Blacksmith

Presented by Samme

声変わり前の喉が震えて告げると、漆黒の翼が青紫に染まり行く天へ舞い上がり、二度、円を描いてから、宵闇の統べる東の方へと去っていった。

邪眼の子は頭をもたげて見送ってから、貧血を起こしたようによろめいたが、すぐに建て直すと、車上の鎚を掴み、軽々と持ち上げて、肩に載せた。そのまま門へ向かって小揺るぎもせず歩いていく。竜のあぎとを思わせる入り口をくぐり、闇の領域に踏み込むと、色違いの双眸の片方がいっそう煌めきを強める。

――『妖婦』より

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