無題




カカシが任務に出てかれこれもう一ヶ月は経つ。

あの人のことだから、死ぬようなことは絶対ないと思いつつ、イルカは今日も1人夕飯の支度をする。

大根や玉葱を切りながら、思い出されるのは出かける前のカカシ。

困ったように笑う癖や、いつでもちょっと曲がった猫背、思い出すカカシはいつでも笑っている。

冷たい人だと囁かれているが、実は、優しいところもあることをイルカは知っている。

細そうに見える体は、脱ぐと意外と筋肉質で、細い指先はなんでも器用にこなし、夜になれば、別の動きをもってイルカを快楽の底へ突き落とす。

思い出すと頬が赤くなるのを我慢できず、包丁を流しに置くと、落ち着け落ち着けと繰り返し念じながら、拳を握り、深く深呼吸をした。

「…フフッ」

なにを今更赤くなることがある。

自嘲気味な笑い声で、自分を弁解する。

「早く、帰ってきてください…」

ぽつり、と呟いた声は、小さなアパートに、やけに大きく響いた。








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絵日記から抜粋

(2007/8/27書)




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