6.

「お前を救ってくれるのはヴォーダンだけだ.彼に頼め,お前の主人のヴォーダン様にな」

 少年は一瞬蕩けた表情で領主の方を見て,むずがるように首を振った.

「やだぁっ.僕家畜じゃない,家畜じゃないも…ぁああっ!」

「お前は家畜だ.お前達下民は,生まれついての家畜だ」

「やだよぉ…っ!」

「認めなければ,番わせてはやらんぞ.ずっとそのままだ」

「ずっと…ぁっ,やっ…」

 領主は屈みこんで,少年の虚ろな瞳を真直ぐに捉えた.蛇のような,死霊のような,白皙の顔が,最後の壁を溶かすように口説く.

「家畜になるか.そうしたらアレンやゾフィアにも会わせてやろう」

「お…兄ち…ゃん達に…?」

「家畜としてだ」

「家畜…」

「なるか?強情を張るのを止めて」

 躊躇,逡巡.湿った音だけが木々の間に吸われて行く.やがて,恥かしそうな頷き.領主はにっこりして,よしよしと頭を撫でてやると,諭すように先を続けた.

「では,言え.『僕はヴォーダン様の牝犬になります』と」

「…あ…」

「言え.アレンやゾフィアに会いたくないのか」

「んっ…僕は,ヴォーダン様の…めすいぬにぃっ,めすいぬになります…」

「くっ…はははは,痴れ者め!矢張りお前も他の連中と同じか!いとも簡単に誇りを手放すのだな.よし,ヴォーダン,いいぞ,犯してやれ」

 全くおかしくも無さそうに,領主は馬の元へと踵を返した.その若々しい面持ちには,凍りついた笑いと共に,涙が流れていた.

 後ろでは,ヴォーダンがロビンに圧し掛かり,背を掻き毟りながら,いきりたった肉刀を,緩んだ排泄口に押し込む.生まれて始めて挿入を,しかも犬によって味合わされ,少年はあられもない嬌声を上げた.

「精々楽しめロビン.それも最初だけだ.犬の性交は長い.喉まで精液に満たされても,終わりは来ないかもしれん.私は館へ戻る.お前達,後は好きにしろ」

 マントを翻し,騎影は樹陰に駆け去っていった.

 だが,ロビンにとってはまだ快楽地獄の序の口に過ぎなかった.大型犬のごつい性器が,肛腔内を攪拌し,先走りを送り込んでくる.ロープに吊られた不安定な姿勢では,衝撃の全てを受け止められようはずもなく,ぶらんこのように揺すぶられ,穿られる.

 凄まじい質量が,火掻き棒のように直腸粘膜を擦り上げ,酒と腸液を潤滑油にさらに奥へ奥へと押し進む.と,不意に丸い瘤のようなものが,出入り口付近を圧迫し始めた.

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