5.
「冬人はもぅ…ずっと達き放し♪…っぁあっ!?うんっ,達くね,お兄ちゃん,いっしょ達こ?」
妹の手が,弟の小さな掌を取り,兄の細い指と絡める.少女のすらりとした脚が少年達の腰を纏めて締め付ける.
喘ぎを殺そうと,兄は弟の右肩を思い切り噛んだ.得たりとばかり姉は弟の左肩に噛み付く.瑞々しい三つの肉は一つに塊って,脳を焦がすような真白な爆発に耐えた.
嵐が通り抜けていくのを,彼等はそのままやり過ごす.呼吸すら漏れてこない.
やがて,夏樹が,秋音が,最期に冬人が順々に息を吹き返す.まだ恍惚としている少年達に対して,少女は幾分回復が早いようで,ゆっくりと弟との繋がりを解くと,いきなり兄の乳房にむしゃぶりついた.
「なぁっ!?止め…吸うな,齧るなぁっ!」
秋音は,白い歯の間に銀の輪を咥え,勢い良く引っ張って母乳を分泌させる.消耗しきった兄は抵抗も出来ず,西瓜のような胸を滅茶苦茶に揉まれ,裏返った哭き声を出した.
「ほほ,ははひはっはほ」
"喉,渇いちゃったの"
と言ったつもりだろうか,口一杯に果肉を頬張った悪戯娘は,こくのある飲み物に舌鼓を打ちながら,両の乳房を纏めて絞り,更に多くを嚥下していく.
気の強そうな吊り目をだらしなく下げて,浅く呼吸する夏樹.僅かに少年らしさを残した相貌は被虐の悦びに染まって,曲線的な肢体と奇妙な対照を見せる.
「勘弁しろよ…秋音ぇ…俺,むねは…」
滋養のある液体で口腔を満たした少女は,ピアスのついた乳首を口を離すと,兄の乳房を枕にしている弟の唇へそれを口移しにした.
「んっ…んっ,んっんっ…けほっ」
咳込む彼の頬を両手で包んで,尚も接吻による授乳を行なう.やがてとろんとした瞳のまま,少年は全てを飲み下した.
「美味しかった?」
優しい囁きに,微かな頷きが応える.秋音は微笑んで兄を見上げた.
「冬人,美味しかったって」
「…ぁ…そっう…か…うん…」
「そろそろ,抜いてあげたら?」
「んっ…」
小さな腰を掴んで,ゆっくり持ち上げると,腸液の糸を引きながら,菊座の秘肉が裏返っていく.肉の栓が抜けると,黒々と広がった穴からプラスチックの玩具が幾つも零れ,絨毯の上に跳返っては蚤のように飛廻る.一つが秋音の形の良い鼻にぶつかり,彼女を痛みに呻かせた.
「ふひっ,ちょっ,これ止めて夏樹お兄ちゃん!」
「コントローラ,どこだ?コントローラ,痛っ,暴れんな,機械の癖に…」