6.

 気が付いた妹はソファに掛け戻って,テレビのリモコンのようなものを掴み,ボタンを押す.やっと玩具達は生命を失って床に落ちる.

「もぉ…ちゃんと,冬人の中に戻しといてね,後で春香お姉ちゃんに怒られるの私なんだから」

「解ってるよ,その辺に飛んでねぇ?」

 夏樹は弛緩しきった冬人を仰向けに横たえると,四つん這いになり,乳房を重たげに揺らしながら球体を拾い集めた.妹は溜息をつくや,同じように絨毯の間を探り始める.

「はい,七個」

「えーと,こっちは十一個,後二個どこだ」

「あー,多分ね」

 秋音は冬人の側に屈み込み,いきなり排泄口に指を入れて,ずぶずぶと手首まで押し込んだ.そのまま捻りをい利かせて,白濁液に塗れたローターを二つ引き摺り出す.少年は舌を突き出して激しく痙攣したが,手が抜けるとまた大人しくなった.

 少女は自分のこめかみを指で突付いて見せる.頭を使え,という意味だ.

「ね,これで二十個ぴったりでしょ.はい,挿れといて」

「シャワー使ってからな」

 兄は弟を抱き抱えると頬擦りして,歩き出した.妹は伸びをしてから後についていく.

「あーあ,春香姉さま早く帰って来ないかな.お家にご主人様がいないとやっぱり続かないもん.明日は土曜日だから一晩中遊べるのにね…」

「そんな事言って,秋音だって最後はいつも許して下さいって泣き入れるだろ」

「でも,後から思い出すと凄く幸せじゃない.心臓がドキドキして,苦しくなって,生きてるのが嬉しくなるでしょ」

「…恥かしい奴…」

 シャワー室の硝子戸が閉じる頃には,絨毯の上で混じり合った体液が異臭を立ち昇らせていた.


「だから,因数分解なんて公式だけなの!もう,普通に式に当てはめて解きなさいよ」

 秋音が冬人にシャープンを押し付ける.絨毯を片付けた,剥き出しになったフローリングの上で,裸の少女と少年はクッションに正座したまま,アクリル製の角卓に勉強道具を広げている.

「だって…この公式,まだ良く飲み込めなくて…」

「もう,さっき説明したのに.二次関数の基本式があるでしょ」

「はい」

「それでね,まず等号の両側をaで割ると…」

 冬人は真剣な顔で姉が走らせるシャーペンの先を覗き込んでいる.うずうずしてくる秋音は,説明も段々上の空になり,とうとう俯き加減な額に接吻して,押し倒してしまう.

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