2.

「君は入学したてで何も知らんのだな.我が学園において,風紀委員会は,あらゆる校則に優先する権限を与えられているのだ.理事長から直々にな」

「…だったら好きにすればいいでしょう」

 少年の白皙の容貌は怒りに強張ったが,それが男らしさを帯びるには残念ながら後5年は必要だった.増して,余り外聞のよくない秘密を握られたのだ.些か引け目もある.委員長はぞくぞくっと背筋を駆け抜ける快感を抑え,辛うじて平静な声音を保った.

「おやおや,すんなり自分の書いた物だと認めるとはね.つまり君は,その年で女性を性的な妄想の対象にしているようだ…伝統ある学園にそのような生徒が居てはならないんだがな」

「余計なお世話です!女子に迷惑を掛けた覚えは無い!」

「君の彼女にもかね?こういう…その,プレイを要求した事は?」

 扉を抑えていた少女の一人が笑い出す.もう一人が肘で突付いて黙らせようとするが,こちらも噴出すのを必死で堪えているようだ.木根少年はその無邪気な響きの底に篭る,得体のしれない情念にぞっとした.

「あはは,無いですって委員長.私の調べ上げた所,木根学生は寮に入ってから,同性の友達は多いようですけど,女性関係はまだありません」

「ほう,それは喜ばしい…学生としては当然だが」

 委員長の容貌が輝く.何が喜ばしいんだ.執筆が忙しくなければ僕だって恋人くらい,そう胸裡で呟いてから,ふと年上の少女達の目配せにまた妙なものを感じて眉を顰める.

「さて,君の処分だが…」

「停学ですか?だったらちゃんと先生と話をさせて下さい」

「停学?何を言っているのかね.君は退学だ」

「はぁ!!?退学だって,冗談じゃない.僕は…」

「君はもう学生ではない.性的異常者は学生にしておける訳が無いだろう.ほら」

 委員長は一枚の紙を彼の前に突き出した.文面は途中まで指に隠れているが内容は嫌というほどはっきり読み取れた.

 "…久 1年B組.左記の者,風紀紊乱により,学籍を剥奪し,風紀委員会に処分を一任する.今後は同委員会の備品扱いとし,主たる用途を委員の性欲処理と位置付ける"

「君は,本日付で我々の備品目録に追加された.いわばトイレだな.生徒会や体育委員会に取られる前で良かったと思え.あのゴリラみたいなラグビー部の連中に君を壊されたのでは,それこそ学園の損失だからな…その点我々は女子ばかりだし,容姿のほうも,ふふ,揃っていると想うがな」

「ちょ,ちょっと待ってください.言っている意味が」

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