨の日常とか
ともねえと神社のアジサイを一緒に眺めに行って、帰りに急に雨降って一つの傘で一緒に帰ってくるとか
雨宿りするとか

333 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/07(火) 23:02:40 ID:QLSJ1P6Q
みなさんすごい上手だなぁ。
頭の中にキャラが住んでるのかな?

334 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/07(火) 23:19:32 ID:FRoCA8vO
>333
そのとおりですが何か?

335 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/08(水) 21:16:35 ID:f5RJ2noq
>>334
おみそれしましたm(__)m
自分も妄想くらいならできるけどこんな楽しい表現はできません。
これからも期待してロムります。

336 名前:王様ゲーム(1) :2005/06/09(木) 15:11:23 ID:KlA/yAsX
ある日、柊家と犬神家のお姉ちゃん全員が集まって宴会をした。
以下はその時の王様ゲームの内容だ。

・ねぇねぇが王様
瀬「へっへーん、アタシだね。んじゃねー、3番と6番がチューしろ!」
帆「イヤン、瀬芦里ちゃんダイタン!で、誰なの誰なの!?」
巴「あぅ、私6番…」
ぽ「私が3番…巴さんとキス…(ぽっ)」
瀬「…あんたらじゃゲームにならないからやめ。」
巴「あぅ…」
ぽ「…(チッ)」

・ともねえが王様
巴「わ、私かぁ…えっと…5番の人、私の肩を叩いてくれないかなぁ…」
瀬「つまんなーい。」
高「もっと他にないの?」
要「いいじゃない、別に。それで1番は誰なの?」
雛「我であるな。それでは巴、失礼するぞ。」
(たんとん、たんとん、たんとん、たんとん…)
帆「何だか…ほほえましいわね…」
空「うん…」
ぽ「…(私がやりたかったなぁ…)」

337 名前:王様ゲーム(2) :2005/06/09(木) 15:13:21 ID:KlA/yAsX
・姉貴が王様
高「アタシかぁ…イカ、あんたの番号は?」
空「なんで教えなきゃけないんだよ。」
高「いいからクジを見せろ!…ふーん、4番ねぇ…」
空「な、何させる気だよ…」
高「今から出す超難問に答えられなかったら体罰。」
空「そんなぁ!」
高「いいから行くわよ!」
空「いつもと変わらないじゃないか〜!」
海「…(ギラリ)」

・お姉ちゃんが王様
海「えっと、私が王様だね〜。高嶺お姉ちゃん、何番?」
高「あ、勝手に見るな!」
海「ふーん、2番か〜。それじゃ2番の人、ちょっとひとっ走り『つぶつぶきのこジュース』買ってきて〜。」
高「ちょっと、アタシをパシリにする気!?」
瀬「タカ〜、反抗したら面白くないよ〜。」
要「それもそうね…あ、そうだわ高嶺。ミントアイスもね。」
帆「ワタシはミックスジュース!」
雛「我は緑茶だ。」
高「勝手に増やすな〜!」

・ねぇやが王様
帆「よし、ワタシが王様ね!1番の人、ワタシのことを褒めなさい!」
ぽ「姉さん、面白くないよそれ。」
帆「いーの、いーの。で、誰なの?」
要「ふふ…本当にアナタの足って綺麗だわ…まるでハムみたい。」
帆「か、要芽ちゃんだったのね…それってけなしてない?」
要「あら、褒めてるのよ…綺麗って。それと…」
空「ああ、もう。いつものバトルが始まっちまった…」
ぽ「しばらく終わりそうもないね」

338 名前:シンイチ :2005/06/09(木) 20:50:41 ID:DkJREiNl
他人のパソから投下してみたり。
あとがき書くの忘れてた…
他にも思いついたら書いてみようかしら。

339 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/10(金) 17:11:38 ID:Uj220fI/
>>338
GJ!!
そして次もよろ。

340 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/10(金) 19:18:22 ID:XBY2zvUU
http://www.geocities.jp/vippersonals/sister_revenge/

341 名前:530 ◆530SPECaOc :2005/06/10(金) 22:02:57 ID:pbGN4A7G
>333
      _
    '´  `ヽ
   l ノリ从从〉
   |(lリ゚ ー゚ノli
   l く)i个)つ
   |l|〈__:_|liリ
  .    !_ハ_i


 中の人など居ない!!

 \  \v/  /
    ヽ(`Д´)ノ ミ,ミ、 パカ
   _( 回 ) /   )
   l ノリ从从〉ヽ._/
   |(lリ゚ ー゚ノli
   l く)i个)つ
   |l|〈__:_|liリ
  .    !_ハ_i


 スポッ _
 ε= '´  `ヽ ミ
   l ノリ从从〉 ミ
   |(lリ゚ ー゚ノli
   l く)i个)つ
   |l|〈__:_|liリ
  .    !_ハ_i

342 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/11(土) 00:41:26 ID:4rOTVl7z
中の人いるじゃねえかw

343 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/11(土) 15:43:38 ID:2/v0Xmqf
わっとるかよ!w

344 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/11(土) 17:42:08 ID:vGp7c5J6
まさかわっとるマンが中の人だったとはw

345 名前:パクリますた :2005/06/11(土) 19:14:34 ID:XbrjybNv
   .  く_
     '´ ヾ ヽ
    l ノノノ))))
    ヾ(リ゚ ヮ゚ノリ・・・・・
    ノ.⊂)゙-゙iつヽ
   (   〈l_l|  )
      i_/、」

   .  く_
     '´_ヾ_ヽ
     √ √   パカ
    .(从从)   おいすー!
    ノ∩゚ヮ゚ノ
    _レV]ヽ
    l ノノノ∪))
    ヾ(リ゚ ヮ゚ノリ
    ノ.⊂)゙-゙iつヽ
   (   〈l_l|  )
      i_/、」

   .  く_ 。 ゚。
     '´ ヾ ヽ 。ポム。
    l ノノノ))))=3
    ヾ(リ;゚ _ ゚ノリ<あぅ、いまなにかいた・・・
    ノ.⊂)゙-゙iつヽ
   (   〈l_l|  )
      i_/、」

346 名前:保管庫の中の人 :2005/06/12(日) 01:34:53 ID:oVa5BW2I
ここまで更新しますた。
上のほうに出てたニュースをどうしようかなあと思い悩んだ結果あんな感じになった。
あれだけで3時間かかったorz
今も反省していない。

347 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/12(日) 20:50:38 ID:8Xlh6A2M
>>345のセリフが「あぅ、いまなかいた」→「あぅ、今中居た」に見えた俺がきましたよ

>>職人の皆様、中の人
激しく乙です!

348 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/13(月) 22:54:36 ID:gSVD/5Xv
>中の人乙

>6のAAは保管してくれないの?

349 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/13(月) 23:19:31 ID:JA1mMMWO
【社会】氷の弁護士、遂に敗れる

まさか、あの氷の弁護士が───。

本日、法曹界を揺るがす信じられないニュースが入った。
昨年、法廷での凛とした態度、容姿、そして不敗を誇る実力が相まって
大ブレイクし、「勝って当然」というセリフが流行語大賞にもノミネートされる程の人気を誇る
「氷の弁護士」柊要芽弁護士(26)が遂に敗れたのだ。
担当したのは話題の神奈川少年変死事件。原告側として裁判に挑んだが、
元々、証拠が少なく、難航している事件を相手に、氷の弁護士もお手上げの様子。
しかし、関係者は「どこかうわの空で、何時もの迫力、覇気が感じられなかった」
とコメントしている。その裏には、こんな事情があった。

秘書と義弟が駆け落ち。数日前に話題になったこの事件、そして、
最近身の回りで起こっている事件が原因で、裁判どころでは無かったのだろう。
秘書の秋山衣瑠香さんと義弟の柊空也さんを同時に失い、隣人や父の不祥事で記者に質問攻めにされ、
精神的にも身体的にも参っていたと予想される。

関連記事
・氷の弁護士に異常事態。美人秘書と義弟が駆け落ち!?
・ヒイラギカンパニー社長、連夜の乱交騒ぎで厳重注意

最近の記事
【野球】巨○、遂に自力優勝消滅
【社会】Sky&Sea社、新たな動向に関係者「想定の範囲内

350 名前:保管庫の中の人 :2005/06/14(火) 00:33:06 ID:91i4Cv8T
>>348
何度も見ていたのでてっきり入っているものだと。
よく考えたらあのサイズのAAってあんまりないな…。
3つくらい前のスレだと補完しに行ってないのでまだ抜けがあるかもしれない…。

>>349とともに追加しておきました。
って、>>349の姉様は一連の事件全て受けた後ですか。
そりゃ覇気もなくなるわと思ったが

空也といるかの駆け落ち以外は特に気にしてなさそうな件について

351 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/14(火) 00:33:15 ID:trj/jMrk
何気に過去のニュースなのがワロスw

>>321

352 名前:大きくなっちゃった!(1) :2005/06/16(木) 15:17:41 ID:0lcffVfH
その日の夜、高嶺はとにかく機嫌が悪かった。
昼間、いつものように空也に牛乳を買ってくるように頼んだところ、見事に帰る途中でぶちまけてしまったのである。
それだけならまだしも、空也が、
「そんなに欲しかったら自分で行けばいいだろ!大体、牛乳飲んだからって胸がでかくなるわけないっての!
 意味のない無駄な努力だよ!」
「なんですって!」
こんな具合の言い合いの後、高嶺の見事な延髄蹴りがヒットしたわけだ。
夕食が済んでから、高嶺は部屋でくつろぐ…というか枕を叩きまくっていた。
もうストレスが溜まりまくっていたので、今からまた空也をいじめようかと思っていた矢先…
「高嶺お姉ちゃん、くーやをいじめたでしょ〜?」
「くっ…またあのバカ、海にチクッたわね…」
突然海が現れた。空也をいじめた後に海が出てくると、高嶺にはロクなことが起こらない。
この際、海がいきなりあらわれたことはどうでもいいことにしておこう。
「どうしよっかな〜。坊主頭がいい?それとも10円ハゲがいい?」
「な、何をする気よ…」
「う〜ん、高嶺お姉ちゃんのポイントが溜まっちゃったからね、罰ゲームはどうしよっかな〜って。」
「ロクなもんがないじゃないの!」
「罰ゲームってそういうもんだと思うよ〜。でもね、これを飲んでくれたらナシにしてあげる。」
と言うと海は、青い液体の入ったビンを差し出した。

353 名前:大きくなっちゃった!(2) :2005/06/16(木) 15:20:02 ID:0lcffVfH
液体は澄み切った色をしてはいるものの、海の作ったものなので危険な予感しかしない。
「…これは何なのよ?」
「これ?これはね、私が開発した『豊乳ドリンク(仮名)』の試作型だよ〜。」
「ちょっと待ってよ!アンタ、まさかアタシで人体実験する気!?」
「じゃ、そのツインを刈る?」
「…効果は?」
とりあえず効果を聞いてから飲むかどうかを考えた。
もちろん、この髪を切られるのは勘弁してほしい。
しかし、薬の効果によっては…と考えたのである。
「えっとね、名前の通りに胸が大きくなっちゃうの。
 お姉ちゃんが飲んでから一体どれくらい効果があるのか実験したいんだよ〜。」
「胸が大きくなるの!?」
それは願ったりかなったりだった。
これまでどれだけの努力をしてきたことか…しかし効果は全くなかった。
ならば例え人体実験でも可能性があるならトライすると、高嶺は決めたのである。
「よこしなさい。」
ビンをもらうと、高嶺はグイッと飲み干した。
味は海が作ったものに比べると、わりとマシなほうである。
「…あれ〜?」
「何にも起きないじゃない。」
「まぁ、そんなにすぐに効果は出ないと思うよ〜。」
それもまあその通りである。
結局その日は変化が全くなく、仕方なく高嶺は床についた…

354 名前:大きくなっちゃった!(3) :2005/06/16(木) 15:21:27 ID:0lcffVfH
「ふあぁぁぁぁ…」
次の日の朝、かなり遅れての起床だった。
すでに要芽が起きているのは足音でわかっている。
寝ぼけ眼で洗面所まで行き、顔を洗ったあと歯を磨く。
部屋に戻って服に着替えるとき、高嶺はその異変に気づいた。
「!!!!!?????」
部屋を飛び出し、階段を駆け下りて海の部屋に直行する。
海はすでにおらず、ならばと大急ぎで全員が朝食を食べている居間に向かった。
「あ、おは…」
「なんと…」
「タカ…」
「ウソ…」
「ZZZ…」
「(・ε・)」
全員が息を呑んだ(一部除く)。全員の理由は共通だった。
そう、あの高嶺の胸が大きくなっていたのである!
「見て見て!アタシの胸が…こんなにでっかくなったわ!」
「うむむ…その前に高嶺、ぱんつだけで走り回るとは何事だ。」
「え?…きゃぁぁぁぁぁ!」
高嶺は固まっている瀬芦里をつかむと、そのまますさまじいスピードで部屋に戻っていった。

355 名前:大きくなっちゃった!(4) :2005/06/16(木) 15:25:01 ID:0lcffVfH
とりあえず気持ちを落ち着けて瀬芦理に服を借りた高嶺は、改めて自分の胸を見つめた。
お隣の帆波…いや、それ以上はある。
高嶺と海は実験の成功を喜んでいた。
「よかったね、高嶺お姉ちゃん。どうやら成功だよ〜。」
「今日ほどアンタに感謝したことないわ…ありがとう、海!」
当然のことではあるが、高嶺の喜びはハンパではない。
海のほうが自分より年下なのに胸が育っているという現実を悲観していた高嶺は、今や天にも昇る気持ちなのだ。
「それじゃさっそく、行ってくるわね!」
高嶺が家を飛び出した先はお隣の犬神家。
「あら、高嶺ちゃ…」
「どうですか、これ!?」
会うなりいきなり胸を張る高嶺。
それを見て帆波は大きなショックを受けた。
「ガーン!そ、そんな…高嶺ちゃんに負けた…」
「ほほほ、ごめんあそばせ。ちょっとあがりますね。」
がっくりと両手を地面につける帆波、それをよそに高嶺はぽえむの部屋に向かった。
コンコンと部屋をノックする。
「アタシだけど。」
「高嶺さん、なにか…」
部屋から出てきたぽえむの顔が突然凍りついてしまった。
まさかあの高嶺が、胸が大きくなるなんて考えもつかなかったからである。
それも、自分の姉より大きいとは全くの想定外だ。
「フフン、どう?特別にこのバストを測らせてあげるわよ?」
「うう…私…もうダメ…」
あまりに現実的でなかったためか、心のダメージが大きいためか、ぽえむはその場で気絶してしまった。
「さぁて、次は何をしようかしら?」

356 名前:大きくなっちゃった!(5) :2005/06/16(木) 15:27:56 ID:0lcffVfH
調子に乗ってきた高嶺は、今度は海岸のほうへ行ってみた。
そのへんの男たちの視線を釘付けにしている。
そのスラッとした足もさることながら、最大の理由はもちろん大きくなった胸だ。
なんだか胸に視線が集中しすぎているような気がするが、それもまた新しい感覚。
十分に堪能した高嶺は、変な男が寄ってこないうちにその場を後にした。
その後も意味もなく駅前をうろついたり、商店街を歩き回ったりしていた。
もちろん、その先々で様々な男の視線を釘付けにしてきたのである。
「フフン、このパーフェクトになったアタシに振り向かない男なんていないわ!」
ご機嫌になって帰ってきた高嶺は、とりあえず海の部屋に直行した。
「ねぇ、この薬っていつまでもつの?」
「それはわからないよ〜。だって、初めて飲んだのが高嶺お姉ちゃんなんだもん。
 効果は明日消えるかもしれないし、いつまでもこのままかもしれないし。」
「あっそ。」
期間はこの際それほど気にはしない。
やはり最後はと、夜になってから高嶺は空也を自分の部屋に呼びつけた。
「なんだよ、姉貴。」
ぶっきらぼうだが、彼のその視線は完全に胸にいっていた。
「ちょっと疲れちゃったからマッサージでも…って思ったんだけど、アンタをマッサージしてあげようかと思ってね。」
そういうと、無理矢理空也をベッドに寝かせ、服をすぐに剥ぎ取った。
「な、なにするんだよ!」
「フフン、せっかく胸が大きくなったんだもの。いっぱい可愛がってあげないとねぇ。今もじっと見てるし。」
「いや、あのその…」
「覚悟なさい。存分に可愛がって、一滴も残さず搾り取ってあげるから!」
「うわぁぁぁぁぁぁ…」
その夜、空也は高嶺の普段ではありえない巨乳攻撃によって、精も根も尽き果ててしまうのであった…

357 名前:大きくなっちゃった!(6) :2005/06/16(木) 15:31:44 ID:0lcffVfH
次の朝、抜け殻になってしまった空也は全然起きない。
「ふあぁぁぁぁ…」
高嶺は起きると素っ裸になっていた。
すでに要芽が起きているのは足音でわかっている。
寝ぼけ眼で洗面所まで行き、顔を洗ったあと歯を磨く。
部屋に戻って服に着替えるとき、高嶺はその異変に気づいた。
「!!!!!?????」
部屋を飛び出し、階段を駆け下りて海の部屋に直行する。
海はすでにおらず、ならばと大急ぎで全員が朝食を食べている居間に向かった。
「あ、おは…」
「なんと…」
「プッ!あはははははは!」
「ZZZ…」
「(・ε・)」
全員が驚いた。全員の理由は共通だった。
そう、あの高嶺の胸がいつもよりもしぼんでいたのである!
「ちょっと海!これはどういうことなのよ!」
「うむむ…その前に高嶺、ぱんつだけで走り回るとは何事だ。」
「え?…きゃぁぁぁぁぁ!」
高嶺はそのまますさまじいスピードで部屋に戻っていった。
「う〜ん、実験は失敗か〜。 ま、高嶺お姉ちゃんはあれくらいで十分だよね〜(・ε・)」
「そうそう。タカの胸が大きくなったらアンバランスだもん。タカじゃないよ。」
顔を真っ赤にして部屋に戻った高嶺は、まだ横になっている空也を惜しげもなく踏みつけていた。
もちろん、これが海のポイントに加算されていることは言うまでもない。
ちなみに高嶺の胸が元に戻ったのは、それから1週間も過ぎてからのことだった。
その間、完全に彼女は引きこもってしまったそうである…

358 名前:シンイチ :2005/06/16(木) 15:34:41 ID:0lcffVfH
ネタにしやすくて一番身近にいそうな姉貴は、ともねえの次に大好きです。
エッチシーンは自分には書けない…結局省略してしまいました。
何かコツでもあるんでしょうか?

359 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/16(木) 16:22:20 ID:m7UL7YXn
俗に言う、GJと言う奴ですよ。

360 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/17(金) 11:44:40 ID:hdlLZ0yY
GJ
なんだかんだで空也に一喜一憂したりえっちしにいく姉貴に萌えた。
犬神家にまで行く調子に乗りっぷりもねw

361 名前:瀬芦里と海1/5 :2005/06/21(火) 11:42:30 ID:WfGj4IVT
ガラッ
「やっぽー!空也!あっそb・・・っていないのか。」
な〜んだ。ツマンナイの。
そういえば空也、モエと出かけるとか言って出て行ったんだっけ。
要芽姉は仕事だし、ひなのんはバイト、タカもエステ行っちゃったしな〜。
エステなんか行っても無駄なのにね。
外も雨が降ってるしな〜、遊びに行けないし。
となると、残ってるのは・・・

-Round 1-
「う〜みゃ!入るよ?」
「ん〜?瀬芦里お姉ちゃん?」
ガラッ
「ど〜したの?」
「あのね、私今、暇なんだ。だからさ、なんかして遊ばない?遊ぼ?ね?ね?」
「ごめんね〜、今手が離せないんだ〜。また今度にして〜。」
「んもう!うみゃ!そんな事言わずにさ!お姉さんとのスキンシップじゃない!ね?ね〜?」
「しょうがないな〜。じゃぁあ〜、今私の学校で流行ってるゲームやる〜?」
「おっ!いいね〜。何々?何やるの?」
うみゃが取り出したのは・・・シュークリームが二つ・・・?
「ん?何これ?くれるの?」
「ロシアンシュークリームだよ〜。どっちか片方は普通のシュークリームで、
もう片方には気持ち悪いのが入ってるよ〜。」
「え〜、なんかこのゲーム、地味じゃない?」
「だから〜、この勝負に瀬芦里おねえちゃんが勝ったら、正式に遊んであげる〜。
でも、私が勝ったら、瀬芦里お姉ちゃんは退場ね〜。」
「ん〜〜〜。ま、しょうがないか、いいよ。じゃ、私こっちね。」
「じゃあ私はこっち〜。いっせーのせで食べるんだよ〜。」
「「いっせーのーせっ!」」
パクッ。

362 名前:瀬芦里と海2/5 :2005/06/21(火) 11:45:46 ID:WfGj4IVT
もしゃもしゃ・・・ゴクン
やった!普通のシュークリームだっ!
「やった!私の勝t・・・うっ!」
ドォォォオオオン!バリバリバリバリバリ!
こっ、このしゅーくりーむはっ、もしかしてぇ・・・
「あ〜、私のほうにはつぶつぶきのこが入ってたよ〜。私の負けだね〜。」
「う、うみゃぁ〜・・・」
「どうしたの?瀬芦里お姉ちゃん、正解のほうを引いたのに〜?」
「こっ、これ、うみゃが・・・作った・・・の?」
「そうだよ〜?」
な、なるほど・・・。
どっちにしろ、うみゃが得するように・・・なって・・・た(ガクッ
「倒れちゃった〜。変な瀬芦里お姉ちゃん。(・ε・)」
・・・

う〜ん・・・
「あれー?何で私廊下で寝てるんだろ?」
あ、そうだ。
うみゃの殺人シュークリーム食べたんだった。
よく生きてたな〜。わたし。
「くやしーなー。何とかしてうみゃをぎゃふんと言わせることできないかなー?」
ガラガラガラ・・・
「「ただいま〜!」」
おっ、この声は!
ドタドタドタ・・・
「空也!モエ!お帰りー!」
「うわっ、ねぇねぇ、どうしたの?」
「わたし、二人が帰ってくるの待ってたんだよー!ほらっ、二人ともモエの部屋に早くっ!」
・・・

363 名前:瀬芦里と海3/5 :2005/06/21(火) 11:50:23 ID:WfGj4IVT
「で、何か用なの?俺たちを待ってたって。」
「さっすが空也!いい勘してる!実はねー・・・」
かくかくしかじか
「やっ、やだよ!海をぎゃふんと言わせるなんて・・・。仲良くしようよ・・・。」
「俺も海お姉ちゃんにはお世話になってるからな〜。弱点を教えるとか出来ないよ。」
「私のお願いを拒むなら、二人とも今この場で、犯しちゃうよ?」
「(そっ、そんな・・・それはそれで、最高・・・)」
「空也はそれでいいみたいだね、モエは?」
「あぅ・・・そっ、それも嫌だ。空也!」
「わ、わかったよ。弱点って言うか、海お姉ちゃんの苦手そうなのは・・・」
「なるほどねー・・・ふむふむ・・・」
ガガッ、ジー
「瀬芦里お姉ちゃんも甘いな〜。私がつけた盗聴器に気が付いてないよ〜。」
・・・

-Round 2-
「うみゃー?入るよ?」
「いいよ〜。」
がらっ。
「何か用〜?」
「うみゃ、さっきのゲームは一応、私が勝ったからさ、もう一回ゲームやろうよっ!」
「いいよ〜。何のゲームするの?」
「へっへーん。こーれ。」
「お皿四枚と、箸二膳に小豆?」
「うん!箸で小豆をつかんで、もう片方のお皿に先に小豆を全部移したほうが勝ちね!」
ふふふふ。うみゃは不器用!だからこのゲームは私のほうが有利っ!
「いいよ〜。でもね瀬芦里お姉ちゃん、私、さっき手怪我しちゃったから〜、代理を立てるよ〜。」
「怪我?あれっ、ホントだ。包帯巻いてる。大丈夫なの?」
「たいしたことないよ〜(・ε・)で、私の代理は〜これっ!」
ドンッ!

364 名前:瀬芦里と海4/5 :2005/06/21(火) 11:57:35 ID:WfGj4IVT
「なーんだ。メカタカネか。」
「ナメンジャ、ナイワヨ」
こいつならトロイから大丈夫だね。
「じゃあ始めるよ〜。よーいどんっ!」
シャカシャカシャカシャカシャカ・・・
え?うそっ?メカタカネがすごく早い・・・!?
「あっ、あれ?あせると・・・うまく・・・行かない!」
「はい〜、メカタカネは終わったよ〜。」
「ま、負けた・・・。ちょっとうみゃ!何でメカタカネがそんなに早いのよ!?」
「たまたま今日、メカタカネに小豆拾い機能をつけたばっかりなんだよ〜。」
「ほっ、本当にたまたま?」
「こんなこと、予測してつける人間なんて超能力者だけだよ〜(・ε・)」
「コノ、イカ」
・・・

「ん?海の弱点、とな?」
「うん、帰ってきて疲れてるところ悪いんだけどさ、教えてよ、ひなのん。」
「おまえ、それを知ってどうする気だ?第一、海に弱点など・・・」
「うみゃのことをもっとよく知りたいんだよ。ひなのんなら、
みんなのお姉さんだから知ってるかなーって。」
「むむっ!(皆のお姉さん、とな!?)んゴホン!いや、我も知らないわけではないのだがな。
そうか。海をもっと理解したいのだな。仕方ない。そういうことならお姉さんが教えてやろう・・・」
「ふむふむ・・・妖怪・・・」
ガガッ、ジー
「むー。瀬芦里お姉ちゃんもがんばるな〜。仕方ない・・・。」
・・・

365 名前:瀬芦里と海5/5 :2005/06/21(火) 12:03:35 ID:WfGj4IVT
-Final Round-
「うわ〜、リアルぅ!」
へへ、あの後、特殊メイクやってる友達に、一時間でむりやり作らせちゃった。
ぬりかべの着ぐるみ。
これを着て廊下に出たうみゃを・・・
ガラッ・・・
おっ、でてきた。
とことことこ・・・
ふふふ。来い来ぃ〜。曲がり角でー
今だっ!
「ばぁ〜!」
「ひっ・・・!」
がちゃ
「え?光線じゅ・・・」
ミョーンミョーンミョーンバリバリバリ!
「ふぎゃぁぁぁぁああああああ!」
バタリ
「ふ〜。(瀬芦里お姉ちゃんだと分かっててもびっくりしちゃった〜。)あれ?瀬芦里お姉ちゃん?」
「う、うみゃ・・・なん・・・で?」
「妖怪かと思ったからだよ〜。あれ?服に虫(型の盗聴器〜)がついてるよ〜(・ε・)」
「も、もうだめ〜。・・・ぎゃふん(ガクッ」
「今日は瀬芦里お姉ちゃんのおかげで面白かったよ〜。また遊んでね〜。」

366 名前:SSD :2005/06/21(火) 12:07:22 ID:WfGj4IVT
ねぇねぇと海お姉ちゃんの一日を書いてみました。
あんまりこのペアはみないので・・・。
二人とも書くのはちょっと苦手なので、うまく行ったかどうか・・・。

367 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/21(火) 12:56:07 ID:Gt07z7AP
GJ!
策士な海お姉ちゃん面白い。

368 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/21(火) 15:35:37 ID:RM/kEetM
禿しくGJ!


369 名前:雨が嫌いな空也1/5 :2005/06/21(火) 22:59:35 ID:L/+GZsKL
朝起きて、カーテンを開けると・・・
「うわぁ、すごい雨だな・・・。」
梅雨に入ってしばらく経つけど、こんなに雨の日らしい雨は久しぶりだ。
せっかくの週末なのに雲が厚くて、薄暗い、まさに梅雨時の雨。
お昼前までに止むかな・・・。
台所に行くと、すでにともねえが朝食の支度をしていた。
「おはよう。ともねえ。」
「あ、おはよう。」
「今日はジョギング行ったの?」
「いや、私が目を覚ましたときには、も、もうすでに降ってたから。今日は止めにしておいたよ。」
・・・

朝食が終わって、雛乃姉さんはバイトへ、姉様は仕事に、姉気はエステに出て行った。
ねぇねぇは
「昨日は夜中にバイトだったから、まだ寝たりないにゃ・・・zzz」
と言ってそのまま居間で寝てしまったし、海お姉ちゃんはやる事があると言って、
部屋に閉じこもってしまった。
暇だから廊下の掃除でもするか。
ごしごし・・・ぎゅっぎゅ・・・
台所近くの廊下まで掃除をしていると、台所から
「あぅ・・・あぅ・・・」
ともねえが困っていた。
「どうしたのともねえ?」
「あっ、空也。きょっ、今日は雛乃姉さんにお弁当頼まれていたんだ。で、作っておいたんだけど・・・」
「雛乃姉さん、持って行くの忘れちゃったんだ。」
うんうんと、ともねえがうなずく。

370 名前:雨が嫌いな空也2/5 :2005/06/21(火) 23:04:06 ID:L/+GZsKL
「わ、私、雛乃姉さんのところまで、お弁当届けてこようと思うんだけど・・・」
「うん、行ってらっしゃい。」
「あぅ・・・。そっ、その、空也も・・・一緒にどう・・かな?」
最後のほうはよく聞こえなかったが、これは誘われてるのか?
それに俯き加減で聞いてくるともねえが妙にかわいい。
「わかった。いいよ。」
「えっ!?い、いいのか?」
「もちろん。でもその前に、ねぇねぇとお姉ちゃんの為に、お昼つくり置きして行こうか。」
「うんっ!」
その後、俺とともねえは居間で寝てるねぇねぇにそれとなく出かけることを伝えて、家を出た。

バイクで行くのかと思ったけど、ともねえは
「雨の日に二人乗りは、あっ、危ないだろう?」
雨は朝と変わらず、未だに強く降ってる。
残念なことに傘は二本あったから、俺とともねえで一本ずつ。
「そっ、それにしても、梅雨らしくていい雨だな。」
「え?ともねえ、雨好きなの?」
「うん。私は好きだな。空也は、あ、雨の日嫌いなのか?」
「雨の日はじとじとしてるしさ、気分が落ち込むじゃん。晴れてるほうがよっぽどいいよ。
ともねえは雨の日のどこが好きなの?」
「私は・・・あ、雨の日があるから、晴れの日が素敵に思えるし、雨の日は雨の日で、
せっ、洗濯物は干せないけど、素敵なところがあると・・・思う。」
「ふーん。俺にはよく分からないや。」
そんな事を話しているうちに、雛乃姉さんのバイト先の神社に着いた。

371 名前:雨が嫌いな空也3/5 :2005/06/21(火) 23:09:07 ID:L/+GZsKL
「おおっ!巴!それに空也も!」
境内には雨のせいか全く人影がなく、雛乃姉さんはおみくじ売り場の中に暇そうに座っていた。
「はい、雛乃姉さん。お弁当。」
「わざわざ面倒をかけてすまぬ。よし、飴をやろう。にしても巴、お前だけ来れば事は足りたろうに。」
「・・・」
ともねえは答えずに俯いて、顔を赤くしている。
「ふむぅ。なるほど、な。」
にやりと雛乃姉さんが笑って横目で俺を見る。
「あ、あはははは。」
笑うしかないでしょ?
「姉弟で仲がいいのは良い事よな。と言うことは、時々二人で夜になって飛び出すのも、こんな理由か?」
「・・・・!」
ともねえの表情が固まった。
雛乃姉さんの言っているのは、ともねえと俺がクロウの存在を感じたときのことで、
もちろんそれを言うわけにはいかない。
ともねえは嘘が嫌いだから、ともねえに返事させるのは酷だ。
「あれはね、俺g「私が空也を誘うんだ。ツッ、ツーリングに・・・。」
ともねえが俺の言葉を遮って来た。
「ほぅ!我は巴は酒でも飲まぬと大胆になれぬと思っていたが、これは飛んだ思い過ごしよな。
まぁ、ともあれ、中に入れ。お茶ぐらいは出せようぞ。」
「ありがとうございます。雛乃姉さん。」
「あは、私、じ、実はおにぎりを作ってきたんだ。一緒にたっ、食べようと思って。」
・・・
「ふー。おかげで我は満腹だぞ。ご馳走様でした。」
「「ご馳走様でした。」」
「二人とも、折角だから帰りは境内裏の紫陽花でも見ていくと良い。雨に濡れて綺麗であろう。」
「うんっ!」
「それと巴、傘を一本貸せ。」
「え?なっ、何で?雛乃姉さんには人力車が・・・」

372 名前:雨が嫌いな空也4/5 :2005/06/21(火) 23:16:42 ID:L/+GZsKL
そこまで言うと、雛乃姉さんがともねえに耳打ちをして
「(言うとおりにせんか!わざわざ気を使ってやっておるのだ!)」
いや、すっかり聞こえてるし。
ともねえもまた赤くなって俯いてる。
・・・
結局、ともねえと俺は相合傘で境内裏手の紫陽花を見に来た。
雨に濡れる青や紫の花をしばらく眺めていると、
「きっ、綺麗だな。」
「うん。綺麗だね。」
「・・・私、嘘、ついちゃったな。」
「うん。」
「嘘は・・・きっ、嫌いなのに。」
「あれはしょうがないよ。雛乃姉さんを巻き込むわけにはいかないし・・・。」
「でっ、でも、本当は一瞬迷ったんだ。嘘をつくのはい、嫌だから、本当のこと、
話しちゃおうかなって。で、でも・・・」
「いいんじゃないかな。たまには嘘つくともねえも。たまの嘘があってこそ、
普段のともねえが、その・・・よりありがたく思えるんだよ。
それに、ともねえのついた嘘は、やさしい、必要な嘘だよ。」
ザアァァァァァ・・・
「・・・ありがとう。空也は優しいな。」
雨でぼやける背景の紫陽花が、柔らかなともねえの笑顔を際立たせた。
俺の耳が先まで真っ赤になるのが分かる。
これだけ近いと、ドクドクと鳴る心臓の音も聞かれちゃうかも?
と思うと、いよいよ動悸が激しくなってきた。
「かっ、帰ろうか。ともねえ。」
「うん。」
ともねえは静かに、しかし力強く答えた。
・・・

373 名前:雨が嫌いな空也5/5 :2005/06/21(火) 23:18:35 ID:L/+GZsKL
帰りはほとんど何も話さなかった。
ずっと雨がアスファルトを叩く音と俺とともねえの足音だけが響いた。
家の前に着くと・・・
「思ったより、遅くなっちゃったな。」
「あのさ、ともねえ。」
「ん?」
「考えを改めるよ。たまには、雨の日もいいなって。」
「そうか。空也がそう言ってくれると、わ、私もなんだかうれしいな。」
ともねえがそう言いながら、玄関の戸を開ける。
ガラガラガラ・・・
「「ただいま〜!」」
ドタドタドタ・・・
ねぇねぇが廊下の奥からこっちに向かって走ってくる。
「空也!モエ!お帰りー!」
「うわっ、ねぇねぇ、どうしたの?」
「わたし、二人が帰ってくるの待ってたんだよー!ほらっ、二人ともモエの部屋に早くっ!」
「あぅ・・・。」
ねぇねぇがこういう風に言う時は大抵何か頼み事がある時だ。
いったいどんな無理難題を言われるのやら・・・。
でも、これも悪くない・・・かな?

374 名前:SSD :2005/06/21(火) 23:22:49 ID:L/+GZsKL
今日二本目です。連投申し訳ないですm(_ _)m
上の「瀬芦里と海」を書いてる時に、ともねえと空也を>>332
リクエストにそって書こうと思っていました。
一応上の二作は最後のほうでリンクしてます・・・。
って言うかこういうのは書いてるとハズイ・・・orz

375 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/21(火) 23:26:04 ID:5tQWwrFl
GJ!!!!!!!!!!!!

376 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/22(水) 07:57:46 ID:wbzFq1jI
瀬芦里と海はギャグっぽく、雨が嫌いな空也はマッタリ楽しめました乙です

377 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/22(水) 12:47:51 ID:IBid7U1l
GJ!
三本m(釘

378 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/22(水) 23:32:15 ID:GoTycKDs
久々に良作

379 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/24(金) 21:47:18 ID:udyA6tPQ
素晴らしい。
繋がってるという最後の仕掛けもいいねえ。

380 名前:保管庫の中の人 :2005/06/26(日) 03:02:36 ID:p5ZJjdCZ
こんなもの作ってみた。
ttp://yellow.ribbon.to/~nechan2/mightyheart.mid

このへんの心得は一切無いんだけどやってみたらなんとかなるもんだね。

381 名前:名無しさん@初回限定 :2005/06/26(日) 14:53:19 ID:4eYAwPs+
>>380
お、素晴らしい。

382 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/01(金) 20:49:12 ID:ldJTkKZS
保守

383 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/02(土) 13:20:54 ID:YEcfm9o8
まあ保守しといてあげるわよ。
べ、別にあんたの為じゃないわよ!もっとあたしの素晴らしさを
伝える為になんだからね!勘違いしたら蹴るわよ!

384 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/03(日) 20:34:56 ID:23U2nu0q
姉貴ってなんだかんだ言ってやさしいよね。

385 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/03(日) 21:05:01 ID:9S9gT/uS
ツンデレだからな

386 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 06:21:14 ID:ddZZbtEe
サク サク サク ……
砂浜を踏み鳴らす少年の足音が聞こえる。
背中に負われた美女の金髪が恐ろしいくらい夕暮れに映えていた。

「ん〜やっぱりこの格好恥ずかしいよう、クーヤ」
「駄目だよ。せめて今日だけは安静にしないと」
「…じゃあ代わりにサービスするニャ〜!」
「へいへい」

モミモミ さわさわ ……

「にゃん☆」

ジーパンに包まれたヒップとフトモモをいやらしく撫でられたのが
お気に召したらしく、瀬芦里は後ろから空也をギュッと抱きしめた。
背中を圧迫する豊満な感触がまたきわどかった。


387 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 06:26:30 ID:ddZZbtEe
「……みんな怒ってるかな」
「そりゃあね。いつもは冷静なお姉様まで血相変えてたもの」
「悪いこと、しちゃったね」
「ん? ねえねえも反省することあるんだ」
「こらっ、ヒトのことをムネとオシリがおっきいだけのただの美人みたいに言うな!」
「ちょっ、ねえねえ首極まってるよ! 首! 言ってること違うし!」

空也の口からエクトプラズムが顔を出したころ、ようやく瀬芦里はチョークスリーパーを解いた。

「ぜぇぜぇ……ったく、窒息技はねえやだけでたくさんだよ。でもちゃんと
反省してるんなら、もうこんなことはやめなよ、ねえねえ」
「……わかんない」

空也はちらりと肩越しに振り返り、瀬芦里の表情をうかがった。
悲しいような怒っているような、まるで拗ねた子供だ。

「まだ、許せない?」
「ううん、ショウのことはもういいよ。姉妹のみんなにも
不満なんて持ってない」


388 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 06:28:25 ID:ddZZbtEe
「じゃあどうして?」
「自分にムカツクの。私だけ……違うから」

これは重症かもしれない、と空也は思った。
感情を持て余すことは誰にでもある。しかしこんなのはよくない。
爆発させることもできずに悶々と自分を傷つけるなんて…。
少なくとも空也は、そんな姉の姿を見たくはなかった。

「だったらいいじゃん」
「え?」
「出てけばいいよ。柊家なんて」

瀬芦里の身体がサッと強張ったのがわかった。
自分がどんな泣き言をわめこうが、やさしくなだめてくれるとばかり
思っていた空也から拒絶されたと感じたからだ。

「クーヤ……それ本気で言ってるの?」
「もちろん」
「……! もういい! 降ろしてよ! 降〜ろ〜せ〜!」

389 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 06:44:41 ID:ddZZbtEe
背中でジタバタと暴れ回る瀬芦里を、しかし空也はしっかりと抱いて離さなかった。

「ちょっとねえねえ。危ないから暴れないでよ」
「いいの! ……そんな風に思ってるなら、やさしくされても惨めなだけだもん……」

いまだかつてない瀬芦里の気弱な声に、少年はハァとため息をついた。

「そんな風って、どんな風?」
「だから……私に出て行けばいいって……」
「ああ、そうだよ。ただし、そのときは俺も一緒だからね」
「え……?」

瀬芦里の眼が、それこそ無垢な童女のように丸く見開かれた。
空也は肩越しにニコリと笑みを返す。

「家族なんて無理して一緒にいるもんじゃないよ。嫌になったら
いつでも出て行けばいい。でも俺は付いてくよ? ねえねえのこと好きだから」
「クーヤ……ホントに? わたしのこと一番好き? ずっと、一緒にいてくれる!?」
「オーイエス。ザッツライト。だから、もう今日みたいにいきなり
飛び出したりせず、なにかあったらまずは俺に一声…ってうわわっ」

突如万力のような力で砂浜に押し倒された。
気づけば仰向けにされて、眼前には人間離れした美しさのヴィーナスが
こちらを覗き込むように覆い被さっていた。
金色に輝く絹糸のような長い髪。どこまでも見透かされそうな宝玉の瞳。
信じられないほど、綺麗だった。

390 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 06:52:02 ID:TG4G/45I
朝から乙ってことで一応支援

391 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 06:55:18 ID:ddZZbtEe
「さっき言ったことは本当なのかな……わたし、信じちゃうよ?」
「信じてよ。クールな男は美女に嘘はつかない」
「でも、もしそれで裏切られたら……わたしきっと壊れる。そうなったら
クーヤだってきっと、壊しちゃう」

怯えのような恐れのような、複雑な感情が瞳のなかで揺らめいていた。
空也はそっと愛しい女性の頬に手を添えた。

「ありえないことについて考えるのはやめなよ。ねえねえらしくもない」
「だって空也は捨てられるの? ひなのんも要芽姉もモエもタカもうみゃも、
みんな居る家を捨ててわたしと一緒に来るなんて…」
「……男に二言は無い!」

空也は瀬芦里の肩をつかむと荒々しく上体を起こした。
ちょっと驚いたのか、瀬芦里はきょとんとしている。

「あ…」
「もちろんみんな俺の大事な家族さ。親父も含めてね。だけどねえねえは
特別なんだ。」
「クーヤ……」
「だから俺もねえねえにとって特別でありたい。ねえねえがこの先、自分の
人生からなにを足してなにを引いていくのかはわからないけど、俺だけは
勘定に入れておいてほしいんだ。ダメ?」

答えの代わりに、猛烈なキスが空也を襲った。
柔らかな唇の感触にうっとりと惑わされ、流れのままに舌を絡ませあい、
唾液をむさぼりあった。
それだけでたっぷり5分。しかし瀬芦里にはやめる気配すらなかった。
いくら互いに愛し合っていてもさすがにハズカシイ。

「んっ…ぷは、ねえねえ待って。もうそろそろ」
「あ…ごめんねクーヤ。もう我慢できないよね」

392 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/04(月) 07:10:52 ID:ddZZbtEe
瀬芦里はさも当然のようにシャツを脱ぎ捨て、珠の肌をあらわにした。
波打ち際に降臨した美神の姿に一瞬目をくらますが、それでも空也には一片の理性が残っていた。

「ま、まさかここで!? ダメだよねえねえ! 今夜は花火見物しに砂浜に来る人もかなりいるだろうし」
「ダイジョウブ。終わったあとにギャラリーはちゃんと片付けておくから」
「うわわ別の意味で逃亡者になりそうな予感が……」

3秒で裸に剥かれた空也になすすべはなかった。

「フフフ…ホントは嬉しいくせに。ね、空太郎☆」
「あふん」

夜はふけていく。ただ二人のためだけに……。

あまり需要はないかもしれませんが瀬芦里ものです。
ほんのちょっとでも喜んでいただければ嬉しい限りです。
>>390応援どうもです。

393 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 08:26:13 ID:1PrE+ZlP
自分の中で透子先生の声が
井上喜久子にかわってた

394 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 09:41:15 ID:b1ZATjrO
GJ!

395 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 17:30:23 ID:ZW5LgpH8
ねぇねぇが死ぬほど好きな俺が来ましたよ


そしてGJ!

396 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 21:22:58 ID:7yNzwggk
GJ
そしてすごいID

397 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 23:54:17 ID:fgXzSowe
GJ!!
IDだけなら七対子イーシャンテンってとこかw

398 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 23:55:17 ID:fgXzSowe
sage忘れスマソ・・・

399 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/04(月) 23:55:46 ID:mDh5cOsn
禿GJ!!

400 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/05(火) 18:34:34 ID:WmLtyJmg
真っ当な意見と見せかけ、実は詭弁で論点をはぐらかす輩が多々おります。
皆様も以下の「詭弁の特徴15条」を覚え、そういう輩を排除しましょう。

1.事実に対して仮定を持ち出す
「もし下手に動けば…この人質に恐ろしいことをする」
2.ごくまれな反例をとりあげる
「でも明確な敵がいないと、わけのわからないものに
 纏身してしまう可能性もある」
3.自分に有利な将来像を予想する
「ひょっとしたら、我を芸能界に招くためのすかうとやも知れぬ。」
4.主観で決め付ける
「私は、てっきりグラビアアイドルの写真に自分の顔を貼り付けて
 脳内バストアップでも楽しんでると思ったのに〜」
5.資料を示さず自論が支持されていると思わせる
「これくらい姉と弟ならあたりまえだよ〜」
6.一見関係ありそうで関係ない話を始める
「ポテトチップスの袋だって高いところにいくとふくらむじゃない?」
7.陰謀であると力説する
「間違いない、全部せろりの仕業だな」

401 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/05(火) 18:35:03 ID:WmLtyJmg
8.知能障害を起こす
「ウゾダ…ドンドコドン…」
9.自分の見解を述べずに人格批判をする
「ネクラの人は怖いわねー自分の世界を作って他者を拒む」
10.ありえない解決策を図る
「隣からあの歩笑をスカウトするのよ
 そうすりゃ家事問題、一発で解決よ」
11.レッテル貼りをする
「アンタはアタシの下僕で奴隷で家畜で身代わりで盾で犬なのよ。
 そこんところ忘れんじゃないわよ。」
12.決着した話を経緯を無視して蒸し返す
「人のこと、バカとか散々言ってくれましたにゃージャンケン弱いくせに」
13.勝利宣言をする
お姉様やねぇねぇ、帆波ねぇやが相手ならともかく、
こんなナイチチに誘惑されるもんかよ。
勝つのは俺だ!
14.細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
「日数なんて関係ないわね戸籍上の問題よ」
15.新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
「王様が、家臣の言うことを聞くのよ」
「おっ、それは斬新でいいねぇ」

402 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/05(火) 19:35:08 ID:2CtIH8jR
ちょっとグダグダしすぎではないですか?
特定のキャラだけでやってたらもうちょっと面白くなってるとは思うのですが。

403 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/05(火) 20:38:18 ID:sPHuKc2t
俺はむしろ「これはどこで誰々が言ったセリフ」という遊びがあって楽しいと思うw

404 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/05(火) 23:04:23 ID:TchkEEo4
1.ねーたん
2.透子先生
3.ひなのん
4.ねぇねぇかうみゃ
5.うみゃ
6.ねぇねぇかくーや
7.ひなのん
8.くーや?
9.ねぇや
10.ツイン
11.ツイン
12.ねぇねぇ
13.くーや
14.お姉さま
15.誰だっけな。。。。orz

むう・・・・結構難しいな

405 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/06(水) 12:11:15 ID:yddURBHY
15は姉様とねぇねぇだな。

406 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/08(金) 14:05:39 ID:X60bBtCh
>>393
とんでもねえミスキャストじゃね?

407 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/08(金) 15:38:08 ID:1AuvZV7C
>>403
これ見て全部誰が言ったか&そのときの大体の話の流れ
が大体思い出せる自分に少し驚いた
思ったより姉しよに脳を犯されてるな……

408 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/08(金) 17:23:57 ID:HqyrdRuF
>>407
1つでも分からないのがあったら弟失格じゃないのか?
俺も全部思い出せたぞ

409 名前:要芽のぺんぎん 1/5 :2005/07/08(金) 18:55:29 ID:1N/MybxV
「どうしたの空也?早くいらっしゃいな。」
要芽姉様がベッドに一人分のスペースを空けて、そこをポンポンと叩いている。
すぐにでもそこに飛び込みたいのは山々だけど・・・
やっぱりアレが気になって欲望に忠実になれない。
どうも見られてる気がしてたまらないんだよな。
あれ、そういえば・・・
「姉様。その前に一つ聞いていいかな?」
「もう眠いから、一つだけならいいわよ。」
「あのペンギンのぬいぐるみ、姉様が自分で買ったの?」
「っ!・・・そんなわけないじゃない。あの子は巴が・・・くれたのよ」
「ん?・・・へぇ、そうなんだ。」
「ZZZ・・・・」
もう寝てるし。
なんだか最後の返事のした時の姉様、ちょっと様子がおかしかったな。
何か裏がありそうだ。
ふわぁ〜あ、もう眠いし、明日の朝ともねえにでも聞いて裏を取ってみよう。
・・・

翌朝はちょっと早めに起きて、姉様に気づかれないようにベットを抜け出した。
そうして玄関に行くと・・・
「あれ、今日は早いじゃないか。どうしたんだ?空也。」
思ったとおり、ともねえがランニングに出かけるところだ。
「いや、今日は久しぶりにともねえとランニングに出ようかと思ってさ。」
「そ、そうか。空也は偉いな。よしよし。」
「あふぅ。」
まぁ、本当は他の目的があるんだけど・・・。
「いま、ちょっと準備してくるから、それまで待っててくれるかな?」
「うん!」
・・・

410 名前:要芽のぺんぎん 2/5 :2005/07/08(金) 18:59:00 ID:1N/MybxV
相変わらず、ともねえは海岸線と言えども走るのがめちゃくちゃ速い。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「空也、どうしたんだ?この間はついて来れたのに?」
「いや、・・・別に・・・はぁ・・・疲れてるわけじゃ・・・ないよ。」
「え?」
「聞きたい・・・事が・・・ある、から、スピードを・・・はぁ・・・落としたんだよ。」
「なんだ。そうならそうと言えばいいのに。」
ともねえが俺の横に並んで歩き始めた。
「で、きっ、聞きたいことって、なに?」
「姉様と一緒にねっ・・・いや、姉様の部屋で遊んでるときにさ、ペンギンのぬいぐるみを見つけたんだ。
で、姉様に聞いたら買ったんではなくて、ともねえからもらったって・・・」
と言うと、ともねえは一瞬表情を暗くして
「ああ、ペンネのことか。」
「ぺんね?」
「あの子の名前のことだよ。ペンネはね、イタリアから留学してきた勉強家のペンギンで・・・」
「あ、いや、設定はどうでもいいからさ・・・」
「あぅ・・・」
「姉様とペンネとともねえに、何かあったの?」
ともねえは表情を戻して、ゆっくりと語りだした。
「あれは空也が帰ってくるずいぶん前のことだけど、とっ、当時から私は雛乃姉さんや要芽姉さんに
ぬいぐるみ集めすぎだ、い、いつかは部屋がぬいぐるみに占拠されるぞって注意を受けていたんだ・・・
でも、そんな時になって私はペンネと出合ったんだ。
私がペンネと仲良くなって家に連れて帰ったところを、姉さんたちに見つかってしまって
『巴よ、おぬし、またぬいぐるみを増やすつもりか?我の言った事を忘れたわけではあるまい?』
『あぅ・・・で、でもせっかく仲良くなったんだし・・・』
『どうしたんですか?姉さん。』
『おお、要芽か。いやな、巴がまたぬいぐるみを持ち帰ってきたのだ。』
『またなの巴?私や姉さんの言うk・・・』
って要芽姉さんが急に台詞を途中で止めて、ペンネを凝視しだしたんだ。
どうしたんだろうって思ったんだけど、次の瞬間には、要芽姉さんはい、今までとは逆の事を言い出したんだ。
『いいじゃありませんか。姉さん。これは巴の唯一の趣味です。』

411 名前:要芽のぺんぎん 3/5 :2005/07/08(金) 19:03:37 ID:1N/MybxV
『む?どうしたのだ?要芽?』
『いえ、どうもしませんよ。ただ、日々忙しく私たちのために働いてくれている妹の唯一の趣味ですから、
今回は私に免じて許してあげてくれませんか?』
『ふむぅ・・・。それもそうかと思うが、ところでおぬし、今までとは全く意見がぎゃk』
『ねー、ひなのん。モエは何度言ってもこればっかりは直らないよ。要芽姉もこう言ってることだし、
許してあげたら?』
って、瀬芦里姉さんがタイミングよく割って入ってくれたおかげで、雛乃姉さんは
『仕方ない。妹二人にそう言われては、我も引き下がるしかない。巴よ、二人に感謝するのだぞ。』
『ふふふ、よかったわね巴。』
『よかったにゃー。モエ。』
『うん!ありがとう!要芽姉さん!瀬芦里姉さん!』
やっぱり頼れるお姉さんっていいなってお、思ったよ。」
「でもさともねえ。姉様は大体想像がつくけど、何でねぇねぇまでともねえを助けたんだろ?」
「ん?さぁ、何のことだかわからないな。空也。」
「その後ねぇねぇから何か頼まれなかった?」
「いや、特には・・・。夕飯をとっ、特大盛りにしてくれって言われただけだけど?」
やっぱりな。
あの人が自分の損得考えずに動くとは考えにくい。
で、大体の想像はつくけど、一応核心をつく質問をしておかなくては。
「で、何でその助かったペンネが今は姉様の部屋にいるの?」
「あぅ・・・。そっ、そのことなんだけど・・・。」
なぜかともねえの顔が一瞬で真っ赤に染まった。
「どうしたの?ともねえ?」
「あぅ・・・そのっ・・・あの・・・夜になってから、かっ、要芽姉さんが」
「姉様が?」
「・・・がたで私の部屋にきっ、来たんだ。」
「え?よく聞こえないよ。」
「しっ、下着姿で、私の部屋にきっ、来たんだ。

412 名前:要芽のぺんぎん 4/5 :2005/07/08(金) 19:07:44 ID:1N/MybxV
夜中になって皆が寝静まった後、誰かがスッと戸を開けて入ってきたのが分かったから、
目をあけたら、要芽姉さんが・・・その、そういう格好で部屋に立ってたんだ。
『要芽姉・・・さん?』
『あら、起こしちゃったかしら。』
そう言うと要芽姉さんは私のふ、布団に入ってきて・・・あぅ、恥ずかしい。
ここ、しょっ、省略していいかな・・・?」
ともねえが真っ赤になりながら哀願してくる。
その表情だけでもお腹いっぱいだが、
「俺が一番好きなのは自分で可愛くないと思ってる姉にNOと言ってやることだよ。そこ詳細にね。」
「あぅ・・・。じゃ、じゃぁ・・・。
要芽姉さんがいきなり布団に入ってくるから、私、びっ、びっくりしちゃって
『どっ、どうしたの?要芽姉さん?』
『あら、私はただ、かわいい妹と久しぶりに二人っきりで寝たいと思っただけよ。それが何か変?』
『変じゃないけど・・・』
そう言いながら要芽姉さんはくすくす笑ってたんだ。
しばらくすると、い、いきなり私を・・・あぅ、だっ、抱き寄せるようにして・・・
『かっ、要芽姉さん!?』
『ふふふ。やっぱりかわいいわね。その困り顔。食べちゃいたい。』
『あうぅぅ・・・』
『あら、巴は私とでは嫌だって言うの?』
『うぅぅ・・・』
そういいながら要芽姉さんは、私のくっ・・・あぅ、首筋に、キ、キスしてきたんだ。
『さっき、雛乃姉さんからぬいぐるみを・・・んっ・・・守ってあげたのは、ちゅっ、誰かしらね?』
『あっ・・・あぅ・・・要芽姉さぁん・・・』
要芽姉さんが私のパジャマのぼっ、ボタンを一つ一つ外しながら、顔を胸元まで下げてきて・・・
『ふふふ・・・ちゅっ、本当にかわいい。壊してしまいたいわ。んっ・・・』
『かっ、要芽姉さん・・・あっ・・・ゆっ、許して・・・。』
『助けてあげたんだから、ペロッ、いいじゃないの。助けたられた鶴は恩返しをするものよ。』
『ぐすっ・・・うぅぅ。わ、私、鶴じゃない・・・。』
『仕方ないわね・・・。なら、このまま続けるか、あのぺんぎんを私に預けるか。どっちかにしなさい。』

413 名前:要芽のぺんぎん 5/5 :2005/07/08(金) 19:14:35 ID:1N/MybxV
その時、要芽姉さんの言った事がよく分からなかったんだ・・・って、何で前かがみなんだ?空也?」
「いや、な、なんでもないよ。気にしないで。」
ともねえ、描写が思ったより細かい。
ついつい空太郎が元気になってしまった。
「で、その後どうしたの?」
「もちろん、何でか聞いたよ。要芽姉さんに。すると・・・
『あなたはまたこれからもぬいぐるみを買ったり取ってきたりするのでしょう?それを全部自分の
為だけにするからいけないのよ。形だけでも私や妹たちへのプレゼント、と言う形で買ってくれば、
雛乃姉さんも許してくれるわ。でも、信じさせるには前例がなくては、ね。』
『でっ、でも、ペンネは今日、皆とお友達になったばかりなんだ。
離れ離れにするなんて、かっ、可哀想・・・。』
『離れ離れになんかしないわ。私が部屋で預かるだけよ。時々あなたがあの子をこの部屋に
連れて行けばいいでしょう?それともそれが嫌ならこのまま・・・ちゅっ・・・続ける?』
『あぅぅ・・・わっ、わかったよ。ペンネとは、またあ、会えるんだよね?』
『ふふふ・・・。物分りのいい妹で助かったわ。』
そう言うと要芽姉さんは手串で私の髪をスッとなでた後、みっ、耳に・・・
あぅ、息をふっと吹きかけてから、ペンネを連れて出て行ったんだ。」
「すげぇ・・・流石姉様。もっともらしいことを並べて、
最終的には自分の欲望をほとんど全部満たしたわけだ。」
「やっぱり、か、要芽姉さんは、ちゃんと私のことも考えてくれてるんだな。
は、恥ずかしかったけど、感謝しているよ。」
うまく騙された事に全く気が付いてないし。
本当に心から平和な人なんだなぁ。
それに対してあの姉、か。
・・・

「どうしたの空也?おびえたような顔して。今日は昼間から変よ?」
「いや、今朝、姉様には一生かかってもかなわないだろうなぁって思ったんだ。」
「何を言っているの?おかしな弟ね。私は眠いから先に寝るわよ?」
ペンネがまたじっと俺のことを見ている。
寝顔はこんなに無邪気だけど、この人はやっぱり恐ろしい・・・だけど、そこがたまらないんだよなぁ。

414 名前:SSD :2005/07/08(金) 19:16:15 ID:1N/MybxV
要芽姉様の部屋のぺんぎんについて書いてみました。
OHP更新までのおやつになれば幸いです。
でも、おいらの書くエロもここが限界です・・・orz

415 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/08(金) 20:38:39 ID:fp6FJ4zG
GJ!これはいいおやつですね!

416 名前:保管庫の中の人 :2005/07/11(月) 20:41:29 ID:81ikhzmN
天災


589 名前:530 ◆530SPECaOc 投稿日:2005/07/10(日) 10:36:25 ID:Vb64DALp
つよきす  ◎  by きゃんでぃそふと  ◎

※鉄 乙女(髪飾り追加)
       _
    '´,   `ヽ
   |ニfノ从从リ
    ル(リ゚ ー゚ノリ
     く)公i〉
     く/_|j〉
  .    し'ノ

※西崎 紀子

     ,_ _
.    ,ヘ'´  i"ヾ
   く((リ从゙"リi}
   ノリ`(|゚ ヮ゚ノi
     ⊂)公iつ【◎】
       く/_|j〉
      し'ノ

417 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/15(金) 02:37:06 ID:CQc9LywZ
保守

418 名前:雛乃・巴(2) 1/3 :2005/07/15(金) 14:47:39 ID:KnInbMgY
ひゅ〜っ
「おおっ!?」
なんということだ。
我のらぶ俳句が風に飛ばされて欄間に引っかかってしまった。
「よっ、ほっと」
ぴょんっ、ぴょんっ。
ぬぬぬ、やはり我の控えめな身長では届かぬな。
さて、どうしたものか・・・。
まるや巴に取らせると言う手もあるが、激弟らぶで多少えろえろな内容の
俳句を見られたら、我の威厳が地に落ちる可能性があるやもしれぬな。
ふむぅ・・・、どうしたものかな。
・・・
そうだ!
今なら家には巴しかおらぬようだし、ちょうど良い!
「巴!ちと来てくれぬか!?」
トタトタトタ・・・
「雛乃姉さん、呼んだ?」
「うむ。」
「で、私は、なっ、何をすればいいのかな?」
「うむ、まぁ、その、なんだ。兎に角、そこにしゃがめ。」
「ん?こう?」
「それでよい、そのままにしておれよ・・・よっと」
ぴょん
「えっ?かたぐるま・・・?」
「世間ではそういう言い方もあるやも知れぬな。そのまま立ち上がれ。」
「う、うん。」
スッ
「おおっ!たっ、高いのぅ。」
「あぅ・・・だっ、大丈夫?」
「うむ!」

419 名前:雛乃・巴(2) 2/3 :2005/07/15(金) 14:50:42 ID:KnInbMgY
計画どおり、今まさに我の目線の高さにらぶ俳句が引っかかっているぞ。
「巴よ、もう壁際に三歩ほど寄ってくれぬか?」
「うん。いいけど・・・なんで?」
「まぁ、いろいろと、な」
「あぅ?」
とことことこ・・・
おお!流石我が妹、なんという正確さ!
今なら取れるっ!
ピッ
取れた!
「巴よ、もう下ろしてくれて・・・」
いや、待てよ。
馬に乗ると目線が3めーとるぐらいになると言うものだが・・・
暴れん坊大名も、このくらいの目線で馬に乗るのかのぅ・・・。
「巴よ、このままちと庭に出てみようではないか。」
「あは、今日は外、晴れてて気持ちよさそうだから、いいかもね。」
とことこ・・・
「とっ、巴、前っ!」
「あぅ?」
ゴッ
ぷしゅ〜
「ひっ、雛乃姉さんっ!大丈夫!?」
「・・・う、うむ、何とか、大丈夫だ。」
・・・

420 名前:雛乃・巴(2) 3/3 :2005/07/15(金) 14:55:07 ID:KnInbMgY
「やはり外は気持ちが良いな。」
「うん!」
はいよーどうどうどう・・・とはいくら巴相手でも言ってはならぬな・・・。
「よし、庭をもう一回りしたら、下ろしてくれてよいぞ。」
「うん。」
本当は馬(巴)に乗って暴れん坊大名のように町を闊歩したいが、
かたぐるまは本来お子様がしてもらうものだし、他人には見られては、
我のあだるとないめーじが崩れてしまうからな。
とことことこ・・・
ギギィ
「ただいm・・・何をなさっているのですか?雛乃姉さん?」
・・・
「これ、巴!何時までこうしておるのだ!早く我を下ろさぬか!」
ぺしぺし!
「あうぅ・・・ごっ、ごめんよ。雛乃姉さん。」
とすっ
「いやな、要芽、ほら、あr・・・」
「ふふふ、わかっていますよ。姉さん。」
むむむ?何を分かっていると言うのだ?
「巴、あまり雛乃姉さんに無理を言ってはダメよ。」
「えっ・・・あの・・・うん。」
「ん、ごほん!まぁ、要芽よ。そのくらいにして許してやってくれ。
それに早く中に入って、仕事の疲れを癒すが良いぞ。」
「はい、それではお先に失礼します・・・。」
・・・
「それに巴。あ、飴をやろう。」
「えっ?ありがとう、雛乃姉さん。」
ふぅ〜、我ながら完璧だな。
機転を利かして威厳を地に落とさず、巴のあふたーけあも万全!
このままではいつかこの才覚に目をつけられて、びっぐなびじねすの話をもちかけらr(略

421 名前:SSD :2005/07/15(金) 14:58:10 ID:KnInbMgY
姉さんとともねえの心温まる(?)小ネタを書かせていただきました。
思いつきで書いたもんで、落ちてないデス・・・ モウシワケナイorz

422 名前:姉しよ2瀬芦里END後 :2005/07/15(金) 18:58:47 ID:1wVdwVhc
いやいやとってもGJですぞ!

423 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/15(金) 22:09:13 ID:ixbE4BpU
微笑ましくていい感じでしたよ
GJ!!

424 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/16(土) 16:44:10 ID:jpvTvE4I
ハートフルGJ!

425 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/17(日) 23:43:21 ID:6PWlx2Sp
暴れん坊ひなのんGJ!b

426 名前:罰ゲームは大変だ(1) :2005/07/20(水) 23:13:06 ID:XFC3hF6E
瀬「はーい、タカの負けー。罰ゲームだよ。」
高「うぬぬぬ…」
要「ただ罰ゲームをさせるのは面白くないから、くじ引きで決めましょうか。」
い「お姉様、どうやってするんですか?」
要「二つの箱にそれぞれ『誰に』『何をするか』を書いたくじを入れておくの。二つのくじから罰を決めるのよ。」
海「面白そ〜。」
帆「要芽ちゃん、グッドアイデアね!」
要「じゃぁ、みんな書いて。絶対に拒否は許さないわよ。」

・高嶺罰ゲーム
空「えっと、『姉貴が、俺に、3回回ってワンをする』」
高「ちょっと待ってよ!なんでそんな屈辱的なことをしないといけないのよ!」
瀬「タカー、早くやってよー。」
高「だって相手はイカよ!イカになんてできるわけが…」
要「高嶺、早くやりなさい。」
空「ほらほら、要芽姉様もこう言ってるんだしさぁ〜。(ニヤニヤ)」
高「くぅぅぅぅぅ…お、覚えてなさいよ!」
空「あ、立ってやったらダメだよ。ちゃんと両手を床につけて…」
高「うっさい!それぐらいわかってるわよ!(何で自分が書いたのをしないといけないのよ…)」

・ぽえむ罰ゲーム
帆「どれどれ、『ぽえむちゃんが、巴ちゃんに、裸で抱きついてキスをする』」
巴「そ、そんな…」
要「あら、これはこれは面白いのがでたわね。さ、早くやりなさい。」
巴「あぅぅ、でも、ぽえむちゃんがかわいそうだよ…」
ぽ「私は別に構わないよ、巴さん。(ぬぎぬぎ)」
巴「え、あの、ちょっと、でもね、その、ん…(チュッ)」
瀬「あらら、本当にやっちゃった。」
雛「むぅ…(これを入れたのは絶対かなめだな…)」

427 名前:罰ゲームは大変だ(2) :2005/07/20(水) 23:16:05 ID:XFC3hF6E
・雛乃罰ゲーム
海「んっとね〜、『雛乃お姉ちゃんが、帆波さんに、お姫様だっこをしてあげる〜』」
雛「ふむぅ、我がどこまでできるかわからんが…」
空「えぇ!?本当にする気ですか!?」
雛「我をあなどるでないわ!さぁほなみよ、こちらへ来い。」
ぽ「雛乃さん、無理しないで。」
雛「大丈夫だと言っておろうが。心配性だのう、ぽえむは。」
帆「じゃ、お願いねっ。(ドスン)」
雛「うぬぬぬぬ…こ、これは…重い…」
帆「重い…?重いって言った…?空也ちゃん、こっちに来なさい。」
空「え、なんで?」
帆「雛乃ちゃんにやったら悪いから、空也ちゃんにおしおきよっ!」
空「そんな〜〜〜〜!!!!!」

・いるか罰ゲーム
空「『いるかちゃんが、要芽姉様に、飲み物を大急ぎで買って来る』」
海「なんかいつものことだね〜。(高嶺お姉ちゃんにやってほしかったのに〜)」
要「そうね。いるか、やり直し。」
い「えぇ〜〜〜!?」
雛「『いるか殿が、かなめに、部屋の掃除をさせられる。』」
瀬「これもいつもやってるからだめだね。(アタシが書いたやつじゃん)」
空「はい、いるかちゃんやり直し。」
い「そんな〜〜〜〜〜!」
要「『いるかが、私に、指定された場所まで行っていきなり裸になった後で盗んだ自転車で帰ってくる』」
高「いつもやってる事だと思うし…」
瀬「はい、やり直し。」
い「そんなことやってません〜〜!!…たぶん。」

428 名前:罰ゲームは大変だ(3) :2005/07/20(水) 23:17:47 ID:XFC3hF6E
・空也罰ゲーム
ぽ「えっと…『クー君が、高嶺さんに、問題を出されて答えなければえらい目にあう』」
瀬「いつものことのような…」
高「普段答えられるわけないのに、問題なんて出すわけないじゃない。」
瀬「それもそっか。」
高「じゃ、簡単な計算問題で許してあげる(海が怒るとマズイし)。16×55はいくら?」
空「こんな問題、すぐ解き明かしてみせるぜ!答えはこれだァァァ!」
(バン!)16×55=28
高「…何これ?」
空「へへへ。当たってる?」
(バキャァ!)
空「ぐあぁぁぁぁー!」
高「このイカが!アタシをナメてんのか!なんで数字が下がるのよ!このド低脳がァーッ!」
瀬「あ〜あ、キレたキレた。」

・瀬芦理罰ゲーム
高「『瀬芦理姉さんが、巴姉さんに、全身を舐めまわされる』」
帆「1ターン行動不能ねっ。」
い「何の話なんですか。」
瀬「ちぇー、クーヤがよかったなー。」
巴「あぅ、私そんなことできない…」
要「罰ゲームにならないじゃないの。さぁ、はやくしなさい。」
巴「あうぅ…が、頑張る…(ペロペロ)」
瀬「ひゃははは!く、くすぐったいってば、モエ!」
巴「うぅ…も、もうできない…」
空「これじゃどっちが罰くらってるのかわからないな…」

429 名前:罰ゲームは大変だ(4) :2005/07/20(水) 23:23:56 ID:XFC3hF6E
・帆波罰ゲーム
雛「ふむ、『ほなみが、くうやに、大切なものをあげる』」
帆「大切なもの?そんなの決まってるわっ!」
空「へ?何なの、ねぇや?」
帆「それはもちろん、このワタシの体よっ!」
空「いきなり裸になるなよ!」
帆「はーい空也ちゃん、一緒に寝ましょうねー。」
要「こら、何をしている!この泥棒猫!」
帆「だって、こういうときはストレートに表現したほうがいいじゃない?ほらほら、こっちよ空也ちゃん。」
要「空也…わかっているでしょうね…」
空「お…お…俺は一体どうすりゃいいんだー!ってかもう罰ゲームじゃねー!」

・巴罰ゲーム
帆「うーんとね、『巴ちゃんが、ぽえむちゃんに、同じ趣味の服を着させられる』」
瀬「…どうする?」
要「どうするって言われても…どうしましょう?」
高「結果がわかってるもんね。」
海「さすがにちょっとね〜。」
空「うん、そうだね。」
雛「まぁ、ダメでもともとということもある。着替えてまいれ。」
巴「あぅ、なんだかヒドイ言われようだな…」
(着替え終了)
ぽ「終わりました。」
巴「ど、どうかな…か、かわいい?」
い「これはやっぱり…」
一同「似合わない。」

430 名前:罰ゲームは大変だ(5) :2005/07/20(水) 23:25:55 ID:XFC3hF6E
・海罰ゲーム
瀬「今度のは『うみゃが、ほなみんに、何でもいいから料理を作ってあげる』だよ…」
空「げっ!」
帆「あら、どうしたの空也ちゃん?」
空「いや、そのね、何と言うか…」
要「海の料理は美味しくてたまらないのよ。普段は作らないけど。空也は残念なのよね。(ギロリ)」
帆「あら、そうなの?」
空「えっと…その…」
帆「じゃあお願いね、海ちゃんっ!」
海「腕によりをかけて作るよ〜。」
要「ふふ…」
空「(ゴメン、ねぇや…俺はチキンだよ…要芽姉様には勝てないんだよ…)」
巴「あぅ…(私が書いたやつだ…どうしよう…やっぱり私が悪いのかな…)」

・要芽罰ゲーム
空「えっと、『要芽姉様が、いるかちゃんに、土下座をして服従を誓う』…マジ?」
要「なんだと…?」
空「いや、あのですね、そんなに怒られても、出ちゃったわけだから…」
い「あの〜お姉様?別に無理をしなくてもいいです〜…そんなことさせるわけには…」
要「…いいえ。ちゃんとやるわよ?」
空「な、なんか眉間がピクピクしてるんですけど…」
要「黙れよ。」
空「ひいっ!(こ、怖い!今まで以上に怖い!)」
瀬「おおっ?あの要芽姉が本当に土下座したよ?」
要「…秋山いるか様、この柊要芽はあなた様に服従を誓います。」
高「お姉様が…」
い「あ…あは…あはははは…(健太、ごめんね…ちゃんとお墓作ってね…)」
要「(覚えていなさいよ、いるか…)」

431 名前:シンイチ :2005/07/20(水) 23:29:44 ID:XFC3hF6E
姉様とかはすぐに思いついたけど、ともねえとかはなかなか…
さてさて、ねぇやは無事でいるだろうか…

432 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/21(木) 00:41:13 ID:LSOJ9OW2
その後いるかちゃんとねぇやを見たものはいない…

433 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/21(木) 13:50:36 ID:FNaZp10h
これは前に>>336で自分で書いた物の焼き直しですか?


434 名前:シンイチ :2005/07/21(木) 20:10:03 ID:Kmu87VVt
う〜ん、そんなカンジです。

435 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/22(金) 00:23:26 ID:ouZxheO4
姉貴フーゴワラタw

436 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/22(金) 21:13:34 ID:29qKLPNU
信長、秀吉、家康を俳句にたとえた「鳴かぬなら〜〜〜ホトトギス」を
6姉妹に置き換えてやったやつってどこに投下されたんだっけ?本スレ?

437 名前:Reminder 1/4 :2005/07/24(日) 10:18:49 ID:QoQ9BVnq
「今日のぺんぎんショーも、よかったわね。流石八景島だわ・・・」
「そうですねお姉様、次は何を見に行きましょうか?」
「何を言っているの?空也。もう帰るわよ。私は眠いの・・・」
「えぇーっ!もっ、もう帰るんですか?」
「当たり前じゃない。ぺんぎんショー以外に興味はないわ。」
「COOL!・・・ってせっかく来たんですから、せめてお土産品ぐらい見に行きません?
ぺんぎんグッツがあるかもしれませんよ。」
「ぺんぎん・・・そうね、どちらにせよお店は出口の近くみたいだから、よって見ましょう。」
・・・

「あれ、おっかしいなぁ。こっちでいいはずなんだけど・・・。」
「空也・・・まさかあなた、迷ったの?」
「いやっ、まっさかー、ソンナワケナイジャナイデスカァ。」
「そう、迷ったのね。何でもいいから、早く帰りたいわ。」
「うわぁーん・・・」
「泣いてもダメよ・・・って、空也ではないの?」
「いや、いくら俺でも迷子になったぐらいでは泣きませんって。
でも、誰が泣いてるんだろう・・・。」
「あの子じゃないかしら。」
「わーん、おかあさぁん・・・。」
どうやらあの女の子が発信源らしい。
泣き顔になってしまっているが、なかなか可愛い女の子だ。
将来は綺麗になるだろうから、今のうちに・・・ってそうじゃなかった。
「それにしてもあんな小さな子が泣いてるのに、周りの人は無視してるし・・・
世間って冷たいですね・・・ってお姉様!何無視しようとしてるんですか!?」
「子供は・・・嫌いだわ。」
「そんな事言ったって、放って置けないですよ。」

438 名前:Reminder 2/4 :2005/07/24(日) 10:23:19 ID:QoQ9BVnq
「・・・仕方ないわね。でも、私は何もしないわよ。」
「お姉さまの手を煩わせはしませんよ。・・・お嬢ちゃん、どうしたの?」
「うわぁーん!おかぁさぁん!」
「どうしたの?迷子かい?お名前は?」
「えぐっ、へぐっ・・・わーん!」
「・・・だっ、ダメだ!俺にはどうすることも出来ない!」
「・・・仕方ないわね。どきなさい、空也。」
お姉さまがスッとしゃがんで・・・
「ほら、女の子はもうちょっと上品にしなくてはいけないわよ。」
言いながら、女の子の頬をなでた。
「えぐっ、うぅぅぅ・・・」
「良い子ね。お名前は?」
「へぐっ・・・ぃん」
「えっ?な、なんて・・・言ったのかしら?」
「へぐっ・・・凛」
・・・
「・・・そう、いい・・・名前ね。」
「うぐぅ・・・ありがとぅ・・・」
お姉さまの表情が、一瞬驚いた後に少しだけ柔らかくなったような気がする。
しかし流石お姉様、泣いてばかりだった子から名前を聞き出すとは・・・。
でも、俺も負けちゃいられない!
「実はね、お兄さん達も迷子なんだよ!」
「そうなの?」
そう!こうやって同じ境遇であると言うことを主張して、安心感をあt
「いいえ、私は違うわ。迷子なのはあのおじさんだけ。
だから、私に着いていらっしゃいな。迷子センターまで連れて行ってあげるわ。」
「うん!」
orz
しかもおじさんって・・・。
お姉様は凛ちゃんの手を取って歩き出した。
あわてて着いていく。

439 名前:Reminder 3/4 :2005/07/24(日) 10:30:12 ID:QoQ9BVnq
それにしても・・・
「よく聞きだせましたね。名前。」
「子供と話をする時は、しゃがんで目線の高さを合わせたほうが安心感を与えることが出来るのよ。
と言うか、それくらい常識でしょう。」
「えっ、そうなの?そんな事知ってるって事は、嫌いとか言っておきながら好きなんじゃないですか?子供。」
「・・・本で読んだだけよ。」
「どうしたの?」
「頭が悪いおじさんに物を教えてあげてるのよ。凛・・・ちゃんは勉強しなくてはダメよ。」
「うん!」
またおじさん扱い・・・orz
「お姉様、さっきから案内図見ないでスタスタ歩いてますけど、分かるんですか?迷子センターの場所。」
「分かるわ。出入場口のすぐ近くよ。」
「えっ、分かっていたなら何でさっきから俺と一緒に迷ってたんですか?」
「フフフ・・・。ねぇ凛ちゃん、今日は誰と来たの?」
「お母さんと。お父さんは『かいがいてんきん』でこれないんだ。」
「そうなの・・・」
と、姉様が俺に何か目配せをしている。
・・・なんだろう?
「まったく、姉さんが愚鈍と言ったのがよく分かるわ。手よ。空いてるほうの手をつないで上げなさいな。」
「あっ、そうか。」
凛ちゃんを見ると、恥ずかしそうに俺を見ている。
手を差し出すと小さな手がうれしそうに俺の手を取った。
ああ、なんか幸せ・・・。
こうしていると、あの憧れのお姉様とふうh
「くだらない事考えてるんじゃないでしょうね?空也。
・・・凛ちゃん、ああいうだらしない顔してる男に騙されてはダメよ。」
「うん!気を付ける!」
散々だな・・・orz
・・・

「ほら、あれが迷子センターよ。」
結局、一回も迷わずに迷子センターまでたどり着いた。

440 名前:Reminder 4/4 :2005/07/24(日) 10:34:36 ID:QoQ9BVnq
「あのー、迷子を見つけたんですが・・・」
俺が迷子センターで事情を説明している間、お姉様と凛ちゃんは仲よさそうに話している。
「それじゃあ凛ちゃん、ここで待ってれば、大丈夫だから。」
「・・・うん。」
「どうしたの?もう少しでお母さんに会えるのよ?」
「お姉ちゃん達と・・・離れるの・・・いや。」
「・・・そうね。私も寂しいわ。でもね、少しの間距離を置くって言うのは、
再び出合ったときの感動を大きくしてくれるの。分かるかしら?」
お姉様はそう言いながら俺のほうをチラリと見た。
「・・・うん。ありがとう。お姉ちゃん、おじちゃん。」
「良い子ね。お父さんとお母さんを大切にするのよ。」
「うん!」
「それと・・・・・・やいもぅ・・・、・・・・すね。」
お姉様は何か言ったようだが、何を言っているかは聞こえなかった。
「なぁに?」
「フフフ・・・なんでもないわ。それじゃあね。」
お姉様はスッ頬をなでると、立ち上がって迷子センターを出て行った。
「じゃっ、じゃあね。凛ちゃん。」
「うん、バイバイ!」
・・・
「何だかんだ言って、お姉様大活躍じゃないですか。」
「私に分からないことなどないわ。子供の扱い方も知っていただけよ。」
「ホントかなぁ。本当に嫌いなら、扱い方知ってるだけでは、あんなことは出来ませんよ。
本当に嫌いなんですか?」
話しながら迷子センターのほうを振り返ると、若い女の人が迷子センターに駆け込むのが見えた。
それを迎える形で、凛ちゃんが出てきて抱きついている。
凛ちゃんはこちらに気がついたのか、母親の肩越しからこちらに手を振っている。
「言ったでしょう・・・あまり・・・好きではないわ。」
お姉様はやわらかい笑顔でそれに答えながら言った。
素直じゃないけど、なんか姉様っぽいや。
「何をニヤニヤしているのかしら。(ギロリ」
「ナンデモアリマセン。」

441 名前:SSD :2005/07/24(日) 10:39:53 ID:QoQ9BVnq
姉様とょぅじょの交流を書いて見ました。
本編にいない人を登場させて大丈夫かなって迷いましたが・・・。
お楽しみいただければ幸いです。

>>436
一寸過去スレ調べたけど、見つかりませんでした。
スミマセンorz

442 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/24(日) 13:22:35 ID:50nh8iJt
>>441
>一寸過去スレ調べたけど、見つかりませんでした。

ないのなら 作ってしまえ ホトトギス (要芽)

443 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/24(日) 13:42:25 ID:iet4qgSb
鳴かぬなら 理由を聞こうぞ ホトトギス (雛乃)
鳴かぬなら 損害賠償 ホトトギス (要芽)
鳴かぬなら 塩かソースか ホトトギス (瀬芦里)
鳴かぬなら あは、よしよし ホトトギス (巴)
鳴かぬなら ざけんじゃないわよ ホトトギス (高嶺)
鳴かぬなら くうやくうやくうや〜 ホトトギス (海)

駄作スマソ

444 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/24(日) 14:01:57 ID:EEohkHEr
鳴かぬなら 我が鳴こうか? ホトトギス
鳴かぬなら 黙っていろよ   ホトトギス
鳴かぬなら 焼き鳥にする   ホトトギス
鳴かぬなら それでもいいよ  ホトトギス
鳴かぬなら 蹴り飛ばすわよ ホトトギス
鳴かぬなら お姉ちゃんにオマカセ ホトトギス
鳴かぬなら ・・・・・・・・くす    ホトトギス
鳴かぬなら あん、つまんない  ホトトギス
鳴かぬなら 私が鳴きます!  ホトトギス
鳴かぬなら 興味ないわね  ホトトギス
鳴かぬなら こいつはメスかな? ホトトギス
鳴かぬなら 啼かせてみせよう ホトトギス(´Д`*)

445 名前:SSD :2005/07/24(日) 14:10:48 ID:KTnOJTSt
orz

446 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/24(日) 14:41:56 ID:bGXzLD4p
>437-440
いいよーいいよーGJ!

>>444
下二つって空也とまる?

447 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/24(日) 15:49:05 ID:xqobXqpm
>鳴かぬなら くうやくうやくうや〜 ホトトギス (海)

ハゲワロス

448 名前:SSD :2005/07/24(日) 23:01:28 ID:FZzRAWeg
>>446
アリガd。・゚・(ノД`)・゚・。

449 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/25(月) 06:18:32 ID:oiYZAKyJ
>446
最後のは翔

450 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/25(月) 23:01:53 ID:3besxY+M
鳴かぬなら それも一興 不如帰 (雛乃)和を重んじるタイプ
鳴かぬなら 無い方がいい 不如帰 (要芽)失うことが耐えられないタイプ
鳴かぬなら 食べていいかな 不如帰 (瀬芦里)全ての根源は食にありタイプ
鳴かぬなら それでもいいよ 不如帰 (巴)相手の意志尊重タイプ
鳴かぬなら 鳴かせてみせる 不如帰 (高嶺)自分の力を過信するタイプ
鳴かぬなら くーやにあげる 不如帰 (海)空也至上主義タイプ
鳴かぬなら 鳴くまで放置 不如帰 (帆波)やらなくてもいいことはやらないタイプ
鳴かぬなら 鳴くまで居よう 不如帰 (歩笑)文学系見守りタイプ
鳴かぬなら 困ってしまう 不如帰 (衣瑠香)混乱タイプ1
鳴かぬなら どうしたらいい 不如帰 (空也)混乱タイプ2

451 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/25(月) 23:34:53 ID:XL8rX1kc
鳴かぬなら 姉に任せる 不如帰
鳴かぬなら 姉に相談 不如帰
鳴かぬなら お姉ちゃ〜ん 不如帰

452 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/26(火) 01:58:03 ID:891091SV
鳴かぬなら 如何いたしますか要芽様 ホトトギス
鳴かぬなら ギュンギュルルッター ホトトギス
鳴かぬなら パパやさぐれちゃうぞ ホトトギス


453 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/26(火) 15:37:46 ID:52hXj/+X
鳴かぬなら そろそろやめないか ホトトギス

454 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/26(火) 20:44:54 ID:u4bvV58V
鳴かぬなら もうちょっといってみよう ホトトギス

455 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/26(火) 21:27:39 ID:YkUmhq9o
あなたたち 字余りしすぎ ホトトギス

456 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/27(水) 12:47:53 ID:RdKtxixg
だがそれが いいんじゃないか >>455

457 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/28(木) 21:51:33 ID:ObmTwbV8
いいかげん このねたにも 飽きてきた

458 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/29(金) 18:59:33 ID:8mc0WBeW
それならば 新ネタキボン >>457

459 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/29(金) 19:32:14 ID:iPLVxlD3
本日の 更新まだか ホトトギス

460 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/30(土) 16:40:07 ID:4ca7upb6
PCが ないのでサイト 見られません

by携帯厨prz

461 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/30(土) 16:45:10 ID:mfIYhxxl
とりあえずさ
もうこのネタやめない?
ネタがないからって荒み過ぎだよ
エロい話でもしようよ

462 名前:名無しさん@初回限定 :2005/07/30(土) 22:18:27 ID:3Bc36oqQ
あぁもう、空気読もうぜ。
ネタ出してから言えよと小一時間(ry
きっとその内皆飽きるさ。

463 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/04(木) 13:00:27 ID:uiK+F619
要芽姉様にレイープされたい

464 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/04(木) 15:40:23 ID:l+cpjgXc
姉様…釘をご所望の輩が居る様ですよ。

465 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/05(金) 14:41:45 ID:nsOY4Qtt
海お姉ちゃんオンリーで一本出さんかね。
Xuseの憂ちゃんみたいな感じで。

466 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/05(金) 14:50:09 ID:D1BRKVYB
人気的にはともねえだろう
いや、俺がそうなって欲しいだけなんだが

467 名前:ともねえとお出かけ(1) :2005/08/06(土) 13:47:16 ID:SO0+GSMC
「あれ、ともねえどこ行った?」
「にゃ? ……そういや、いないね」
さっきまで俺の後ろをトコトコついてきていたとも姉の姿が、
いつの間にか見えなくなっていた。
ねぇねぇが背伸びをして、辺りをきょろきょろと見回す。
「……いないにゃー」
背の高いともねえは、人混みに紛れても大抵頭ひとつ抜け出すから、
雛乃姉さんよりはずっと見つけやすいはずなのだが、
俺とねぇねぇがどんなに捜しても、とも姉らしき人影は見あたらない。
「ともねぇー!」
俺は人目もはばからず、大声で呼んでみた。
「いたら手ェ挙げてー」
しかし、ともねえの手は上がらない。
「いかん、完全にロストだ」
「もえは人混み苦手だからねー」
その苦手な人を強引に引っ張り出してきた張本人が、
まるで人ごとのように言った。
「こんなことなら携帯電話買わせておくんだった……」
ともねえは、携帯電話を持っていないのだ(友達少ないから)。
「まあ子供じゃないんだし、平気でしょ」
「そうは言っても……」
「大丈夫、きっとそのうち見つかるよっ」
彼女らしい超楽観的な意見を述べて、ずんずん進み始めるねぇねぇ。
「ま、待ってよ」
今日のお出かけのメイン目的は、ねぇねぇの買い物である。
ねぇねぇが出かける際、たまたま家にいた俺とともねえが、
強引に引っ張ってこられたというわけなのだが。俺としては、
「ともねえとデートができるかも」という淡い期待があったればこそ、
こうしてわざわざ都心まで出てきたのであり。
このままともねえと離ればなれになってしまうのは嫌だった。
やっぱり心配だしね。

468 名前:ともねえとお出かけ(2) :2005/08/06(土) 13:48:58 ID:SO0+GSMC
「ねぇねぇ、俺やっぱりともねえ捜すよ」
「えー」
うっ、あからさまに不満そうな表情だ……。
むむ、こんな格闘の達人を怒らせたくはないぞ。
「大丈夫だって、荷物持ちはキッチリやるからさ。
買い物終わったら電話してよ。じゃっ」
「にゃっ、待ちなさいよくーやー」
捕まったらそのまま引きずられそうなので、
俺は聞こえない振りをして急いでその場を離れた。
ねぇねぇには、後で謝り倒すしかあるまい。
まああの人のことだから、美味いケーキでも
(もしかしたらマタタビでも……)プレゼントすれば、
すぐに機嫌を直してくれるだろう。
ともあれ、買い物が終わるまでに手早くともねえを見つけよう。
もし早めに発見できれば、デートする時間も作れるかもしれないし。
「よしっ」
ぐっと拳を握った。
俺はまず、もと来た道を逆行することから始める。
はぐれたことに気づいたともねえが、
通った道に戻ろうとする可能性に賭けてみたのだ。
雑踏をかき分けかき分け、俺はずんずん進む。
ともねえは、(本人の意思はともかくとして)いろんな意味で目立つ人だから、
それほど難なく見つかるだろうと俺は高をくくっていた。
……が、しばらく行ったところで。
「あ、いた」
あまりにもアッサリと見つかったときには、さすがの俺もびっくりした。
「まだ5分しか経っていないぞ……」
ともねえは、一目で「迷ってます」といった様子だった。
あっちへうろうろ、こっちへふらふら、
まるでお上りさんだ(ほとんどそれに近いが)。
何だか面白そうなので、俺は物陰に隠れて少し観察してみることにした。

469 名前:ともねえとお出かけ(3) :2005/08/06(土) 13:50:11 ID:SO0+GSMC
「あぅ……」
ともねえは、どこを捜しても俺達の姿が見えないので、とても困っているようだ。
どっちに向かうか決めかねて、右往左往するだけのともねえ。
通行人にぶつかったりするたびに、ぺこぺこと謝っている。
そんなともねえに、馴れ馴れしく話しかけるひとりの男がいた。
高級そうなスーツ姿。整髪料でピッチリ固めた髪型。
一目で俺は、そいつに生理的な嫌悪感を覚えた。
その男は、指輪がぴかぴか光るイヤらしい手をともねえの肩に置くと、
何やら熱心に話し始めた。
大げさな身振り手振りで、しつっこくともねえを口説きながら、
とある薄汚いビルの中に誘おうとしている。
「やばい!」
俺は飛び出した。
近づくにつれ、だんだん会話が耳に入ってくる。粘っこい、不快な声。
「……だから、君なら絶対成功するってば〜。
モデルだよ、モデル。有名になりたいでしょ?」
「あぅ……そんなこと言われても……」
「大丈夫! このボクに任しておいてよ。絶対損はさせないからさぁ」
……下らないインチキ勧誘野郎が。汚い手でそれ以上ともねえに触るな。
「ささ、入って。ここが事務所だよ」
「く、くうや……」
「ん? 誰それ?」
「俺だよ」
言うや否や、ともねえの肩口をなで回す汚らわしい手を、思い切りたたき落とした。
「痛ッ……何しやがる!?」
「それはこっちの科白だ。ともねえから離れろ、この下衆!」
「……んだと、この野郎!」
逆上した男は、俺に向かって猛然と殴りかかって来た。
が、曲がりなりにも世界中を修行して回ってきた俺に、
チンピラ程度のパンチが通じるはずもない。

470 名前:ともねえとお出かけ(4) :2005/08/06(土) 14:02:31 ID:SO0+GSMC
「フッ……」
余裕で(かなり必死で)拳をかわした俺は、必殺の膝を、
相手の鳩尾にたたき込んだ。
……わけではなく、とっさにしゃがみ込んで、ひょいと足を引っかけた。
「うわ……っ」
男は鈍い呻き声を上げて、そのまま顔から地面に突っ込んだ。
ビチンと痛そうな音がした。
「こっちだ、ともねえ!」
すかさず俺は、ともねえの手を引いて駆けだした。
こういう輩は、下手に相手をせず、さっさと退却するに限る。
オヤジとの海外生活で学んだ、「俺流」サバイバル術であった。
俺達は、男やその仲間たちに見つからないように、わざと人混みの中を通って、
とある百貨店の店頭まで逃げてきた。
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫? ともね……わぷっ」
最後まで言えなかったのは、俺の顔がいきなり、
ともねえの豊かな胸にぎゅっと押しつけられてしまったからだ。
ああ、なんて柔らかくて、温かいんだぁ……
……じゃなくて。
「とっ、ともねえ?」
俺が慌てて顔を離すと、ともねえが、
何故か少し怒ったような顔で俺をにらんでいた。「めっ」という感じだ。
「空也、心配したんだぞ」
「………は?」
な、何をですか?
「私から離れちゃ、駄目じゃないか」
「え、え?」
いや、ともねえ、離れたのは俺の方じゃなくて。
「これだから空也は目が離せないよ」
「………」

471 名前:ともねえとお出かけ(5) :2005/08/06(土) 14:03:21 ID:SO0+GSMC
ともねえの天然ボケが、久々に炸裂した。
こうなっては、下手に逆らっても仕方ないので、
俺は素直に「ごめんなさい」をした。
そうしたら、ともねえはにっこり笑って、頭をなでなでしてくれた。
ともねえの優しい手つき。とても心地いい。
やがてともねえは、俺の頭を撫でながら、こう提案した。
「空也、手繋ごうか」
「……え?」
「ほら」
そう言って手を差し出すともねえは、とても嬉しそうににこにこ笑っている。
どうも、冗談ではなさそうだ。
「と、ともねえ、さすがにそれは恥ずかしいよ……」
「どうして? 姉と弟なんだもの、恥ずかしいことなんて何もないよ。
それに手を繋いでないと、また空也が迷子になっちゃうかもしれないじゃないか」
「で、でも」
「とやかく言わないの。お姉ちゃんの言うことは聞くものだよ」
「わっ」
俺の手が、大きくて温かなともねえの手に包まれた。
ともねえ、珍しく今日は積極的だ……。
こうして俺たちは、ねぇねぇと合流するまでの短い時間ではあったけれど、
二人仲良く手を繋いで歩いたのだった。
「ともねえとデートしたい」って考えていた俺だけれど、
これって多分「デート」とはちょっと違うんだってことは分かっているけれど、
でも、こういうのも悪くないな、と思った。

……だって、なによりさ。
「空也、こっちだよ」
こうして「お姉ちゃん」の顔しているともねえは、また格別にいいんだ。





472 名前:towa :2005/08/06(土) 14:05:44 ID:SO0+GSMC
初めて姉しよSS書いてみました。
お目汚し失礼しました。

473 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/06(土) 14:34:54 ID:pKPFarAc
お目汚しなんてとんでもない。
(どちらかといえばだけど)ともねえ派でない俺ですら素直にグッジョブと言えるぜ。

474 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/06(土) 19:21:50 ID:VWuj4Na2
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 ともねえ!ともねえ!
  (  ⊂彡  
   |   |
   し ⌒J

475 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/06(土) 23:26:48 ID:HS8cKtWr
またたびwarata


476 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/07(日) 01:33:17 ID:CLWKhvTJ
>>472
ともねえ派でない方も素直にグッジョブと言えるのですから、ともねえ派の自分はもうなんと言っていいやら…
最高でした!

477 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/07(日) 12:23:09 ID:XuVT+DO7
おいこの(;´Д`)ハァハァ…はどうしてくれる

478 名前:towa :2005/08/07(日) 15:24:38 ID:0fr2QuJb
ご感想くださった皆さま、ありがとうございます。
とても嬉しいです。
これに励まされて、またネタが浮かんだらSS書いてみたいと思います。

479 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/07(日) 21:29:44 ID:QfYaAPtq
>>478
ほのぼのしていて、とても良かった。

ともねえ(*´д`)

480 名前:八月某日 雛乃・海 1/2 :2005/08/09(火) 09:42:54 ID:MLHZwVkY
ピコーン、ピコーン・・・ズガガァン
「ふむぅ!これはなかなか、やはり難しいものよな・・・」
「あれ、雛乃お姉ちゃん、何やってるの〜?テレビゲーム?」
「うむ、この間『対戦もーど』で高嶺に何度も負けたのが悔しくてな。
やはり姉としては妹には勝ちたいからなぁ。」
「なんだ〜、そんなことか〜。だったら勝てるようになるコツを教えてあげるよ〜。」
「ぬ!それは誠か!?・・・しかし(妹に助けを求めるというのも少し悔しいような気がするな・・・)」
「むっ、迷ってるね、雛乃お姉ちゃん。これは兵法だよ。へいほぉ〜!
私は軍師で、それを実行するかどうかを決める雛乃お姉ちゃんは将軍だよ。」
「(むむっ!将軍、とな!・・・)ならばぜひとも教えてもらうとしようか。」
「いいよ〜。でも私の教えは厳しいよ〜。」
・・・

「「ただいま〜」」
「高嶺お姉ちゃんお帰り〜!要芽お姉ちゃんも一緒だったの?」
「海・・・玄関で何をしているのかしら?」
「高嶺お姉ちゃんを待ってたんだよ〜。雛乃お姉ちゃんが居間で待ってるよ〜。早く!」
「えっ?雛姉さんが?って髪引っ張らないでよ!イタイイタイ!」
・・・
「高嶺よ、来たか。」
「なんなのよ、全く。雛姉さんもそんな必勝とか書いてある鉢巻しちゃって。」
「ほら、高嶺お姉ちゃん早く座って!」
「あっ、これこの間アタシが雛姉さんに勝ったゲーム・・・。」
「高嶺よ、りべんじだ!」
「雛姉さんには悪いけど、アタシの方がこのゲームうまいのよ。」
「海、これはどういうことなのかしら?」
「それがね〜・・・かくかくしかじか。」
「そういうことなの。ならば私も姉さんを応援するわ。」
「姉様まで・・・ふ、ふん!応援がいなくても、どうにかなるわよ。本気で行くわよ。雛姉さん!」
「うむ!かかって来い!」
ピコーン、ピューン・・・
・・・

481 名前:八月某日 雛乃・海 2/2 :2005/08/09(火) 09:48:40 ID:MLHZwVkY
「う、うそ。何回やってもアタシが勝てないなんて・・・。」
「まだやる気か?高嶺よ?」
「くぅぅぅ、ちょっと海!何かイカサマしてるんじゃないでしょうね!」
「私は確かに攻略法教えたけど〜、後は雛乃お姉ちゃんの実力だよ〜。」
「私はゲームのことは分からないけど、特に姉さんが何か高嶺がしていない
特別なことを対戦中にしているようには見えなかったわ。高嶺、貴方の負けよ。」
「やっぱり・・・アタシも薄々そうではないかと思ってはいたんだけど・・・。雛姉さん、参りました。」
「うむ!その潔さ、敵ながら天晴れであるぞ。飴をやろう。」
「あ、ありがとう、雛姉さん。でも、次は負けないわよ。」
「うむ!それに要芽と海にもやろう。」
「ありがとうございます。」
「うわー、ありがと〜。やった!ミント味だ〜!」
「海、イカ墨パスタ好きだったわね。私のイカ墨味と交換してあげるわ。」
・・・

「海よ、もう寝るのか?」
「うん、そうだけど?」
「久しぶりに・・・我と一緒に寝ないか?」
「う〜ん、今日はくーやと寝ようかと思ったけど、お隣にお泊りみたいだし、いいよ〜。」
「では、我は部屋で待っているぞ。」
「うん、じゃあすぐに部屋に行くね〜。」
・・・
「えへへ、なんか雛乃お姉ちゃんといっしょに寝るの久しぶりだね〜。」
「それほど久しぶりだったか。やはり我はお前に・・・」
「Zzzz」
「(すでに寝ているとな!・・・お前に姉らしいことはしてやって無いからなぁ。せめて・・・)」
ナデナデ
「Zzzz・・・ーやは良い子だよ〜・・・ぉ母さん・・・zzz」
「(ふふふ、母上の夢を見ているのか。やはり可愛いものよなぁ。妹は。)」

482 名前:SSD :2005/08/09(火) 09:54:15 ID:MLHZwVkY
前にひなのんと海お姉ちゃんの絡みをあまり見たことないという書き込みを見つけたので書いてみました。
二人の間でどういう会話があるのか想像しづらかったけど、案外普通に会話してそうですね。
実は「八月某日」の連作で同じ日のss二つ(瀬芦里・巴と要芽・高嶺)作ってありますが、
連投するとアレなので、ちょっとずつ間をおきますね。
お後がよろしいようで・・・

483 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/09(火) 10:44:30 ID:u/aC2H4v
GJ!
連投でも超常現象でもどーんと来ーい!

484 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/09(火) 13:30:07 ID:pKc+bLzm
ちょっと気になったので
>>467-471 ねぇねぇは、空也をクーヤ
>>480-481 ひなのんは、みんなをひらがな

やはりゲームのテキスト通りの方がより雰囲気が出ますよ

485 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/09(火) 22:06:30 ID:zY542WaW
>>482
GJ!!
早く続きを読みたいです!

486 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 03:54:02 ID:JfYpD9oj
いいっ、こういう片手間でも読めるレベルのまさにSSっていいね。

487 名前:八月某日 瀬芦里・巴 1/3 :2005/08/10(水) 10:16:37 ID:mHsat1xQ
バサァッ
「(お洗濯も終わったし、買い物に行かなくちゃな。)」
ブルンッ・・・ドッドッドッド・・・
「あれ〜、モエ、どこ行くの?」
「あっ、瀬芦里姉さん。これからお買い物に行くんだ。」
「ふーん・・・ねぇモエ、私も付いて行ってあげようか?」
「えっ、瀬芦里姉さんが?」
「私じゃ不満かにゃ?」
「いや、そういうことじゃなくて・・・せっ、瀬芦里姉さんとお出かけするの、久しぶりかなって。」
「そーかそーか、モエはお姉さんとお出かけできてうれしいか。じゃ、すぐに支度するね。」
「うん、待ってる!」
・・・

「あー、やっぱここの商店街に来るんだ。」
「どうして嫌そうな顔してるの?」
「んー、まぁ、いろいろとね。」
「あぅ?」
・・・
「おう!巴ちゃん、今日は何を買って行t・・・あー!金髪の姉ちゃん!」
「えへへへへー、どうも。」
「しっ、知ってるんですか?瀬芦里姉さんの事。」
「なんだい、金髪のねーちゃんは巴ちゃんのお姉さんだったのかい!?知ってるも何も・・・
いや、巴ちゃんにはお世話になってるから、もうやめよう。失われた肉は戻ってこねえしな。」
「えっ、あの・・・」
「モーエ!もう良いって言ってるんだから聞くのは野暮ってもんだよ。」
「あう・・・わ、わかったよ。それじゃあ豚バラ肉を・・・。」
・・・


488 名前:八月某日 瀬芦里・巴 2/3 :2005/08/10(水) 10:24:23 ID:mHsat1xQ
「なんだかどこのお店行っても、み、みんな瀬芦里姉さんの事知ってるみたいだったね。」
「ま、昔モデルやってたからかなー。有名人のお姉さんを持ってモエは幸せだね。」
「うん、何だか誇らしい気がするよ。」
「モエ。これからさ荷物家に置いて、私と軽いツーリングでもしない?」
「あは、行きたいけどさ、ほら私、まだ家事が残ってるから・・・」
「ダーイジョウブだよ。何のためにクーヤが帰ってきたのか、考えたことある?」
「で、でも、かわいそうだよ。」
「お姉さんが大丈夫って言ってるんだから、大丈夫なの!とりあえず、家に荷物置いてこよう。ね!」
「う、うん・・・。」
・・・

「ずいぶん長くかかったね。荷物置いてくるの。家の中で何かあったの?」
「ご、ごめん。雛乃姉さんと海がテレビゲームやっててさ、がんばれーって、お、応援してたんだ。」
「何だか珍しい組み合わせだね。」
「でも、空也はいなかったよ。家事、大丈夫かな・・・。」
「だから、ダイジョウブだって。ところでさ、いつものあの海岸行かない?人のいないあそこ。」
「うん、いいかもね。行こう、行こう。」
・・・

「やっぱり海はいいにゃー。潮風が気持ちいいよ。」
「相変わらず、人が少ないね。」
「モエは気が付いたかな?ここに来る途中、私たち、タカの目の前通ったんだよ。」
「えっ、本当?私は気が付かなかったよ。」
「本当は轢こうかなぁって思ったけど、流石に死んじゃうからね。やめておいた。」
「轢いたりしたら、高嶺が、可愛そうだよ。」
「だからー、轢いてないって。轢こうとしただけ。」
「あぅ・・・仲良くしようよ。とりあえず、まずは座ろう。」

489 名前:八月某日 瀬芦里・巴 3/3 :2005/08/10(水) 10:32:05 ID:mHsat1xQ
「ねーモエ、今日は(モエが私の商店街での免罪符として働いてくれたお礼に)
モエの悩みを聞いてあげるよ。」
「えっ・・・悩みなんて・・・ないよ。」
「ほんとかにゃ〜?じゃあさ、いい加減、たまに夜にどこに出かけるのか、
教えてくれてもいいんじゃない?」
「あ、あれは・・・その・・・外に出て、かっ、体を動かしてくるんだよ。」
「ホントに?」
「う、うん。空也もたまに付き合ってくれるし、空也以外にも共通のお友達がいるんだ。
だから、あれが悩みの原因になるとかは・・・無い・・・よ。」
「・・・そっか。クーヤも付いているなら、とりあえず私は安心したよ。」
「・・・ありがとう、瀬芦里姉さん。私、すごく嬉しかったよ。心配してくれて。」
「にゃは♪いいって、いいって。暗くなる前に、帰ろっか。」
「うん。」
・・・

「うわー、ありがと〜。やった!ミント味だ〜!」
「海、イカ墨パスタ好きだったわね。私のイカ墨味と交換してあげるわ。」
「たっだいまー。あれー、ずいぶんにぎやかだね。要芽姉ももう帰ってたんだ。」
「あっ、瀬芦里お姉ちゃんと巴お姉ちゃんだ。お帰り〜。
聞いて聞いて〜。今日は雛乃お姉ちゃんがね〜、高嶺お姉ちゃんを・・・」
「ちょっと海!もういいでしょ!もう絶っっっ対次は雛姉さんに勝つんだから!猛練習よ!」
「それにしても、夕飯のニオイがしないよ?お腹減ったー!クーヤ、夕飯は!?」
「空也なら今朝、隣の犬神家に遊びにいくと言って、そのままずっといないぞ。」
「・・・なら巴、急いで夕飯の支度をなさいな。」
「モエ、私からツーリング誘っといてなんだけど、ごめんね。でも私ももう我慢できそうにないや。
このままだとゲームに向ってるツインテール食べちゃいそう。」
「それもいいかもね〜。私は瀬芦里お姉ちゃんに賛成だよ〜。」
「あぅ、ちょっ、ちょっと待ってて、今すぐ支度するから!」
「ウ・ソ!今日はおとなしく待っててあげるよ。だからできるだけ早くしてくれないかな?」
「あぅ?う、うん。がんばる!」
「(たまには私も良いお姉さんしたいからねー。我慢しよっと・・・・・・うずうず、もうだめだ。)パクッ!」
「痛いわよ!このドラ猫!」

490 名前:SSD :2005/08/10(水) 10:38:34 ID:mHsat1xQ
二本目です。
ねぇねぇとともねえも二人での絡みはあまりないなぁと思って書いてみました。
今回で高嶺を轢こうとしたくだりは必要ないんじゃない?って思う方もいらっしゃると思いますが、
次のを見ていただければ、重大じゃないにしろ、それなりに繋がっているので・・・。
お楽しみいただければ光栄です。

491 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 11:22:12 ID:R8Yj/IFN
キターーーー!!リンクSSGJ!


492 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 20:27:47 ID:MIkAvxFG
>>484
あ、それ俺も気になってた
でもそれでパーフェクトな良い出来だと思う

493 名前:SSD :2005/08/10(水) 21:09:52 ID:NjJw2Byj
>>484>>492
ご指摘ありがとうございます。
確認しました。
そういうことには気を付けてるつもりだったんですが・・・(姉貴の アタシ とか)
モウシワケナイ

明日朝早くに出なくはならなくなったので、次のを投下しますね。

494 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 21:14:14 ID:CEtODk5T
>>493
リアルタイムキタキタキター!

495 名前:八月某日 要芽・高嶺 1/4 :2005/08/10(水) 21:14:19 ID:NjJw2Byj
 「あの店の焼きソバも何だか味が落ちてきたわね・・・。」
焼きそばめ名店巡りしておいてなんだけど、暑い。
やっぱりあのイカを日傘持ちにでも連れてくるんだった。
犬神家に遊びに行くからーとか言って逃げられちゃったけど・・・帰ったらとっちめてやろう。
そんなことを思っていると、バイクが一台猛スピードで側を
バアアアアアアァァァァン・・・・
 「うわっぷ!なぁによ!今のバイク!この暑いのに埃撒き散らして行って!
アタシの完璧な顔や髪が汚れたらどうs・・・あー!もう髪がバッサバサ!
・・・それにしても見覚えのあるバイクね。ドラ猫のかしら。」
と、爆走バイクのあとを黒塗りのバイクが安全運転で付いていく。
あれは巴姉さんの・・・って事はやっぱりさっきのはドラ猫のバイクだわ。
あの二人が二人っきりで出かけるって言うのも、珍しいわね。
ともあれ、
 「あのドラ猫のせいで、髪も服も埃まみれだわ。気持ち悪いったらありゃしない。」
どこかにシャワーでも浴びれるところがあればいいんだけど・・・
やっぱり家に帰るしかないk
 「あれれー?高嶺さんじゃないですかー?」
 「あ、(外交モードON)秋山さんじゃないですか!いつも姉がお世話になっています。」
 「はわわわ!そんな事ないですよー。いやですね、確かにお姉様は私がいないとダメかなー
っていう部分もあるんですよ。でもですねー、そこが私にとって(略
ところで、高嶺さんはこんなところで、あっ・・・な、何をなさってたんですか?」
 「ええっと・・・(本当のことを言うと、私の貞淑なイメージが崩れるわね)
お花を積みにいこうかと思ってましたの。」
 「お花ですかー。ひっ!・・・はぁ、乙女チックでいいですねー。私なんかお姉様のお使いで
肉まんをぅっ!・・・えへへ、買いに。何で夏なのに肉まんなの?って感じですよねー。う!うぅ・・・。」
 「それにしても秋山さん、お具合でも悪いんですか?さっきから唸ったり声を上げたり・・・」
 「いいいいい、いえいえ!これはぁ・・・なんでもないんでふすぅ・・・はぁ!」
今日はいつもに増して秋山さんの様子が変だわ。
なんかモジモジしてるし、しかもさっきからヴィーンってモーター音が秋山さんの腰の辺りから聞こえるし。
なんなのかしら?

496 名前:八月某日 要芽・高嶺 2/4 :2005/08/10(水) 21:20:06 ID:NjJw2Byj
 「高嶺さん、この後お暇でしたら、事務所っ!・・・ふぅ・・・までいらっしゃいませんか?
お姉様も喜ぶと思いますよ〜。」
たしか前にイカがお姉様の事務所はもともと家だったものだから、
シャワーとかがあるって言ってたわね。お姉様の仕事場にも興味あるし・・・
 「もしお邪魔にならなければ、お願いできますか?ワタシも姉の仕事に興味がありますので。」
 「決まりですね!いきましょう!」
・・・

 「ただいま戻りましたー。」
 「お帰りなさい、秋山さん・・・あれ、高嶺さんではないですか。」
 「姉がお世話になっています。摩周さん。」
 「い、いえ!私が要芽様のお世話などと・・・大それたことは。」
 「姉は今、大丈夫ですか?」
 「要芽様はたった先ほどからお休みに・・・って秋山さん、まずいですよ!」
摩周さんがあたしに目を取られている隙に、秋山さんはお姉様を起こそうとしている。
 「お姉様ぁー、起きてくださいよぉ。いい加減これ、はずしていいですか?
だんだん強くなってきて・・・あっ・・・ちゃんと言い付けの肉まんも買ってきましたからー!」
 「ううん・・・うるさいわね。肉まんなんか、本当はどうでもいいのよ・・・。」
 「高嶺さんもお見えになっていらっしゃるんですよ。要芽様。」
 「高嶺が・・・?あら、どうしたの?」
 「秋山さんにばったり会って、誘われたから・・・。」
 「あら、そう・・・なかなかチャレンジャーなのね。いるか。高嶺にはばれたのかしら?」
 「そっ、そんなばれるなんて、何のことを言っているのか私、さっぱりですー。」
 「フフフ、なかなかがんばるのね・・・ならば明日の朝までつけていなさいな。」
 「えぇー!それはないですよー。」
 「さっきから姉と秋山さんは何を言っているんですか?」
 「さぁ?私にはさっぱり・・・」
・・・

497 名前:八月某日 要芽・高嶺 3/4 :2005/08/10(水) 21:27:49 ID:NjJw2Byj
「はぁーあ、さっぱりした。シャワーがある事務所って、素敵ですねお姉s・・・」
 「ZZzzz・・・」
って寝てるし。
アタシ、今日ここに来てお姉様の寝てる姿しか見てないような。
もっと事務所ではビシッと決めてるのかと思ったのに・・・。
 「今日は日も傾いてきましたし、簡単な事務処理しかないので、要芽様のお仕事は
あってないようなものなのです。私と秋山さんだけでも出来ないことはないのですが、
やはり事務所の主がいたほうが気合の入り方が違うのですよ。」
 「そういうものなのですか?」
 「そういうものなのです。」
・・・
 「おねえさまぁー、摩周さん!終わりましたよ〜。」
秋山さんが奥から出てきて、お姉様の頬をぷにぷにと突っついておこしている。
 「・・・いるか、もういいわ。目は覚めたわよ。」
 「えへへへへー(ぷにぷに」
 「・・・もういいって言っているだろう!秋山!」
 「ひいぃぃぃ!ごめんなさい!」
 「許してほしいのだったら、もう一個の穴のほうにもアレを着けることね。」
 「刺激二倍ですかぁ〜!ご勘弁願いますだぁ〜。」
そう言いながら、どこと無く嬉しそうに秋山さんはポケットから何か取り出してごそごそしている。
お姉様はそれを軽く無視して、パンッと手を叩くと、キリッと顔を作って
 「今日もご苦労だったわね。摩周君、いるか。摩周君は明日の例の公判、がんばるように。」
 「はい!この命に代えても、柊法律事務所の名を汚さぬよう、死力を尽くします。」
 「いるかは例の書類、水曜までで良いって言ったけど、やはり明日の午後にでも
準備できるようにして置いてくれないかしら。」
 「はい〜。今日も家で徹夜しますよ〜。(W刺激に耐えながら)がんばっちゃいます!」
 「それでは、解散!・・・さてと、帰りましょうか、高嶺。もちろん、私の車に乗るわよね?」
私のほうに向き直った要芽お姉様の顔が、キリリとした表情から急にやわらかく、
やさしい顔になって、何だかドキッとしてしまった。
やっぱり、アタシのあこがれるお姉様はこうでなくっちゃ。
・・・

498 名前:八月某日 要芽・高嶺 4/4 :2005/08/10(水) 21:35:44 ID:NjJw2Byj
お姉様は車の中ではBGMには何もかけない。
運転しているお姉様の横顔を見ると、イカがお姉様にメロメロなのも判る気がする。
 「高嶺、私の顔に何か付いているのかしら?」
 「い、いえ・・・そうじゃなくて、お姉様が羨ましいなぁって。」
 「私のことが?それは意外ね。私のどこが羨ましいのかしら?」
 「今日半日お姉様の仕事を見てて、良い環境で良い仕事してて、ってさ。」
 「そういうものかしら・・・。ほら、もう家に着くわよ。」
・・・

 「「ただいま〜」」
 「高嶺お姉ちゃんお帰り〜!要芽お姉ちゃんも一緒だったの?」
 「海・・・玄関で何をしているのかしら?」
 「高嶺お姉ちゃんを待ってたんだよ〜。雛乃お姉ちゃんが居間で待ってるよ〜。早く!」
 「えっ?雛姉さんが?って髪引っ張らないでよ!イタイイタイ!」
・・・

ピコーン、ピコーン・・・ズガァァン・・・
 「あら高嶺、まだ起きていたの?もう皆寝ているというのに。」
 「ああっ、またダメ・・・。うん、さっきの雛姉さんとのアレでさ、悔しくて。姉様は何で?」
 「喉が渇いたから、水をね。私ももう寝るから、高嶺も早く寝なさいな。」
 「はーい。でもここをクリアーしてからじゃないと、悔しくて。」
 「・・・やはり私はあなたが羨ましいわね。高嶺。」
 「えっ?」
 「あなたのほうが私より、姉さんや他の妹達に・・・近い気がするわ。」
 「そ、そんな事ないですよ・・・」
 「フフフ、気のせいだといいのだけど・・・。ほら、もう寝なさい。眠い状態で練習しても、
上達はあまり望めないわよ。」
 「はい。・・・でもね、姉様。アタシは・・・姉様のこと尊敬してるから。」
 「・・・あり・・・・・ぅ。・・・かね。」
 「えっ?なんて・・・言ったんですか?」
 「結局は似たもの姉妹って事かしらね、って言ったのよ。・・・お休み。」

499 名前:SSD :2005/08/10(水) 21:41:27 ID:NjJw2Byj
三本目、ラストです。
前の二本とザッピング(だっけ?)で楽しんでいただけると幸いです。
いるかちゃんと摩周君を書くのは初めてだったので、気に入って頂けるといいのですが・・・

500 名前:SSD :2005/08/10(水) 21:46:13 ID:NjJw2Byj
一回だけ姉貴が「ワタシ」と言ってますが、外交モードに入っていると言うことで、わざとです。
一応、指摘を受けましたので補足まで・・・お後g(ry

501 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 21:54:52 ID:UMsnKRNC
これはまた乙なものですね

502 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/10(水) 23:22:39 ID:R8Yj/IFN
GJです!
ところでめ名店巡りって名店巡りの誤字じゃないんですか?

503 名前:シンイチ :2005/08/10(水) 23:46:14 ID:0EpWqTuE
GJ!おもしろいです!
自分もこれぐらい書けたらなぁ…

504 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/11(木) 02:13:32 ID:8iWgPOk4
誘い受けUZEEEEEE!!

505 名前:SSD :2005/08/13(土) 10:32:11 ID:g4q8K6zx
>>502
誤字です。あと、姉貴が「『私』の貞淑な・・」と言っていますが、これも誤字ですorz
>>503
光栄です

506 名前:保管庫の中の人 :2005/08/15(月) 02:25:54 ID:JtqG4DpY
ここまで更新しました。
次回更新くらいからそろそろつよきすネタが出てきますかね…。

>>SSD氏
誤字は勝手に直させてもらいましたがよかったですよね?

507 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/15(月) 08:01:08 ID:16PMhyfY
>>506
いつも乙です

508 名前:SSD :2005/08/15(月) 09:27:19 ID:hRgrTHYw
>>中の人
はい、問題なし、と言うか寧ろありがたいです。
乙でした

509 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/16(火) 11:52:18 ID:YynPWeDH
地震酔い、たすけて姉貴

510 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/19(金) 22:15:17 ID:/5INqHon
そんな時は頼もしいお姉ちゃんに助けを請えば一発解決。

さんはいっ、

511 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/19(金) 22:55:57 ID:vfUh2lPy
ともねえ〜

512 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 13:51:01 ID:K50IR+2p
           l\         ,、-
           ヽ、!  ヽ、 ,、、  ,-'~ /
            ,>'ヽ-‐''"  l`i'<  /
          // / 〃   l  ヽ\
         //// l ll,;、,///リノ }ヽヽ
        //〃///`,l', ゝ'`','''げト、/l l l ヽ なんであたしじゃないのよ!
        ' l从| 川{'lヽ, (`_ァ /'"l l l l l l
     ,、-‐―┴┴┴-+kゝ, イ lリ リノl/l l l k'彡ヽ
  ,,、-‐'",.、-‐―---、、 /ム、__ノLゝ`‐‐-レノルゝ/ l
/  r''"        レ' `   ルヽ-、,, ``'‐-lミ彡!
l川ノノ             '、   ~  }  ``‐-、,,,{  !
              |彡ノ   l        `'''"
          ,.、,.=nhnn-、 l /
        / / ' ' ' ' ' /  〈
        ノ /     /|!ヽ ヾ
       l /    //,ハ_l、 ヽ、
       /  ,-'" ノ/ ,ィ'l ヽヽ、
      /   /‐=ニ∠,.ノ  ヽ、\ヽ
     /   /‐-、, ヽ     l`‐ヽ,ノ
    ///    `‐,l     l  /
   ///       l     lー'
               l     l



513 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 18:49:39 ID:OjZtA9Xl
いま、軍板でお姉さまフィーバー発生。


お姉さまが、どっちが勝つ? と聞いてきます。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1124448356/l50

514 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 21:14:07 ID:MBG8DZYK
軍板の連中が姉萌えに染まってるw

515 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 前編@ :2005/08/20(土) 22:55:53 ID:GB4Cygkd
その日はおかしなことがあった。
生徒会執行部集会が終わったあとで、
俺らの親友、伊達スバルが乙女姉さんを体育館裏に呼び出したのだ。
そのせいで少し帰るのが遅れると言われた後、オレはフカヒレとカニ(鮫氷新一と蟹沢きぬ)にこのことを話した。
無論のこと、宇宙の真理的結論として、体育館裏に行ってみて様子を伺ってるのだが・・・
「なんで生徒会メンバー勢ぞろいかな。」
霧夜エリカ、椰子なごみ、佐藤良美とばったり出くわした。
「あら、こんな面白そうなこと見逃すわけないじゃない。」
「だから、なぜここにいるのが、さも当然な風に言ってるのかが気になるんですけど」
「まあ、スバル先輩が鉄先輩を誘ってるのに気づかないわけないとは思いますけど」
「なぬ。それはつまり気づかなかった私をバカにしてるのか!」
「私はエリカが一緒に行こうって誘われたから、付いてきてみたんだけど」
「他人の棘のある言葉をすかさずフォローするとはさすが、優しいですね。よっぴー」
ひそひそ話もさておき、スバルと乙女の様子をのぞくことにする。




516 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 前編@ :2005/08/20(土) 22:57:16 ID:GB4Cygkd
『始めて出会った時の事を覚えてますか。鉄先輩』
「おー。いきなり告白グラフ確定だ。」
「え!?こっ告白場面なの。」
「まだそうと決まったわけじゃないだろ。」
『ああ、遅刻をごまかすために塀を飛び越えてたところを取り押さえたんだったな。
その前からレオの生活態度を監視してたから、私が見知ったのはその前だが・・・』
「色気のない運命の出会いね」
『そうです。あの衝撃的な出会いの事は今でもずっと覚えてます』
『鮫氷をノした後で、仇を討ちに突っ込んだお前を返り討ちにしたんだったよな。
・・・そりゃ女に負けたなら衝撃的だろうが・・・』
「なんか無理やり嫌み付けて勢い折ろうとしてない?」
「衝撃的な、の時点でちょっと動揺したわね。」
『あのときからオレは・・・ひとつの思いがずっと心から離れないんです。』
「やっぱ、告白確定。」
「しかしアイツ、なごみに気があるんじゃなかったのか、二股する気か畜生ー」
「なっ、ナニをそんな・・・」
「えー。それてひどいです。」
「でも、もうバレてるから残念だねー」
「無理だと思って捨てたんじゃないの。なごみを。」
「かわいそう。またまた独りか、なごみん」
「勝手に話を進めるな!」
『な・・・そっそんなの私に言われても。お前の心の問題なら、お前で何とかしろ。』
『いいえ。オレだけじゃどうにも押えられないんです。これは相手が必要な事だから。』
『それなら、私より親しい友達に・・・レオにでも話せばいいだろ』
『いや。他の人は関係ない。あなたでないといけないんだ!』
『!!』
「お、スバルの真剣な表情に先輩赤面」
「へー。先輩もあんなあせった表情するんだ。ふふふ、かわいいわぁ」
『オレはそのことで、あなたにお願いがあります。』
『そ、それは・・・』
『それは・・・』
一番の山場に差し掛かり、みんなは真剣な顔で次の言葉を待つ。

517 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 前編B :2005/08/20(土) 22:59:17 ID:GB4Cygkd

『打ち負かされた屈辱を晴らすためにリベンジ戦を!!』

覗いてたみんながずっこけたところで何の不思議があろう。
「あー、こら。ばれちゃったじゃないか。」
「いや、お前も同罪って言うか、この場合仕方ないだろ。」
「ごめんなさい。私たち別に邪魔するつもりじゃ・・・」
スバルがため息をついてこう答える。
「まったく、のぞくつもりあるな、少なくとも姿はさらさないようにしろよな。」
「え、なんかすごく冷静な物言い。」
「ひょっとして、覗いてるの気づいてた。」
「ああ。最初から。もっとうまく気配を消せよな。」
「気配をうまく消す必要がある学生が何処にいるか!」

「つまり最初ッから今まで全部見ていたんだな。おまえら」

地獄のそこから響いてるんじゃないかと思うような声を発していたのは、
今までずっと黙っていた、乙女である。
「そしてそれに気づいていながら黙っていたと・・・」
「まあ、見られたって恥ずかしいものじゃないでしょ、別に。
恥ずかしいって思うことは、何か自分にやましいことがあるってことですよ先輩。」
「!!」
次の瞬間、乙女姉さんは刀を抜いていた。
学校に代々伝わる、風紀委員長に手渡される日本刀だ。
しかし、実際は、俺の目に映らなかっただけで、
ただ抜いただけでなく、居合い切りをかましていたのだ。
スバルもいつの間にかに後ろに下がっていた。
前髪がいくつか切れているのが見えた。
「なるほど、それが抜刀術というものですか。
確かに恐ろしいほどの速度ですね。しかし、見切れぬほどではありません。」

518 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 前編C :2005/08/20(土) 23:00:08 ID:GB4Cygkd
「おまえ・・・」
乙女姉さんの怒りに満ちた顔が、とたんに真剣な顔つきに変わる。
「認めよう。そして謝罪しよう。お前を侮っていたと。まさかこれほどの猛者と出会えるとはな。
久々に熱くなれそうだ。」
「ええ、わかってくれたんなら、場所を変えましょう。
まさか素手相手に真剣で勝負する気じゃないでしょ。
今、剣道部が合宿中でいないから、あそこで勝負を付けましょう。」
「分かった。」
「お前たちも来いよ。雪辱を晴すさまをみていてくれ。」
「恥の上塗りになるだけじゃないのか。」
スタスタと剣道場に歩いていく二人。
「ねえ、やっぱりけんかはダメだと思うんだけど・・・」
「いや、男には避けて通れない勝負があるんだ。」
「鉄先輩は女ですけど、そこらの男より男らしいですし。」
「っていうか二人ともキャラが違ってるような・・・」
「まあ、こんな楽しそうなことを見逃す手はないわね。」
「そういや、さっきのは、鉄の居合い切りをスバルがかわしたんだよね?そうだよね。」
ついてくギャラリー。そしてあの二人は戦闘中に無駄なおしゃべりするタイプじゃないので、
解説役も兼ねることになんとなく気づいているレオだった。






519 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 23:11:14 ID:NViUGysL
ついにつよきすSSが来たか・・・!
GJ!ってまだ続くのかな?

520 名前:中がき :2005/08/20(土) 23:11:48 ID:GB4Cygkd
どうも。この駄文を書いた『さすらいのニトロファン』です。

まあ、スバルの声が子安さんだったんで、
思い立って書いてみただけなんですけど。

一応、テロップのほうは完成してます。(今は洗練中)
中編が戦闘描写中心。
後編が最終決着。
そして、取って付けたように愛を語らって抱き合って終わりという、
王道中の王道でお送りいたします。(大抵そんなもんでしょ?)

ツヨキス販売前までに仕上げる予定です。(悪評立つばかりなら諦めるかも)

子安さんお気に入りなんでウィン様ネタ豊富になると思いますが、
なにとぞ温かい目で見守ってください。
後、ウィン様ファンの方ごめんなさい。

521 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 23:22:07 ID:NViUGysL
投下いつでも待ってますよ?さすらいのニトロファン氏

522 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/20(土) 23:50:25 ID:MBG8DZYK
だがとりあえずsageてくれ。な

523 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/21(日) 09:09:15 ID:PzHmJ0aS
乙カレー1つよきすSS待ってたよ。ガンガレ

524 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇@ :2005/08/21(日) 22:55:42 ID:0TLyLmbm
剣道部がいないので、剣道場は静かなもんである。今は俺たちの貸しきり状態だ。
「あ、真剣を使うのは禁じましたが、木刀や竹刀を使ってもかまいませんよ。」
「私が木刀なんか使ったら、骨折させかねないからな。竹刀を使うことにするぞ。」
「では、俺も安全のために。」
そういってスバルは棚においてある、籠手を装着する。
籠手とは、剣道に使う手を守る防具のことで、手の部分は綿を詰め込みより厚くなっている。
「そんなものをつけたら、拳の威力が弱くなるだろう。」
「ちょうどいいハンデかと。」
その言葉に、ぴくりと眉をしかめる乙女
「手加減するつもりはないぞ。」
「手加減しましょうか?」
その言葉にさらに怒りあらわにする乙女。
しかしそれ以上は言わず、静かに剣道場の中央に歩いていく。
「おい、スバル。ホントに大丈夫かよお前。」
俺はスバルが心配になって、こちらに呼んでみた。
「ああ、グラブをはめてない俺がどれだけ危険かはわかってるだろ」
「いや、籠手だけじゃなくて。
いくら声優が同じだからって・・・
いやいや。剣と拳ってのは・・・」
「だいじょうぶさ、負ける気はない。」
「しかし先輩、剣道を侮ってはいけませんよ。」
なごみが口を挟んできた。

525 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇A :2005/08/21(日) 22:56:34 ID:0TLyLmbm
「剣道とはスポーツのイメージが強いですが、極めて洗礼された剣技です。
まず、基本的な構えの正眼の構え。
あれは、それ自体に一部の隙もなく、どの動きにも対応できます。
そして竹刀の・・・剣の持ち方。
鍔の根元と柄の端を持つので、てこの原理を利用して、早くそして幅広く動かせます。
さすがに勝ち目は・・・」
「ストップ。」
なごみの言葉をとめるスバル。
「大丈夫だって。世の中すべての物事はバランスよく保たれてるんだ。
利点があるってことは、どこかに必ず欠点が出てくるもんさ。それに・・・」
決戦の地に赴くために背を向けてから、こう締めくくる。
「なんたっておれは『不可能を可能にする男』だからな。」
自信に満ち溢れた笑顔で答える。
その笑顔を正面から受けたなごみは、胸に熱いものがこみ上げる感じがした。
「またあの決め台詞かよ。スバルのやつ。」
「あれって、彼がよく言うセリフなの」
「うん。よく聞くよ。あのセリフ。」
「キャラが違ってるわけでも、パクリくさいわけでもないよな。」
「っていうか、そんなこと言う資格ないだろ。」
「?何のこと?」
「いや、大人の事情。」



526 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇B :2005/08/21(日) 22:57:23 ID:0TLyLmbm
正眼の構えでを取る乙女。
「私は今とても機嫌が悪いからな、おまえ。先輩に対する礼儀というものを叩き込んでやる。」
左前のファイティングポーズを取るつばる。
「芸術の域にまで鍛え上げられた戦闘技巧。そこのうぬぼれ屋に教えるとするか。」

「はじめ!!」

姫が合図を出す。
開始と同時に乙女が前に出る。
そして竹刀を斜め上に振り上げ、逆袈裟かに切りかかる。
「はやっ。」
それと同時にスバルは左手を上に突き出し前に出た。
乙女の振り下ろした竹刀は、中央部がスバルの籠手に当たり、約45度の角度で止まる。
「勢いがつききる前に止められた!」
「籠手に守られたスバルの左手にたいしたダメージはねぇな。」
そして、その隙にスバルはさらに前に出て、引き絞った右手から強力なジャブが飛ぶ。
「あご狙い!」
「頭が大きく揺れると、脳振頓が起こるってやつだね。」
乙女は後ろに下がって避けようとしたが、前に出る勢いに逆らえば必ず動きが止まってしまう。
そこで頭を前に出して、こめかみで受けることにした。
結局、拳は耳の裏に当たり、乙女は横に吹っ飛んだ。
「うまい。」
「頭しか動かせないから、後ろに避けてもあごに当てられるから、逆に前に。」
乙女は立とうとするが、平衡感覚がゆがみ、うまく立ち上がれない。

527 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇C :2005/08/21(日) 23:00:45 ID:0TLyLmbm
「しかし、耳の裏に軌道修正させられた。耳の裏のすぐ側には三半規管がある。
あそこはかなり精密な器官だから、衝撃に弱いんだ。」
そこにさらに追い討ちをかけようとするスバル。
床に伏せた状態のまま、必死にスバルから遠ざかる乙女。
「まったく。彼も油断ならない策士ね。」
「え?」
「普段の彼からは考えられないくらい、やたら挑発してたでしょ。
あれは、相手を怒らせて冷静さを失わせるためね。女ってのは男より繊細だから。
それでさっきのような、実直な攻撃を出させて、うまく裁いたのよ。
安全のためとか言ってた籠手も、本来の使い方・・・竹刀の攻撃に耐えるためが本音ね。」
「いや、女性を傷つけたくないってのもあると思うよ。
それもあって籠手をつけたんだよ・・・遠慮なく全力で殴るために。」
平衡感覚が戻ったところで、竹刀を振り上げけん制しつつその勢いで立ち上がる。
立ち上がる間に接近してくるスバルに、竹刀を突き上げる。
スバルはそれを横にかわすと、乙女の手にワン・ツーパンチを浴びせる。
「あれをかわすか・・・すごい反射神経だな。」
そうやって乙女の反撃を抑えて、そのまま近距離を保ち連打する。
乙女は竹刀を腰の前に縦に構え、必死にパンチの雨に対応する。
かわしきれないパンチを竹刀で弾いていく。
「すごーい。全然何をやってるのか分からない。」
「剣の間合いの内側に入って、その位置を保ちながら、一方的に攻撃してるんですよ。」
「長物って間合いは広いけど、内側が隙になるからね。」
「ちなみに拳にも間合いの内側があるから、ナイフが至近距離戦に一番有利なのよ。」
「なんかやけに詳しいですね、姫。」
「ただの教養よ。」

528 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇D :2005/08/21(日) 23:01:51 ID:0TLyLmbm
「しかし、耳の裏に軌道修正させられた。耳の裏のすぐ側には三半規管がある。
あそこはかなり精密な器官だから、衝撃に弱いんだ。」
そこにさらに追い討ちをかけようとするスバル。
床に伏せた状態のまま、必死にスバルから遠ざかる乙女。
「まったく。彼も油断ならない策士ね。」
「え?」
「普段の彼からは考えられないくらい、やたら挑発してたでしょ。
あれは、相手を怒らせて冷静さを失わせるためね。女ってのは男より繊細だから。
それでさっきのような、実直な攻撃を出させて、うまく裁いたのよ。
安全のためとか言ってた籠手も、本来の使い方・・・竹刀の攻撃に耐えるためが本音ね。」
「いや、女性を傷つけたくないってのもあると思うよ。
それもあって籠手をつけたんだよ・・・遠慮なく全力で殴るために。」
平衡感覚が戻ったところで、竹刀を振り上げけん制しつつその勢いで立ち上がる。
立ち上がる間に接近してくるスバルに、竹刀を突き上げる。
スバルはそれを横にかわすと、乙女の手にワン・ツーパンチを浴びせる。
「あれをかわすか・・・すごい反射神経だな。」
そうやって乙女の反撃を抑えて、そのまま近距離を保ち連打する。
乙女は竹刀を腰の前に縦に構え、必死にパンチの雨に対応する。
かわしきれないパンチを竹刀で弾いていく。
「すごーい。全然何をやってるのか分からない。」
「剣の間合いの内側に入って、その位置を保ちながら、一方的に攻撃してるんですよ。」
「長物って間合いは広いけど、内側が隙になるからね。」
「ちなみに拳にも間合いの内側があるから、ナイフが至近距離戦に一番有利なのよ。」
「なんかやけに詳しいですね、姫。」
「ただの教養よ。」

529 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇E :2005/08/21(日) 23:02:48 ID:0TLyLmbm
スバルは小さな隙を見つけ、相手のガードを崩すための強めのパンチを繰り出す。
それは乙女の誘いだった。
乙女はそれを竹刀で横に逸らし、そのまま前にでる。
腰の前に縦に構えた竹刀の柄の部分で押すように、体当たりをかます。
「でた!」
「なにあれ!?」
「剣道はお互い近づきすぎたら、鍔迫り合いの状態になるから、
地面と全身を使って相手を押すという基本技もあるんです。」
避けることも出来ずスバルは後ろに倒れた。
すかさず乙女は竹刀を振り上げる。
「あ、今笑ったあの女。」
「今までの鬱憤を晴らす勢いの笑みね。」
「ああ言うのが一番怖いよな。素で。」
そのまま上半身を起こした状態のスバルの顔めがけ、袈裟か切りに振り下ろす。
すると次の瞬間信じられないことが起こった。
『!!』
スバルは、竹刀を『噛んで』いた。
「歯で・・・受け止めた。」
そのまま竹刀をつかみ、呆然とする乙女から引き剥がす。
奪い取った竹刀を放り投げながらこう一言。
「今のは美しくなかったな。御見苦しい姿をさらして申し訳ない。」
「いや。そういう問題じゃなくって・・・」
「ところで、武器はなくしてしまったわけですが・・・負けを認めますか?」
すると、乙女はスバルが投げ捨てた竹刀に手を伸ばす。
スバルは竹刀を横に放り投げはしたが、
壁にぶつかってバウンドしてゴロゴロ転がって、スバルより乙女の近くに転がっていた。
外だったらどっか遠くに転がって言っただろうが
「まったく、あまりに非常識で困る。」
『どっちが!!』
ギャラリーから一斉にツッコミが入る。

530 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇F :2005/08/21(日) 23:11:54 ID:0TLyLmbm
乙女はまた前に突っ込んできた。
イノシシ又は猛牛さながらの猪突猛進っぷりに、スバルは少々物足りなさ気味である。
竹刀が乙女の間合いぎりぎりのところから打ち出される。
スバルは後ろに下がってかわした。受け止めるにも、間合いを詰めるにも、間に合わない速さだったからだ。
そしたら乙女はその位置のまま、さらに攻撃を繰り出してくる。
「今度は乙女姉さんが間合いを制した!」
「やはり竹刀は強力ですね。」
様々な角度から竹刀が迫る。
それを並外れた反射神経でかわす。
避けきれない攻撃は籠手で受け止める。
間合いを詰めようとすると、返し切りや突きがそれを阻む。
「あれじゃ、どん尻だぜ。」
「避けきれない攻撃を籠手で防いでも、遠心力のこもった剣先の一撃だから・・・」
「腕にダメージが蓄積していくってか。姑息な侍女め。」
「スバルのほうが姑息だったぞ。絶対。」
スバルは袈裟切りに振り下ろされる一撃を、対角線上にはじいた。
それと同時に前に出て、竹刀を持つ手を殴る。
構えを崩された乙女は、とにかく手を腰の前において、体当たりをする。
それをサイドステップでかわそうとするスバル。
少し掠るが、どうにか体勢を崩されることなく避けるに成功する。
「そうか!全体重を乗せた体当たりなら隙も大きい。」
スバルは、渾身の力を奮い、顎を、右ストレートで、殴りかかる。
乙女の、肩が上がる、それより速く、腕が上がる、腕が顔半分を覆う、スバルの拳があたる。
スバルの一撃は乙女の腕が受け止める形で止まった。

531 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇G :2005/08/21(日) 23:12:51 ID:0TLyLmbm
足で床に踏ん張るも、後ろによろける乙女。
痛みを我慢して、決め手を放ったつもりだったので、一瞬挙動が遅れたが、
追い討ちをかけようと前に出るスバル。
しかし、乙女は体勢を立て直しながらも腕だけで、バットをフルスイングするかのような一撃を放つ。
スバルのひじを打ち損じる形で、わき腹を打ち抜く。
スバルは、後ろに下がり、乙女はそのまま体制を整え、構えなおす。
二人はしばらくの間、微動だにせず対峙する。
「うわ、こりゃスバルが劣勢だな。」
「でも、相当ダメージが溜まってるはずよね。なんで追い打つかけないんだ?」
「びびってんじゃねえのか。」
「まあ、少しでも動いたら、後の先を取られそうな雰囲気よね。」

スバルは、ふと構えを解いた。
腕をだらりと降ろし、集中を解く。闘う気のかけらもなく、相手の殺気も受け流す。
「おまえ、私を愚弄する・・・いや。これは『無形の構』」
「『無為の構え』ね。」
「なに、俺たちもあんな構え見たことないけど。」
「漫画で見たことあるよ。
構えず気配も消し去るから、どんな動きをするかが予測できないってやつだよね。」
「え、でもあんな体勢からじゃ攻撃とかできないんじゃ・・・」
「それを可能にしなきゃならないから、すごく難しいんですよ。良美先輩。」
乙女もその構えに見覚えがあった。
剣の師匠が、後の先をとる練習のときに見せてくれた構えだ。
一見、勝負をあきらめたような体勢にも見えるが、
その構えに打ち込んでみて、意識が真っ白になるような衝撃を頭に何度喰らったことか。
「まさか学生でそのような戦法をとる奴がいるとはな。おもしろい。」
その顔は、極限の状況を楽しむかのような笑みだった。
勝負は一瞬。

532 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 中篇H :2005/08/21(日) 23:13:39 ID:0TLyLmbm
その緊迫した空気は、ギャラリーにも届いていた。
「ふふふ。これは見ものね。」
「何か隠してそうな雰囲気ね、エリカ。」
「あら、気づいた。さすがよっぴーね。」
「よッぴーなんて呼ばないで。」
「でもよっぴーにも教えてあげないわ。だって乙女先輩のあれ、すごい巧妙で・・・あ!」
乙女は自分に可能な最速の面を打ち込んだ。
実は乙女は、動いてないと見せかけて、少しずつ近づいていたのだ。
ふくみ足という技術である。
足の指だけで地を這って、相手に気づかれることなく近づく歩法である。
足の指意外動かず、微妙にしか近づかないので、正面の相手には分かり難いのである。
このとき側面から見ているギャラリーでも、気づいたのはエリカだけであった。
推測異常に早い打ち込みのはずである。普通の相手なら不意をつかれ、避けられない。
それに対するスバルの反射速度は、誰の目にも捉えられないものであった。
「秘技!全音符。無音!!」
スバルの拳が乙女の腹を穿つ。
「がは!」
口から大量の唾液を吐き出し、後ろに吹っ飛ぶ。
糸の切れた人形のように動かなくなる乙女。
「これがボクシングですよ。ミス・ブシドー。刹那のタイミングを見極める動体視力と反射神経。
それが極まって始めて神域のカウンターを可能とするのです。」
言い終わった瞬間、ギャラリーから歓喜の声が沸く。
「すっげー。流石だぜスバル。」
「やった、やったー。あの暴力風紀委員長が無様な姿でのびてやがるぜー。」
「ふうん。鉄先輩より強いか・・・。館長と話して、人事異動も考えとかなきゃね。」
「あの・・・鉄先輩大丈夫なのかな・・・」
皆が騒ぎ立つ中、レオとなごみだけは黙ったままだった。
(乙女姉さんが負けた・・・。なんだろ、この不快感。
スバルのやつは確かにすごかったけど、素直にほめる気にまったくなれねえ。)
(凄まじい闘いだったな・・・伊達先輩。正直すごいと思える・・・)
「ところで、終わりの合図がまだなのですが、生徒会長。」
「そうね・・・。そこま」

533 名前:中がき :2005/08/21(日) 23:29:10 ID:0TLyLmbm
どうも。さすらいのニトロファンです。
ごめんなさいね。異常に濃いバトル描写で。
でも、バトルシーンだと以上に筆が(指が)進んで、1日で仕上げられたんです。
しかし、後編は時間かかるかな。
愛を語らう部分、文字打ちながら鳥肌が立ってきますからw
なんか台詞考えてる自分が恥ずかしいというかキモイというか・・・
けれど、どんな難産しても、責任持って最後まで書き上げるつもりです。
実はまだ、最後の決着が残ってたりします(そっちのほうはもう完成してたりw)
販売前に向けてがんばって行きなすので、生暖かい目で見守ってください。

ところどころ、パクリがあります。特にウィン様とティテゥスの。
ごめんなさいねホントに。


はぁ?    癌?種?死? なにそれ?病気。

534 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/21(日) 23:32:43 ID:Nibsm0HD
……まぁ
・無駄に自分の書いたものについて長々と語る
・サゲ中心の所で意味なくアゲる
ってどこ行っても歓迎されない行為だと思うぞ

535 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/22(月) 22:05:11 ID:/WOjkIfj
その上面白くもないとなると救いようもないな

536 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 03:14:39 ID:CMQZbQ5R
つよきすネタだからってなんてツンな状態からはじまる奴等だ…
だが俺はあえて面白かったと素直に言うぜ!

537 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 07:55:49 ID:xh4zFjBM
まだ体験版しかしてないから、キャラがイマイチつかめてない状態で、
スバルがこういうキャラなのかどうかも理解してない俺

538 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 10:12:44 ID:RujSQVMw
こっちがキャラ掴めてなくても、ちゃんと書ける人の作品は
読んでいて違和感がないんだけどね・・・

539 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 17:51:56 ID:SJzhi0NH
キャラがどうこう以前の問題だろ

540 名前:さすらいのニトロファン :2005/08/23(火) 19:07:44 ID:f7fPKH9h
皆様。申し訳ありません。
>>534
素人なもので、先に断っとかないと(言い訳しないと)不安なんです。
あと、連続投稿慣れてないんで、SAGE書き忘れてしまったりしたんです。
>>535
繰り返すようですが、素人なんで。
そもそも『ニトロ』ファンの時点で、『キャンディーソフト』と趣向が相馴れないのは分かっていただきたい。
>>539
所々パロディってますから、キャラの性格が破綻してるのは仕方がないところです。
『斬魔大聖デモンベイン』からのパクリが多いから、知らないと楽しめない点はごめんなさい。

そんな皆さんの声にお答えして、最後の決着は大幅改ざんしています。
『ギャグのパロディ』のオンパレードになる予定ですので、楽しみに待っててください。
(さらに自分の首を絞めてしまったような・・・)


541 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 19:50:18 ID:NHF2DpUw
>>540
空気嫁(AA略

542 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 20:13:27 ID:tSl1u0Sg
      _
      /,.ァ、\
     ( ノo o ) )  空
      )ヽ ◎/(.    気
    (/.(・)(・)\ . 嫁
    (/| x |\)
      //\\
   . (/   \)

543 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 21:57:15 ID:LThYN9jO
パクルなら皆が知ってるネタで…

544 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 22:50:51 ID:RFBbPJUI
「きゃんでぃそふと」を「キャンディーソフト」と書くようでは
ムリしてつよきすネタを投下する必要ない気がする。
もう少し作品やこのスレの雰囲気を知るべきでは。

545 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/23(火) 23:06:41 ID:zEaThQYo
半年ROMれ、ってやつか。

546 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/24(水) 02:48:06 ID:gjnYkhu7
お前等せっかくのやる気ある職人さんに文句ばっか垂れてんじゃねぇ、
自分らはなにも書かねぇ癖に、このミソッカスの出涸らしどもが。

547 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/24(水) 03:03:54 ID:DeIjolOZ
いや、投下してたこともあるけど……
要するに
自分のHPでしたほうがいいものと
掲示板で不特定多数の人間に向けて発信した方がいいものがあるわけで
その辺の住み分けをきちっとした方がお互いの為ですよって話
まぁ人が増えてくる時期だからしょうがないんだろうけどね……

548 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/24(水) 09:33:06 ID:0I5kS0Iv
まぁ、分かり合うためには意見を
ぶつけ合うのも必要であろう

549 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/24(水) 12:52:17 ID:n4cb+2Vn
一歩下がるか・・・

550 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/24(水) 22:47:36 ID:PqmR45GT
SSスレってのは、初期にいた職人がSSを書かなくなり新規の職人を叩き始めるもんだ。
で、自演擁護だの便乗荒らしだのでぐだぐだになる。

551 名前:販売前妄想 乙女VSスバル 後編@ :2005/08/25(木) 08:28:00 ID:EGiNBjDD
突然、スバルが後ろを向く。
その先には、ゆっくりと立ち上がる、鉄乙女の姿があった。
「ふふふ・・・くふふ・・・くはは・・・くふははははは。」
不気味な笑い声を上げ、上段の構えを取る。
その顔は前髪がかかって、目がまったく見えないが、そこより下は歓喜に歪んでいた。
(修羅・・・か)
「どうやら、もう少し時間がかかりそうだ」
そう言ってまた、無為の構えをとるスバル。
先ほどより重たい沈黙が場を支配する。
その静寂を断ち切ったのはやはり乙女だった。
(さっきより速い。)
勝負は一瞬。
乙女の動きを見極めるために、全神経を騒動員して、感じ取る。
乙女は後ろ足で一歩踏み込み、上にあげた竹刀を全力で叩き下ろしてきた。
この凄まじい一刀を避け切れれるか否かが、勝敗を決定する。
上から振り下ろされる竹刀を、体を左に動かし避けようとする。
頭と竹刀の高低さ50センチ 左足を前に出す。
頭と竹刀の高低さ10センチ 右足で強く地面を蹴る。
頭と竹刀の高低さ5センチ 体を左前に出す。
竹刀が髪と耳を掠めるのが分かった。
しかし振り下ろしきった乙女は、スバルに致命傷を与えることなく、大きな隙をさらけ出した。
(もらった。)
スバルは間合いを詰めようと前に出る。
しかし、そのとき腕とは別方向から、何かが飛んできた。
スバルの股に向かって、
乙女の蹴りが。
『カキーン』(甲子園で金属バットを持った選手がホームランを打ったときの音を御想像してください)

552 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編A :2005/08/25(木) 08:29:00 ID:EGiNBjDD
ギャラリーも流石にこれには目を見開く。
レオとフカヒレにいたっては、反射的に股間を押えている。
その柔らかい『ナニ』かを蹴り潰す感触に、乙女は目を瞑り勝利の余韻に浸る。
「ふん。所詮、規律のためにすべてを捨てられる私と、そうでないお前の差は・・・」
目を見開いた乙女は、夢か現か幻か見えたような気がした。
周りが呆然として止まってる中、彼女だけが、ただ一人。
最高のご馳走に喰らい付こうとするかのごとく、
大きく開けた口からよだれを溢し、悦びに顔をほころばせ、右手を引き絞り
『悲鳴を上げろ。豚のような。』って感じを醸し出してる、
スバルの姿が。
「秘技!鎮魂曲・怒りの日」
スバルの拳が、乙女の顔面を抉るように打ち込む。
乙女は後ろに吹き飛び空中で一回転しながら地面に叩きつけられる。
スバルはすべてが終わって気が抜けたような笑みを浮かべて、なごみの方を向く
「やっぱ俺って、不可能を可能にする男?」
剣道場は沸き立った。
結果はどうあれ、その場で繰り広げられた一瞬の激闘は、
ギャラリーの度肝を抜き、興奮させ、感動を与えるものだった。
ただひとり・・・レオを除いて。



553 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編B :2005/08/25(木) 08:30:51 ID:EGiNBjDD
決着がついてしばらくした後、スバルはなごみと二人っきりになる機会を得た。
「しかし、股間を蹴られてよくもそんなに平気で・・・」
「ああ、そのこと。」
スバルはちょっと誇らしげに、しかし声を潜めて答える。
「実は、体の中に・・・骨盤の内側に納まっておいてるんだよ。」
「え・・・そんなことって出来るんですか。」
「ああ。なんかの武術の秘儀らしいんだけど。ガキの頃から、勝負事の時にやってたんだ。
どんな風になってるか、実際に見てみる?」
「いっ、いいです。やめてください。」
あわてて否定する。
「はっはっはっはっは。」
スバルはいたずらが成功した子供のように笑う。
「まったく。伊達先輩がそんな下品な人だとは思いませんでした。」
少し不機嫌そうにそう告げる。
「いや。誰にでも見せていいと、思ってはいないさ。」
「・・・ならどういうつもりですか?」
少し場の空気が冷える。ちょっと困って、スバルは誤魔化すように言う。
「まあ、そのー・・・。君の可愛らしい顔を見たかったていうのが一番かな。」
「な・・・!」
顔が赤くなるなごみ。
「あんまり恥ずかしいことを言わせないでくれよ。」
余裕を取り戻し、少しだけ照れくさそうに答えるスバル。
「そ・・・そんなの先輩が勝手に言ってるだけじゃ・・・」
いまだ顔が赤い、なごみの手を取り、畳み掛けるように告げる。
「君にはあまり情けないところは見せたくないんだ。
その思いが、この戦いのきっかけでもあるし、俺を支えたってのもあるんだ。」
「だから、先輩が勝手にやってるだけじゃないですか。私には関係ありません。」
少しだけ冷静さを取り戻したような、なごみの態度。
スバルは、そっと手を離して後ろに下がる。
「・・・今は俺の独りよがりだろうけどね。
まあ、あんまり野暮なことを言い続けるのもなんだしな。
俺の思いを分かってくれただでもいいさ。」

554 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編C :2005/08/25(木) 08:39:54 ID:EGiNBjDD
スバルはそれ以上は言わずに、静かに背を向けた立ち去っていく。
「・・・・・。」
その後姿を黙って見送るなごみ。
しかしその体は火照っており、胸の鼓動は早かった。
それが何を意味しているのかは、今のなごみにもを分からなかった。


「ん・・・ここは。」
「剣道場だよ。」
ようやく目覚めた乙女に、声をかけたのはレオだった。
この場に残っているものは、乙女とレオだけである。
「まあ、どこかに運んで安静させるのが一番なんだろうけど、
原因が原因なだけに保健室に運ぶのもなんだし、家まで運ぶのもちょとね・・・」
二人掛りで運んだら外聞が悪くて、一人で運ぶにはちょっと重い、と言おうとしたがやめた。
「ごめんね。満足な手当ても出来ないで。」
「そうか・・・。負けたんだったな。私は。」
枕代わりの鞄から頭を離し、上半身を起こしながら問う。
「・・・・・。うん。」
レオは躊躇しながらも正直に答える。
「くそ!!」
乙女は強く床を殴りつける。本気で悔しがっていた。
「何たる無様だ!私は風紀委員なのに・・・規律を守る立場なのに!!」
痛みに痺れる腕を意に介さず、何度も殴りつける。
何度も。何度も。

555 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編D :2005/08/25(木) 08:42:09 ID:EGiNBjDD
「乙女姉さん・・・別に、そんなに気に病むこと・・・」
「べつに!?別にですむか!!」
ここまで感情あらわに怒られたのは初めてのことである。
乙女はいつも、冷静だった。
少なくとも、八つ当たりのように相手を叱る事なんてなかったのに・・・。
「私は規律を守る立場にあるんだぞ。
規律というのは、人間社会において最も大切なものだ。
善人にとって、自分のすべき行為を迷うことなく導く指針となり、
悪人に対し、悪行への対応を示し牽制するもの。
すべての人間に必要なものだ。これなくして国も学校も成り立たない。
そこにはあやふやな部分は許されない。
そうすれば、規律に乱れが生じ、それによって形成された社会も崩壊する。
無論、規律の構造だけでなく、人々がそれを守ることが一番大切だ。
それを身内だからとか、相手が怖いからとかという理由で、緩やかにすることは許されない。
しかし、道徳や正義などを持ち出して人々を律することは、非常に有効で平穏安泰な事なのである。
そして、いくら理論や徳を聞かせても逆らうものに対して、強制的に恐怖を持って律するんだ。
私はその実力行使を担う役目にある。
その私が力で抑えられない生徒がいるということは、すなわちそこから規律が乱れるということだ。
私の力が及ばぬせいで。
武家の子として、情けない。」
そのときレオは、やるせない気持ちでいっぱいだった。
自分は両親が出かけて家でだらだら過ごして、毎日友達とぶらぶらして、
そんなに物事を深く、真剣に考えたことなどなかった。
乙女の言ってることは、正直言って正しいとは思えない・・・なんとなく。
しかし、ただ毎日をなんとなく過ごしてきて、何の信念も主義も持ってない自分。
毎日厳格な教育を受けて、頑な信念を持って生き続けた乙女。
そんな自分と乙女の言葉では、重みが違う。


556 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編E :2005/08/25(木) 08:45:35 ID:EGiNBjDD
ただの古臭い考えだとも思えれば、今の価値観とは相成れない真理とも思える。
たとえ乙女がただの偏執狂だとしても、
自分には説得することどころか、判断することさえ出来ない。
それが何より悔しかった。
自分は乙女を慰めることが出来ない。
間違ってるといって、場違いなことで気に病んでいる乙女に言い聞かせることもできない。
乙女の悔しさと悲しみを分かち合い、これからはもっとがんばろうと励ますことも出来ない。
自分は乙女の力になれないのだ。
この事実がレオを苛んでいた。
               ガバッ
「・・・レオ」
レオは乙女に抱きついた。少しでも乙女を慰められればと思っての行動だ。
的外れだったかもしれない。不器用すぎたかもしれない。
でも、たとえ自分の行動が間違いだとしても、
乙女を慰めたいと思う想いに間違いはない。
「大丈夫だよ。乙女姉さん。」
そういって、自分なりの慰めの言葉をかける。
「スバルは、そんな悪いやつじゃないよ。だからスバルに勝てなくったって、問題ない。」
自分には難しい話で言って聞かせることなど無理だと分かっている。
だから、理屈ではなく直感で言い聞かせることにした。
「さっきの話を聞かなかったのか。親しいからと言って、ひいきしたら他の者からの不満が募りそこから・・・」
「大丈夫。」
乙女の話を中断する。
「そんなこと言ったって言わなくたって、スバルは立派な人間だ。だから大丈夫だよ。
理屈がどうこうだけじゃなくって、人を信じるってのも大切じゃないかな。」


557 名前:販売前妄想 乙女VSスバル後編F :2005/08/25(木) 08:59:09 ID:EGiNBjDD
「・・・・・・・」
しばらく黙り込む乙女。そして・・・
「ふん、そんな事言われなくとも分かっている」
そういって、レオの体を引き離すと立ち上がる乙女。その顔はいつも通り凛としていた。
「しかし、女を慰めるつもりなら、全然ダメだな。
言ってる事も、やってる事も、せいぜい気休めがいいとこだ。」
「あ、ひでぇ。せっかく励まそうとしたのに。」
「ふん。この私を励まそうなどと10年早い。
しかし、私が取り乱したりした為に、お前に慰められたりするとはな。まったく我ながら情けない。」
「そ、そんな言い方はないだろ。
くそっ。俺がどんなに・・・」
そっぽ向いて、ぶつぶつ不貞腐れるレオ。
(本当は分かってるさ。不器用ながらお前なりに一生懸命励まそうとしたその気持ちは。)
「だいたい、スバルが言い寄ってたときと全然態度が・・・あでっ!」
照れ隠しに、軽く拳骨をかましながら乙女は言う。
「ふん。当たり前だ。他の男なら戸惑うこともあるが、お前相手にそんなことはない。」
そういって、無理やりレオをシャキッと立たせ、面と面向かい合って言い切る。
「私は、弟分のお前を、強く正しく立派な男になるよう導いてやらねばいかんからな。」
(それが、姉貴分としての私の愛情だ。
だから、お前にだけは、弱いところを見せたくはないからな。)
レオは、そのときの乙女の顔を真正面から見て惚けているが・・・だからこそ、
男女の仲へのハードルは、まだまだ高い事には気づいてない。

558 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 09:02:32 ID:We+ma0/i
終わりかな?
元ネタ分からんから笑わなかったけど最後はキャラが破綻せずに
まとまってた・・・と思うよ。GJ!

559 名前:あとがき :2005/08/25(木) 09:10:25 ID:EGiNBjDD
どうにか販売前に間に合わせた、さすらいのニトロファンです。
いやー。最後のレオx乙女は本当に苦労しました。
マジでどうしようか悩んでたら、理論的な話を挿入してみたら、見事に筆が進みました。
しかし今回はパロディしまくりで・・・
デモベ、ヘルシング、FATE、微妙にハレぐぅ。(そんくらいですよ。他にはありませんよ)

多分もうこのスレには来ないと思います。なんかみんな様の反応が怖いから。

こんな、リアルで生々しい話と理論的な話とパロディをこよなく愛する人間の書いた話に
最後まで付き合っていただきありがとうございました。

560 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 10:02:37 ID:IC/0fA+9
>>559
「突然」まで読んだ

561 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 10:41:01 ID:qrnxtJLa
乙女さんがオレ以外に金蹴なんてする訳がない

562 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 10:52:52 ID:rWzDyQVR
とうとう、SSで荒らす奴まで出てきたか。

563 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 12:53:32 ID:zeMV1GXk
書いたことないのにグダグダ言うなと言って
以前書いてたと言えば、古参が新参イジメて廃れると言う……
本スレからも非難してるし、ここもしばらく覗かない方がいいかな

564 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 13:28:52 ID:YIuj7E/T
どうしてSS職人同士って仲良くできないんだろうな?

565 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 14:20:49 ID:cO2TYsmX
スバルクンは女の子殴ったりしません。

566 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/25(木) 16:37:35 ID:qrnxtJLa
>>563
アンタ打たれ弱すぎ(ゲシゲシ)

567 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 03:42:14 ID:a2Sw+7pD
最近の非難は根拠のない雑言気味だったからな、結果として折角の新しいSS書きに
もう来ないと言わせてしまっている、そのことに反省もせず独り善がりな愚図愚痴。

まさにクズの所業。

568 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 10:39:34 ID:M6wGCd7x
>>540
> そもそも『ニトロ』ファンの時点で、『キャンディーソフト』と趣向が相馴れないのは分かっていただきたい。

すでにここからズレてると思うのはオレだけ?

569 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 11:22:36 ID:3wscnbde
>>568
俺も全くの同意見なんだが、そろそろ終わりにしようぜ……
我ながらずいぶん大人気ない騒ぎ方をしたと思うよ、いやホントみんなごめん
フラゲ報告で本スレを専ブラで更新するたびに見える、弟達の楽しそうなレスを見て
ちょっと気が立ってたせいだったんだよ……
だって手元につよきすがある今は、こんなに心安らかなんだもの……
みんなの手元に行き渡る頃には、きっとみんな仲良くできるさ

570 名前:568 :2005/08/26(金) 11:53:59 ID:M6wGCd7x
>>569
と、届いたか…
わかったよ。佐川がくるまで回線切って瞑想でもするわ…

571 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 19:47:39 ID:lngKJBYv
姉貴モノ投下します〜
状況は1と2の間。
すっかり弄られキャラになった姉貴ですが、
「意外と姉貴って、空也がいなくなって寂しがるほうかもしれない(心の中で)」
とか、「心の中では人生達観して、冷静になってるのかも」と考えて書いきました
姉貴の性格掴み切れてない部分もありますが。
あと、最後の方は2の冒頭を参考に書いたのですが、
一部ゲームとは違うところがあるので、事前に断っておきます。


572 名前:姉貴、心中を察す@ :2005/08/26(金) 19:48:43 ID:lngKJBYv
大学から帰ってくるなり、アタシはイカの部屋へ向かっていた。
気分はすこぶる悪い。
原因は、身の程をわきまえずにアタシに迫ってくるデブで不細工なゲス野郎。
「ホンッとにアイツったら、何考えてんのよ!!」
こういうときは、イカでもいじめてスカッとするに限る。
だが。
「あ……」
部屋の前まで来たとき、アタシの足は力なく止まる。
アタシとしたことが……、失念。
空也は一週間前に武者修行だとかいって、父さんとどこかに行ったんだっけ。
あのバカが居なくなって、せいせいしたと思うときもある。
でも。
「あのバカ……、アンタが居なけりゃどうやってストレス解消すればいいのよ……」
これが、アタシが口にできる精一杯のホンネ。

573 名前:姉貴、心中を察すA :2005/08/26(金) 19:49:53 ID:lngKJBYv
空也が柊家に来たのは、何年前のことだっただろうか。
ある日のこと、父さんが小さな男の子を連れてきて、今日からこの子が弟になる、と
言われたとき、正直アタシは少し嬉しかった。
家族が増えるのは悪いことじゃなかったし、何より、華奢な体の線に整った顔立ち、
そして、一際輝く瞳が印象的だったから。
とくん、と心臓が波打つ。それは空也に惹かれた瞬間だと、思う。
だけど、良かったのはそれまでだった。

空也は姉様しか見ない。
空也は姉様しか見ない。
いつも、いつも。
アタシの方を見ないで、姉様ばかり見る。
無性に、腹が立った。今はこれが、「嫉妬」というものだと少しは解るけど。
小さい頃のアタシには解らない。だから束縛するために、原始的手段に訴えた。
殴る。蹴る。おやつを横取りする。
あらゆる手段を使って、空也を服従させた。
すぐ泣いて、癪に障るということもあるけど。
その時だけは、空也はアタシのことを見るから。

でも、いじめればいじめるほど、空也はアタシから離れる。
2人ともまだ幼かった。心中なんて察せられるはずもなく。
空也はアタシから離れていく。
いじめをさらに酷くする。
空也はさらに離れていく。
悪循環だった。
そのうち、アタシは空也を憎むようになった。

574 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 19:51:46 ID:ASslDyJS
.

575 名前:姉貴、心中を察すB :2005/08/26(金) 19:52:45 ID:lngKJBYv
でも、しばらくして空也は沖縄に行ってしまった。
アタシにはいじめる人が居なくなった。
最初の数ヶ月間は、あの軟弱なのが居なくなってせいせいした、と思っていた。
でも。
その後、空虚感を感じた。
その空虚感は収まることなく、日に日に増大していく。
それが何なのか、アタシにはわからなかった。
だから、それを確かめるために。
大学で心理学を専攻することを決めた。

心理学を勉強して、あの気持ちが何なのか少し見えてきた気がする。
でも、空也が帰ってきたとき、アタシは前と同じく、空也をいじめてしまった。
そこで気づく。
どうやら、アタシにはあのキャラがお似合いのようね。
あれで照れを隠し、空也を束縛することがアタシの愛情表現。
だからアタシの傍には、空也が居なければ駄目なのよ。
だから。今また空也がどこかへ行ってしまったのは、非常に寂しい。
他の誰にも言えないけど。

「空也……、さっさと帰ってきなさいよ……」
誰にも聞かれちゃいけない言葉を呟き、アタシは部屋へ戻った。

576 名前:姉貴、心中を察すC :2005/08/26(金) 19:54:52 ID:lngKJBYv
10ヶ月後。
帰ってきた空也を迎えに、アタシは駅まで出向いた。
駅に着いて程なく、少しだけ日焼けして逞しくなった空也を見つけた。
相変わらず、マヌケな顔だけは変わってないけど。
それは少しだけ誇らしいが、再会はやっぱり気恥ずかしい。
それに、アタシにはこのキャラしかない。それが一番合っている。
だから、今までのアタシで接する。
「あ、マヌケな表情(カオ)してる弟発見」
そう言って、指を指してみる。
そして、二言三言交わした後。
「ただいま、姉貴。逢いたかった!」
抱きつかれた。
瞬時に頭がスパークして、何がなんだか解らなくなる。
その中で、やっぱりアタシは空也が好きだ、ということを再認識して照れくさくなり。
「あ、暑苦しいでしょうが、このヴォケがっ!汗かいちゃうでしょ、さっさと離れなさいよ!うっとうしい!!」
10ヶ月間の万感の想いを込めて。

ドカッ

あたしはイカを蹴る。

〜END〜

577 名前:〜反省会〜 :2005/08/26(金) 20:01:49 ID:lngKJBYv
ども。お目汚し失礼しました。
謝り倒すのもあれなんで、ここで止めておきます。

でも、つよきす買ってきてインストールもしないままこれ書き込んでる俺って一体……
と思ってしまう俺でありました。
俺は歴史ファンなので、柊家は御家人だったということに目をつけ、
ひなのんネタと絡めて次は書いてみたいと思います。
それでは機会があったらまた。

578 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 21:14:50 ID:kmYZ4Lyj
乙!
ツインかわいいよツイン

579 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/26(金) 21:40:15 ID:zmWEsnpJ
姉貴がこんなにかわいらしく思えたのは初めてだ
GJ!!

580 名前:SSD :2005/08/27(土) 03:24:12 ID:8n8+NeEY
すらすら読めて面白いです。GJ

581 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/27(土) 15:21:34 ID:BVVX1xTW
あ〜姉貴、素直になるんだ姉貴、と思わず画面の前からエールしちゃいそうな姉貴ですね、GJ

582 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:18:58 ID:mhwkyZS6
「ふぅ」
激しい愛の営みを終え
俺の隣でスヤスヤと寝息を立てている乙女姉さんを見つめ
俺はちょっとため息をつく。
別に不満があるわけじゃない。
最近では俺も乙女姉さんもHに慣れてきた。
乙女姉さんのほうからら積極的に俺を求めることもあるぐらいだ。
現状にはなんの不満もないんだけど・・・
不安なことが一つだけある。

乙女姉さんは、全然避妊をしようとしないのだ。
以前、俺の子供なら喜んで産む、と言ってくれて
そのことは素直に嬉しいんだけど
今妊娠すれば竜鳴館を退学になるのは必至なわけで。
俺としては、乙女姉さんとの残り少ない学園生活を
まだ楽しんでいたいわけで。
なにより、乙女姉さんを中途半端に退学させたくない。
やっぱり、ちゃんと話し合ったほうがいいんだろうけど・・・
なんて言って説得すればいいかなぁ。

583 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:19:52 ID:mhwkyZS6
「だからって俺にそんな相談されてもな」
放課後。珍しく竜宮でスバルと二人だけになったので
いい機会だから相談してみたが
さすがのスバルもちょっと困り顔だ。
「いやフカヒレやカニにこんな相談できないし」
「そりゃそうだな。フカヒレなんか妄想しまくるだろうし」
「姫や佐藤さんにもちょっと聞き難いだろ?」
「姫になんか相談したら、いいようにからかわれるのがオチだな」
「椰子なんか鼻で笑いそうだし、祈先生は大人だけど、やっぱり教師だしさぁ」
「わかったわかった。まったく、世話の焼ける坊主だな。
 で?なんで乙女さんは避妊したがらねぇんだ?」
「うん、乙女姉さんが言うには・・・」

「だいたい、これは元々子供を作るための行為なわけだろう?
 それを、最初から否定して行為だけを行おうというのは
 何か不自然な感じがして、私は嫌だな」

「・・・と、いうことなんだけども」
「ふ〜ん。まああの人らしいっちゃぁあの人らしいな」
「うん。納得できる部分も確かにあるんだけど
 今妊娠しちゃったら困るのも事実だし」
「だろうな・・・
 よし、こんなのはどうだ?」

584 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:21:05 ID:mhwkyZS6
「乙女姉さん、ちょっといいかな」
夕食後。スバルから授かった秘策を胸に乙女姉さんに話を切り出す。
「なんだ?鍛錬メニューならもう決まっているぞ?」
「いや、その後のことなんだけど」
「その後?」
「うん。ぶっちゃけ、男と女の愛の営みについて」
そう言うと乙女姉さんが少し頬を赤く染める。
いつまでたってもこういう恥じらいがあるのっていいよな。
「な、なんだ?その・・・回数なら、あと2〜3回は増やしてもいいぞ?」
いや、それは俺が死にます。
「回数のことじゃなくてですね」
「うん?すると・・・は!」
「なに?」
「ま、また何か新しいスケベな事を!?」
「・・・違います。まあ、それは追々試していくとして」
「そ、そうか」
なんで残念そうなんですか。
「話っていうのは、その・・・俺たち、ぜんぜん避妊とかしてないよね?」
乙女さんの表情が一瞬で真顔に戻る。
「そのことか。前にも言ったが、そんな必要はない。
 むしろ、そうなれば私は喜んでお前の子を産むぞ。
 こうなった以上、それなりの覚悟はしているつもりだ。
 お前は・・・嫌なのか?」

585 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:23:51 ID:8xdjA3N3
「いや、乙女姉さんがその覚悟なら俺はどこまでもついていくよ」
「うん。よい心構えだ。嬉しいぞ」
「でもね、産まれてくる子供には、そんな覚悟とか関係ないよね?」
「・・・う・・・それは・・・」
「今、子供ができて、正直、俺たちにちゃんと育てられるのかな?
 俺たちは覚悟の上だからどんな苦労をしてもいい。
 でも、子供にはそんな苦労はさせたくないとは思わない?」
「うん・・・」
心なし、乙女姉さんの肩が落ちる。
ちょっと悪い気もしたけど、このまま説得させてもらおう。
「それに、避妊が悪いことみたいに言うけど
 経済的に余裕がない夫婦とかは、愛し合っていても
 まだ子供を作れないってケースもあるよね。
 そんな時には、やっぱり避妊するしかないと思うんだ」
「そ、そうだな・・・避妊についての認識は、私が間違っていたかもしれない」
「でしょ?別に悪いことじゃない。
 むしろ、今の俺たちには必要な事だと思うんだけど・・・どうかな?」
「う・・・」
乙女姉さんは困った顔のまま考えていたが、やがてすっくと立ち上がった。
「すまない・・・少し、一人で考えさせてくれないか?
 ・・・それにしても、レオは先のことをよく考えているんだな。
 お姉ちゃん、ちょっと感心したぞ」
そう言って、ちょっとだけ乙女姉さんが笑う。
でも、どこか自嘲気味にも見えて、痛々しくさえあった。
「今日は・・・自分の部屋で休む。すまない。気持ちの整理がつくまで・・・」
「うん・・・いいよ。俺も無理強いはしたくないから
 納得がいくまで考えて」
「ありがとう。じゃあ・・・おやすみ」
結局。乙女姉さんはその日はそれっきり部屋から出てこなかった。

586 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:26:27 ID:8xdjA3N3
そして翌日。
今日は学校も休みだし、また話し合ってみるかな。
でも、昨日の様子だとかなり考え込んでしまっていたっけ。
乙女姉さんは根が真面目だからなぁ。ちょっと心配だ。
そう思いながら階段を降りると
すでに出かける支度を終えている乙女姉さんがいた。
「レオ、私はちょっと出かけてくる。
 せっかくの休みなのにすまないが、夕方には帰るつもりだ」
その眼には、昨日の夜のような迷いはない。
何か、吹っ切れたんだろうか。
「行ってらっしゃい・・・でも、どこに行くの?」
「う、うん・・・昨日の話のことで、相談に乗ってもらいに、な」
え。乙女姉さんが・・・避妊するべきかどうかを相談する?
・・・誰に!?
やっべ、すっげぇ気になる!
「ねえ、その相談相手って・・・あれ」
もう、出かけていた。
相変わらず、行動が早い人だ。

夕方も過ぎて、もう8時。じりじりしながら待っていると
「ただいま。すまない、すっかり遅くなってしまって」
玄関から晴れ晴れとした声。乙女姉さんが帰ってきた。
ダッシュで出迎えると
「ただいま、レオ・・・ん、ちゅ」
今まで通り抱きしめてただいまのキス。
よかった、乙女姉さんの中では決着がついたみたいだ。

587 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:29:10 ID:8xdjA3N3
「おかえり。晩飯はスバルに頼んで作ってもらっておいたよ」
「そうか、伊達にも悪いことをしたな」
「それで・・・今日はどこに行ってたの?」
「うん・・・まあ、玄関で立ち話も落ち着かん。
 それにせっかく伊達が夕食を作ってくれたのだろう?
 まずは食事をすませよう」
「わかった」
帰りがはっきりしない乙女姉さんのために
スバルが冷めてしまってもいいようなメニューを揃えてくれたので
食事はやっぱりうまかった。
ふと箸を止めて、乙女姉さんが皿をじっと見つめる。
「やっぱり、伊達の料理はうまいな。私も・・・もっと頑張らねば」
「まあスバルは長年の自炊で鍛えてるからね。
 乙女姉さんも、時間をかければ上達するよ」
「そうだな。ありがとう、レオ」
そう言って乙女姉さんはニコッと笑うと、また一心に料理を平らげ始めた。

食事を終え、二人で後かたづけをすませる。
二人分のお茶を入れて、向かい合って座った。
「それで・・・今日はどこへ?」
「うん。なにしろ、経験のないことの相談だからな。
 だから、経験者に相談してきた」
「・・・経験者?」
「うむ。最初は・・・母様に・・・」
「いやそれはマズイっしょ!」
想像する。
『従兄弟(オレね)の家に下宿を始めたら、相思相愛になってしまいました。
 やはり避妊はしたほうがよいでしょうか?』
言いかねない。この人は言いかねない!
「落ち着け。よく考えたら
 母様にはまだ言えないと思ったので、母様のところには行ってない」
いや、普通思いつきもしませんよ?

588 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:32:25 ID:8xdjA3N3
「だから、いろいろ病院を回ってみた」
「病院?」
「うん。産婦人科を回って、今実際に妊娠している人や
 出産直後の人に頼んで話を聞かせてもらったんだ」
なるほど。しかし、赤の他人にそういう話を聞かせてもらおうってのも
ある意味、すごい行動力だな。
「最後はな、ちょうど産気づいた人がいて
 その人とお医者様に頼んで、実際の出産に立ち会わせてもらったんだぞ。
 まあ・・・そのせいで、帰りが遅くなってしまったんだがな」
すげえ。乙女姉さんってやっぱりすげえ。

話し続ける乙女姉さんの眼はキラキラと輝いている。
「とても勉強になったよ。皆さん、とても苦労をしていて
 出産なんて、ものすごく苦しそうなのに・・・
 誰も、それを嫌がっていないんだ。
 みんなすごく・・・強くて、優しい人たちだった。
 憧れた。私もああなりたいと強く思った」
あ、あれ?
なんか・・・妊娠肯定のほうに傾いてる?
だけど
続けた言葉とともに、乙女姉さんはトーンダウンした。
「そして・・・痛感した。
 自分は、まだまだ母親になるには未熟だ、ってな」
「・・・え?」

589 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:35:17 ID:8xdjA3N3
「子供を育てるって、すごく大変なんだってわかったよ。
 昨日の夜、お前が言ったとおりだ。
 今の私には、産むことはできても、育てることは出来ない。
 たとえば・・・料理だって、今の私には満足に出来ない。
 子供にまで、毎日おにぎりを食べさせるわけにはいかないだろう?」
・・・俺は今、毎日おにぎりなんですが?
「それに・・・ある人が、こう言っていたよ。
 後で少しでも後悔するようなら、子供はつくるべきじゃない、ってね」
「そっか・・・」
「だから・・・今は、お前の言うとおり
 妊娠はしないようにしようと思う」
「うん・・・わかってくれて、ありがとう」
「今は無理だけど、いつかは立派な母親になれるように
 私も頑張らねばな。もっと強く!逞しく!」
いや、強さとかはもう十分だと思います。

590 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:36:44 ID:8xdjA3N3
「ふっ・・・ん、ぅっ・・・」
オレの部屋。
すでに一糸纏わぬ姿になって
互いの体をて慈しむように愛撫しあう。
「そろそろ・・・いい?」
「うん・・・」
乙女姉さんがこくりとうなずくのを確認して
俺は枕の下からコンド−ムを取り出した。
「あ・・・用意、してあったのか?」
「う、うん、まあね」
実を言えば、相談に乗ってくれた後でスバルが

「説得がうまくいったら必要になるだろ?とっとけ」

と、半ば押しつけるようにくれたので
早速使わせてもらうことにしたのだ。

乙女姉さんがしげしげとパッケージを見ている。
「これは・・・説明書とかは、ないのか?」
「特にそういう物はないのでは」
「そうか。まあ開けてみよう」
ピリピリ・・・
躊躇なく封を切り、中身を手のひらに乗せる。
「ずいぶん・・・小さいんだな。これを・・・その、かぶせるのか?」
「うん、そう。まあ、俺がやるから」
「つけたことあるのか?」
「いや、使ったことはないけど・・・」
「だったら、お姉ちゃんに任せておけ」
そう言うと、いきり立つ俺の股間の前に身をかがめた。

591 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:38:35 ID:vSktNg/y
「まずは広げないとな」
びろびろびろーん。
丸まっていたコンドームをいきなり伸ばし始める乙女姉さん。
「そうじゃないと思う・・・」
「うん?靴下を履くようなものじゃないのか?」
「まあ確かに真ん中の足だけどネ」
「・・・・・・」
オヤジギャグだった。
乙女姉さんの視線が突き刺さる。
「スイマセンゴメンナサイ」
「・・・では気を取り直して、いくぞ・・・はっ!」
なぜかけ声。
しかし、気合いも空しく頭の部分が半分くらい包まれたところで
コンドームは引っかかってしまう。
「む・・・難しいものだな」
そのままゴムをつまんで、根本の方にたぐり寄せようとするが・・・
基本的に、乙女姉さんは手先が不器用な人だった。
「ええい、この・・・ぐにゃぐにゃするな!」
「いや、さっきからもうビンビンですよ?」
「ち、違う、この・・・ゴムのことだ」
ぐにゃぐにゃしてないコンドームなんて微妙すぎ。
「まったく・・・なんなんだ、この根性なしは!」
根性入ってるコンドームってどうよ。
「くっ・・・てやぁっ!」
「あだだだだだ!?
 な、中身ごとつまんでる!ひ、引っ張っちゃぐあ!?」
「う・・・が、がんばれ、気合いだ!」
無茶言うなーっ!

592 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:39:24 ID:vSktNg/y
結局
一個目は俺が自分でつけた。
二個目は俺が教えながら乙女姉さんが付けた。
三個目は悪戦苦闘しながらも乙女姉さんが一人でつけた。
四個目はかなり手際がよくなった乙女姉さんがつけた。
当然、つけた後は消費をしているわけで・・・
そして今、五個目を鼻歌混じりにつけようとしている。
「あの・・・まだするんですね?」
「うむ。こういう技は、覚えはじめの反復練習が大事だからな」
あくまで体育会系のノリだった。
「ていっ!」
相変わらずかけ声出すし。

用意してあったコンドームを使い切って今日の反復練習は終わった。
用意したの六個だけでよかった・・・
ベッドの上で寄り添いながら
乙女姉さんはまた今日の出来事をいろいろ聞かせてくれた。
「ところで、レオは子供は何人ぐらい欲しい?」
「え?・・・うーん、具体的に何人って言われると困るな」
「私は・・・なるべくたくさん欲しいな。
 そうだな、少なくとも野球の試合ができるぐらいは欲しいぞ」
「野球!?マジ!?9人!?」
「何を言っている」
「そ、そうだよね。いやあ、乙女姉さんが冗談言うとは・・・」
「1チームで試合ができるか。2チーム分、18人だな」
「ぐはぁっ!?」
・・・まあ、何をするにも一生懸命なこの人なら
何をするのも不可能じゃなさそうだ。
「えーい、野球といわずサッカーでもラグビーでもできるぐらい作っちゃうぜ!」
「うむ、その意気だ!それでこそ、我が夫に相応しい!」

593 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 13:43:45 ID:vSktNg/y
いやー、まだコンプしてないけど面白いっすね「つよきす」!
というわけで今のとこお気に入りの乙女姉さんで行ってみました。
さ、続きしようっと♪

594 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/28(日) 14:40:30 ID:1i7a22AA
神、いわゆるゴッド降臨

595 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/28(日) 14:45:08 ID:NS0sUuM1
>>594
IDすごいな

596 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/28(日) 15:29:12 ID:XzyZ6caw
ふいんき出てますなぁ
普通に乙女シナリオの中で出せそうなネタGJです
この調子で各キャラ分PLZ

597 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/28(日) 21:31:15 ID:oEVg3+4a
最高っす
でも他の人への相談版も見てみたかったかも
でもまあもしフカヒレに相談してたら…

フカヒレ「だったら『後ろですればいい』じゃないかー!!」
とか言い出しそうですね

598 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/28(日) 22:02:15 ID:2VOwdleb
>>593
GJ!乙女さんらしさ出てますねー。
よっぴーもクリアしたらSSキボンヌ。

599 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:42:39 ID:vSktNg/y
あの雨の日から
良美は変わり始めた。
いや、変わろうとし始めた。
心の底に根付いてしまった闇を打ち払おうとしていた。
闇を打ち払うものは光。
今は、まだ俺だけが
良美にとっての一筋の光明だ。
おずおずと、おびえながら
それでも一歩ずつ、光に向かって歩き始めていた。
俺はただ、そばにいる。
そばにいて、良美を照らし続ける。
だけど
本当は気づいてほしくもあった。
良美を照らす光は、一つだけではないということを。

竜宮。
俺と姫の二人だけの時に切り出した。
良美は学校に来ていない。
怖いのだ。
自分が周囲を騙していたと。皆を裏切ってきたと思いこんで
それが皆に知られた。皆が自分を嫌っている。
それが怖い。怖くてたまらない。だから、もう学校に行けない。
ただ自宅のマンションで俺が訪れるのを待つだけになっていた。
「それ・・・本当によっぴーのためになるのね?」
はっきりとした理由は言わなかったが、姫は黙って話を聞いてくれた。
「それは・・・わからない。
 無駄になるかもしれないし、下手すると逆効果かも」
「頼りないわねぇ」
「それでも、それしか思いつかないんだ。
 頼む、姫!協力してくれ!」
「・・・いいわ。私も対馬クンを信じる。
 私のよっぴーが、信じた人だものね」

600 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:44:21 ID:vSktNg/y
「ただいまー」
「あ、レオくん。おかえりー・・・もう、学校終わったの?」
「いや、まだ。良美に会いたくて抜け出してきた」
「あ、いけないんだぁ・・・って、サボってる私が言えることじゃないか」
良美は今はもう、それほどひどい鬱状態ではない。
ただ、学校の話題とか出すと未だにどよ〜んとしてくる。
なので、学校とは関係ないかのように誘いをかける。
「なあ、たまには少し外に出ないか?」
「・・・外?」
「ほら、天気もいいしさ。松笠公園でもブラブラして。
 ずっと閉じこもってちゃ気持ちだって晴れないだろ?」
ちら、と良美が時計を見る。
午後1時。普通ならまだ授業中だ。
今なら、外に出ても学校の連中と会うことはないと踏んだのだろう。
「じゃあ・・・1時間くらい、なら」
「よし、じゃ早速行こうぜ!」

601 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:48:48 ID:vSktNg/y
外に出る。今日はひどく暑い。
が、暑さに強い良美は割と平気なようだ。
「いい・・・天気、だね」
空を見上げ、まぶしそうに目を細めながらつぶやく。
「な、外に出ると気分いいだろ?」
「そうだね。ありがと、レオくん」
手を繋いだまま、公園の中をブラブラする。もう、いいだろう。
俺は良美の手を引いて、広場へと向かった。


602 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:49:32 ID:vSktNg/y
「・・・っ!」
広場の入り口で、良美が身をすくめた。
松笠公園には所々に草の生い茂る緑地があって
昼時には弁当を広げる人々とかで賑わう。
だけど、今目の前に広がっている緑地には
異様な集団が集まっていた。
俺と同じ、竜鳴館の制服に身を包み
皆一様にしゃがみ込み、這い回っていた。
「レッ・・・レオ・・・くん」
おびえて俺の陰に隠れる良美に、俺はささやく。
「・・・俺が頼んだ。でも、俺のためじゃない。
 皆・・・良美のためにやってる」
皆うつむいているので俺と良美が来たことには気づいていない。
スバルが。フカヒレが。イガグリが。豆花さんが。
意地悪されたカニが。浦賀さんが。
面倒くさがりの祈先生が。
そして何より
俺まで驚いたことに姫が。
気高く、美しく、汚れ仕事なんて決してしそうにない姫が。
汗にまみれ、泥で手を汚し、地べたを這い回っていた。
2−Cの全員が、今、ここにいる。
「エ・・・エリー・・・な、何してるの?
 みんな、あんなになって・・・何してるの?」
そのときだった。
小さなカニの体が勢いよくはね上がる。
「あぁーーったぜーぃっ!」

603 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:50:15 ID:vSktNg/y
続いて、広場のあちこちから喜びの声があがる。
「俺も見つけたぞー!」「ウチも!」「ワタシも見つけタネ」
よく見れば
2−Aの村田や西崎さんが。
他人には無関心な椰子が。風紀委員で校則に厳しい乙女さんが。
中には俺が知らない顔までが。
次々に立ち上がり、一様に手を差し上げて歓声をあげていた。
「な・・・何かの・・・行事?」
「いや、違う。みな探してるんだ。良美のために」
「何を・・・何を探してるの?」
ふらふらと
良美が俺の陰から歩み出る。
「私の・・・?私なんかのため・・・?
 こんな・・・こんなイヤな女のために・・・
 何を・・・何を探してるの・・・?」
もう、わかってるはずだ。
だけど、ここは自分で確かめなくちゃいけない。

604 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:51:18 ID:vSktNg/y
さく、さくと草を踏みしめて
良美が広場に入っていく。
「あ・・・」
皆がそれに気づき、動きを止める。
そんな中
ようやっと姫が立ち上がった。
「あった!あったわ!やっと見つけたぁ!・・・あ」
もう姫の前に良美は立っていて
立ち上がった姫と向き合う形になっていた。
「エリー・・・?何してる・・・の?
 泥だらけじゃない・・・汗だくだよ・・・?
 そんなの・・・エリー、似合わないよ・・・」
「・・・探してたのよ。はい、これ」
姫が右手を差し出す。
その指につままれているのは、小さな緑。
「いやー、こういうことしたことないから苦労したわー。
 でも・・・見つかって、よかった。
 ね・・・受け取って」
「で・・・でも・・・」
姫が手を差し伸べたのをきっかけに
散らばっていた皆がわっと集まってくる。
「よっぴー、俺のも!」「私のも受け取ってー!」「ウチのも!」
「アタシなんか2つ見つけたもんね!ダブル!ダブル!」
皆が皆。良美に受け取ってもらおうと手を
その手につかんだ物を差し出している。
無数の、四つ葉のクローバーを。

605 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:52:47 ID:vSktNg/y
俺もまた、良美の後ろに歩み寄る。
「受け取るんだ」
「レ・・・レオくん・・・」
「受け取るんだ、良美。これが、皆の気持ちだから。
 この暑い日に、汗と泥にまみれて、一銭の得にもならないことを
 ただ、お前のためにしてくれた。お前の幸せを願ってしてくれたんだ。
 人間全てを信じられなくてもいい。
 そんなこと俺だってできないよ。
 だけど、俺を信じることができたんなら
 ここにいる皆の気持ちは信じられるはずだ。
 信じていい・・・いや、信じなくちゃいけない」
「わ・・・わた、わた、し・・・」
ブルブルと震えながら
手を差し出し
そして
溢れる涙を拭こうともせずに
良美は、掴んだ。
幸せの、四つ葉のクローバーを。
誰言うともなく、歓声があがる。
「おかえり、よっぴー!!」

606 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/28(日) 23:54:25 ID:vSktNg/y
運良くよっぴーはクリアしてましたのでリクエスト通りに。
さ、カニっち行こうっと。

607 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 00:17:49 ID:69IapOd7
>>606
オーダーSSキター!!!GJ!

ていうか、マジ泣けるよコレ…

608 名前:保管庫の中の人 :2005/08/29(月) 00:19:56 ID:xLeUdZAI
>>606
保管庫メンテしようとしたら
Rion姐さんキテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
コテつけるようになったのね。

個人的なリクエストをさせてもらうと、できれば作者さんにタイトルつけてほしい…。
自分のセンス無しタイトルでUPしてからorzな気分になること度々なもので…

609 名前:保管庫の中の人 :2005/08/29(月) 01:50:31 ID:xLeUdZAI
投稿中ぽいので収録は控えまして。
左側のリストをつよきす有の仕様に変更しました。
それと同時にタイトルを「きゃんでぃそふと SS&AA保管庫」に変更。

あとどうでもいいけど10日くらい前からアクセスが倍くらいになってる…

610 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 02:21:45 ID:wd4Ts3AY
や、やべぇやべぇ、いまリアルで始めたとこなんでつよきすのSSは
事前にネタばれ要素ありかなしか書いてくれると非常に助かります。

611 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 02:23:51 ID:xqyRZ61Y
>>606
・・・これ下手すっとエピローグこっちのがいいんじゃね?的GJ!

>>609
乙です。アクセス増えてるのもつよきすがらみなんかねぇ

612 名前:SSD :2005/08/29(月) 04:07:22 ID:qM5Kp3Ch
つよきすまだ来てない。・゚・(ノД`)・゚・。ので、こう言う雰囲気なのかと
今からより楽しみになりました。GJ

613 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 04:45:29 ID:DQ/iCY60
>>606
まじやっべ・・・素晴らしい!よっぴーEDにつながるじゃん的素敵SS
カニSSに超期待


614 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 11:19:30 ID:/6WKnpMC
>>610
すべてネタバレ有りだと思っとけ

615 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 13:04:02 ID:QU9eqx45
>>610
ネタバレなしのSSって有るのかな

616 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/29(月) 17:54:20 ID:NGKGj5tv
きゃんでぃそふとスレ86
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1125302373/

617 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/30(火) 00:33:57 ID:j/VdVlNY
本スレにフカヒレのAAの新作が作られてた

618 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/30(火) 15:31:47 ID:pmXb3S1S
>>606
おお、もうつよきすSSもきましたか GJです

619 名前:夏かぜひなのん 1/3 :2005/08/31(水) 12:34:14 ID:q4CM4tCd
ミーンミンミンミンミン・・・
 「・・・・・今日も暑いなぁ。まるよ。」
 「ギューギュルギュルギュ!(クーラーのある部屋に行こうぜ!ひなのん!)」
 「暑い日にくーらーにあたってばかりというのも体によくないと、みの殿が言っておったぞ。
それに今はかなめもたかねも家にはおらぬ。
いくら我がみんなのお姉さんでも、妹達のぷらいばしーは尊重せねばな。」
 「ギュッ、ギュル〜(そっ、そんな・・・)」
 「まぁ、まるよ。おぬしの気持ちも分からんでもないぞ。
最近は夜も寝苦しいからなぁ。
我も、こうして縁側に座ってるだけで・・・・・・頭がぼ〜・・・・っと・・・・」
ぱたん
 「ギュッ!ギューギュルギュル!(ひっ、ひなのんが倒れた!?誰か呼んでこないと!)」
・・・

 「(・・・ん?我はどうしたのだ?ともえと、これはせんせいの声か?)」
 「・・・・・ぇさん、雛乃さんはもう大丈夫ですから、泣かないでくださいね。」
 「えぐっ、うぅぅ・・・すみません。姉のことがし、心配で。
・・・あっ、ありがとうございました。」
 「はい、お大事に。また何かあったらすぐに電話してくださいね。」
スー・・・トン
 「ともえよ、今出て行ったのはかかり付けのせんせいか?」
 「あっ!姉さん!き、気が付いたんだね。よかった・・・本当に、よかった。(ぎゅ〜」
 「むぐ〜!こっ、これ!そんなにきつく抱きしめるでない!我を殺す気か!」
 「あぅ・・・ごっ、ごめん。嬉しかったからから、つい・・・。」
 「ところで、我はどうしたのだ?縁側でまると話していたところまでは覚えているのだが。」
 「うん、お昼ちょっと前に、マルが私のところに飛んできて、手を引っ張るから
なんだろうって思ったら、姉さんが縁側できっ、気を失っていたんだよ。
急いでいつもの先生に電話して、姉さん達や妹達、空也にも連絡取ったよ。」
 「・・・で、せんせいはなんと言っておられたのだ?」

620 名前:夏かぜひなのん 2/3 :2005/08/31(水) 12:40:02 ID:q4CM4tCd
 「最近夜も寝苦しいし、疲れが溜まったんだろうって。たっ、単なる夏風邪だって。」
 「ならばくうやと妹達に連絡を取ったのは、おぬしの早とちり、と言うことだな。」
 「あぅ、ごっ、ごめんなさい。・・・でも、姉さんのことが心配で心配で・・・」
 「・・・まぁ、我を心配してくれての行動だから、これ以上何も言うまい。
それにしてもほんにともえは心配性よなぁ。
とりあえず、礼は言って置こう。ありがとうな。ともえ。飴をやろう。」
 「あっ、ありがとう。」
 「我が今着ているこの長袖長ずぼんのぱじゃまはともえのか?」
 「姉さんの汗拭いて、すぐに服を着せなきゃいけなかったから、私のにしちゃったんだ。
・・・嫌だったかな?」
 「たまにはこう言う格好も悪くは無い。ともえのぱじゃまのさいずが丁度と言うことは、
我もようやくに背が伸びたのかもしれんな。ふふふ。」
 「あぅ・・・ごっ、ごめん、それ、私の半そでハーフパンツのパジャマ・・・」
 「・・・む〜!粛清・・・淘汰・・・」
 「お、お昼が出来るから、もって来るね・・・」
・・・

リー・・・リー・・・
 「ただいま。」
 「あっ、お帰り、要芽姉さん。こんな遅くまで、お疲れ様。」
 「これでも早めに仕事切り上げてきたのだけれどね。姉さんはただの夏風邪らしいわね。」
 「えっ、何で知ってるの?」
 「あなたから電話もらってからちょっとして、様子を見に帰ったって言う瀬芦里から電話が来たのよ。
巴の事だから過剰な心配したのかも、とは思っていたのだけれどね。」
 「あぅ・・・ごめんなさい。」
 「ふふふ・・・いいのよ。もう皆寝ているのでしょう?あなたも早く寝なさいな。」
 「うん。姉さんのおでこタオル用の水がぬるくなってきたから、水とタオルを冷たいのに代えたら寝るよ。」
 「・・・私がやるわ。だからあなたははもう寝なさい。」
 「えっ・・・でも・・・」
 「いいから。」
 「・・・うん。ありがとう。要芽姉さん。」
・・・

621 名前:夏かぜひなのん 3/3 :2005/08/31(水) 12:45:35 ID:q4CM4tCd
スー・・・トン
 「ZZZzzz・・・」
 「(姉さん、巴にはああ言いましたけど、私、とても心配したんですよ。・・・タオルを変えなくてはね。)」
ちゃぽ・・・ギュッ・・・ぴと
 「むぅ!・・・むにゃむにゃ・・・Zzzz。」
 「(・・・起こしてしまったのかと思ったわ。後はうちわで扇いで・・・)」
ぱたぱた・・・
 「Zzz・・・」
 「(それにしても、姉さんのこの格好・・・なんて可愛らしいのかしら。
姉さんが風邪を引いていなかったら、おそらくこの衝動、抑え切れなかったわね。)
ふわぁー・・・あ(姉さんの無事な顔を見たら、なんか眠く・・・もう・・・だめ・・・)」
コテン
「「ZZZzzzz・・・」」
・・・

チュンチュン・・・
 「ともえよ、今日も早いのだな。」
 「ひっ、雛乃姉さん、まだ寝てなきゃだめだよ。」
 「いや、我はもうすっかり大丈夫だ。体のきしみもなくなったし、すっきりしたものだ。
ただ・・・朝起きたら要芽が横にいて、な。」
 「あぅ?」
・・・

 「で、雛乃姉さんから姉様に風邪が伝染っちゃったの?」
 「どうやらそっ、そうらしいんだ。」
 「空也!早く私の・・・こほっ、こほ・・・みんとあいす持ってきなさい。」
 「はーい!ただいま!・・・流石姉様、咳の仕方まで上品だぜ。」
・・・
 「かなめよ。己の身を犠牲にしてまで姉を助けるとは、天晴れであるぞ!飴をやろう。」
 「ありがとうございま・・・こほっ!」
 「うむ!早くかなめが元気になるよう、ばいと先で祈ってこようぞ。
今日も天下は太平である、な。」

622 名前:SSD :2005/08/31(水) 12:49:27 ID:q4CM4tCd
つよきすSSで来た人、ごめんなさい。姉しよSSです。
夏風邪の話ですが、ちょっと出す時期を間違いましたね。
これから山のように来るであろうつよきすSS(おいらはまだ書けないけど)
の箸休めとして楽しんでいただければ幸いです。


623 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 14:10:28 ID:aoAAAnPH
>>606
俺1人で全米分泣いた

624 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 16:06:59 ID:QhOTSiU8
>>622
いつも楽しませてもらってます
GJ!

625 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 17:21:47 ID:k9laHFkO
なんかしみじみします。
流石です。

626 名前:チャーハン作るよ!・1 ◆Rion/soCys :2005/08/31(水) 17:54:47 ID:Su2u6b2n
「おーい、レオー」
そろそろ昼も近くなった頃
きぬがひょい、と窓からやってくる。
「うぃーす・・・どした?ビミョーな顔して」
「あ、うん・・・今日さ、皆出かけちゃってボクんち誰もいないんだ」
「ほ、ほう?それは・・・今日はお前の部屋で思いっきりってことか?
 誘ってるのか?そうやって俺を誘ってるのか?」
「ち、違う違う!・・・いや、それもあるにはあるんだけどさ」
あるのか。
「さしあたって、昼飯どうすんよ?」
「あ」
乙女さんもスバルもいない今
俺は飯のほとんどを叔母さんの好意に甘えて蟹沢家でお世話になってるのだ。
もっとも、きぬはまだ料理修行中で、実際に飯を作ってるのは叔母さんだ。
つまり、現状では飯の作り手がいない。
「しゃあねえ、オアシスでも・・・」
行くか、と言いかけたところできぬが一つ咳払い。
「ウホン!えーと・・・よければ、ボクが作るよ?」
「うえ」
「う・・・『うえ』ってなんだよ『うえ』って!」
料理の修行はしてるったって、元を考えれば
多少上達したところでちょっとどうよ?
ってとこなんだが、せっかく作ると言ってくれてるわけだしな。
「わかった。頼む」
その一言できぬはパァッと表情を明るくする。
「オッシャァ!作っちゃるからチャッチャと来いやぁ!」
そう気合いを入れると、ズンズンと鼻息も荒く部屋を出ていく。
やれやれ・・・何食わされることやら。

627 名前:チャーハン作るよ!・2 ◆Rion/soCys :2005/08/31(水) 17:57:11 ID:Su2u6b2n
「で、何作るんだ?」
「ん・・・飯が残ってるんで、チャーハンとか・・・どうよ?」
何か探るような目つきできぬが尋ねてくる。
チャーハンか。そういや最近食ってねーな。
「おう、いいぞ」
「うし、ちょっち待っててな!」
勢い込んで台所へ。
「おい、何か手伝おうか?」
「いいっていいって!レオは大人しく出来るの待ってなよ」
まあ、俺がいてもたいして役に立たないしな。
「じゃ、頼む」
「おぉーし!チャーハン作るぜぇーっ!!」
なんか大げさだな。
トントントントン・・・
やがて台所から聞こえてくる、リズミカルな包丁の音。
手先は器用なんだし、味覚音痴でもないんだから
慎重に作れば普通のものができあがってくる・・・はずだ。
ジャー・・・ジャー・・・
お、炒め始めたかな?ちょっと様子見てみるか。
「どんな具合?」
「もうすぐ、もうすぐ!ほりゃ!」
ジャッ!ジャッ!
鍋を振り、できあがりつつあるチャーハンを勢いよく宙に飛ばしている。
そのたびに、香ばしいいい匂いがぷん、と鼻をくすぐる。
「おお、なんか本格的!」
「へへっ、どんなもん、よっと!」
自慢げに鍋を揺すり続け・・・
「うあっ!?」
その小さな手から、鍋が滑り落ちた。

628 名前:チャーハン作るよ!・3 ◆Rion/soCys :2005/08/31(水) 18:00:29 ID:Su2u6b2n
ガラン!ガラ、ガラ、ガラ・・・
「あ・・・」
転がり落ちた鍋。床に飛び散ったほぼできあがったチャーハン。
きぬはそれを、呆然と見ていた。
「おい、大丈夫か!?や、火傷とかしてないか」
あわててきぬの手を取る。
そこには、今まで気づかなかった小さな絆創膏がいくつも貼られていた。
「おまえ・・・この手・・・」
「う・・・」
なんとなく、事情が飲み込めた。
今日、家族が出かけて一人になるなんて、ずっと前からわかってたんだ。
たぶん、この昼飯のために何度も練習を重ねてきたんだろう。
俺に、食べてもらうために。
「えへ、さ、最後の最後の本番で・・・ド、ドジっちゃった・・・」
「・・・最後ってことないだろ。また作ればいいじゃんか」
「もう・・・材料残ってないんだよ」
「そうか・・・」
きぬが、小さな肩を震わせる。
「きぬ・・・」
「泣いてない!・・・泣いて、ないもんね・・・」
たまらなく、きぬが愛おしくなって
そっと胸に抱き寄せた。
「ありがとな・・・」

629 名前:チャーハン作るよ!・4 ◆Rion/soCys :2005/08/31(水) 18:02:15 ID:Su2u6b2n
しゃがむ。
床に散らばったチャーハンを指でつまみ、口に入れる。
「うん、うまいぞ」
「や、やめろよレオ。汚いって」
「3秒ルールだ」
「いや、もっとたってるって」
「でも、うまいぞ。お前も食ってみろよ」
「えー?」
えー、と言いながらきぬもしゃがみ込んでチャーハンをつまむ。
「あ・・・」
「な?ちゃんと出来てる」
「うん・・・」
それからしばらく、二人で床にぶちまけられたチャーハンを摘んでいた。

「あのさ」
一応食べ終わり、片づけた後
俺の膝の上に座ったきぬを抱きしめながらささやいた。
「ん?」
「これからも、俺の飯、作ってくれな」
「え・・・ボク、まだチャーハンしか作れないぞ?」
「大丈夫。なにしろ・・・」
ちょっとだけ、心の中で乙女さんに詫びる。
「メニューが単調なのには慣れてるから」

630 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/08/31(水) 18:04:17 ID:Su2u6b2n
  ∧,,∧
 (;`・ω・)  。・゚・⌒) チャーハン作るよ!!
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J

書いていて、やっぱりカニチャ−ハンなのかなと思ってました。

631 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 18:08:09 ID:uPnNI6zN
>>630
GJ! Σd(^-゚*)

632 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 19:20:34 ID:/oKzi9XQ
カニキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!


やっべこのカニすげえ萌える(;´Д`)ハァハァ

633 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 20:32:45 ID:aoAAAnPH
ツメが甘いし、バカだけど健気なカニに萌え。

634 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 20:57:42 ID:BpOX5SSf
>>630
GJ!
そしてカニは乙女さんとおにぎりにするかチャーハンにするかで
白飯争奪戦を繰り広げるわけだな

635 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 21:11:29 ID:grkNLYVk
とりあえずGJと言わせてもらおう!


カニ(*´Д`)ハァハァハァハァ

636 名前:名無しさん@初回限定 :2005/08/31(水) 23:02:28 ID:XGo3Lbd3
オツ&オチワラタ カニ萌え。

637 名前:ボーダーライン・1 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:05:25 ID:wkKSMoJS
ぐにににに・・・
「ひふぁふぁふっほほふぅーっ!」
「こ、のっ・・・!」
なごみがカニの頬を引っ張り、カニはゲシゲシとなごみの足を踏みつける。
今日もまた、竜宮ではなごみとカニの微笑ましい交流が繰り広げられていた。
いつも止めに入る姫や乙女さんがいないので、今日はなかなか終わらない。
ちなみに、祈先生とスバルは寝てるし
フカヒレは止めようとしたらなごみに睨まれてトラウマ発動。
今は隅っこでガタガタ震えている。
というわけで、今この状況を止められるのは俺しかいないのだ。
「なごみ、もうその辺でやめとけ」
「あ・・・はい」
なごみは素直に引っ張っていたカニのほっぺたから手を離す。
まあ、俺が言えばなごみはやめるんだけど・・・
バランスを崩したのか、カニはどてっとその場にしりもちをついたが
バネ仕掛けのように飛び上がり、再びなごみに向かっていこうとする。
あわてて後ろから取り押さえる。
「カニもいちいち突っかかんなよ」
「へっ!きょ、今日はこれぐらいで勘弁してやんよ!」
まるで悪役のようなセリフを吐き捨てると
俺の腕を振りほどいてカニは飛び出していってしまった。
やれやれ・・・
「別に仲良くしろ、とは言わないけど、なんでそんなカニと仲が悪いかな」
なごみがちょっと困った顔になる。
「私は無視できますけど、向こうが突っかかってくるんですよ」
それにしても、相変わらず「線の外側」に対してはキツイよなぁ。
こればっかりはすぐには変わりそうもない。
そう思っていた。

638 名前:ボーダーライン・2 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:06:33 ID:wkKSMoJS
ある日
生徒会がらみの書類をなごみに渡し忘れていたことに気づき
俺は授業の合間に1年の教室に向かっていた。1−Bの教室を覗くが・・・
「あれ?いない?」
近くの女生徒を捕まえて聞いてみる。
「ね、生徒会の者なんだけど、椰子なごみはいる?」
「椰子さんなら、集めたプリント届けに職員室に行ってますよ」
ありゃ、入れ違いか。しょうがない、少し待つか・・・
「あのー・・・」
「ん?」
いつの間にか、3人の1年女子に囲まれていた。
「生徒会副会長の、対馬センパイですよね?」
「え・・・ああ、うん。そうだけど?」
何が嬉しいのか女の子たちはキャイキャイと騒ぎ始める。
「いいなぁー。生徒会執行部って素敵な人多いですよねー」
「そ、そう?」
「そうですよー、霧夜センパイは当然ですけど
 鉄センパイや伊達センパイもカッコイイし、佐藤先輩も優しそうで素敵ですし」
「うん、まあ・・・」
なんで「素敵な人」の中に俺は入っていないのか。いいけどさ。
「でも、変なのもいますよねー」
・・・へ?
「何てったっけ、あのキモいセンパイ」
「鮫氷センパイ?なんか頭悪そうだしキモいしー」
「あと蟹沢っていうの?チンチクリンですっごいバカそうな」
ムカ。なんだ、こいつら・・・
思わず怒鳴り声を上げそうになったそのとき。
女の子たちの後ろに、いつの間にかなごみが立っていた。

639 名前:ボーダーライン・3 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:07:53 ID:wkKSMoJS
「ざけんじゃねーよ!」
廊下に響きわたる怒声。
俺ではない。なごみだった。
「お前ら、知りもしねぇでいい加減なこと言ってんじゃねぇよ!
 確かにな、あの二人は頭悪いよ。成績は悪いかもしれない。けどな・・・
 フカヒレセンパイはな、お前らなんかよりずっと思いやりのある人だよ!
 カニだってな・・・カニだって、お前らなんかよりずっと根性があるんだ!
 なによりな、本人のいないところで陰口叩くような腐った真似はしない!
 言いたいことはズバズバ言ってくる、真っ直ぐなヤツなんだ!
 お前らみたいな、腐った連中とは違うんだよ!」
久しぶりに見る、なごみのおっかない顔。
俺に向けられたわけではないのに
その怒りのオーラに背筋が寒くなるほどだった。
1年の、まして女子が真っ向からぶつけられたら
体がすくんでも無理はない。
「ひっ!?」
俺の言いたいことを先に言ってくれたってのもあるけど
なごみが怒りを爆発させたぶん、俺の方は急速に冷めた。
ガタガタと震える女の子の後ろからなごみに声をかける。
「なごみ、もうよせ」
「センパイ!・・・だって、こいつら・・・!」
言ってることは間違ってないが
この調子で怒りをぶつけていたら、クラスで余計浮いてしまうだろう。
「いいから!」
ちょっと強めに言うと、なごみはハッとして身を引いた。

640 名前:ボーダーライン・4 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:09:02 ID:wkKSMoJS
なごみと女の子の間に割って入る。
「キミたち、なごみが言ってることは本当だぞ。
 よく知りもしないで、勝手に人を判断しちゃダメだ。
 ある程度つきあってみなければ、人間なんてわからないもんさ。
 それに、陰口をたたくのもよくないな」
「は、はい・・・」
「わかったら、教室に戻りな」
慌てて逃げるように教室に戻っていく3人を横目に
俺はなごみに笑いかける。
「相変わらず、おっかないな」
とたんに怒れる不良少女は恥じらう乙女に。
「センパイ・・・か、からかわないでください」
「いや、ああいう真っ直ぐな怒りは、見ていて気持ちがいい。
 けど、あの子たちもそんなに悪気があったわけでもないだろ。
 勘弁してやりな」
「・・・はい」
「じゃ、俺この資料渡しに来ただけだから」
「あ、はい・・・あの、センパイ?」
ちょっともじもじしながらなごみが上目遣いに俺を見る。
「ん?」
「・・・今のこと・・・黙っててくださいね?」
うーん。カニとかに聞かせてやりたい気もするが・・・
「わかったわかった。じゃ、俺戻るから。また放課後にね」

641 名前:ボーダーライン・3 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:09:59 ID:wkKSMoJS
そして放課後。
「うぃーす」
生徒会室ではなごみは資料の整理中だった。
他には・・・まだ誰も来てないな。
俺が来ると目を輝かせて立ち上がる。
「お茶、入れますね」
「ああ、いいよ、仕事中なんだから」
「もう、終わりましたから」
そう言って立ち上がると、いそいそと台所に。
昼間の怒ってるなごみとは別人のようだな。
と、ガラリと戸を開けて
カニとフカヒレがやってきた。
「チーッス!・・・んだ、レオとココナッツだけかよ」
「あーあー、二人っきりでなーにやってたんだかなー」
「よ、思いやりのあるフカヒレと根性のあるカニじゃないか」
「はあ?」「んだレオ?熱でも出たかオメー?」
ドダダダダ・・・
台所から大慌てでなごみが戻ってきて
そのまま俺をぐいぐいと部屋の隅に引っ張っていく。
(センパイ!黙っててくださいって・・・!)
(いいじゃん。仲良くなるきっかけに・・・)
(カ、カニと仲良くする気なんてないです!)
(ふ〜ん。まあ、いいけど)
身を寄せあってひそひそ話をする俺たちに、呆れたような声がかけられる。
「あーもー、わざわざ人の前でベタベタすんなよなお前らー」
「ったく、チョーシこいてるよなこの単子葉植物は」
「だっ・・・黙れこの甲殻類!」
「いひゃ!ひゃにゃふぇふぉおおー!」
ぐにー
やれやれ・・・いい加減、素直になれないもんかね・・・

642 名前:ボーダーライン・6 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:12:00 ID:wkKSMoJS
帰り道。
「いやー、今日は驚いたなー」
「・・・」
「なごみがカニやフカヒレをあんな風に思ってたとは」
「・・・」
さっきからなごみは黙ったままだが、怒って黙ってるわけではないようだ。
照れてるんだろう、たぶん。
「悪口言われて怒るあたり、あいつらも線の内側に入ったのかな?」
「・・・そこまでは。やっぱり、線の外側ですよ」
まあ、そう簡単じゃないか。
「ただ・・・」
「ただ?」
「線の外側に・・・もう一本、線があるみたいな・・・わかります?」
「ああ・・・わかるよ」
少し照れくさそうに、なごみが頬を染める。
「その二本目の線の内側に・・・少し、入ってます。カニとか、フカヒレセンパイが」
「うん」
今までが、単純すぎたんだ。
線の内側と外側。なごみの人との接し方は二通りしかなかった。
だけど、人との距離の置き方って二通りだけじゃ難しい。
なごみは今、線の数を増やすことで、それに対応しようとしてる。
普通なら、もっと早くに身につけるような人との接し方を
自分から掴もうとしてるんだな。
そうなることのきっかけが俺だったのなら、ちょっと嬉しい。
「俺、なごみの線の内側に入れてよかったよ」
なごみはちら、と俺を見て、ちょっと考えてる。
「センパイは・・・線の内側っていうよりは・・・」
「え、俺入ってないの!?」
顔を赤くして、なごみが小走りに距離を置き、振り向いて微笑む。
「センパイは、もう私の真ん中にいますよっ!」

643 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:16:26 ID:wkKSMoJS
シーン5なのに3と間違えたー。
いつかなごみんとカニっちは喧嘩するけど仲がいい二人になれる・・・といいな。みたいな。

644 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 00:26:04 ID:Ka3meP6b
執筆ペース速すぎ…恐るべしRionの姐様!
何は無くともGJΣd(゜∀゜)

645 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 00:26:39 ID:wkKSMoJS
>保管庫の中の人

タイトルですが一本目は・・・
「乙女さん修行中!」(←あまり考えてない)

二本目はそのまんま
「おかえり、よっぴー」
とでもしておいてください。

646 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 00:30:17 ID:uaZ9D0J/
なごみん萌えの俺としては
G  J  す  ぎ  !!

647 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 00:45:31 ID:lz+4y/G2
なんて素敵なカニとなごみんSS
まさにゴッドGJ

648 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 00:46:36 ID:USVgBXQB
>>643
>「センパイは、もう私の真ん中にいますよっ!」

Σ( ̄□ ̄;)!!グハァッ!?

人付き合いで成長していく部分もいいけど・・・ラストの一言萌えすぎ!

649 名前:保管庫の中の人 :2005/09/01(木) 01:27:00 ID:EU0C3c8d
保管庫の方から来たぜ!

ということでここまで更新。テンション高いので更新頻度も高くなります。

>>645
ありがとうございます。お手数かけます。
しかし更新中にまたひとつ投下されているとは…

650 名前:つよきす対策会議@柊家 1/3 :2005/09/01(木) 07:21:29 ID:2C8eueyw
「えへん!皆のもの、今日は良くぞ集まってくれたな。」
 「今日は何の用なのよん。雛乃ちゃん。わざわざ私たちまで呼び出しちゃって。」
 「姉さん、その言い方、雛乃さんに失礼だよ。」
 「まぁ、ぽえむよ。いいのだ。確かにおぬしら姉妹を柊家まで呼び出したのは我なのだからな。
今日集まってもらったのは他でもない、去る8月26日に発売された『つよきす』なるそふとのことについてだ。
『つよきす』が発売されたことによって、我らの存在が今危ういのだ。うみ、皆に説明してやれ。」
 「いいよ〜。『つよきす』が発売されのたのがさっき雛乃お姉ちゃんが言ったとおり、8月26日。
で、そのころから2ちゃんねるのきゃんでぃそふと関連スレに大きな変化が有ったよ。
まずは本スレのきゃんでぃそふとスレ、これはスレの消化速度が著しく上がったよ。
しかし驚くなかれなのは『つよきすスレ』。発売当日からのスレの伸びは爆発的で、
週末の29日の一日で3スレも消費したよ。」
 「それに対して、我らが姉しよスレには何か変化あったの?海お姉ちゃん。」
 「それがね、スレの消化速度はあまり変わらなかったんだよ〜。」
 「姉さん、いいですか?」
 「うむ、かなめ。よいぞ。」
 「今までの海の話を聞いていると、『つよきす』が発売されて『つよきすスレ』は
爆発的な伸びを見せたけど、『姉しよスレ』の速度は変わっていない・・・。
ここまでの話だと『つよきす』の人気がすごいだけで、
私たちの人気が落ちたとか、そういう風には思えないのですが・・・。」
 「うむ。流石かなめだな。問題はこれからなのだ。うみ、続きを頼むぞ。」
 「はい〜。雛乃お姉ちゃんの言う問題っていうのはね、『つよきす』発売前と後の
『きゃんでぃそふとスレ』での意見の変化なんだよ。
『つよきす』発売前の4月、5月の時点では、『つよきすなんてイラネ。姉しよ3出せ』
っていう意見もあったぐらいなんだよ。でもね、今の『きゃんでぃスレ』ではあたかもFDが
出るのが決定事項のように住人の会話が進んでいるんだ〜。
最近では『きゃんでぃスレ』では姉しよの話題を見かけるのは困難だよ。」

651 名前:つよきす対策会議@柊家 2/3 :2005/09/01(木) 07:25:40 ID:2C8eueyw
 「うみ、ご苦労であった。確かにうみの言うとおり、『つよきす』の人気は爆発的だ。
この『きゃんでぃSSすれ』でも今、優秀な作家が次々とつよきすSSを投下していて、
それに対する反応もけっこうなものだ。
我々のような世界に住むものは忘れられるのは死ぬのと同じだからな。そこで今日、
みなの意見を聞こうと集まってもらったのだ。」 
ざわ・・・ざわ・・・
 「はいはいー!ひなのん、質問がありまーーす!」
 「うむ、せろり、申してみよ。」
 「その『つよきす』って、どんな話なの?」 
 「我がうみから聞いた限りでは、なんでもふぁんたじぃ物らしいぞ。」
 「ファンタジー物?どんな?」
 「なにやら人間の男が姫を救うために蟹、ここなっつ、鉄人間を連れて、しゃべる鳥や
何のかは分からんが『先生』や、よっぴと言う女の助けを借りて、姫を助ける鍵となるふかひれを
手に入れる話だそうだ。
途中、いがぐりの化け物や髭の化け物、十二人の悪魔を連れた男などが旅の邪魔をするらしい。」
 「・・・なんだかアタシにもよく分からない話ね。そんなのが何でうけるのかしら?」
 「しかし、これで間違いないのだろう?うみよ。」
 「間違いないよ〜(・ε・)」
 「でも、わ、私はそういうかわいらしいお話、好きだな。」
 「モエ、そんなこと言ってる場合じゃないんだよ。死活問題なんだから。」
 「あぅ、ごっ、ごめんなさい。」
 「はい・・・」
 「うむ、ぽえむか。何であるか?」
 「そのお話の黒幕は誰なんですか?黒幕をつぶせば・・・。蛇は頭をつぶせば後は
どうとでもなる・・・」
 「やんっ!歩笑ちゃん我が妹ながら黒いわ★」
 「うむ。黒幕は意外なことに旅を助けてくれたよっぴと言う女らしい。
影でいろいろ悪さをしているらしいぞ。」
 「じゃあさじゃあさー、その女の所行ってボッコボコにしてくれば良いんじゃない?」

652 名前:つよきす対策会議@柊家 3/3 :2005/09/01(木) 07:32:16 ID:2C8eueyw
「あぅ。そういうのやめようよ。仲良くしたい・・・。」
 「そうだな。我もその意見には反対だ。暴力はよくないぞ。」
 「今の話を聞いている限りだと、FD発売の要望は多いけど、
きゃんでぃそふととしてはそのことについては触れていないように聞こえるわ。
それに空也、あなた、前にお父様がローマがどうしたとか言ってたって言っていたわね。」
 「うん。前に親父が突然、ローマにも日本人の姉がいる・・・とか言ってたんだ。
そのときは遂にボケたかなとか思ってたけど・・・。」
 「って言うことは、空也ちゃんの新たなお姉さんを加えて、姉しよ3が出るって事か知らん?」
 「3がでるのはうれしいけど、新しい姉って言うのはアタシは嫌だな。これ以上騒がしくなったら
平穏な生活が望めないわ。」
ざわ・・・ざわ・・・
・・・

「とりあえず、今日出た結果をまとめるとしよう。
一、各スレでつよきすは大人気、FD発売の要望が多いが、
  きゃんでぃそふとはいまだそれに触れてはいない
一、親父殿が空也にろーまの姉の存在をほのめかす。3がでるかもしれないが、姉も増えそうだ
一、とりあえず今はどらまCDがでているので、急激な人気下降は無いはず。
  それなりの反応は姉しよすれでもある。
と、言うところか。
どうやら我らもまだお先真っ暗と言うわけではなさそうだな。」
 「それでは姉さん、もうそろそろ解散ですか?」
 「では解散!・・・と言いたいところだが、まぁ、待てかなめよ。ちょいと小耳に挟んだのだが、つよきすに
ちょこっと抜け駆けして出演している者がいるというのだ。誰だか知らぬか? か な め よ。」
 「ZZZzzz・・・」
 「我が狸寝入りでごまかされると思ったか!」

653 名前:SSD :2005/09/01(木) 07:41:52 ID:2C8eueyw
今回のは、SSというか最近のきゃんでぃ関連スレの記録とまとめ・・・ですね。
つよきすを全く知らない方(いないと思うけど)、SS中のつよきすの描写は嘘ですのであしからず。
柊翔のローマ発言については、P−Mate六月号参照です。
早くつよきすプレイしたいなぁ。

654 名前:SSD :2005/09/01(木) 07:47:55 ID:2C8eueyw
29日は週末じゃないですね。吊ってきますorz

655 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 11:20:09 ID:0WTq21OM
>>643
俺を萌え死させる気か。

>>653
やっぱ姉達も素敵だな。
けどさ、声だけじゃないならオヤジとかセロリーヌとかも背景にいたんだよな。

656 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 13:51:13 ID:ZGaRkcZx
なんというか……
 こ の ス レ す ご い よ !

657 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 16:59:39 ID:7ERZsksw
おかしいな、姉しよ2の時はAA職人も頑張っていたのに...
AAの方も頑張れ!

658 名前:Shall We Dance?・1 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:00:40 ID:fPPYUXxm
竜鳴館の文化祭も、今日が最終日。
締めは恒例のダンスパーティ。
初々しさを残したカップルたちが
おぼつかないステップで踊ってらっしゃいます。

霧夜さんは佐藤さんがパートナーですわね。
ときどきセクハラ行為があるようですが、目をつぶりましょう。
伊達さんとカニさんも、今はいい雰囲気・・・
と思いましたらカニさんはテーブルの果物を食べて回ってるだけですわね。
フカヒレさんは・・・あちこちで玉砕しまくってますね。
その根性を勉強に回していただけるとよいのですが。
鉄さんは例によって見回りでしょうか。
お誘いは数多あるはずですのに、もったいない。
椰子さんもお誘いをことごとくはねつけてるようですね。
断られた男性が皆震え上がっているのが印象的です。

さて、対馬さんは・・・ドリンクとフードの補充係、ですか。
私にかまわず、パートナーを探せばよろしかったのに

「本当に踊りたい人が別にいるのに誘うのは、相手の人に失礼でしょう?」

ごもっとも、ですけれど。
実を言えば、私もお誘いがなかったわけではないのですが
律儀な対馬さんへの、私なりの誠意ということで
私も、こうして壁の花。

曲を重ねるごとに時間はどんどん過ぎていき
華やかな宴もそろそろ終わり。
後かたづけは執行部の皆さんにお任せして
私は一足先に職員室に戻りましょう。

659 名前:Shall We Dance?・2 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:01:59 ID:fPPYUXxm
「祈先生、片づけ終わりました」
竜宮の鍵を返しに、対馬さんが職員室に来たのは
日も暮れてだいぶすぎた頃。
「はい、ご苦労様、対馬さん」
「この後、オアシスで執行部の打ち上げがあるんで、祈先生も是非」
「私、今ちょっと財政難なのですが・・・」
「姫によると、なんか生徒会運営費から捻出とか」
「・・・今のは聞かなかったことにしますわ」
「じゃ、行きましょうか」
二人で並んで正門へ向かう途中、対馬さんがパッと私の前に。
「?どうしました?」
「祈先生・・・踊りませんか?今、ここで」

まあ。ちょっとビックリですわ。
「ダンスパーティーは、もう終わってますわよ?」
「俺と先生は、始めてもいないじゃないですか」
「音楽がありませんわ」
「まあ、俺が鼻歌でも歌いますから」
「照明もありませんし」
「月が明るいですよ、ほら」
「ドリンクも食べ物もありませんわよ?」
「それは・・・この後のオアシスまで我慢してください」
「何もありませんわね」
「パートナーだけは、いますよ」
対馬さんが穏やかに笑いながら手を差し伸べてきます。
「・・・そうですわね。それで、十分かもしれません」
「それでは改めて・・・祈先生、一曲お願いできますか?」
私は、彼の手をそっととりました。
「はい、喜んで」

660 名前:Shall We Dance?・3 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:04:05 ID:fPPYUXxm
少し肌寒くなってきたグラウンドで
パートナーの鼻歌にあわせて
煌々と輝く月明かりの下
ステップ、ステップ、ターン。
時に身を寄せあい、時には離れ
だけど手は繋いだままで。
「お上手ですのね」
「少し、練習しました」
「テンションに流されてません?」
「少し。たまには、いいじゃないですか」
そう。二人の間に絶対はないのでしたわね。
「私もたまには・・・こういうのも、いいと思いますわ」

***************************

やがて対馬さんも無事卒業。
大学生になっても、時々は私と逢瀬を重ねていましたけれど
会える時間が少なくなれば、自然と疎遠になるのも無理ありません。
この前会ったのはいつだったでしょうか。
1ヶ月前?1ヶ月半でしたかしら?
少し寂しい気はしますけれど
自然の成り行きに任せるのが私たちのルール。
去る者は追わず。
あの夜のかすかな胸のときめきを思い出に
また・・・以前の私に戻るだけ、ですわね・・・

661 名前:Shall We Dance?・4 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:06:08 ID:fPPYUXxm
「祈先生・・・また遅刻ですか・・・」
「はう〜・・・見逃してくださいましな鉄さん〜」
「そうはいきません」
「かつての教え子が、同僚になって説教してくるって、結構きますわねー」
「・・・そう思うんなら、遅刻しないでください」
鉄さんは、今年から竜鳴館に教師として戻ってこられたわけですが
以前と変わらず、遅刻などの校則違反をビシビシ取り締まられて
私も始終怒られてしまいます。
「とにかく、教師としてもっと自覚をもってください」
「前向きに検討いたしますわ〜」
「はあ・・・あ、それから・・・」
まだ何か仰りたいようですが、ここは聞こえないふりをさせていただいて
急いで職員室に避難ですわ。

662 名前:Shall We Dance?・5 ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:07:22 ID:fPPYUXxm
「相変わらず遅刻多いですね、祈先生」
「・・・」
少し思考が停止してしまいました。
それはそうですわ。
目の前に、何の予告もなく対馬さんが立っているのですから。
「・・・何故に対馬さんが職員室に?」
「だから、今日から教育実習ですってば」
「聞いていませんわ」
「言いませんでしたからね」
「・・・教師になるというのも聞いていないのですけれど」
「そうですね・・・このほうが、寄り添うには便利じゃないかなと思って」
「距離をおくにはかえって不便ではないでしょうか」
「そのときは、またそのときで」
「テンションに流されてません?」
「5年かけて、ゆっくり盛り上げてきましたからね。
 盛り上がってますけど、流されてるわけじゃない」
また、距離が縮まるのですね。
以前の距離に。出会った頃の距離に。ひょっとすると、もっと近くに。
でも、それだけ。
それだけ・・・のはずなのに。
なぜ・・・胸の奥が熱いのでしょう。
「ところで・・・まだダンスパーティーでは壁の花ですか?」
「ええ。本当に踊りたい人が別にいるのに、お誘いを受けるのは相手の人に失礼、なのでしょう?」
「そうでしたね・・・じゃあ・・・まだ来年の話になっちゃいますけど・・・」
対馬さんが手を差し伸べてきます。あの夜のように。
「そのときには・・・・一曲踊っていただけますか?」
私はその手をそっととります。あの夜のように。
でも、答えは変えて。
「一曲と言わず・・・ずっと一緒に踊ってくださいましな・・・」

663 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/01(木) 20:13:41 ID:fPPYUXxm
土永さん出し忘れましたわ〜

664 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 20:29:22 ID:dRABzWJc
寿みょ……げふんげふん
祈先生視点って面白いですね〜GJ!

665 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 22:05:21 ID:USVgBXQB
>>663
GJです!
こういうイベント追加してくれれば祈ルートもそんなにボリューム不足感じないのになぁ。
それにしても



なんでこんなに立て続けにポコポコSS出てきますか

666 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/01(木) 22:07:08 ID:uaZ9D0J/
超絶GJ!!

667 名前:sage :2005/09/01(木) 22:59:22 ID:yAy16EHW
>>663
最高!超GJ!!!
そして残るは姫だけ(*´д`*)

668 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 00:05:37 ID:pznQsosR
>そして残るは姫だけ(*´д`*)

Seenaさんなら…Seenaさんならきっと何とかしてくれる!

669 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 00:30:26 ID:ckNrQbwM
Seena先生・・・姫のSSがぁ・・・見たいです

670 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 13:46:44 ID:Swcx9C7g
ヘエ

671 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 15:47:58 ID:FczX/MPp
・・・

672 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 16:05:56 ID:FczX/MPp
・・・

673 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 17:10:34 ID:R9dP0TY4
【お姉ちゃん】実の姉弟の婚姻届を誤って受理―伊勢崎市【大好き】
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news7/1124361427/l50

674 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/02(金) 17:49:47 ID:jQYrBEf3
news7?

675 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 18:07:03 ID:T6UOM1eq0
一言ネタ
姫「巴さんって胸おおきいのね、はあh」
よっぴー「エリーだめだよぅ…ゲームがちがうよぉ」
ともねえ「あぅ…」

676 名前:675 :2005/09/03(土) 18:08:58 ID:T6UOM1eq0
くー「く〜♪」
ともねえ「あぅ?」
くー「くー…?」
ともねえ「あぅっ!」

677 名前:675 :2005/09/03(土) 18:12:14 ID:T6UOM1eq0
姫「お嬢ちゃんかわいいわね」
ひなのん「粛清…淘汰…」
姫「あらっ、あたしの好きな言葉ばっかり♪」

678 名前:675 :2005/09/03(土) 18:14:18 ID:T6UOM1eq0
スバル「この流れっていいのか?」
かに「テンションに流されてるヘタレがいるね」
俺「調子乗ってすいませんでしたorz」

679 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 18:40:22 ID:fJg4Ul3pO
フカヒレ「>>675 ナイスブルマ!!」


680 名前:675 :2005/09/03(土) 18:43:30 ID:T6UOM1eq0
エロ本売り場にて
エロ本の上で手が重なり合う2人
フカヒレ「きゃっ…ごめんなさい」
団長「むむっ!それは俺が憧れてるシチュエーションNo931!」
空也&レオ「同じ臭いがするな…」


681 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 18:47:18 ID:lpfznVD00
>>676
なんか凄くなごんだ

682 名前:675 :2005/09/03(土) 18:48:16 ID:T6UOM1eq0
透子「そこの僕?お姉さんといい事しな〜い?」
祈「あら〜その子は私が先に目をつけたんですわ〜」
透子「OK、OK。じゃあ3Pって事でどうかしら?」
祈「いいですわね〜」
少年「はぁh(ry」

683 名前:675 :2005/09/03(土) 18:51:54 ID:T6UOM1eq0
トンファー「柊探偵事務所のバイトの面接に着たアルヨ」
ねぇねぇ「合格アルヨ!ギョーザ食うか?」
姉貴「はやっ!」

684 名前:675 :2005/09/03(土) 18:55:46 ID:T6UOM1eq0
台所にて
ともねぇ「あはっ、何か手伝うよ」
なごみん「うざい…キモいよ」
ともねぇ「み、みんな、仲良く…」
なごみん「潰すぞ」
ともねえ「あぅ…」

685 名前:675 :2005/09/03(土) 18:57:00 ID:T6UOM1eq0
妄想止まらないんですが続けてもいいですか?w

686 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 20:49:53 ID:iBneBweW0
GJ!どうぞどうぞ

687 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 21:19:35 ID:b0KdoP5E0
両方のキャラ入り混じったSSつくってくれ、いやください。ゼヒお願いしますorz

688 名前: ◆eU1qN.ie8. :2005/09/03(土) 21:26:04 ID:abWBZ2mI0
流れ切っちまいますが、なごみモノ貼ります。

689 名前: ◆eU1qN.ie8. :2005/09/03(土) 21:27:57 ID:abWBZ2mI0
「なごみ。オーダーとってきたぞ」
俺達は二人でレストランを経営している。
勿論、なごみが料理を作って俺がオーナー兼ウェイターだ。
・・・って自営のなんだからわざわざオーナーって言う必要は無いか。
バイトを雇えない事もないんだが、なごみがみんな追い出しちまうからな・・・
でも、この方がなごみとの距離が近いからいい。

「わかった。もうすぐさっきのオーダーが出来上がるから、ちょっと待ってて」
「ああ。わかった」

二人で一緒の夢を掴もうとした日から十年近く経つ。
あれから何度となく挫けそうになったが、お互い助け合ってやってきた。
途中、姫からキリヤコーポレーション傘下の高級レストランに来ないかと、お誘いがあったが、
見事に蹴り飛ばしてやった。
高校時代の級友だったからとか、姫の気まぐれとかではなく、なごみの味を理解しての誘いだった。
だけど、そんな事で俺達は夢を叶えたくはなかった。

「ところで、なごみ。週末の件なんだが・・・」
「はい?・・・どうかした?」
「いや、その・・・一人で大丈夫か?料理沢山作んなきゃいけねえし・・」
「なんだ、そんな事? くすっ。大丈夫、任せて」
「結婚式に用意する料理もできるの?」
「母さんの結婚式があったじゃない。あの日の事は忘れませんよ」
「あ〜そうだったなあ。なごみ、こっそり料理場覗いてたっけ」
「えへへっ。 ほんとあの時の母さんは幸せそうだったからなあ。
 天王寺も思ったほど、全然悪くない奴だったし」
「そうっだったよなぁ。なんだかんだで俺達の面倒を見てもらったこともあったしな。
 ・・・んじゃ、話戻るけど、そうゆうことで頼めるんだな?」
「はい。任せて下さい。
 少し大変かも知れないけど、伊達先輩はレオの親友ですからね。頑張ります」


690 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 21:30:04 ID:c9azcDrC0
>>673

釣られた…。

しかし数十年前だがそれに近いことが実際にあったんだよな、この日本で。

691 名前:なごみ・トゥルーED ◆eU1qN.ie8. :2005/09/03(土) 21:30:19 ID:abWBZ2mI0
スバルも夢を実現させたみたいだ。
よくテレビにも写ってる程の陸上選手だし、日本人でメダルを手にしたのだから。
それなら、結婚式なんてもっと豪華な所で挙げられるのに、
<どうせ式なんか挙げたって、お互い親族は誰も来ねえだろうから、
 ここでひっそり昔のみんなとぱーっとやりてーんだ>
だとさ。 ・・・全く、あいつらしいぜ。
でもさ、それよりも意外なのが・・・

「・・・でも、カニには何も思い当たる節がないんだけど・・・」
「おいおい、そんな事言うなって。あいつらの結婚式なんだから」

・・・この事実だよな。
カニの事が好きだったなんてな・・・
でも、あいつ等ならきっと上手くやっていけるさ。
よく考えれば、本当にお似合いのカップルだ。

「ふふっ。冗談ですよっ 
 はい。料理出来たから、お願いねっ」
「おう!」


692 名前:なごみ・トゥルーED ◆eU1qN.ie8. :2005/09/03(土) 21:31:01 ID:abWBZ2mI0


・・・・・

「そういえばさ、この曲また新しいの流してるのか?」
今日も店内のBGMとして流れているフォークソング。
「はい。私フォークソング好きだから・・・レオは嫌い?」
「いんや。こいつの曲だけは好きだね。
 今まであんま興味なかったけど、なごみに進められて聴き始めたらすげえ気に入ったよ」
「えへっ。よかった。フカヒレ先輩の曲は本当に良い曲ですから」
「だよな・・・ったく、フカヒレめ…デビューしたなら教えろっつーの」
ここにも夢を掴んだものが一人。
今日もフカヒレの曲が店に流れる。
「ま、いいか。日曜になれば久々にみんなに会えるんだから。
 スバルとカニ、フカヒレに乙女さんに。姫にも佐藤さんにも!」
「そうですね。よし、久々にカニを泣かせますよ。私の料理で!」


693 名前: ◆eU1qN.ie8. :2005/09/03(土) 21:33:56 ID:abWBZ2mI0
以上です。
カニ攻略後に、なごみ攻略したんで、
なごみのEDデモ中ずっとこんなエピローグを脳内で見てました。

694 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 21:54:39 ID:hR2Y6lTc0
カニ×スバル・・・・orz
ま、まぁそれは置いといて、GJ!

695 名前:非情の選択・1 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 21:58:55 ID:5dwGK7hM0
「ハロー、エブリバディ♪」「ちーす」
放課後、例によって姫、佐藤さんと一緒に生徒会執行部へ。
カニはバイト、スバルは部活、フカヒレは補修。
今のところは後は乙女さんだけか。
ま、特にやることもないんだけどさ。
佐藤さんがいれてくれた茶を飲みながら過ごす優雅なひととき。
お茶菓子をつまみながら、姫が思い出したように尋ねてくる。
「そういえば、修学旅行の行き先って、もう決めた?」
「いや、まだ。中国が無難かなとは思うんだけどね」
「私は・・・スェーデンでオーロラを見てみたいかなぁ」
とりあえず希望は口にするが
俺と佐藤さんは最終的には姫に引っ張られるんだろうな・・・
「修学旅行か・・・そういえば、もうそんな時期だな」
乙女さんがちょっと懐かしそうな顔をする。
「乙女センパイは拳法部だから、アパラチア山脈だったんですよね?」
そういや拳法部は全員アパラチア山脈に強制だっけ。哀れな。
「うむ。館長自らが引率してくださるんだ。
 雄大な自然に包まれて、実に貴重な経験だったぞ」
まあ、眺めだけは良さそうだけど。
「景色は確かにすばらしいが、基本的には登山だからな。それなりに過酷でもある。
 拳法部で鍛えた連中でも、三分の一は脱落したほどだ」
「・・・脱落した人ってどうなるの?まさか置いてきぼり?」
「いや、さすがにそれはない。24時間体制でサポ−トヘリが待機しているからな。
 怪我をしたり急病にかかった者はヘリで近くの街まで運んでもらえる」
「なるほど。命の心配まではないってわけね」
「うむ。まあ、軟弱なレオや忍耐力のない姫には無理なコースだろう。
 ここは他のコースを選ぶ方が身のためだろうな」
「む」

696 名前:非情の選択・2 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:00:05 ID:5dwGK7hM0
ああ、乙女さん余計なことをっ・・・!
口にこそ出さないが、姫の負けん気がメラメラと燃えているのがわかる。
「さて、私は部活に顔を出してくるとしよう」
そして火種を蒔いたことに気づかないまま、乙女さんは行ってしまった。
悪気は・・・ないんだろうなぁ・・・
そして、姫が一言。
「決まりね・・・行くわよ、アパラチア山脈」
やっぱり。そう言い出すんじゃないかと思ったんだけど。
「エ、エリー・・・そんな対抗意識だけで選ばなくても・・・」
「いや、もともとアパラチア山脈も捨てがたいとは思ってたのよ。
 でも、今の乙女センパイの一言で決心がついたわ。
 絶っ対、アパラチア山脈制覇してやるんだから!」
「ソウデスカ。ガンバッテクダサイ」
「もちろん、レオは私と一緒に来るよねぇ?
 軟弱なんて言われて、そのまま黙ってられないわよねぇ?」
「いや俺、マジ軟弱だから」
「ふ〜ん。軟弱で私についてこれない騎士なんて、いらないかなぁ〜」
「くっ・・・」
行くしか、ないのか・・・?
「わ、私は別に何も言われてないから・・・」
「甘ーい。よっぴーが私と一緒に来ないとかあり得ないしー」
「さ、流石に今回は無理だよぅ・・・」
「大丈夫、レオがいろいろ面倒みてくれるから」
「・・・そ、それなら・・・いい、かな・・・?」
いや、俺が自分の面倒を見られるかどうかもアヤシイのですが?
「じゃあ決まりね。みんなでアパラチア山脈を制覇して
 乙女センパイにギャフンと言わせてやりましょー♪」

697 名前:非情の選択・3 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:01:29 ID:5dwGK7hM0
そんなわけで。
やってきました、アパラチア。
「ぜっ・・・はぁっ・・・想像以上に・・・きついっ・・・」
「ふっ・・・どうした、対馬っ・・・もう、グロッキーかっ・・・?」
拳法部なので、村田も一緒だったりする。
「お前こそ・・・いつもの元気が・・・ないぞっ・・・」
「僕は・・・西崎の荷物も・・・少し、引き受けている・・・からなっ・・・」
意外なことに・・・いや、意外じゃないのかもしれないが
西崎さんまでアパラチア組だった。たぶん、村田についてきたんだろう。
写真をたくさん撮ってくれてるので、後で楽しみではある。
「そうか・・・俺も、佐藤さんの荷物を・・・少し、持たされてる・・・」
「・・・お互い・・・難儀、だな・・・」
「ああ・・・」
何か奇妙な連帯感が生まれたり。
「ああ、西崎っ!フラフラあっちこっち行くんじゃないっ!」
「く?」
「ええい、そばにいないと不安でしょうがないっ!」
村田が気合いでペースを上げる。
「レオー?さっさと来ないと、おいてくわよー?」
「対馬くーん、早く早くー!鹿の親子がいるよー!」
俺にも二人から檄が飛ぶ。
しかたなく村田の後をついてペースアップ。
「やれやれ・・・男って、ツライな・・・」
「うむ・・・珍しく・・・意見があう、な・・・」
こうして、友情って芽生えるのかもしれないな。

698 名前:非情の選択・4 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:04:13 ID:5dwGK7hM0
「あー、バテたーっ!」
昼食を終えて、短い休憩時間。とにかく足腰がキツイ。
「だいじょうぶ?私、まだ余裕あるから、荷物戻してもらっても・・・」
佐藤さんが気を使ってくれるが
それに甘えるほどヘタレてもいられない。
「だいじょうぶ、まだいける」
「そうそう、その意気よ。
 なんてったって私の騎士なんだから、これぐらいでへばってもらっちゃ困るわ」
・・・他人に言われたらコレ結構ムカつかね?
「姫は元気だね」
普通に自分の荷物を持って歩くだけでもかなりキツイはずなんだけど。
「普段から鍛えてるしね。
 それに、多少つらいぐらいで顔には出さないわよ。お嬢のたしなみとして、ね」
なるほど。
「それより、あっちのほうにちょっと面白いサボテンが生えてたのよ。
 ちょっと見にいってみない?」
「でも、みんなと離れての単独行動は・・・」
「だいじょうぶよ、そんな離れるわけじゃなし。
 いろいろ見聞するのがこの修学旅行の目的でしょう?
 ただ座ってても珍しいものは見れないじゃない」
「俺はもうちょっと休んで・・・」
「いいから来る!」
「うへ〜い」
まさに問答無用だった。

699 名前:非情の選択・5 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:06:29 ID:5dwGK7hM0
「ほら、これ。すっごい絶妙のバランスじゃない?」
姫が喜々として一本のサボテンを指さす。
崖の上に張り出すように根付いたサボテンは、確かに変わった形だが・・・
「絶妙っていうか、ビミョー」
「エリーはちょっとずれてるから・・・」
「む。何よ、この素晴らしい自然の造形美がわからない?
 できれば持って帰りたいぐらい素敵じゃない」
ちなみに、動植物の採取は禁止されている。
でなかったら俺に「持ってきて」とか言いかねないだろう。
「あ、ここ!つぼみがあるわよ」
「へえ・・・花が咲くんだ」
「どんな花が咲くんだろうね」
俺と佐藤さんもサボテンに近づいてみる。

ぐらり
「!?」「きゃっ!?」「おわっ!?」
足場が・・・崩れる!?
くそっ、3人分の体重がかかって、崖が崩れたのか!?
あわてて飛び退こうとするが・・・間に合わない!
ドザーッ!
「うわーっ!?」
落ちる!
恐怖に身を硬くしたその瞬間。
ガシッ!
腕を掴まれて、落下が止まった。

700 名前:非情の選択・6 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:08:44 ID:5dwGK7hM0
おそるおそる、目を開ける。
「・・・姫っ!?」
「くっ・・・なんとか・・・間に合った、わね・・・っ」
驚いたことに、崖の上に腹這いになった姫が
右手に俺、左手に佐藤さんの腕をつかんで支えていた。
綺麗な顔が歪む。
いくら鍛えているといっても、人間二人をぶら下げているのだから無理もない。
「よっぴー!大丈夫!?」
「・・・」
佐藤さんは・・・落ちるとき頭でも打ったのだろうか、ぐったりしたまま反応がない。
「ダメだ、姫!佐藤さん気絶してる!」
「く・・・」
パラパラ・・・
見上げる俺の顔に、土くれがかかり
そのたびに姫の体がず、ず、とずり落ちそうになる。
くそっ・・・まだ崖が崩れ続けてるのかっ・・・!
下を見る。
崖は急勾配だが、垂直というほど切り立ってはいない。
ところどころに低い木が枝を伸ばしている。
そして・・・15メートルほど下に、僅かに張り出した岩棚が見えた。
・・・よし。
覚悟を決めたなら、急がなければ。
再び上を向いて、姫に叫ぶ。
「姫っ!・・・俺の手を離せっ!」

701 名前:非情の選択・7 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:10:22 ID:5dwGK7hM0
「!?何言ってるの!?そんなことできるわけ・・・!」
「聞いてくれ!このままじゃ、3人とも落ちる!」
「甘く見ないで!・・・これぐ、ら、い・・・っ!」
「姫っ!冷静になれ!
 佐藤さん一人なら引っ張りあげられるか!?」
「当たり前、でしょっ!・・・今は・・・二人を引っ張り上げるのに、チャレンジ、よ!」
「いや、二人はいくら姫でも無理だ!
 下に岩棚があるのが見えるか!俺は木を使ってなんとかあそこに降りる!
 だから・・・今は俺の手は離してくれ!」
姫は歯を食いしばりながら俺の言うことを聞いていた。
が、いっこうに手を離そうとしない。
そうするうちにも、じりじりと姫の体が前に滑ってくる。
「何してるんだ!早く手を離せ!」
ぶんぶんと姫が首を横に振る。
「イヤ!」
な・・・何駄々こねてんだ?
「よく考えろ!このままじゃ3人とも落ちちまうぞ!
 こんなところで終わっていいのか!?
 いざとなったら、身内でも切り捨てなきゃ世界は掴めないんだろ!
 俺ぐらい、平気で切り捨てられなくてどうする!」
「う・・・り、理屈じゃないの!
 イヤだったらイヤ!
 貴方を切り捨てて手に入れる世界なんて、いらないっ!」
馬鹿な。あれほど熱望した世界を・・・俺のために、諦める?
ダメだ。
そんなこと、姫にはさせられない。俺は姫の騎士なんだから。
騎士は・・・姫のために命を賭けるもんだ。
頭の中は驚くほどクール。
何も怖くない。この人のためなら。
俺は・・・姫の手を振りほどいた。

702 名前:非情の選択・8 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:12:48 ID:5dwGK7hM0
「!レオ!?」
姫の叫びが聞こえる。
が、今は感傷に浸っている場合じゃない!
ものすごい早さで崖をずり落ちながら、必死で木の枝をつかむ。
・・・届かない!
もう一本!
・・・くそ、抜けちまった!
最後・・・届け!
精一杯伸ばした手に、わずかにふれる枝の感触。
・・・掴んだ!
その枝を振り子の支点にして体をスィング!
よし!後は岩棚になんとかしがみつければ・・・!
ガシッ!
かろうじて、片手の指先だけが岩棚にかかる。
く・・・こりゃ・・・支えきれない・・・
ダメだ。時間の問題、だな・・・
そうだ、姫は!?
上を見上げる。
すでに姫は佐藤さんを引っ張り上げたらしい。流石だぜ。
これで一安心・・・かと思ったら
今はまた、崖から身を乗り出して俺を見ている。
何か叫んでいるようだけど
なぜか何を言っているのかよくわからない。
ああ、そんなに乗り出しちゃ危ないって。
せっかく助かったんだ。頑張って世界を取ってくれよな。
俺は・・・もう、ここまでだけど。
ずるり。
痺れた指先が、岩棚から滑る。
サヨナラ、姫。最後までついていけなくて、ゴメンな・・・

703 名前:非情の選択・9 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:15:20 ID:5dwGK7hM0
落ちる。
落ちていく。
全てがスローモーションのように上へと流れていく。
ときどき斜面にぶつかるが、不思議とあまり痛くない。
こういうときって心に一種の安全装置がかかるとか聞いたことあるな。
痛いどころか、なんだかふわっと浮いてるような感じだ。
・・・あれ?
実際・・・浮いてないか、俺?
そう思った途端
ゴォウ!
すさまじい突風が谷底から吹き付けてきた!
「おわわわわっ!?」
強烈な風に、俺の体が木の葉のように舞い上げられ
そのまま、崖の上まで運ばれて・・・
ドシャン!
「ぐえっ!?」
落ちた。
「うむ、久しぶりに48の必殺技の一つ『旋風掌』を使ったが
 何とか、間に合ったわい」
野太い声が聞こえてくる・・・館長か?
俺・・・助かった・・・のか?
ボーッとしながら辺りを見回す。
そこで見たのは、仁王立ちしている館長と、倒れたままの佐藤さんと・・・
半べそをかきながら俺に飛びついてくる、姫の姿だった。

704 名前:非情の選択・10 ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:19:58 ID:5dwGK7hM0
後から聞いた話では
被写体を探すためにファインダーを覗いていた西崎さんが
俺たちのピンチを見つけてくれたらしい。
急を聞いて駆けつけた館長が
超人的な技で突風を起こして助けてくれたわけだ。
佐藤さんは頭を打っていたので、念のためヘリで病院に運ばれ
俺と姫は団体行動から離れて勝手に動き回ったあげく遭難しかけたということで
館長からたっぷり絞られた。
で、その夜。
佐藤さんがいないので一人になってしまった姫にテントの前に呼び出された。
が、呼び出しておいて姫は黙ったまま。
・・・何か喋ってないと間が持たないぞ。
「今日は散々だったね」
「・・・」
「館長によると、ああいう極限状態で、人間は本性が出るんだってさ」
「・・・」
「姫は・・・自分で言ってるほど、冷酷にはなれないってのがわかったよ」
「あれは・・・!・・・レオとよっぴーだから、よ・・・」
「俺は・・・どっちかっていうと
 冷酷になりきれない姫が、それでも取る世界の方が見てみたいな」
「だったら・・・冷酷になりきれない分は、カバーしてよね?」
「もちろん、俺は姫の騎士だからね」
「それと・・・もう一つ」
「なに?」
「・・・もう・・・勝手に死ぬことは、許さないんだからね・・・
 私がもういいって言うまで・・・そばに、いなさいよね」
「・・・はいはい」
いつもわがままばかりの姫だけど、こんなわがままならいくらでもきくさ。
満天の星空の下、俺は姫の選択がどうしようもなく嬉しかった。

705 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/03(土) 22:21:58 ID:5dwGK7hM0
アパラチア山脈がどこにあるのかとか知らないので
ひょっとしたらサボテンとかは生えていないかもしれない。
よく調べないで書いたが、反省はしていない。

706 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 22:24:09 ID:io3Z8dXW0
>>673
>>705
GJ!!


707 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 22:29:29 ID:tOk3TlK20
>>705
燃え&萌えでGJ!
>貴方を切り捨てて手に入れる世界なんて、いらないっ!

こんな殊勝なセリフがあれば姫人気ももうちょっと上がりそうなんだが。

708 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 22:32:04 ID:hR2Y6lTc0
>>705
姫キタ━━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━!!
GJ!姫の涙・・・・ギャップに萌え(;´Д`)ハァハァ

709 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/03(土) 22:55:21 ID:dakASnZX0
>>705
ちょwwwwww姫テラモエスwwwwwww
んで館長おいしいとこ取りかwwwwwwGJ!!!!!!!

710 名前:Equal・1 ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:26:32 ID:OHZlPgL50
「どうした、伊達ー!もうへばったかー!」
くっ・・・さすがに・・・シャレんならねえ。
さすが陸上の王者って言われるだけあるぜ。
練習のレベルが竜鳴とはダンチだ。けど・・・
「コーチ・・・東南って、どっちっすか?」
「あ?えーと・・・こうで、こうだから・・・あっちか?」
「うっす!」
見つめる。
もう日はすっかり暮れて、星の瞬き始めた空のかなたを。
残してきたものを。置いてきたものを。
そのたびに、心が奮い立つ。
うし。
「コーチ!もう一本、頼んます!」
「よし!その意気だ、伊達!」
そう。
もう一度この手に、掴むまで。
立ち止まらない。振り返らない。
前を。
前だけを見て、俺は走る。
走り続ける。
それが、俺の選んだ道だから。

711 名前:Equal・2 ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:28:20 ID:OHZlPgL50
あれから、7年か・・・
はええもんだ。
「どうした、伊達。柄にもなく緊張してるのか?」
「いや・・・やっとここまで来れたな、ってね。感慨に耽ってるわけです」
「まあな。正直、由比浜からずっとお前を見てきたが・・・
 ここまで来るとは、思ってなかったよ」
「運も良かったっすけどね・・・ところで・・・えーと」
「・・・日本なら、あっちの方角だ。いや・・・松笠は、と言ったほうがいいのか?」
「あ、気づいてたんすか」
「キツイときとか、大事なレースの前になると、お前決まって方角聞くからな。
 そりゃいい加減気づくさ。しょうがないからコンパス買ったよ」
「うっす!」
コーチに一礼して、その指さした先を見つめる。
思い出す。
俺が、俺自身に立てた誓いを。
あいつと。あいつらと。同じくらいの何かを。
掴めるところまで、俺は来た。
後1レースに、俺の全てを・・・賭ける。

712 名前:Equal・3 ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:30:37 ID:OHZlPgL50
パァン!
スタートの号砲が、静まり返った体に響く。
途端に騒ぎ出す、俺の血潮。
血が、アドレナリンが、駆けめぐる!
走れ!
だけど・・・
チッキショウ、やっぱみんな速ぇぜ!
世界一決めるレースだから当たり前だけどな!
くそっ、じりじりと差が開く!
・・・ここまで、か?
脳裏にちらつく。
カニが。レオが。フカヒレが。
くそ。
残してきたもんのほうが、やっぱりよかったってのか。
今までキツイとき松笠のほう見てきたのは、ただの未練だったのか。
俺・・・間違ってたのか?
胸の奥で何かが囁く。
決勝に残れただけでも御の字じゃないか。
これだって十分なはずだ。
そう・・・十分・・・じゃねえ!

713 名前:Equal・4 ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:32:38 ID:OHZlPgL50
まだだ!まだ全部出し切ってねえ!
全部出し切らないで手にはいるようなもんが
あいつと、あいつらと釣り合うわけねえ!
また脳裏にちらつく。
フカヒレ!レオ!・・・・・・きぬ!
わかったぜ、チクショウ!
振り返ってねえ!
俺はいつだって、振り返ってねえ!
俺が見てるのは、振り返ったとこにいるあいつらじゃねえ!
前だ!
あいつらは、前にいるんだ!
俺が見てるのは・・・前にいるあいつらだ!
走れ!前に!もっと前に!
「お・・・おおおおおおおぉっ!!」
心臓、もっと気張れ!足、壊れるまで動け!
前に、前に、もっと前に!
あいつらが待ってる、あの場所まで!
あの・・・誓いの場所へ!
走ってくれ、俺の体!
届けてくれ、俺の願い!
俺の・・・ゴールまで!

714 名前:Equal・5 ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:34:14 ID:OHZlPgL50
結果は3位。銅メダル。
世の中、そんなに甘くないってか。
だけど
満足だ。全て出し切ったから。
全てを賭けて、手に入れたから。
だから、胸を張っていける。
ん、インタビュー?
は、呼びかけたいやつなんか・・・あいつらしかいねえ。
やっと会える、あいつらしか。
「見てるか。有名人だろ、オレ。選ばなくて損したな、こんないい男」
インタビュアーが妙な顔してるが、知ったこっちゃねえ。
「・・・では、日本に帰ったらまずどうされますか?」
「故郷に帰ります。まさしく錦を飾るってやつでね」
そうだ。あの場所が、オレの故郷だから。
帰り着きたかった場所だから。
「聞こえてんのか、レオ、きぬ、フカヒレ。ちゃんと宴会の用意しておけよ!」

715 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/04(日) 00:36:07 ID:OHZlPgL50
My最萌えキャラは幼少時スバルくん。姫はいいセンスしてると思った。

716 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 00:43:57 ID:7TOibRzr0
>>715
ぐお、短時間に2本のGJ!
スバルカコイイ!!!


・・・次ってフカヒレ?ねえ、フカヒレなの?

717 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 01:15:24 ID:MqXkWF5x0
まさしくスバルッ!超GJ!!

718 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 01:26:33 ID:97mVcLCl0
>>715
エンディングの歌詞や台詞にかぶせてるあたり泣けるぜGJ!

マジで次はフカヒレなのか気になるなw

719 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 01:45:13 ID:RIJXZ/OM0
>>715
やばい、とにかくGJとしか言いようが無い。

・・・蟹ルートからますます離れなくなってしまったぜw

720 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 01:56:17 ID:lgwYJeFE0
ここで流れを全く読まない俺の投下ですよ。

721 名前:GoodBye Family1 :2005/09/04(日) 01:58:32 ID:lgwYJeFE0
十一月の肌寒い日。竜鳴館が夕陽に染まる頃。
一人の少女が廊下を歩いていた。
暗い桃色の髪をおだんご状にまとめた小柄な少女である。
少女の名を楊豆花(ヤン・トンファー)と言い中国からの留学生である。
彼女はクラブ活動を終え帰宅しようとしたところであったが、ふと、教室に忘れ物をしている事を思い出し教室へと歩いていた。
不意に彼女が足を止める。
廊下の真ん中にノートサイズの一枚の紙切れが落ちていた。
彼女は身を屈めそれを拾い上げた。
数秒間じっと眺めた後、彼女は鞄に収め。再び教室へと向かった。
ガラリ、と音を立てて2−Cの扉を彼女は開けた。
赤く染まった部屋の中で地面に這いつくばり地虫のように動く先客がいた。
「…特殊な趣味にでも目覚めたカ?」
先客が顔を上げ、少女を舐め上げるように見つめる。
「おっ、豆花。探し物してるんだけどさ、見つからなくってね。」
「あちゃー、もうこんな時間か。参ったね。」
青年は立ち上がりズボンについた汚れを払う。
「探し物ネ、何を探しているカ?」
「これっくらいの大きさの紙。」
青年は手でノート程度の大きさを作る。
「ん?それならひょとしテ。」
「これ違うカ?」
少女は鞄に手を入れ先ほど拾った紙切れを青年に差し出す。青年は飛び上がって喜び、少女の差し出した紙切れを受け取る。
「おおお、豆花は俺の女神だ!!助かった!!ありがとう!!感動した!!お礼に何でもご馳走する!!そして俺と付き合って下さい!!」
「それは遠慮するネ。」
「あらら、がっくし。」
青年はおどけるようにオーバーに肩をすくめ、受け取った紙切れを自分の鞄に収める。
「ところで…」
「おおっと、もうこんな時間だ。早く帰らないと母上と父上が心配しちゃうよ。じゃ、そういう事で。」
少女の台詞を遮るように青年は叫ぶと鞄を掴み、脱兎の如く走り去っていった。
ポカンとした様子で走り去っていった青年の影を少女は見ていた。

722 名前:GoodBye Family2 :2005/09/04(日) 01:59:48 ID:lgwYJeFE0
翌日、少女はいつもどおり登校し、2-Cで雑談を楽しんでいる。
「いつも通り楽しそうネ。」
「ほんまやな、しっかし毎日毎日良く飽きへんなぁ。」
今現在の少女とその友人の話の種は部屋の片隅でいちゃいちゃする一組のバカップルである。
対馬レオと蟹沢きぬの二人は二学期に入って以来、常に所構わず時を問わずいちゃいちゃとしていた。クラスメイトも既に馴れてしまい、思い出したように会話の種にする以外は空気のようなものとして扱うようになっていた。
2学期以前は対馬レオと蟹沢きぬの傍にはもう二つの影がよりそっていた事を少女は覚えている。
今は遠く由比浜学園にいる伊達スバルと、彼らを少し離れた場所から眺めている鮫氷新一の二人である。
ちらり、と少女は鮫氷新一を見る。
「そういえば最近、鮫氷君が大人しいネ。」
「言われて見ればそうやね。しっかし、ぶっちゃけフカヒレのこと何て誰も気にも留めてないからどうでもいい気もするで?」
「マナ、それはちょっと酷いネ。」
「でもそのとおりやろ。」
「あ、それよりや昨日の…」
少女と友人の会話は昨日のTV番組へと移る。
他愛の無い会話を続けながら少女は時折、鮫氷新一を見ていた。
少女は感じていた。鮫氷新一が対馬レオと蟹沢きぬを見る目は遠く、届かない星に向けて手を伸ばす子供のような哀しみが込められている事を。

723 名前:GoodBye Family3 :2005/09/04(日) 02:01:19 ID:lgwYJeFE0
退屈な授業が終わり、再び放課後が訪れる。
少女は鮫氷新一を探し教室をぐるり、と見渡す。
鮫氷新一の姿は既に無く、少女は甘い空気を全力で放出する対馬レオと蟹沢きぬの元へと近寄る。
「対馬君、カニち。ちょと良いかな。鮫氷君、知らないカ?」
「フカヒレ?知らないけど。」
「あいつ最近付き合い悪いんだよなー。生徒会の方も顔出さないし。」
「一回、しめてやんないとね。」
「おいおい、きぬ。フカヒレの気持ちも考えてやれよ。」
「きっと、俺達二人の為に気を利かせてくれてるんだよ。」
「そっかぁ、さっすがレオ、鋭いね。」
「きぬの愛の力が俺を何倍も鋭くするんだよ。」
「んもう、そんなに褒めても何も出ないんだからね。」
「褒めてなんか無いさ。ただ当たり前の事を言ってるだけだから。」
「やぁだぁ、レオってばぁ。」
「そういえば、豆花さん。フカヒレに何か…」
対馬レオが少女の事を思い出したとき、既に教室に少女の姿は無く、遠巻きに彼らバカップルを見る幾つかの視線があるだけだった。


724 名前:GoodBye Family4 :2005/09/04(日) 02:03:00 ID:lgwYJeFE0
少女はクラブ活動を自主的に休み校舎を歩き回っていた。
各種スポーツクラブが汗を流しているグラウンド。
ブラスバンド部が楽器を奏でる音楽室。鋭い目線をした長い黒髪少女がいた屋上。
楽しげにお喋りをする一団の居座る食堂。怪我をした生徒が包帯を巻かれている保健室。
目当ての人物は見つからず、廊下から窓の外を眺めため息をつく。
ポン、と肩が叩かれる。
「よ、何してんの?こんなところで。」
「鮫氷君を探していたネ。」
「え、俺を?何?ひょっとして告白?そんなのいつでもOKだよ。喜んで俺と付き合ってください。」
「それは無いネ。」
「ガーーーーン、遂にあのバカップルを見返してやる事が出来ると期待したのに神様の馬鹿野郎ーーーーー。」
窓を開け、グラウンドに向かい大声で叫ぶ青年の横顔を呆れたように少女は見ていた。叫びが終わり窓が閉められ、青年が少女の方に向き直る。
「鮫氷君、昨日のアレ。」
機先を制し少女が告げる。青年は罰の悪そうな顔をして頭をかく。
「アレ、楽譜ネ、しかも手書きネ。」
「まぁね。一応俺のオリジナルだから。」
「どうして、逃げたたカ?」
「いや、ほら恥ずかしいじゃん。そんな大したレベルじゃないし俺って。」
「大丈夫ネ、一生懸命作ったら想いが宿るネ。料理と同じネ。」
「そんな大層な想いなんて…」
「楽譜、消しゴムの後いっぱいネ。沢山書き込みもしてあったネ。」
少女がにっこりと微笑む、青年は苦笑を返す。
「実は今のところ一番の自信作。と、いってもまだ未完成だけどね。」
「ピアノの曲カ?」
「いんや、ギターだよ。」
「アイヤ、ギターだたカ。」
「完成したら聴かせて欲しいネ。」
「………喜んで。」
数瞬の躊躇いの後、いつもの軽い笑顔を浮かべて請け負う。
再び少女が口を開こうとしたが、青年は既に背を向けていた。そのまま、少女は遠ざかる背中を見ていた。


725 名前:GoodBye Family5 :2005/09/04(日) 02:03:48 ID:lgwYJeFE0
深夜、未だ人通りが途絶えない駅前。
寒風に吹かれながら目立たない場所で青年はギターを奏でていた。足を止める者などいないことを承知で。
目を閉じ、楽器と自分だけの世界の中で孤独に音色を作る。
曲が終わる。
パチパチ、と小さく拍手の音がした。驚いたように青年は目を開けた。
「豆花?なんでまたこんなところに。」
「マナに聞いたネ。楽器使う人は大体この辺にいるテ。」
「わざわざ俺を探しに来てくれたのか。いやー悪いね。何度も言うけど俺ならフリーだから遠慮なく愛を囁いてくれて構わないぜ。」
いつもどおりの道化染みた仕草でキラキラとした笑顔を作る。
「黄河が逆さに流れても有り得ないネ。」
「そりゃ手厳しい。」
「ところで、それ何?」
チャイナドレス姿の豆花の足元にちょこんと置かれた鉄製の箱。それは主にラーメン屋の出前で用いられる。
「オカモチね。知らないカ?」
「いや、オカモチは知ってるから。」
パタパタと手を振り否定の意を表す青年。少女はオカモチを持つと、青年の目の前に立ち、オカモチを目線の高さまで掲げる。
「差し入れネ。体が暖まるネ。」
怪訝そうな顔をしてオカモチと少女の顔の間で視線を往復させる青年。そして、ハッ、と気がついたように口を開く。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「女の子の手作り料理キターーーーーーーーーーーーーー!!」
「遂に、遂に俺にも春がキターーーーーーーーーーーーーー!!」
ぐるぐるとオカモチを持って回るように踊る。
「無理、しないで良いネ。」
少女が告げる、ぴたり、動きが止まる。
「アハハ…」
乾いた笑いを響かせ。ペタリ、腰を落とす。
「中身何?」
「小龍包ネ。」


726 名前:GoodBye Family6 :2005/09/04(日) 02:04:45 ID:lgwYJeFE0
地面に座り、黙々と小龍包を口に放り込んでいく青年を少女は見つめていた。
「座れば?」
躊躇いがちに少女が地面を見る。青年は、ああ、と一言呟くとポケットからハンカチを取り出し自分の横に広げる。
「どうぞ。」
「ありがとうネ。」
少女がハンカチの上に座り、青年はまた小龍包を食べ始める。
「どうだった?」
「あんまり上手じゃないネ。」
青年が苦笑を漏らす。
「はっきり言うよね。その通りだけどさ。」
「でも、私は好きネ。想い、とても感じたネ。」
「………ありがと。」
二人は黙ったまま、時を過ごした。やがて青年が小龍包を全て平らげる。
「ご馳走様。美味しかったよ、さっすが料理部部長。スバルとも良い勝負だな。」
「伊達君、料理上手いカ?」
「かなり。」
「そか、一度食べて見たかったネ。」
「豆花もスバルがいなくなって残念?」
「当然ネ。」
「やっぱり。あいつカッコイイからなぁ。ああ、俺にスバルの半分でも格好良さがあったら。」
「鮫氷君は、寂しくないカ?」
「………分かんねぇ。」
「そカ。」
二人の間に再び沈黙が訪れる。黙ったまま、二人は空を眺めていた。
「帰りなよ。明日に響くぜ。俺と違って授業受けるんだろ寝ないで。」
ぼそりとした独り言のような呟きを受けて、少女は立ち上がり、オカモチを手に取る。そのまま数歩前に歩いたところでくるり、振り返り青年を見つめる。
「毎日弾いてるカ?」
「大体ね、雨とか嵐とか雪とかじゃない限り。」
「明日も差し入れ持ってくるから、良い曲作るネ。」
少女は青年が何かを告げる前に走り去っていった。

727 名前:GoodBye Family7-1 :2005/09/04(日) 02:08:18 ID:lgwYJeFE0
数日が過ぎた。少女は小龍包をつくり、青年はギターを弾く。
言葉はそう多くは無かった。それでも、彼等は楽しそうだった。
「もうすぐ、曲出来そうだ。」
青年が嬉しげに少女に告げる。少女もまた嬉しそうに微笑を浮かべる。
「それは良かたネ。対馬君達に聞かせてあげるカ?」
一つ、ギターの弦を慰みに鳴らす。
「レオ達か。」
「最近付き合い悪いと愚痴てたネ。ここらで一発、サプライズネ。」
ギターを置き、顔を上げ遠くを見つめる。
「別に良いんじゃね。あいつら二人で幸せそうだしよ。」
「案外スバルが消えて俺がいなくなったら喜ぶんじゃねぇのか。」
「二人の世界って奴だろ、羨ましいね。ハンッ。」
詰まらなさそうに鼻を鳴らす。
パシンッ!
不意に青年の左頬が高い音を立てる。赤くなった左頬を抑えながら隣に座る少女を見つめる。静かに、感情の見えない目で少女が鮫氷新一を見ていた。
「誰かを傷つける嘘を吐くのは悪い事ネ。」
「誰かを喜ばせる嘘を吐くのは良い事であり悪い事ネ。」
「自分を傷つける嘘を吐くのは救いようが無いほど寂しい事ネ。」
子供に聞かせるように、優しい声で少女が告げる。


728 名前:GoodBye Family7-2 :2005/09/04(日) 02:11:51 ID:lgwYJeFE0
青年は物憂げに少女を見る。
「…寂しい、か。」
「寂しいネ。」
「スバルは、凄い奴だよな。」
「凄い奴ネ。」
「レオ達は、幸せな奴等だよな。」
「幸せな奴等ネ。」
「俺は、空っぽな奴だよな。」
少女は首を振る。
「そんな事無いネ。」
少女が青年にギターを差し出す。
「スバルみたいな才能ねぇよ。俺には。」
青年は受け取らない。
「前も言ったけネ、でも、もう一度言うネ。」
「私は好きネ、新一のギター。だから、毎日聴きに来てるネ。」
青年は苦笑いをしながらギターを受け取る。
「今まで生きてきてさ。」
「ねーちゃん以外の誰かに褒められたの。」
「誰かに褒められてるって実感したの。」
「嫌になるぜ。すげぇ嬉しい。」
少女は青年を抱き寄る。
小さく、嗚咽がする声漏れる。
一対の彫像のように
彼等は身を寄せ合い朝を迎えた。

729 名前:GoodBye Family8-1 :2005/09/04(日) 02:14:07 ID:lgwYJeFE0
鮫氷新一は駅前にいなかった。少女はオカモチを抱えたまま、昨日まで彼がいた場所を眺めていた。
一時間、二時間と時が経過していく。あたりに人通りはすっかり無くなってしまった。
バタバタとした足音が少女の耳に届いた。少女が振り返る。
「わりぃ、遅れた。」
鮫氷新一がいつもの場所に立ち、ギターを構える。
「小龍包、冷めたネ。」
「責任持って全部食べさせていただきます。」
「新一、対馬君達に聞かせてきたカ?」
「ああ。」
「最高の友達だって確認してきた。」
少女が一つ頷く。
「次は私に聴かせて欲しいネ。」
「勿論、これを聞いたら。豆花が『鮫氷君ステキー彼女にして欲しいネ』って言い出すの間違い無しだ。」
「宇宙の始まりまで遡ってもありえないネ。」
「段々酷くなってないか俺の告白成功率。」
少女と青年が小さく笑い合い、二度、三度、青年がギターの調子を確かめる。
「豆花。演奏する前に言いたい事があるんだ。」
続きを促すように、小首を傾げる。


730 名前:GoodBye Family8-2 :2005/09/04(日) 02:15:10 ID:lgwYJeFE0
「東京に行く事にした。学校を辞めて。」
怒るべきか、驚くべきか、悲しむべきか、判断に迷った挙句その三つが混在した不可思議な表情になる少女。
「ななななななななな何を言うてるカ!?冗談ネ!?」
「本気だ。」
「スバルが別れ際に言ったんだよ。」
「『友達は対等であるべきだろう。なら、俺もカニに見合うものを手に入れなきゃな。』ってさ。」
「何だかずっとあいつらに置いていかれた気がしてた。」
「でも、置いていかれるのが寂しいからって、拗ねててもしょうがない。そう、教わった。」
「俺にはギターしかない、だからギターであいつらを追いかけて、追いついてやる。」
「つ…対馬君達には。」
「言ってない。引き止められたら、俺は行けなくなる。だから言わない。」
「馬鹿ネ。」
少女が涙を流しながら奇妙に崩れた微笑を浮かべる。青年は優しく、本当に優しく笑いながら涙を流した。
「東京は遠いネ。」
「すぐ近くだって。何なら毎日でも帰って来ちゃうよ。」
「いつも横にいた人がいなくなる。とても遠いネ。」
青年は何も言わず、ピックを握り手に力を込めた。
青年がギターを奏でる音が人気の無い駅前にどこか物悲しく響き渡った。

731 名前:GoodBye Family9 :2005/09/04(日) 02:16:58 ID:lgwYJeFE0
「皆さんに残念かつ意外なお知らせがありますわ〜」
「本日付でフカヒレさんが退学なされました。」
教室がどよめきで満たされ、それを窘めるようにオウムの土永さんの声がする。
「まぁまぁ、落ち着けヒヨコども、我輩は…」
少女はそれらの声を聞き流しながら、何を見るでもなく宙を見ていた。
やがて授業が始まり、ざわつく教室の空気を感じながら机の中から教科書を取り出す。
カチャリ、と音を立てて何かが落ちた。身を屈め拾い上げる。
見覚えの無いカセットテープ。
ラベルには下手糞な字でこう書かれていた。
「最見……………字、間違えてるネ。」
クスリ、と小さく笑い。呟いた。
「再見、新一。」
〜FIN

732 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 02:20:38 ID:TtjhC3Ow0
ただ一言、GJと言わせてくれ

733 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 02:24:45 ID:RIJXZ/OM0
なんか知らんが読んでて涙が出てきたよ。

スバルがいなくなってからフカヒレってこんな感じで悩んでたんだろうなぁ。
自分の居場所はあるのか、とか。これも有り得る道だと思うとフカヒレ頑張れ! って思った。

734 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 02:25:55 ID:RIJXZ/OM0
↑途中送信してもうたorz

最後に一言、GJ!!

735 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 02:59:52 ID:OMwfUx4m0
な、泣いてないもん、泣いてないもんね!
。・゚・(ノД`)・゚・。

736 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 04:36:12 ID:x7HU9a1C0
目から塩辛い汁が出てきた

737 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 05:10:58 ID:MqXkWF5x0
良い話だ…暖かい、良い話だ…

登場シーン少ないのにここまで巧くキャラを描写するなんて…G・J!!


738 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 09:57:12 ID:3I50E3fIO
スゲーナ・スゴイデス
フカヒレ( /Д`)
泣いてない(TДT)泣いてないもんね

739 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 12:28:34 ID:+ZHzz2fb0
俺はまた一つ、このSSで感動したぞ!!
GJ!

740 名前:675 :2005/09/04(日) 14:05:36 ID:ddV+r+mf0
カニ「時代は!」
海「私たち!」

なごみ「ふん、カニが海に帰ったか」


741 名前:675 :2005/09/04(日) 14:09:42 ID:ddV+r+mf0
いるか「私たちいろんな意味で仲間ですね♪」
よっぴー「カニとでも遊んでればいいのに、海洋生物同士お似合いよ」
いるか「ひぃぃぃぃ!!!」

742 名前:675 :2005/09/04(日) 14:11:46 ID:ddV+r+mf0
高嶺「ぺたぺた」
祈「ぼいんぼいん」
高嶺「こいつ殺す!」

743 名前:675 :2005/09/04(日) 14:17:29 ID:ddV+r+mf0
マル「ぎゅ〜(どっちが本当のマスコットか教えてやるぜ!)」
土永「ふんっ!言葉もしゃべれない分際で!」
マル「(痛いところを…焼き鳥にして食ってやる!)」
土永「貴様なんぞソテーにして食ってやるわ!」

10分後
カニ「うまかった〜♪」
レオ&スバル「コラっ!」

744 名前:675 :2005/09/04(日) 14:22:27 ID:ddV+r+mf0
ぽえむ「マルが…」
祈「いる場所は…」
ぽえむ「→です」
祈「←です」
ぽえむ&祈「…」
ひなのん「つまり地球の反対側ということ、であるな」


745 名前:675 :2005/09/04(日) 14:26:17 ID:ddV+r+mf0
姫「ちょっと来なさい。ハーレムの一員にしてあげるわ」
いるか「わ、私にはお姉様という心の決めた人がっ!でも、このノリ好きかも…」

746 名前:675 :2005/09/04(日) 14:29:32 ID:ddV+r+mf0
西崎「く〜♪」
海「シ〜♪」
空也「…」

747 名前:675 :2005/09/04(日) 14:34:30 ID:ddV+r+mf0
ほなみ「畜生!この礼は必ずしてやる!」
かに「覚えてろよ!」
空也&レオ「違和感ないな…」

748 名前:675 :2005/09/04(日) 15:09:56 ID:ddV+r+mf0
カニ&海「クッキー作ったよ〜」
空也&レオ「くぁwせdrftgyふじこlp;@」
祈「破壊力2乗ですわ〜」

749 名前:675 :2005/09/04(日) 15:12:47 ID:ddV+r+mf0
どうもお目汚しスマソでした。
>>中の人
こんな陳腐な作品載せてくださってありがとうござます。
お願いなんですがタイトルをコラボネタに変えてもらえますか?

750 名前:レオとくーや :2005/09/04(日) 17:48:05 ID:ZPOZCuSQ0
  (  )  (  ) ジブンヲ
  (  )  (  )
  | |    | |

ヽ(゚∀゚)ノヽ(゚∀゚)ノ
  (  )   (  )    トキハナツ!!!
 ノω|   ノω|
         _[警]
          (  ) ('A`) ('A`)
          (  )Vノ )ノ/ )
           | |  | |  | |

751 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 18:27:05 ID:2JtfXq8P0
>>721
つよきすで一番自分が好きなキャラがフカヒレであることを再自覚したよ
フカヒレ&トンファーいいなぁ

752 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/04(日) 22:23:08 ID:3I50E3fIO
中華料理屋にて
歩笑&なごみ「坦々麺、激辛」

歩笑&なごみ「・・・」
歩笑&なごみ「やっぱり超辛スペシャルで」
空也&レオ「・・・なんで、張り合ってるんだ?」

675さんと同じ流れで考えた、今も反省していない。


753 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 06:08:19 ID:S07GR0cT0
それ声ありでユニゾンさせたら、微妙だろうなぁ……w

754 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 06:58:48 ID:tPvNW/gd0
ツンデレだなーとおもうキャラたちとのクロス

秋葉「すべてを奪い尽くして差し上げます」
なごみ「キモイ 潰すぞ!」
秋葉「兄さん・・」
なごみ「先輩〜♪」

もうぶっちゃけごめんなさい

755 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 13:52:20 ID:6+oL3gPa0
>>754
まぁ俺はTYPE-MOONも好きなので許す。

と、土永さんが言ってますわ。

756 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 15:33:36 ID:qoaoKBEp0
中の人ネタ
スバル「実は俺、強さランキングでは館長より上なんだぜ、さらにフカヒレも館長以上、俺以下だったりする」
レオ「マジか!?」
スバル「まあ『ただの一般兵』と『御大将』じゃ強さに差があるに決まってるけどな」
レオ「ガンダ○ゴーッ!?」

中の人ネタ2
スバル「と思ったら正直微妙かもしれない」
レオ「何故?」
スバル「いや、『陰陽師』と『爬虫類じゃない筈なのに幹部』だし」
レオ「チェンジゲッ○ー!?」

757 名前:プロローグ ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 15:51:55 ID:IvU2Jo9c0
「教育実習?」
柊家、茶の間。
珍しく巴から切り出された話題は、来週から始まる実習についてだった。
「う、うん。だから、ちょっとの間、家事とかあまりできないんだ」
「それはまあ俺に任せておいて」
「うん、ありがとう空也。私も、できるだけはやるから」
何かと遠慮しがちな巴を、雛乃がピシリと諭す。
「いや、巴。実習とはいえ、人様の子弟を教える立場になるのだ。
 ここは家事のことは空也に任せ、実習に専念するがよかろう」
「そうそう、だいたい家事なんてイカにやらせとけばいいのよ」
「う・・・じゃ、じゃあ・・・悪いけど、空也、お願い」
「あいあい。任せといて」
それまで黙っていた要芽も口を出し始める。
「ところで巴、なんという学校に実習に行くの?
 卒業校じゃないのでしょう?」
「うん。松笠の・・・竜鳴館ってところ」

758 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 15:53:26 ID:1/f9/T090
最近のこスレ読み始めました
感動しました

で、ここに つよきすのサントラがあるんですが…
BGMを指定していただけたら靴舐めます

759 名前:巴先生さようなら・1 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 15:53:41 ID:IvU2Jo9c0
「あー・・・あふ・・・」
「んだレオ、でっけぇアクビしやがって」
スバルがニヤニヤしながら俺の脇腹をつつく。
「てて、やめろって・・・だってなんか退屈だろ・・・」
竜宮でまったり過ごす対馬ファミリー。
姫も佐藤さんもいないし、乙女さんも拳法部に行ってしまったので
なんか俺の部屋にいるときと雰囲気が変わらない。
「そんなこと言ってると、また乙女さんにしごかれるぜ?」
「いや、それはいつもだから」
秋の文化祭の準備が始まるまでは生徒会のほうもわりとヒマだ。
仕事がないなら、といって椰子なんかさっさと帰っちまった。
「最近はこれといったイベントもないしな・・・」
「おいおい、イベントってわけじゃないけど、来週はちょっとあるじゃないか」
フカヒレが何か嬉しそうにしている。
「?なんかあったっけ?」
「教育実習。なんか、すっげえ美人の先生が来るらしいぜ?」
「ああ、そういえばそうだったな・・・
 って、美人ってどっからの情報だよ?」
「ま、さる筋からな」
「お前、ホントそういう情報入手するの早いよな」
「情報は入手するけど、その情報を生かせないからねコイツ」
カニは頭悪いくせに、こういう指摘だけは正鵠を射たものだったりする。
「うるせーよ!夢ぐらい見させろっての!」
「知ってるか?にんべんに夢、と書いて『はかない』と読むんだぜ?」
「あーあ、ヤダヤダ夢のない連中は!
 俺は、いつまでも見果てぬ夢を追い続けるぜ」
「お前の夢は偏りすぎだ」

760 名前:巴先生さようなら・2 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 15:55:23 ID:IvU2Jo9c0
「そうだ、乙女さんは教育実習生のこと何か聞いてる?」
夕食後のお茶を飲みながらちょっと気になってたので乙女さんに聞いてみる。
・・・フカヒレが美人だ、とか騒いでたからじゃないぞ。
「うん?そうだな、私も詳しくは知らないが・・・今年は一人だけらしい。
 館長は、面接して気に入った人物の実習しか受け付けないそうだからな」
なんていうか、あの人らしい。
しかし、一人しか実習生がこないってことは
その人がフカヒレが言ってた美人先生なのかな?
「科目はなんなんだろう」
「確か、日本史と聞いているな」
「日本史かぁ。なんかこう・・・和風のおしとやかな人を連想させるね」
「私だって純和風だぞ?」
でも、おしとやかじゃない、とは口が裂けても言えない。
まだ死にたくないし。
「日本史といえば、お前、日本史の成績がちょっと下がってたな」
「・・・おやすみなさいっ!」
「待て!」
察して逃げようとしてが、無駄だった。
「私は日本史は得意だからな。
 実習の先生に恥ずかしいところを見せないですむように、ちょっと教えてやろう」
くそ、とんだヤブヘビだ・・・

761 名前:巴先生さようなら・3 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 15:57:51 ID:IvU2Jo9c0
そして月曜日。
「おっはよー!」「おはようー」
「おはよ」「おはよーん」「ちーっす!」「おはようさん」
通学路を歩く俺たちに、姫と佐藤さんが合流してくる。
「珍しいわね、対馬ファミリーが揃ってこんな早く登校なんて」
「そういえばそうだね。対馬君とかと、あまり一緒にならないもん」
「けっ、こいつら揃いも揃って、教育実習生が目当てらしいぜ」
「ああ、今日からだったわね。
 なんでも、HRとかウチのクラスに来るらしいわよ」
「おお、ラッキー!
 これは運命だね。運命を感じるね!」
「オメーの運命とか想像すっと哀れみしか感じねーんだけど」
「うるせーよカニ。見てろ、今に必ず幸せになってやるから」
それは今が幸せじゃないやつのセリフだぞ、フカヒレ。
やがて正門が間近になってきた。
何気なしに見ると、いつものように乙女さんが立っているそばに
背の高い人影が一つ、近づいていく。
制服じゃないところを見ると先生・・・っぽいが
見たことない人のような・・・
「おい、あれがひょっとして実習の先生じゃないか?」
「え、どれどれ?」
さらに正門に近づくと、だんだんとその人の姿がはっきりしてきた。

762 名前:巴先生さようなら・4 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:00:01 ID:IvU2Jo9c0
第一印象は・・・
「でかっ!」
「背ぇ高ぇなオイ」
「ホント。並んで立ってる乙女さんが小さく見えるぜ」
「でも、ゴツイって感じじゃないわね。
 スラリとしてて、それでいて出るところはバーンと出てるわ」
「うん、すごくスタイルいいよね。モデルさんみたい」
「ち、背ぇ高くて巨乳かよ。ココナッツみたいで気に入らねーな」
一言で言えば、目立つ人だった。
やがて校門に。
俺より背、高いなぁ。スバルとタメぐらいか?
とりあえず、声をかけよう。
「改めておはよう、乙女さん」
「ああ、皆揃って登校か。ちょうどよいところに来たな。
 こちらが、今日から我が校で教育実習を受けられる、柊先生だ」
乙女さんが紹介して、その人、柊先生がぺこりと頭を下げる。
「柊、巴・・・です」
間近に見ると、すごい綺麗な人だ。
スラリとした長身に凛々しい顔立ち。
見た目の雰囲気としては乙女さんに近いだろうか。
・・・ん?
見つめているうちに、柊先生の顔がどんどん真っ赤になっていく。
緊張しているのかな。
なんだか・・・年上だけど、ちょっと可愛いと思った。

763 名前:巴先生さようなら・5 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:01:49 ID:IvU2Jo9c0
「柊先生、この者たちは皆、先生が受け持たれる2−Cの生徒です。
 正直、問題児ばかりですが、根はいい奴らですので、よろしくお願いします。
 さあ、お前達もちゃんとご挨拶しないか」
乙女さん、仕切るなぁ。
ま、挨拶はきちんとしなきゃね。
「霧夜エリカです。ここ竜鳴館の生徒会長やってまーす」
「対馬レオです。いちおう、生徒会副会長、です」
「佐藤良美です。私も生徒会所属で、書記をやってます。よろしくお願いします」
「鮫氷新一っす!俺も生徒会所属。わからないことは、何でも聞いてくださいよ」
「伊達スバルっす。一応生徒会にもいるけど、本職は陸上部。よろしく」
「蟹沢きぬ。ボクも生徒会ね。ヨロシク」
顔を赤くしながらも、柊先生はニコニコしながら
俺達の自己紹介を聞いている。
「あは、皆生徒会メンバーなんだ。優秀なんだね」
乙女さんがため息をつく。
「私も、生徒会に籍を置いていますが・・・
 残念ながら、優秀なのは姫と佐藤ぐらいです」
「あう?・・・姫?」
首を傾げる柊先生。それはいいが・・・あう、ってなんだ。
「ああ、失礼、姫というのは霧夜のあだ名です。
 その霧夜にしても、成績は文句なしなんですが
 なにぶん素行が悪いもので困っています」
「ちょ、ちょっと乙女センパイ。私のどこが素行が悪いっていうんですか」
食ってかかる姫を、しかし乙女さんはしれっと受け流した。
「ん、いかん、もうこんな時間か。
 お前達、早く教室に行け。柊先生も、職員室へお急ぎください」
「あう・・・じゃ、じゃあ、皆、また後で」
また、あうって言った。口癖かな。
ペコ、と頭を下げて職員室へ向かう柊先生。
なんとなくいい人っぽいな。気は弱そうだけど。

764 名前:巴先生さようなら・6 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:09:17 ID:O8yIReuQ0
「はーい皆さーん。今日は転校生を紹介しますよー」
「え、え、え?あ、きょ、今日から転校してきました、柊巴です・・・」
・・・天然?
「はい、それでは柊さんの席は・・・あらあら、困りましたわ〜
 空いている席がありませんわね〜」
「あう・・・じゃ、じゃあ机と椅子、持ってきます」
どこまでボケるのかこの人は。
「柊先生!よかったら、ボクの席で!」
「バカかお前。お前はどこで授業受けるんだよ」
「・・・フカヒレさんはどうせいらない子ですし〜」
「違うでしょ違うでしょー!俺と柊先生で、一つの机を分け合って使うんでしょー!
 っていうか、いらない子ってことないでしょー!」
そもそも、教師は生徒の席を使わないがな。
「あう・・・わ、私はどこで授業を受ければ・・・?」
って、まだボケてるし。
「柊サン。貴方は授業を受けにではなく、授業を教えにいらしたんですよ?」
「あっ・・・そ、そうだった」
マジで忘れてたのか。緊張してるとはいえ、大丈夫なのか。
カニが勢いよく手をあげる。
「はいはーい!柊センセーってなんか呼びにくいから
 巴センセーって呼ぶのがいいと思いまーす!」
おお、カニにしちゃ割とまともな意見。
「そうですわね〜。柊サン、いかがですか?」
「は、はい・・・私も、なんとなく・・・そのほうが気楽、です」
「じゃあ決まりね。巴先生、短い間ですけど、よろしくお願いしまーす!」
いいところはいつものように姫が締める。皆も合わせて
『よろしくお願いしまーす!』
「はっ、はいっ!・・・よ、よろしくお願いしますっ!」
勢いよく、深々と頭を下げる巴先生。
なんか・・・どっちが教師だかわからんな・・・

765 名前:巴先生さようなら・7 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:11:16 ID:O8yIReuQ0
そして、数日が過ぎた。
例によって俺の部屋でくっちゃべる対馬ファミリー。
「しかし、巴先生って面白ぇーよな」
フカヒレは、巴先生が気に入ったらしい。
背が高すぎるからちょっとアレなんだそうだが。
「面白いっていうか、慣れてなくてわたわたしてるんだろ。
 でもその様子がなんていうか新鮮なんだけどな」
「基本的には真面目なんだけど、結構大目に見てくれたりもするぜー。
 祈センセーほどじゃないけどさ」
「あの人はまた特別だから比較にはならん」
「あと、すっげぇ優しいな」
「あ、それそれ。なんて言うの、困ってる人を絶対見捨てられないタイプ」
思い思いに巴先生について話していると、乙女さんが部屋に入ってくる。
「またお前達かというのも、もう言い飽きたぞ私は・・・」
「まあまあ。そうだ、乙女さんは巴先生のこと、どう思う?」
「ん?巴先生か・・・
 教え方はとても丁寧だな。真面目ないい人だとは思う。が・・・」
「・・・が?」
「教師としては、少し優しすぎるのではないかな。
 祈先生だって、授業に限っては厳しいだろう?
 そういう厳しさが、あの人には足りないような気がする。
 まして、我が校の気風には・・・あまり、合わないのではないかな」
言われてみれば・・・そうかもしれない。
「でも、館長が面接して、気に入ったからウチに実習に来てるんだよね?」
「うむ。そこが私にもわからん。
 館長はあの人のどこが気に入ったのだろうな」
「・・・胸とか?」
「姫じゃあるまいし、館長がそんな不純な動機で人を選ぶか、たわけが!」
だよなあ。
まあ、あの館長のことだから、何か考えがあってなんだろうけど。

766 名前:巴先生さようなら・8 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:17:53 ID:O8yIReuQ0
2週間。教育実習の期間はあっと言う間に過ぎて
今日が、巴先生の最後の授業。
結構楽しかったし・・・ちょっと、寂しい。
2時間目が終わっての休憩時間に
ピンポンパンポーン
あれ、生徒会の校内放送?
『テステス・・・あ、あ・・・
 皆さん、こちらは生徒会執行部です。
 先ほど、警察よりあった連絡によりますと
 松笠港から野手山動物園へ移送中の・・・』
またか。この間は犬だったが。
「よかったな、カニ。また活躍できるぞ」
「よ〜し、今度こそ食っちゃる!」
食う気満々だ。
『・・・アラスカヒグマが、逃げ出したとのことです』
マジ?
「おい、ホントに今回は熊らしいぞ」
「上等!」
「バカ、やめとけカニ。犬と熊じゃくらべもんにならねぇって」
『場所は松笠市ポイント86。我が校のすぐ近く。
 時刻は、ついさっき・・・とにかく、とても危険です!
 連絡があるまで、校舎から出ないように!
 後、指示があったら速やかに行動してください!』
「聞いたろ、今の姫の声。あの姫が、ちょっと慌てるぐらいヤバイんだ。
 大人しく、言うとおりにしてようぜ」
ま、スバルの言うとおりだな。
『なお、生徒会執行部のメンバーは至急屋上に集合してください!以上!』
え、なんで?
「見張り役ってことじゃね?ま、姫のお呼びじゃしかたねえ、行くか」

767 名前:巴先生さようなら・9 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:23:31 ID:O8yIReuQ0
ぞろぞろと屋上へ向かうと
姫と佐藤さん、祈先生と椰子が来ていた。
「みんな揃ったわね」
「あれ?乙女さんがいないぜ?」
「それなのよ。乙女センパイは、次の拳法大会の開催式の打ち合わせとかで
 出かけてしまっているの」
「むむ、熊にも対抗できる我が校の二大戦力の一人がいないのか」
「そして館長は、地区の校長会議でお出かけになられていますの」
「・・・ってことは・・・」
「今、この学校には熊に対抗できる人はいないのよ。
 他の生徒たちには、不安にさせるだけだから知らせていないけどね」
ヤバイな。
「犬ぐらいなら、私でもどうにでもできるけど
 アラスカヒグマが相手じゃね」
「そんなおっかないヤツなの?」
「体長3メートル近く、体重は500キロを越す超大型の肉食獣よ。
 普通の人間じゃひとたまりもないわ」
「つまり、現れたら逃げるしかない訳ね」
「そういうこと。だから、早期発見が重要なの。
 それで見晴らしのいい屋上に集まってもらったわけ。
 私とよっぴー、カニっちとなごみんで四方を見張るわ。
 もし・・・現れた場合、伊達くん、対馬くん、鮫氷くんは
 生徒の避難誘導をお願い」
姫がフカヒレを鮫氷と呼ぶあたり、事態はかなり切迫してるようだな。
「・・・わかった。来たらいつでも行けるようにしとく」
「・・・お願いね」
じりじりと、重苦しい時間が流れていく。
くそ・・・来るなら来るでさっさと・・・
いや、来ない方がいいんだが。
だが、期待に反して、椰子が小さな叫びを上げる。
「っ!正門正面!右手立木奥!」

768 名前:巴先生さようなら・10 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:27:44 ID:O8yIReuQ0
皆がフェンスの一角に集まり、椰子の示す方角を見る。
うわ・・・でけえ・・・
これだけ距離が離れてても、その巨大さがわかる。
のそのそと動き回って・・・やべえ、門に近づいてるぞ!
「門の中に入ってくるようだったら、避難誘導を開始。
 A棟の全員を二階渡り廊下経由でC棟に。いいわね」
「・・・わかった」
「祈先生は防火扉のコントロールをお願いします」
「・・・了解しましたわ」
さすが姫、こんな時でも冷静だな。
これなら、なんとか乗り切れそうだ。
そう思ったときだった。
不意にカニが叫ぶ。
「オイオイ、誰か玄関から飛び出しちまってますよ!?」
「な・・・なんですって!?」
皆が視線を下に移す。
黒い一筋の矢のように、ものすごいスピードで走る一つの人影。
門に入りかけた巨大な獣めがけて、人影は走り
そして、5メートルほど手前で急に立ち止まると
足を広げ、大きく手を広げて・・・
立ちはだかった。熊の前に。
「あれ・・・巴センセーだよ・・・」
「なにぃ!?」

769 名前:巴先生さようなら・11 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:30:54 ID:O8yIReuQ0
一瞬、皆が事態の把握に腐心する。
・・・何やってるんだ、あの人は?
もちろん、それはわかってる。
熊の前に立ちはだかってるんだ。
なんで?なんのために?
「・・・熊が・・・止まってます・・・」
心なしか震えた声で椰子が告げる。
「ホ・・・ホントだ・・・で、でも・・・どうやって?」
「気迫、ね・・・信じられないけど
 気迫で・・・あの熊の動きを、止めているわ」
気迫で熊の動きを止めるって・・・
あの巴先生が?
いつもニコニコしてる、あの巴先生が?
ちょっとからかうとすぐ困った顔になっちゃう、あの巴先生が?
優しくて、恥ずかしがりで、気の弱い、あの巴先生が?
嘘だ。あの人にそんなこと、できっこない。
このままじゃ・・・
「くそっ!」
「レオ!?おい、待て!」
スバルの制止を振り切って、屋上を飛び出すと
落ちるように階段を駆け下りた。

770 名前:巴先生さようなら・12 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:35:07 ID:O8yIReuQ0
「待てってレオ!どうするつもりだ!」
スバルが追ってくる。
「助ける!」
「どうやって!」
「熊の注意を逸らすぐらい出来るだろ!」
「逸らした後は!?」
「死ぬ気で逃げる!」
「・・・バカヤロ、そういうのは陸上部に任せとけ!」
相変わらず・・・つき合いがいいよな!
「おおっと、逃げ足なら俺だって自信あるぜ!」
スバルのさらに少し上からもう一つ声が。
「フカヒレ!?お前はやめとけ!」
「バッカ、あれで俺だけ残ってたらカッコ悪ぃじゃんよ!」
「カニはどうした!」
「姫に押さえつけてもらった!」
「上出来!」
アイツ、一緒に来ちまいそうだもんな。
俺達は並んでドダドダと階段を駆け下り
玄関を走り抜けて表に出た。
その途端、前にいる巴先生がかすかに横顔を見せ
叫んだ。
「 来 る な っ !!」

771 名前:巴先生さようなら・13 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:38:06 ID:O8yIReuQ0
バシン!
「ぐあ!?」「ギッ!?」「がっ!?」
体に電気が走ったような衝撃。
一喝。
ただそれだけで、俺たちは皆動きが止まってしまった。
「く・・・巴・・・先・・生・・・」
俺たちが動けなくなったのを見届けると
再び熊に向き直る。
熊がビクリ、と身を震わせ
グォウ!と一声吠えて・・・立ち上がった。
でかい。こうして見るとマジでかい。
背の高い巴先生の頭が、熊の胸のあたり。
こんなの相手に・・・どうするつもりなんだ!?
巴先生が・・・ゆっくりと広げていた手をおろすと
肩から下げたバッグの中に、手を差し入れる。
フカヒレが叫ぶ。
「そうか!何かあのバッグの中にスゲー武器が!?」
「普段からそんなもん持ち歩いてねーだろ」
取り出したのは・・・花柄のハンカチに包まれた・・・
「弁当!?」
「わかった!あの弁当に毒が仕込んであって、それを熊に食わせる気だ!」
「自分の弁当に毒仕込んでおかねーだろフツー」
「・・・お前、ツッコミ全開だな」
「他に何もできねーんだっつーの!」
巴先生は包みを広げながら、その場にしゃがみ込む。
そして・・・
「熊ちゃん、熊ちゃん」
・・・熊”ちゃん”!?
「おいでおいで〜。お弁当だよ〜」
おいでおいで!?
俺たち3人は、金縛りにあったまま呆気にとられていた。

772 名前:巴先生さようなら・14 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:50:20 ID:O8yIReuQ0
立ち上がっていた熊が前足をおろす。
そして、フンフンと鼻をならしながら巴先生に近づいていく。
巴先生はじっと動かず、熊が近づくのを待っている。
そして、ゆっくりと・・・えーと、鳥の空揚げ?を熊に差しだし・・・
ぱく
熊がでかい口で器用にその空揚げをつまむ。
「あは、よしよし」
撫でてる。熊撫でてるよ!
熊は巴先生の弁当を食い続け
その間ずっと巴先生は熊の頭を撫でていた。
・・・ひょっとして猛獣使い?
「どうだ、お前達」
「うお!?」
いつの間にか、館長と乙女さんが俺達のすぐ横に立っていた。
「館長、いつ戻られたんですか?」
「うむ、知らせを聞いて、急いで戻ってきてみると
 すでにあの娘が熊の前に立ちはだかっておってなぁ」
「私も、ちょうどその頃に戻った。
 松笠公園の方から近づいたのだがな。
 館長が様子を見ようとおっしゃられるので、静観していた」
「そんな、何かあったら・・・」
「これぐらいの距離なら、儂は一撃で仕留められるから心配はせなんだがのぅ。
 だが、静観しておって、正解だったわい」
乙女さんは何か、納得がいかないという顔だ。
「・・・わからない・・・
 あの熊はつい先ほどまでは殺気に満ちていた。
 それが今では飼い慣らされた犬のように巴先生に懐いている・・・
 館長、巴先生はどのような技を使ったのでしょうか?」
「技などではない・・・それはな・・・」

773 名前:巴先生さようなら・15 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:53:46 ID:O8yIReuQ0
「優しさ、よ」
「やさ・・・しさ・・・?」
「うむ。生徒達を守りたい。それと同時に、あの熊も救いたい。
 誰も傷つけぬために、己が傷つくことを厭わぬ。
 それはただひたすらに、あの娘が優しいからなのだ」
「わ・・・わかりません・・・
 そんなことが・・・あるのでしょうか?」
「鉄よ・・・あの優しさは、決して弱さではない。
 命を懸けてでも、他者に優しくあろうとするその覚悟。
 どうして弱いことがあろう。
 むしろ、あの優しさこそが、あの娘の強さなのだ」
「優しさが・・・強さ・・・」
「むろん、儂やお前が目指す強さでは、ない。
 だが、優しさから生まれる強さもある、ということは
 覚えておくがよかろう」
館長がまたくるりと俺達の方に振り返る。 
「そして、お前達だが・・・
 自らの危険を省みず、進んで恩師を救おうとしたその態度、天晴れであった!」
館長がぽんぽん、と俺達の肩を労うように叩く。
「あ、体動く」「お・・・ホントだ」「やれやれ・・・助かったみたいだな」
胸をなで下ろす俺達と、神妙な面もちの乙女さんと、どこか嬉しそうな館長の前で
巴先生は無邪気に、でかい熊とじゃれあっていた。
「あは、なで、なで♪」
乙女さんが、つぶやく。
「巴先生・・・最後に、素晴らしいことを教えていただきました!
 ありがとうございましたっ!」

774 名前:巴先生さようなら・16 ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 16:58:49 ID:O8yIReuQ0
こうして、溢れる優しさを振りまいて
巴先生は実習を終えて帰っていった。
そして、俺の周囲の女の子達は・・・

「センパイ、こんな計算もできないんですか?(ニヤリ)」
「う・・・ス、スマン」
「対馬さーん。今週は補習を受けていただきますわ〜」
「マジっすか!?」
「対馬クン、アンケートの集計はまだなの!?しっかり仕事してくれないと困るわ!」
「ご、ごめん、姫・・・」
「オラ何やってんだこのダボ!さっさと机運べやオルァ!」
「く・・・後で泣かす」
変わってねえ。全然変わってねえ。
あの聖母のような優しさにふれて、ちょっとは優しくなるかと思ったのに。
それどころか
「佐藤さん、ここの計算式ちょっと教えて欲しいんだけど・・・」
「うーん。そういうのは、自分で考える方が身に付くと思うよ?」
・・・あの優しかった佐藤さんまで、ビミョーにキビシクなってるし。

「くそ・・・巴先生効果は幻だったのか?」
「何をブツブツ言っている。そろそろ鍛錬の時間だぞ」
「ちょ、乙女さんも巴先生に優しさの大切さ教わったんじゃないの!?」
「教わったさ。だが、私にはあんな風に振る舞うことはできない。
 だから、私なりの優しさでお前に接しているではないか」
「全然優しくないっすよ!」
「馬鹿者・・・厳しさの裏にある優しさを知れ!」
やっぱり「つよきすっ!」世界はそう簡単に変わらないようだ。
巴先生さようなら。俺はこのまま、強気娘に囲まれて生きていきます。
「さっさとランニングにでも行って来い!」

775 名前:Seena ◆Rion/soCys :2005/09/05(月) 17:01:02 ID:O8yIReuQ0
タイトルは「チップス先生さようなら」から。

776 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 17:03:55 ID:bWlmvUTa0
ついに姉しよとつよきすの夢のコラボが!!
悶絶するほどGJ!!

777 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 17:21:04 ID:1/f9/T090
すばらしい。ともねえ最高。
最後の挨拶じゃ泣いたんだろうなぁ。

姉様は霧夜カンパニーの顧問弁護士になったんだよね。
姫と姉様が絡むとどうなるんだろう…

778 名前:SSD :2005/09/05(月) 17:35:25 ID:W1Uk2pDh0
うへぇ!
ともねえ大好きなオイラはじっくり読んでしまいましたよ。
GJ!

779 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 18:16:25 ID:AralzRd70
やべぇ、ともねえ超萌える。
GJ。超GJ。

780 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 18:48:29 ID:8KbqEqJY0
ジガが熊を殴り殺すのかとちょっとだけ思った自分を恥じたよw
GJ!

781 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:20:36 ID:cjwkg6gB0
ここで流れを全く読まない俺の投下ですよ。
萌え?何それ?食える?

782 名前:友達である為に :2005/09/05(月) 20:21:32 ID:cjwkg6gB0
七月二十日、深夜。軍艦の見える公園にて傷だらけの青年が携帯電話で誰かと会話をしている。
「はい。ええ、お願いします…」
会話を終え、電話を切ると一つため息を吐いて空を見上げる。
「後は乙女さんに連絡しておかないとな、レオはこういう時気が回らない奴だからな。」
そう独り言を呟き再び携帯に目を落とす。携帯のメモリーを呼び出す。カテゴリーは「友達」そこに並んだ名前は3つ。対馬レオ、蟹沢きぬ、鮫氷新一。
青年はじっと三人の名前を見つめ、ふっ、と笑みを漏らすとボタンを押し電話をかけた。
トゥルル、トゥルル、トゥルル…
『もしもし。』
「ああ、もしもし乙女さん?…」

783 名前:友達である為に2 :2005/09/05(月) 20:22:18 ID:cjwkg6gB0
「ありがとうございましたー。」
青年はコンビニの店員の気だるげな挨拶を背に聞きながら公園に向かう。手には重そうなビニール袋が二つ。傷が痛むのか時折顔をひきつらせながら、少し急ぎ足で歩いていた。
青年が公園に辿り着くとそこには街灯に照らされた一つの影があった。
右手を挙げ、声をかける。
「よっ、フカヒレ。早いじゃないか。」
「スバル!?何でお前が!?しかも何かボロボロじゃん!?」
「俺は乙女さんに呼び出されたから、とっておきの香水を振り掛けてスキップしながら飛んできたんだぞ!!」
「飛んだのかスキップなのかはっきりしろよ。いや、違う違う、俺が乙女さんに伝言頼んだんだが…最後まで聴かなかったのかお前。」
「何て事だ!!ハンマーたんがやっとデートをOKしてくれて、彼女の手作りのお弁当を楽しみにしていたのに…そんなオチかよ。」
フカヒレががっくりと肩を落としどんよりとした表情を浮かべる。スバルは苦笑いし、ビニール袋を地面に落とし肩をすくめた。
「またギャルゲーか、お前も好きだな。」
「ああ、モニターの中こそが真実の世界だ。」
フカヒレが満面の笑顔とともにキラキラとした光を発する。一点の曇りも無い瞳がスバルの更なる苦笑を誘った。
「で、何の用よ?」


784 名前:友達である為に3 :2005/09/05(月) 20:23:00 ID:cjwkg6gB0
「ああ。」
フカヒレの問いかけに対し、スバルは遠い目をし空を見上げながら答える。
「レオとカニ。上手くいったぜ。」
フカヒレもまた空を見上げる。
「おめでとうというかご愁傷様でしたと言うか…微妙なところだな。」
「バーカ、おめでとうだよ。」
「友達の恋が実ったんだ。おめでとう以外何があるっていうんだ。」
「良いのか?それで」
「カニが幸せなら俺は何でもいいさ。」
二人は視線を戻し、お互いの顔を見る。
「で、その傷は名誉の負傷って奴か?」
「ま、そんなところだ。」
「で、だフカヒレ。ちょっと付き合ってくれるか。」
スバルは足元のビニール袋の一つを顔の高さに掲げ、軽く振る。ガチッと金属のぶつかる音がする。
「失恋といえば自棄酒。って事でビールを山ほど買い込んで来た。」
ニヤリ、とスバルが笑顔を作る。フカヒレは勿論、と応えて口の端を歪めて笑った。

785 名前:友達である為に4 :2005/09/05(月) 20:23:42 ID:cjwkg6gB0
二人の青年は重いビニール袋を抱えて道を歩く。やがて先導していたスバルが足を止め、フカヒレを振り返る。フカヒレは怪訝そうにスバルが足を止めた場所を見ている。
そこは私立竜鳴館、スバル達が通う学園の前である。ガチャガチャとスバルが正門を動かそうとする。
「チッ、やっぱり鍵が掛かってるな。仕方ない乗り越えるか。」
「おいスバル。いくらなんでもそりゃまずくないか?」
「気にするなって、見つかったら見つかったで俺が上手く言い訳してやるよ。」
そう言うとスバルはさっさと正門を乗り越え、内側からフカヒレを手招きする。フカヒレは首を傾げスバルを見ていたが、諦めたように正門を乗り越える。
「屋上で良いか?」
フカヒレが頷くのを確認するとすたすたと歩き始める。少し早足のフカヒレがスバルの横に並び、二人は揃って屋上へと向かう。
人気の無い夜の校舎に無言で歩く二人の足音が響く。機嫌が良さそうではあるが無口なスバル、何事か思案にふけるフカヒレ、二人は互いに言葉を交わさぬまま、屋上への扉を潜る。

786 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:24:23 ID:YzgPb/3R0
ワクテカ

787 名前:友達である為に5 :2005/09/05(月) 20:26:47 ID:cjwkg6gB0
夜の冷たい空気が二人を包む、心地よさ気に目を細めるフカヒレ、スバルはさっさと屋上の真ん中に移動し無造作に腰を下ろす。
空気の冷たさに身を任せているフカヒレに向けて、スバルは小さく座れよ、と声をかける。フカヒレは差し出された缶ビールを受け取りスバルの正面で腰を下ろす。
「そんじゃま、乾杯と行こうか。」
「あいよ、レオとカニに。」
「ああ、レオとカニに。」
二人はプルタブを開けビールをぶつける。スバルが一気にビールを飲み干し、気持ちよさ気にため息を吐く。フカヒレは一口だけビールを飲みながらスバルを見ていた。
「どうした?飲めよ、40本ぐらいあるから遠慮しなくて良いぜ?」
「…何か変だぜ、今日のお前。」
「そうか?まぁ、失恋したばっかりだからな、ちょっとテンションがおかしいかもしれん。」
「やれやれ、俺は星の数ほど失恋してきたっていうのに一緒に酒飲んでくれた事なんて無いのにさ。」
「そいつは見解の相違って奴だな。俺から言わせて貰えばお前は失恋なんてしてないさ。」
「お前は誰にも恋なんてしちゃいないんだからな。」
「何でだよ、俺のこの溢れるて零れ落ちそうな熱い想い、かっこ、今は主としてよっぴにーに向けられている、かっことじ、を普段から目にしてるだろう。」
残ったビールを一気に飲み干したフカヒレに新しいビールを差し出し、自らも新しいビールのプルタブを開けるスバル。
「だってお前シスコンじゃん。」
「こ…怖い事言うなよ。色々思い出すじゃんかよ…」
夏だというのに震え始めるフカヒレを眺めつつ言葉を続ける。
「どんな女を見たとしてもまず姉ちゃんと似てるかどうかが気になるってのは『女』の基準を姉ちゃんにおいてるって事だ。これをシスコンといわずに何と言う。」
「(がくがくぷるぷる)やめてよー、お尻にビールなんて入れないでよー」
トラウマを発動させ記憶の中の姉に許しを請うフカヒレを見て、やりすぎたか、と呟き頭をかくスバル。

788 名前:友達である為に6 :2005/09/05(月) 20:27:34 ID:cjwkg6gB0
缶ビールを3本飲み干す頃、フカヒレが現世に帰還した。
「はっ!?俺は何を。」
「おぅ、おかえり。」
軽く挨拶し、一口ビールを含む、少しアルコールが回り傷の痛みが麻痺し心地よくなっていくのをスバルは感じた。
「ふぅ、何だか恐ろしい夢を見ていた気分だぜ。」
疲労を滲ませた声で呟き、彼もまたビールを口に含む。悪夢を忘れ去り、身を清めるように。
「まぁ、良いさ。フカヒレ。」
真剣な声で語りかけるスバルに、ん?、とビールを啜りながら生返事を返す。
「覚えてるか。お前がドラッグ持って来て、俺が殴った時の事。」
「何だ、随分懐かしい話だな。今でも頭蓋骨がずれてるような気がするよ。」
「まぁ、あの時は俺が馬鹿だったよ。」
「ああ、お前は馬鹿だった。そして、あの時だけだよな。」
「お前が俺たちに迷惑をふっかけて来たのは。」
「何言ってるんだよスバル?しょっちゅう俺が馬鹿やってお前等に面倒かけてるじゃないか。」
スバルは俯き疲れ果てた野良犬のように首を振る。
「小さな馬鹿は山ほどやっても大きな馬鹿は決してしない。」
「馬鹿やった分のしっぺ返しは全部自分で背負って誰にも背負わせない。」
「侮られても憎まれず、蔑まれても敵視はされない。」
「誰の味方でもなく、誰の敵でもない。」
「それがお前だよ。フカヒレ。」
まだ中身の入った缶ビールを八つ当たり気味に背後に放り投げ、顔を上げてフカヒレを見る。
「それがお前だよ。フカヒレ。」
優しげとさえ形容できる程、おだやかに、静かにもう一度告げる。

789 名前:友達である為に7 :2005/09/05(月) 20:28:35 ID:cjwkg6gB0
フカヒレは無表情にスバルを見ていた。スバルもまた無表情にフカヒレを見つめる。
「俺はただ中立かつ公平であろうと心がけてるだけだぜ。」
スバルはそれを無視して、問いかけを提示する。
「そんなに信用できないか?俺たちが。」
静かに、夜に溶ける様に、その声が消えていく。
フカヒレは無言でビールを飲む。スバルはそれを見ていた。フカヒレは無言でビールを飲む。スバルはそれを無言で見ていた。フカヒレは無言でビールを飲む。スバルはそれを無言で見ていた。
空になった缶を脇に置き、新しい缶を引っ張り出し、一口だけ口に含む。
「お前等がいなくなったら、さ。俺明日からどうすれば良い?」
「誰と飯食う?誰とゲーセンに行く?誰の部屋に集まってぐだぐだ喋る?」
「迷惑かけたく無いんだよ。お前等に嫌われたく無いからさ。」
「あの時、怖かったからな…色んなモノが消えていく気がして、さ。」
片唇を釣り上げ自嘲気味に呟く。ビールを置き、ため息を吐く。
「馬鹿野郎が、レオとカニみてみろ。」
「散々俺たちに迷惑かけて心配させて、くっついたと思ったら俺達放置して今頃カニとラブラブだぜ。」
「それでも、あいつらは友達だろ?」
「どんな綺麗な泉だって、水が動かなきゃ腐っちまうんだ。」
一度言葉を切り、スバルは悪戯っぽく片目を閉じる。
「お兄さんは寂しかったぜ、一番出来の悪そうなお前だけ全然俺を頼ってくれないんだからな。」
冗談めかした口調で告げ、フカヒレの置いたビールを飲み干し空き缶を背後に放り投げる。
「誰がお兄さんだよ、同い年だろ?」
呆れたように呟くと、ビールを二本取り出し片方をスバルに渡す。
「知らないのか、非童貞は童貞に対して兄貴ぶる権利が認められてるんだぜ。」
「うわ、何それ。ちょっとマジで酷く無いか?」
互いの顔を見て、彼等は声を上げて笑いあった。

790 名前:友達である為に8 :2005/09/05(月) 20:33:23 ID:cjwkg6gB0
ひとしきり笑い合い。彼等は再び缶ビールを掲げる。
「で、何に乾杯するんだ?」
「そんなもん決まってるだろ。」
『友情に、だ。』
声をそろえて言い、ニヤリと互いに笑う。
「じゃあ、その前に俺から一言。」
フカヒレがビールを掲げたまま、スバルに向けて告げる。
「俺と友達になってくれ。」
「馬鹿野郎。俺はとっくにお前と友達のつもりだ。」
「分かれよ。けじめみたいなもんだよ。たまにはカッコつけさせろよ。」
「お前は充分カッコイイさ。」
「あーそれをよっぴー辺りが言ってくれたらな。」
「ま、頑張れよ。応援してやるさ。」
小さく笑い、彼等は缶ビールをぶつけ合う。
『友情に。』


791 名前:友達である為に9 :2005/09/05(月) 20:34:19 ID:cjwkg6gB0
他愛ない話を交わし、着々と買い込んだアルコールを消費していく二人。
ビニール袋二つ分のビールが空になる頃、空が既に白み始めていた。
「もう朝か。」
「だな、まぁ楽しい時は過ぎるのが早いって奴だろ。」
「違いない。」
「なぁ、スバル。」
「ん?」
「レオとカニ、恋人になっちまったんだな。」
昇り来る朝日を見つめながらフカヒレが呟き、スバルもまた朝日を見る。
「昔の…子供のままじゃ、いられないんだな。俺たちも。」
スバルは応えず、朝日を見つめていた。
そんなスバルをちらり、と眺め、フカヒレは踵を返す。
「さて、友達に最初の迷惑だ。片付けよろしく〜。」
「おいおい、これ全部俺に片付けろって言うのか?」
こちらを見ようともせず歩み去るフカヒレの背に向けて楽しそうに語る。
二人が一晩の間酒宴を繰り広げた屋上はあちらこちらに空き缶が散乱し酷く汚らしく、みすぼらしくなっていた。
不意に扉の前でフカヒレが立ち止まる。
「スバル、ありがとうな。」
フカヒレが扉を開き、その中へと姿が消えていく。扉が閉まりきるその一瞬
「さよなら、スバル。」
酷く重たく悲しい挨拶がスバルの耳に届いた。立ち尽くし、空を見上げるスバル、憎たらしい程に朝日は美しかった。誰かの門出を祝うように燦々と輝いていた。
「子供のままじゃ、いられない。…か。」
そして七月二十五日、彼らの別れの時が来る。
〜FIN

792 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:37:37 ID:YzgPb/3R0
GJ

793 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:39:02 ID:cjwkg6gB0
ところでたまには流れを読んだ方が良いと思う俺なんですが
フカヒレとメインヒロインの恋愛話とか書いたらこのスレ的にはNG?

794 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:42:05 ID:KkCvPDf40
>>793
フカヒレ、とうとう酸素欠乏症に・・・

あ、いや俺的にはむしろ報われない彼に愛の手をと思うのでよろしいのではないかと。

795 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:44:40 ID:uG8HpqxQ0
俺的にはNG

796 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:49:06 ID:gCOEVcDJ0
>>793
私的にはフカヒレ×なごみんが見たい

797 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 20:56:04 ID:oEYPB/abO
流れを読まず、保管庫の中の人に作者別も作ってほしいとここでいってみる。

798 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 21:14:56 ID:sNWGtGKY0
>>793
うーん…メインヒロインってのは個人的にちょっとあれかな。
まぁ、書く方が決める事だしお好きにどぞー

799 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 21:35:51 ID:8KbqEqJY0
俺はどのENDでもカニとスバルが結ばれなかったのがかなり納得いかない派だから
フカフィレが誰と上手くいっても全然OK
むしろ、上手くいって欲しい。書いてくれるなら、ぜひぜひ読みたい
ただ、エロ描写がもしあるとするなら
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118320048/
こっちとかに投稿したほうが波が立たないかもしれない

800 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 21:41:46 ID:FvffbYTR0
まったくのギャグならあり
ありそうな話としてはNGっていうかリアリティ出ない

801 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 21:56:36 ID:nzp7jVwM0
フカヒレとくっつく可能性がありそうなメインヒロインかぁ

姫・・・無理
カニ・・・無理
祈・・・無理

乙女・・・カニルートでややいい感じだったけどエピローグで武者修行出ちゃってるのをどうするか

なごみ・・・一番好印象をもたれてるのがなごみルートなのがキツイ(w
カニルートでは花屋を継いでいるのでまだ「線」が硬いままと見ると難しい

よっぴー・・・カニルートで可能性が垣間見えるが怖い話になるかもしれない

こんな感じかな

802 名前:乙女修行編1/2 :2005/09/05(月) 22:14:26 ID:/NA4Y0QR0
 砂漠のど真ん中を、ふたつの影が疾走していた。砂嵐にめげることもなく。片方が口を開く。
「館長、申し訳ありません」
「いやなに、たいしたことではない。しかし、鉄君に勝てるほどの者が、霧夜君を狙っていたとはな。世界は広い、ということか」


 鉄 乙女はキリヤコーポレーション会長・霧夜エリカのボディーガードを粉骨砕身勤めていた。しかし、彼女を家まで護送しようとした際、事件は起きた。
「貴様、何者だ」
「………!」
 影は何も言わず、彼女に向かって跳び、手刀を振った。だが、乙女はそれをいなし間合いを取る。
「貴様を狼藉者と見なす」
 言うが早いか抜刀し、真一文字に影を切る。無論、峰打ちだ。しかし、影は腹に刀を喰らいながらも、脚を乙女の腹に叩き込んだ。紫の稲妻が光る。
「ぐあぁぁぁ」
 跳んだ彼女の体は、コンクリートの壁を貫き、3階から放り出された。そこで意識が途絶える。


「面目ありません。館長に救って頂かなければ、姫の命はなかったでしょう」
 彼女が吹き飛ばされた音に――十何キロも離れているはずなのだが――館長は異変に気付き、即座に駆けつけ狼藉者を撤退させ、エリカを救ったのだった。
「君はまだ若い。これからも、より強くなれるだろう。これは、そのための修行だ」
「ありがとうございます」
「さっき上空から見たが、北に湖がふたつあった。今はアラビア半島だろう。夏休み中に世界一周は、なんとかなりそうだな」
「はい。ですが……」
「ん?」
「やはり、中国から日本へは、東シナ海を渡るのですか?」
「うむ。君は儂の様にひとっ跳び、とはいかんからのう。泳ぐしかあるまい」
「でしたら、その(赤面)」
「む」
「水着を新調したいのですが。大西洋を横断した際に擦り切れてしまったものですから」
「ああ、そうであったな。いや、いかに豪気とはいえ、やはり乙女よのう」
「私は名前の通り乙女です」
「分かっておるよ」
 ツッコミがいないために異次元の会話が続いた。
 そうこうしているうちに、日が暮れた。砂漠の夜は寒い。だが、ふたりは特に気にした様子もなく、胴着姿で焚き木を囲った。

803 名前:乙女修行編2/2 :2005/09/05(月) 22:15:31 ID:/NA4Y0QR0
「昼夜徹して、とはいかないものですか」
「鍛えるのが目的で、急ぐ旅ではない。休息も必要だ」
「わかってはいますが」
「む、霧夜君が心配か。彼女は私の友人に守らせている」
「武人が見かけでないのは分かっていますが、あの小柄さでは、なんとも心許ないのですが」
「逆毛が、なんとも空しい抵抗だしのう。しかし、いざとなれば猿の様に巨大化し、あるいは髪を金に染め、無類の強さを発揮するから心配はいらんよ」
「そうですか。………!」
「ほほう、ここまで来よったか」
「感づかれたか」
 オールバックの男が、ぬっと現れた。漆黒の服は見事に闇に同化していたのだ。
「儂一人にすら敗れたというに、ふたりいるところを襲うとはのう。何か急ぎのようだ」
「確かにふたり相手では勝ち目はない。故に」
 男はびっと乙女を指差した。
「武人として一対一の決闘を申し込む」
「ふ、私を不意打ちしておいて、今更『武人として』だと。笑わせる。だが、決闘を申し込まれた以上、受けて立つのが鉄流だ。館長、手出しは無用です」


804 名前:乙女修行編3/3 :2005/09/05(月) 22:16:04 ID:/NA4Y0QR0
「わかっておるよ」
「やはり鉄の者だったか。では、尋常に勝負だ」
「容赦はせん」
「望むところだ、烈臭私怨談!」
 紫の稲妻が乙女を襲う。しかし、乙女は余裕を持って避けた。
「甘い」
「ち、動きが上がっている」
「3週間前の私とは違うぞ。ニ指真空把っ」
「バカな。気を掴んで投げ返すとは」
「鉄に不可能なし!」
 間合いを詰める。男は撃墜体勢をとり、右足を蹴り出した。
「宿恨解消の時だ」
 抜刀された地獄蝶々とともに、全身で乙女が突っ込む。
「阿版素虎修B!!!」
「ぐはーーーっ」
 閃光が陽光の様に周囲を照らす。男は100メートルほど吹っ飛んで事切れた。
「うむ、見事」
「館長、私、やりました」
「よくやった。君はまだまだ困難にぶつかるだろう。しかし、君ならばそれは必ず克服できる。頑張りたまえ」
「はいっ」



送信限界行数間違えた(´・ω・`)

805 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 22:18:20 ID:YzgPb/3R0
館長の口調が違う気がする

806 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 22:40:18 ID:ULDuGzso0
何もかも違うような気もするが
ガンガレ

807 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 22:40:56 ID:N7PZB7mS0
駅前でギターを弾いているフカヒレに声をかけてくる男が一人。
そこそこ大手のレコード会社に勤めているというその男は、天王寺と名乗った。
ギターとギャルゲーという二つの趣味が合った二人は意気投合。
その上、お互いの狙っている女性が母娘であるという共通項まで発覚する。
協力してお互いの目標を達成したそのあかつきには
花屋を継ぐ天王寺最後のプロデュースとして、フカヒレのプロデビューを行うことを確約し
居酒屋で硬く腕を組み合う二人。
手始まりとして、搬入時の男手に困っていたのどかへの天王寺からの紹介として
花屋「Yashi」でのバイトを始めるフカヒレ。
突如として線の内側の象徴とも言える場所に踏み込んできたフカヒレに戸惑うなごみ。
フカヒレと天王寺は椰子母娘を落とすことができるのか……?
きゃんでぃそふとが送るダメ男キャラ属性特化AVG「さめきすっ」乞うご期待!

……と、嘘予告っぽく書いてみたけど需要なさそうだなぁ……

808 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 22:43:57 ID:BMrw2Kdh0
ギャグで落ちがあるなら読んでみたい

809 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 22:53:56 ID:yCuYDs0q0
>>807
マジレスすると、天王寺が受け入れられるのはなごみんルート以外ではありえなさそうなので
フカヒレ入る余地なしと思う。

810 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 23:04:32 ID:2hF3WxOu0
長文だらけで読む気にならん

811 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/05(月) 23:11:07 ID:N7PZB7mS0
本気で書くならきっと
フカヒレが真面目に音楽修行&活動したり、天王寺とコスい作戦組んで失敗したり
花屋での搬入の重い荷物運ぶ為や、いざと言うときの為にに乙女さんに鍛えられたりしつつ
ようやくなごみの線の内側に入りかけるが
天王寺との約束がバレて、プロデビューの為に騙していたのかと言われ横っ面をひっぱたかれる
号泣しながらギターとエロゲを破壊しているところに、スバルよろしく天王寺が……
みたいな割とマジな展開になるかと(´・ω・`)

>>809
フカヒレが天王寺の推薦でバイトを始めたということは、天王寺との約束がバレるときまで展開としてなごみ視点から伏せておくし
天王寺が受け入れられるようレオがした行為
『線の内側に他人を受け入れるという経験をさせ、かつ花屋以外の<自分の場所>を見つけさせる』
をフカヒレができればいけるかなぁ、と

……う〜ん、長くなっちゃいそうだし、ここのカラーとは違うかも
SSでもAAでもない長文でごめん

812 名前:793 :2005/09/06(火) 00:24:07 ID:XvXAcGl00
>>794-801
dクス。
うっかり居眠りして日付変わっちまったからID違うけど気にしないでくれ。


813 名前:保管庫の中の人 :2005/09/06(火) 01:42:34 ID:wvv4qIyA0
疲れ果てて帰ってきたらなんだこのラッシュは…
ということで497kbなので立ててくる

814 名前:保管庫の中の人 :2005/09/06(火) 01:45:52 ID:wvv4qIyA0
【姉しよ】きゃんでぃそふと SSAAスレ【つよきす】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1125938586/

立てますた

また「&」が抜けてる…_| ̄|○
半角&って消えるの?

>>797
気長に待つといいぞ               と土永さんが言ってる

815 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 09:19:49 ID:/l98ICuP0
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1125906349/866

816 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 13:14:06 ID:w8LqAzBv0
0

817 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 13:38:07 ID:w8LqAzBv0
500

818 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 13:39:28 ID:w8LqAzBv0
               /  /     /   |      \ ヽ
               / /  /   / /    ||  |  i  ヽ i
              i /  / /  / / /    ||  ||  |│ |ノス
               |//  / /___, -一ァ|  /! |ト、|│ | | く」
                |,-‐¬  ̄---┘'7 |!  ハ! |,、-┼十|! | | |
          , -‐ ''"  し' '´_ /,ィ二l |ト、/!ヽト、\_ヽ!|!l | ハ |
       ,r/      __   ,イ|リ ヾハ! ヽ!  ,ィ⌒ヾミリノ!/リ  |
      / ||ヽ  -'     / ̄ )` __      |ヒノ:} '` ,イ/ |  |
    ,r '   ヾ、  ,-、____ , イ ̄,r==-      ==-'  レ' /|  |
  / ヽ    `ーソ  ' | |ト、,ヘ ′""          "" / / || |     乙であります!
. /    \_  /  | ハ ヽ`゙'ヘ       ' '__. ィ  / / | |  |
           /   / / |  ヽ 川\    ヾ三ニ‐'′//! |  | |  |
        /    / / 八  \川| |`ト- ..  __ , イ‐ァヘ |  | ||  |!
      /    / / /  \  \ 「`ー- 、    /  .〉  ト、|  ヽ、
     ,イ    /-─=¬ニヘ、_  \   厂\ 厂ヽ /!|   | `ー=ヘ
 -‐  ̄ /─ '  ̄     ├- ヽ\  \ノ\ \ 人 ハ!ヽ ||  |-┤ ヽ
      /          /!‐-- | |\   ト、_`ヽ oヽ  ト、!  ||  |‐┤- ヽ
  // 〉      __ /  ├‐-  ||  | 川-‐  | |  厂7! ハ!  ├:┤  ̄ヽ
  / / ー ─    ̄       ├‐- リ  || ハ!ヘ   | |  ト┤|/′ ヾ,┤   ゙i_
  ‐ '              〉‐-    | / /\ .|o | /ヽ/(′    ∨     \
‐--─ ──-r、___-、    /ー_     {(   '´>、! /ヽ/       |\       \

819 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 13:44:56 ID:gm9mtgzd0
>>814
F&Cスレの&がいつも全角なのはなぜか

820 名前:名無しさん@初回限定 :2005/09/06(火) 16:12:53 ID:azTFgseU0
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