7.
「そしたら禁煙して下サイ」
がさごそと物音がするので,学級委員は顔をしかめて振向く.女教師はプリントそっちのけで段ボール箱を漁っている.ややって,大人の玩具を取り出し,茶目っ気たっぷりに手招きした.
「これ,まだ試してなかったね?」
「また新しいのを買ったのでスカ?お給料無くなりまスヨ…」
「通販は止めらんないんだよ.っつか使用レポート出せば半額にするってたから後で適当なのでっちあげて」
「どうして僕ガ…」
そうはいいながらも少年は,年上の女性の方へ近寄って,玩具を受け取る.
「これ,何処に挿れレバ?」
「うわー,恥らい無いね.何か,折角奴隷っぽくしてるのに…」
「だから言ったデショ,僕はいつも同じダッテ…」
溜息を一つ,透は玩具のスイッチと覚しきものを入れる.いきなり数本の棒が飛び出し,凄い勢いで回転しながら出たり引っ込んだり彼の手の中でメリーゴーランドのように動き出した.
「工藤先生…や,真美ネェ」
「あによ?」
ひくひくと頬を痙攣させながら,少年は玩具の電源を切った.
「これ,何処に挿れても,試した人死んじゃうと思うケド…」
「え?そんな?じゃぁお尻ね」
「無理ダヨ」
「山田君!先生の言う事聞きな!」
つい首を縮めた透は,急いで自分の菊座に三本の指を捻じ込み,中から疣つきの極太バイブレーターを引きずり出すと,切なげな呼吸と供に畳へ落とした.
「あーもう雑.ほら,腸液で汚れるっしょ」
苛立った幼馴染の声にしょぼくれながら,それでもすぐ新しい玩具をくわえ込み始める.極力平静を装っても,リボンを巻かれた幼茎の根元はチリンチリンと小さな鈴を鳴らして,少年が感じていることを伝えた.
真美はといえば,古い玩具を片付け,雑巾で畳を擦りながら,にへらーっと色っぽい恋人の姿に相好を崩している.じとっと潤んだ瞳が彼女の手元に注がれた.
「今日は先生の言う通り,ソレ挿れたまま,一日中学校行ってたノニ…」
「だからぁ,おニューのはご褒美ですが」
「嬉しく無いですヨ」
拗ねる少年を抱き寄せて,頬に幾つも接吻の雨を降らせる.そういうスキンシップにだけはまだ免疫が無いのか,透はみるみる茹蛸になる.
「明日は日曜だから,どっか行こ…」
「あぅ…じゃぁ…中華街にラーメンでも食べに行きまスカ?」