●いつまでも続けばいいと願う風景




酔っ払って帰ってきて、二人して、明け方までじゃれあうように抱き合って眠った朝。

珍しくオレの方が早く目が覚めた。

キッチンから拝借してきた椅子に座って、 しばらくイルカ先生の安らかな寝顔を見ながら、そういえば昨日は無茶させたからなぁ…なんて思いながらにやにやとだらしなく口元が緩む。

きっとこんな顔を見たら、イルカ先生は顔を真っ赤にして怒鳴るだろう(枕が飛んでくるかもしれない)

―――いけない。イルカ先生の前ではもっと真面目にならないと。

でもそんな思いもむなしく、いつも墓穴を掘ってしまう自分に自己嫌悪を抱く。

もやもやとした想いを抱えながら、気分を変えようと立ち上がる。

カーテンをさっと開けると、見慣れた里の町並みが目に飛び込んできた。

昨夜は雨で、今朝は快晴。

昨日の夜の内に雨ですっかり汚れの落ちた里の町並みは、 水に濡れてキラキラと輝いて、まるで、違う里に来たようだ。

「ああ、今日は晴れたんですね」

背後で嬉しそうな声がして振り返った。

「おはようございますカカシ先生」

イルカ先生は、少し眠そうな瞼を緩め、笑いながらオレの空けたカーテンから外を眺めている。

「眩しいですね」

イルカ先生は裸のまま、そう言って髪をくしゃりとかき回した。

イルカ先生、それ、反則だよ。

こんなに機嫌のいいイルカ先生は珍しい。
そういえば、昨日の夜からそうだったな…なにが原因かわからない。
偶然、たまたまなんだろうけど、じんわりと、胸に暖かい何かが広がってゆく。

イルカ先生から顔をそらすと、ドキドキと心臓が高鳴った。

何度でも、何度でもこうして恋をするんだな。

オレは、貴方に恋をさせられる。

一方的にこんな想いを抱いているかと思うと悔しい…はず。なのに…。

笑いがこみ上げてきて、胸がくるしくて、困った顔をしようとして、失敗した。









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日記から抜粋

(2007/8/26書)




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