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「人が生み出した物.或いはそう自慢したがる物.それが破壊以外の何を齎したというのです.お前達は己の意志で破壊を止められない,出来損ないの種族,大地母神の鬼子です.何れ気付くでしょう.海も山も河も,取り返しのつかない程傷つけた後でね…」

 土の司の言葉は,予言の響きを帯びていた.信じようと信じまいと構わない,だが真実であると,そう告げていたのだ.彼が誇りとする知性の働きや,生命への情熱を,丸ごと否定するような言葉だった.あたかも,人類という種族全体が世界に毒を撒き散らし,破壊の大きさによって自ら悦に入る,醜悪極りない虫けらだとでもいうような.男爵は強く歯を噛んだ.

「無駄口が,ええ,過ぎましたね.妻が,焦れています…おやり」

「もう,むずかしーはなしばっかりするからぁ,そのあいだに,ぶるーすらいむまたふえちゃったんだから」 

 空気をぱんぱんに詰めた風船のような腹を抱え,リフォルは長老達に近付いていく.母は猛禽の双眸を怒らせ,青褪めた顔で叱咤を飛ばした.

「リフォル,お前が近付けば,私は死にます!」

「ちかづかないよう…みててね,おかーさまにはつかえないまほーだよ♪ほつれ根(タングル・ルート)」 

 大地が波立ち,木の根が突き出した.白樺のような乙女達の細い手足を,黒土に塗れた根が捉え,あでやかな衣装を破りながら内側へと侵入する.何か叫ぼうとした鳥の司の口元へ一本の根が押し入り,顎をしっかりと固定した.もう自決も不能である.

「えへへ,しっかりささえててね.まずはおかあさまからだよ.あーんしてねー」 

 数本の根がぎりぎりと頤を開かせる.娘は母の真上を跨ぐと,腰を落とし,濡れ爛れた下の口で,上の口にキスをした.はぁっと排泄の恍惚にも似た喘ぎを漏らし,膣内のスライムを口腔へと分娩していく.

「んんー!!んっぐぉぉほっ…」

「おかあさまは,さいごまでわたしのけっこんに,はんたいしたよね.ばつとしてー,みんなのにばいうみつけまーす」 

 女は水鳥のような喉を痙攣させて,望まぬ異物を嚥下していく.吐き出そうと嗚咽しても,スライムは自ずから食道へと侵入し,胃の腑へと滑って行った.

 麻薬の効果はすぐ現れた.縛めを引き千切るようにして,女の身体が跳ね,滅茶苦茶に首を振り始める.娘は母の狂奔を満足げに見下ろすと,ゆっくりと腰を上げた.

「つぎは,おばあさま.いつもきれいで,おちついてて,ふふ,でもすこしきびしいおばあさま.おばあさまがくるっちゃうところ,わたしみたいな♪」 

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