6.

 本当はどうだか知らないけど.それはどうでもいいのだ.要は写真が撮りたかっただけ.震える指がゆっくりパンツをずらして己の秘所を秋の空気に触れさせる.

「あっちゃ.やっぱ濡れちゃった…」

「も,いいでショ…」

「え?これからだよ」

 立ち上がろうとする胸を抑え,反り返ったリボンつきの玩具へゆっくり腰を落す.少年の小さな欲望を彼女自身で受け止める.きちんと準備をしていないので引っ掛かるが,それも全部が快感で,声を抑えるのが難しい程だ.

「うわァッ…」

「簡単に入ったね…それじゃ動くよ」

 ゆっくり上下に身を揺らし,腰は水平に円を描きながら,軽く相手の反応を待つ.薄い胸の収縮が同じリズムになっている.これは,感じていると考えていいのだろうか?.

 とにかく気持ちいいので続けることにする.もっと沢山,快感が欲しかった.後になって襲ってくる罪深さと見合うだけの悦楽を貪っておかねば成らない.

「真美ネェッ!これ…これナニ…何で腰が勝手に…ハゥッ」

 蜜壷を締めて,スーツの女は勝利に酔う.もう大丈夫だ.後は,溺れさせてしまえばいい.右手を開いた口に差込み,左手を捻れる太腿に沿わせ,律動を急ピッチに早めていく.尻に敷いた細い背中がブリッジをするように持ち上がり,子宮まで直に振動を伝えてくる.

「セックスだよっ…山田透君…学級委員の君が…知らない…なんてっ,意外っ,じゃない♪」

 巧みな騎手のように暴れ馬を乗りこなし,指で口腔をぐちゃぐちゃにかき回してやる.意味を失った苦悶の叫びと,津波のように押寄せる快楽に浸りながら,彼女は満足の笑みを浮かべた.もう,死んでも良い気持だった.


「灰皿」

「ハイ」

 小振りな臀部が,宙に向けて突き出される.じゅっと煙草の火が降りて,新しい屈従の印をつけた.工藤真美は算数プリントの答え合せをしながら,指に挟んだ吸い差しを捩り,ふとそちらに注意を移した.

 体育着の上だけを着せた男の子が一人,円形火傷だらけの尻を上げたまま,赤ペンを手にクラスメートが書いた答案を睨んでいる.もう淫らがましい格好を恥じる様子も無く,既に彼女の二倍の量の答え合せを終え,更に次へと進んでいる.

「ありゃ,熱くないの学級委員?」

「もう慣れまシタ」

「あっそぉ.最初はあんなに泣いてたのに.その内お尻に押す所無くなっちゃうぞ.」

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