21.
最長老は何も出来ないまま,死よりも悍しい運命を受け入れるしかなかった.彼女は遠い昔に,同じスライムを植え付けられた友人を剣で殺した経験があった.それは慈悲の行為だったが,今は自分にも同じことをしてくれる誰かを望まずには居られなかった.
「こわいかおしないで?きもちよくなるんだから,なにもわるいことないよ」
リフォル.彼女も嫁ぐ前までは,快楽よりも大切なものがあることを良く心得ていたのに.自由な意志や尊厳を失うならば死の方がましだというエルフの矜持は,魔薬の前に脆くも崩れ去ったのだ.
孫娘が後孔を広げ,無理矢理唇に押し付けて来る.舌に,ぬめった,ねとつく感触があって,絶望に形を与えたものが入り込んだ.眼底から脳の奥へ痺れるような快感が走り,理性は水を被った砂の城のように,ぐずぐずに崩れる.最後の光が消え去る寸前,彼女は心の中だけでそっと,昔失った愛人の名を呼んだ.
「おばあさまったら,した,いれて,たべてるよ.すらいむたべちゃってる.くいしんぼうさんだね.どうしようグノーフさまぁ.ほかのひとたちのぶんぜんぶたべられちゃう」
「はは,簡単だよ.お母様と,えと,お祖母様の,縛めを解きなさい,ね?2人にさ,要はね,他の4人の,長老を,わかるだろ?植付け,そう,植付けさせれば,いいんだよ…リフォルには,もう,あの,新しい,仕事,仕事が,出来たしね」
「なになにぃ?」
「うん,今ね,その,僕のさ,ほら,結界があるだろ,それにね.新しく2人,獲物が掛かった,みたいなんだ?ひとりは,ジゼルちゃん,じゃないかな…捕まえに行こうよ?ね?」