28.

 春香は無造作に手を伸ばして,固くなった陰茎を握った.インシュマーの引き締まった腰が,機械仕掛けの玩具のように跳ねる.意志によって抑えつけられていた官能は,薬によって完全に解き放たれていた.

「感度良好のようですわね…では,始めましょう.秋音,夏樹」


 二人の娼婦が,左右からインシュマーの肢を抱え,宙に引き上げる.調教師が,芝居がかった手付きで下に一冊の書物を開くと,彼の耳元へ囁いた.

「下に何を敷いたか,お解りになります?チェアラム教徒には命より大切な聖典ですわ.貴方はこれから,たっぷりお腹の中身をぶちまけて頂きます.神の御言葉の上にね」

 自律機能を失った身体には,排泄を堪える方が難しかったろう.夏樹と秋音の指が菊座に入り込んで緩み切った括約筋を押し広げると,糞便が飛び散り,白い紙面を穢した.

「余り量がありませんね…まだ字が読めますわ,"斯くの如くに告げよ.信徒は,主の日を望まぬ者をも赦せ.何故なら現世の所業に応じ,来世で報いるのは主であるから…"」

 耳に快いアルトで読誦しながら,褐色の尻朶を平手打ち,虚ろな表情をカメラに収める.

「どうですか.ご自分の神を汚した気分は」

 汚れた聖典を持ち上げ,鼻先に押し付ける.使い込まれ,擦り切れた表紙.インシュマーが,孤児院の子供や,無料施療院の患者,時には塹壕の戦士達の前で読み聞かせた聖句が,濡れ,滲んで悪臭を放っている.だが開ききった瞳孔は虚無を覗き込んだままだった.

「そうですの.秋音,夏樹,冬人.薄汚い背信者を犯してやりなさい」

「任せて姉様.ねぇ冬人,私のディルドゥ取ってよ.一番太い奴.こいつの尻が締まらないようにしてやるんだから」

「おら,口開けろよ豚!」

 夏樹は無抵抗のインシュマーをあおむけに横たえると,顎を掴んで己の逸物を捻じ込んだ.後ろでは,子供の二の腕ほどはありそうな張型を咥え込んだ秋音が,荒く息をつきながら腰へにじり寄る.姉の手伝いを終えた冬人は,己の後孔を指で広げると,割礼済みの陰茎に腰を落した.

 みちみちと音を立てて,畸形の玩具がテロリストの肛門を壊していく.褐色の肢体が痙攣すると上に跨ったもう一人の少年が切なげに腰をくねらせた.

「秋音様,もうちょっ…ゆっくり…」

「バカ冬人,こんな短小で感じてんじゃ,ねぇぞ.いつも,俺ので犯してやってんだからさ…」

「そうそう.私だって本当は,冬人のお尻がいいんだよ.でも仕事だからね…スイッチ入れまーす♪さ,ズタズタになっちゃえ♪」

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