7.
恍惚としたアルトの嬌声に,頃は良しと,触手は寛いだ後孔へよじ入り,直接内部の老廃物を貪り始める.レイラは絶望に打ち拉がれて,視線を逸らした.もっとも触手は直,彼女の両孔をも犯し始め,置かれた立場を思い出させたが.
「ブグッ!…ア,アアアガァアアッ!」
膣と直腸に鉄塊を捻じ込まれたようだった.括約筋と秘裂が,共に破れて使い物にならなくなるのではないかと恐怖が駆け抜ける.触手は最初から彼女の受け入れられる限りの直径を用意したのだろう.脳の奥で火花が散り,四肢は激しい痙攣の余り不様な蛸踊りを踊った.
「太ぉい,太いよぉっ!中で食べてる!うんち食べてるよぉっ!」
耳元で,正気を失ったJ・Jの喘ぎが聞こえる.軍曹は泣き出したかった.たった今愛を誓った筈の年端も行かない戦友が,女の自分そっくりの方法で陵辱され,淫らに鳴いている.
同じように直腸を押し広げられ,同じようにおかしな薬を打たれ,化け物に犯されながら,粘液に塗れている.そう思うと,なぜか急に子宮が熱くなり,手足の指が空を掴んで戦慄く.媚薬の効果を認めまいとして歯を食い縛る彼女の欲情を,しかし触手は聡く嗅ぎ取り,針状の繊毛を陰核へ突き刺した.
「かはっ!あう"…ぅっ」
失禁.下士官は凛々しい太眉で八の字を描くと,爛れた呻きと一緒に,大量の水分を金属の床へ解き放つ.触手達は塩っぽい液体を美酒の如く啜り,残りを求め小陰唇に入ってきた.
「おごぉおっ!あがぁっ!そこは違ぇ…ィ゛ッ!!」
臓腑で蠢く触手達が,大腸に到達し,尚も押し上がってくる.内側と外側から分泌される催淫成分の性で,何も考えられなくなってきた.乳房は痛いほど張り詰め,ゴム鞠の様に柔らかくなって滅茶苦茶に揺れる.
「もう入らないよ,出させて,出させてよぉっ」
快楽で曇った瞳に,むずがるように首を振る黒人少年が映った.淫液を注がれすぎて陰嚢が膨らみ,肉棒は血管が浮いている.すっかり幼児退行した彼の,舌足らずの要求に応えて,触手は吸引を開始した.
「はひぃっ!吸ってる!吸われっ」
後は口も利けない程の快感なのか,頤を外して涎を垂らすだけだ.一通り精が抜き取られると,再び液体の注入が始まる.J・Jはビクビクと過剰に反応しながら,何十本と無く触手を咥え込んだ括約筋を収縮させ,うっとりと宙を仰いだ.終りのない射精,全ての牡にとって究極の快感であり,究極の地獄.
其処に居るのは,もうレイラが知っているクールなジェファーソン伍長でも,恥かしがりやのJ・Jでもない.化け物の好み通り哭き,よがり,狂う,淫乱極まりない少年娼婦の姿だった.