『ひでぼんの書』

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第1部第8話

「では、この挑戦状を“がたのそあ”に届けてくだされ」
「委細承知」
 “う゛ぉるばどす”さんが古風な果たし状を手渡したのは、全身を黒光りするボンデージファッションで固めたムチムチな美女だった。顔の上半分を黒いマスクで隠していても、その口元だけでどんな男も篭絡できそうなくらい妖艶だ。ただ、背中から生えた漆黒の翼と先端が尖った尻尾が、彼女もまた人外の存在である事を示している。
「誰ですか? あの方は」
「“ないとごーんと”でござる。拙者の僚友たる“のーでんす”殿からお借りした奉仕種族でござるよ」
 翼を羽ばたかせて、夜空の中に消えて行く“ないとごーんと”さんを見上げながら、“う゛ぉるばどす”さんは不敵な笑みを浮かべていた――

で、決戦当日――
「前回のようにはいかぬぞ、“がたのそあ”よ!」
「ふん、何度やっても同じ結果だ」
 暗黒世界ン・カイの中で、2人の旧支配者さんが対峙していた。
「あのぉ……ここはボクの住処なのでぇ、そういうのは外でやって欲しいのですがぁ」
 控え目に提言する“つぁとぅぐあ”さんだけど、小春日和みたいなおっとりとした声なので、まともに聞いているのは僕だけみたいだった。
 “う゛ぉるばどす”さんVS“がたのそあ”さんの見届け人は、“つぁとぅぐあ”さんに“いたくぁ”さん、“てぃんだろす”に“しょごす”さん、そして僕といういつものメンバーの他に、
「前置きはいいから、早く始めてくださいな」
「…………」
 黒セーラー服の麗人“あとらっく=なちゃ”さんと、灰色のゴスロリ美少女“あぶほーす”さんもいる。神々の戦いを見届ける理由は全くわからないけど、実は単なる暇つぶしなのではというのは、矮小な人間の勝手な想像なのだろう。たぶん。
「あら、可愛いわねこの子。ねぇ、わたしにくださいな」
「わ、わん!」
 “てぃんだろす”をひょいと持ち上げる“あとらっく=なちゃ”さん。“てぃんだろす”はジタバタしている。
「…………」
 ぺしっと灰色の触手が“あとらっく=なちゃ”さんの後頭部を小突いた。その触手が“あぶほーす”さんのスカートの中に引っ込んだのは、見なかった事にしよう。
「痛っ…ふぅ、わかりましたわ。残念ながら処女でも清童でもない事ですし、お返ししましょう」
 “あとらっく=なちゃ”さんがぱっと手を離すと、“てぃんだろす”は必死に僕の腕の中に飛び込んできた。

「こら、そこっ! ちゃんと見てるでござるよ!」
 びしっと僕達に長刀を向ける“う゛ぉるばどす”さんだけど、
「余所見とは余裕だな」
 目にも止まらぬスピードで、“がたのそあ”さんが彼女の懐に飛び込んできた。両腕の拘束具が外れて、
「えい、ボインタッチ」
 むにゅむにゅと“う゛ぉるばどす”さんの巨乳を正面から揉み解した。
 しかし――
「んんん――!?」
 いきなり“う゛ぉるばどす”さんは“がたのそあ”さんを抱き締めて、ギャグの上から熱烈なキスをかましてくれたんだ。
 ああ、ホントに特訓の成果が出てる……納得いかないけど。
 突然の事に硬直している“がたのそあ”さんの顔から、素早くアイマスクとギャグが剥ぎ取られた。
 僕は目を見張った。
 あの不遜で猛々しい態度や口調とは裏腹に――ある意味予想通りだったけど――どちらかといえば気弱そうな、可憐な美少女の顔があったんだ。
「まだまだぁ!!」
 ル○ンの五○門を連想させる動作で、“う゛ぉるばどす”さんの長刀がきらめいた――
――と思ったら、“がたのそあ”さんの拘束着は全て細切れに分断されて、白く輝くような美しい少女の裸身を生み出した。夕陽のように紅いツインテールがよく似合っている。
「きゃああ!!」
 顔中を真っ赤にして薄い胸と股間を隠そうとする彼女を、しかし“う゛ぉるばどす”さんがしっかり押さえ付けた。
 勝負ありだ。
「ふっふっふ、あの時の屈辱は晴らさせてもらうでござるよ!!」

「やぁあああ!!」
 “がたのそあ”さんは悲鳴を上げていた。
 全身を覆っていた拘束具は剥ぎ取られて、白く幼い妖精のような裸身を晒している。ロリコンの気は無い僕でも、思わず手を這わせたくなるくらい綺麗な身体だ。赤いツインテールの片方は解かれて、白い肌に貼り付いていた。
 でも、今の彼女は両手をロープで縛られたまま吊り下げられたうえに、空中に浮かせたあの長い刀の棟に三角木馬の要領で乗せられて、
「お〜っほっほっほ! でござるよ!!」
 高笑いするボンデージ姿の“う゛ぉるばどす”さんに、激しく鞭打たれているんだ。
 動物の調教用に使われるらしい1本鞭が翻る度に、染み1つない柔肌に赤い蚯蚓腫れが走って、
「きゃああああ!!」
 悲鳴を上げながら“がたのそあ”さんは身悶えする。うっすらと血が滲んだ蚯蚓腫れが身体中を覆って、まるで赤いベールを羽織っているみたいだ。
「ううぅ……はぁ!」
 苦痛のあまりに身体を動かす彼女だけど、その度に産毛も生えていない股間のスジが刀の棟に食い込んで、新たな苦痛が彼女を襲う。
 本来なら見ていられないくらい無惨な光景なのだろうけど、僕は彼女達に目を離せなかった。責める方も責められる方もあまりに美し過ぎて、そのサディスティックな残酷美は、至上の芸術のように僕の心を捕らえて離さないんだ。
「おぬしの所為で拙者がどんな目にあったのか……
……まぁ、あれはあれで今ではけっこう好きでござるが……その身に味わせてくれようぞ!!」
 ほとんど紐に近い露出度の黒いボンデージ姿で鞭を振るう“う゛ぉるばどす”さんは、正直ちょっと……いや、かなり怖い。

 今更という気もするけど、ちょっと子供に見せるには問題がありそうなので、“てぃんだろす”は“しょごす”さんに頼んで僕の部屋に連れ戻している。人外の存在に子供の区別があるのかどうかは我ながら疑問だけど、一応ね。
 ちなみに“あとらっく=なちゃ”さんは、
「これで終わりですの? 興ざめね」
 と、“あぶほーす”さんを連れて、つまらなそうに闇の奥に消えてしまった。
「あのぉ……ですからぁ、ボクの住処でそういう事はぁ」
 そして、“つぁとぅぐあ”さんは相変わらず止めさせようとしているみたいだけど、例によってあの口調では説得力は無い。
 僕は側で平然とお茶を啜っている“いたくぁ”さんに話しかけた。
「しかし、あれではどっちが正義の味方かわかりませんね」
「……“う゛ぉるばどす”が正義で……“がたのそあ”が悪?……なぜそう思う?……」
「え、でも、ほら、“う゛ぉるばどす”さんは地球を守る戦士で、“がたのそあ”さんはみんな石にしちゃうって……」
 しどろもどろな僕を尻目に、“いたくぁ”さんは無表情のままお茶を飲み干した。
「……それは……人間にとって……益となる存在を……善と決めているだけ……」
「はぁ……」
「……そもそも……善や悪という概念は……人間が決めたもの……
……我々が……それに従う理由は……無い……」
「…………」
 確かに彼女の言う通りだ。“つぁとぅぐあ”さんを始め、みんなやたらと人間臭い方々だったから忘れかけていたけど、彼女達は『邪神』――ちっぽけな惑星に張り付いて生きる人類という種族など、彼女等に比べればその辺を浮かんでいるバクテリアと大して変わらないという超高位存在なんだ。善悪を超越した存在なんだ。どうも僕は最近その事を忘れて調子に乗っていたみたいだ。反省反省……

 つまり、こうした一連の行為も、僕のような人間には想像もつかない意味があるわけで……
「ふふふふふ、鞭の味はどうでござるか?」
 サディスティックな笑みを浮かべながら、“う゛ぉるばどす”さんは、“がたのそあ”さんのほとんど膨らんでいない胸を斜めに走る傷跡に指を這わせた。
「はぁうっ!!」
 その瞬間、“がたのそあ”さんの小さな身体が痛々しく跳ね上がる。傷の筋にそって爪先が油汗の浮かんだ左鎖骨の上を進み、薄い乳房に僅かに沈みながら渡り、やがてほとんど色素の無い乳頭の上で止まって、
「あああっ!!」
 傷跡ごと乳首をぐりぐりと押し込んだ。
 ぷしゃあ……
 その時、刀の峰に食い込んでいた“がたのそあ”さんの秘所から、黄色い液体が湯気を立てながら溢れ出た。彼女の足元に小さな水溜りが溜まって、独特の香気が僕の鼻腔をくすぐった。
「ですからぁ……」
 “つぁとぅぐあ”さんがおっとりと悲しそうな声を漏らす。
「おやおや、赤子みたいでござるな? 恥ずかしい……」
 両方の乳首をコリコリ弄くりながら、“う゛ぉるばどす”さんが耳元で囁くと、“がたのそあ”さんは涙を流して震える顔を真っ赤に染めた。
「もぅ……やめてぇ」
「それなら、綺麗に拭いてあげるでござるよ」
 “う゛ぉるばどす”さんは“がたのそあ”さんの細い腰を掴むと、一気に刀の棟に体重をかけたんだ。

「きゃぁあああああ!!!」
 痛々しく棟にスジのような性器が食い込み、皮も剥けていない小さなクリトリスが容赦無く潰れた。真っ赤に腫れた刀身を咥える淫肉がひくひく震えている。
「まだまだでござるよ!」
 そのまま“う゛ぉるばどす”さんは、彼女の腰を前後に往復させた。
「痛っ! やぁあん! ダメ、だめぇ!!」
 まるで刀を秘所で磨くみたいに前後する“がたのそあ”さんの割れ目。でもオシッコと愛液でニュルニュルになった刀身を淫肉で擦っても、逆にどんどんビショビショになってしまう。
「はぁん! あひぃ! も、もぅ……あはぁ! きゃふぅ!」
 しばらくして、“がたのそあ”さんの声に変化が訪れた。痛々しい悲鳴を上げるだけだったのが、明らかに快楽の嬌声が混じり始めている。そして――
「はぁああ……だ、駄目ぇ! イクっ!! イっちゃうぅぅ!!」
 手首から血が流れるくらい強くロープを引き、身体を反らしながらビクビクっと痙攣して、
 ぷしゃああああ……
 また激しくオシッコを漏らしながら、絶頂を迎えてしまった――
「あはぁあああ……あはぁ」
 股間から流れる黄色い液体が刀身を伝って地面にこぼれ落ちる。失禁しながら口を半開きにして恍惚の表情を浮かべる“がたのそあ”さんには、あの威厳に満ちた迫力は皆無だけど、それ以上に魂を震わせるような淫靡さを醸し出していた。自分の理性がどんどん消えていくのがわかる。そう、あの人外との交わりの際に湧き出る情欲が再び鎌首を上げた。

 ぱあん!
「きゃぁん!!」
 突然、乾いた打撃音が闇の世界に響いた。
「どうやらお漏らしの気があるようでござるな?」
 ツインテールの片方をぐいと引っ張って顔を覗き込みながら、サディスティックな表情を浮かべる“う゛ぉるばどす”さんのもう片方の手は、赤い手形の浮かんだ“がたのそあ”さんのお尻を撫で回していた。
「そんな締まりの無い子には、お仕置きでござる!!」
 “う゛ぉるばどす”さんの手が風を切って翻る。
 ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん! ぱぁん!……
 大の男でも泣き叫びそうな情け容赦無いスパンキングが、連続で“がたのそあ”さんのお尻を襲った。叩き付けられる掌の直接的な痛みもさる事ながら、その衝撃で刀がますます割れ目に食い込んでいくのがたまらないようだ。
「いやぁ! 痛い! はぁう! 痛いよぉ! あふぁ! やぁん!」
「まだまだまだまだぁ!!」
 1時間後――
「…は……あ…ぁ……かはっ……」
「はぁはぁ……一汗かいたでござるな」
 涙とよだれと愛液とオシッコを垂れ流しながら、ぴくぴく痙攣する“がたのそあ”さんの小さくて可愛かったお尻は、これ以上無いくらい真っ赤に染められている。大人のそれより大きく腫れ上がったお尻は、針を刺せば破裂しそうなくらいぷりぷりだ。
「おぬしも喉が乾いたでござろう? 今、飲ませてやろうぞ」
 彼女のぐったりと項垂れる顔を持ち上げた“う゛ぉるばどす”さんは、自分の股間の前にそれを導いた。顎を無理矢理開けさせて、小さな鼻を摘み、自分の下着を横にずらして――
 ちょろろろろろろ……
「んんんー!?」
「ほらほら、こぼしたらまたお尻ペンペンでござるよ」
 なんと、“う゛ぉるばどす”さんは“がたのそあ”さんの口を秘所に押しつけて、直接咥内に放尿したんだ。

 涙を流して抵抗しようとする彼女だけど、またスパンキングされるという脅しが効いたのか、嗚咽しながら“がたのそあ”さんは最後の1滴までオシッコを飲み干した。
 満足気な表情で“う゛ぉるばどす”さんは“がたのそあ”さんの顔を股間から離したけど、対称的に“がたのそあ”さんはもう声も出せないようだ。
「ふっふっふっふっふ、そろそろお仕置きもクライマックスでござるよ」
 “う゛ぉるばどす”さんはぐったりとして動かない“がたのそあ”さんの拘束を解いて、ごろりと地面に寝かせた。そのまま僕に向けて彼女の両足をかき開いて見せる。
「さぁ、ひでぼん殿……このまま犯してくだされ」
 とんでもない提案をしてくれるなぁ……予想できた展開だけど。
「いや、でも、さすがにそれは……」
「ふふふ、そうは言っても、ひでぼん殿のアレは我慢できないようでござるよ?」
 確かに、僕の股間はあの刺激的な光景に爆発しかけている。
「さぁ、遠慮なさらずに……こちらはもう準備完了ですぞ?」
 大股開きとなった“がたのそあ”さんの秘所は真っ赤に熟れて、愛液とオシッコでドロドロに溶けそうだ。その幼い身体にミスマッチな『女』の香りに、僕に残された理性の最後の一片は消滅した。
 僕は引き千切るように服を脱ぎ捨てて、獣のように飛びかかった。
 “がたのそあ”さんが怯える子犬みたいな目を向けて、“う゛ぉるばどす”さんが復讐の完了を確信した笑いを唇に貼りつけている。そんな事を気にする余裕も無く、僕は彼女を抱きかかえた。

「え?」
「じゃあ、遠慮無く」
 そう、きょとんとする“う゛ぉるばどす”さんを。
 股間を隠すヒモにも満たない面積の下着をちょっとずらして、
「え、あ、ちょっと違――」
「いただきます」
 一気に根元まで僕は“う゛ぉるばどす”さんのアソコに怒張を挿入した。
「あ……」
 処女膜を突き割る独特の感触と破瓜の血がペニスを伝う感触があった――次の瞬間、
「あぁああああああああ!!!」
 “う゛ぉるばどす”さんの絶叫が、暗黒世界に盛大に轟いた。
「いやぁ!! 痛い! いたぁい!! あはぅぅ!!」
 くぅ……さすがに濡れてもいない処女の締まりは凄い。正直僕も快感より痛みが強いくらいだ。でもガマンして彼女を駅弁の体位に抱き上げながら、ガンガン腰を叩きつける。
「あはぁ! ば、バカぁ!! せ、せっしゃじゃなくて……くうっ! あの子を犯せとぉ!!」
「いやぁ、僕はグラマーな方が好みなので」
 さっきまでの余裕はどこへやら、泣き叫びながら僕の背中に爪を立てる彼女を尻目に、僕は素早く“つぁとぅぐあ”さんにアイコンタクトを送った。
「はぁい」
 失礼な言い方だけど、普段の彼女では想像もできないくらい素早いのんびりとした動作で、“つぁとぅぐあ”さんはぐったりとしている“がたのそあ”さんの身柄を確保した。
 そう、僕は本当に勘違いをしたわけじゃなくて、さすがにちょっと“がたのそあ”さんが可哀想になってきたので、彼女を救出する為にした事なんだ。
「痛ぁ…くふぅ! 酷いでぇ…あうん! ござるぅ!!」
 唐突に処女を奪われた“う゛ぉるばどす”さんは、もっと悲惨な気もするけど……あまり気にしない事にしよう。この作戦考えたのは、我関せずとばかりにお茶を飲んでる“いたくぁ”さんなんだし。

「あぁ……こんなに傷だらけになってしまってぇ、痛かったでしょぉ」
 愛しいわが子のように“がたのそあ”さんを抱きかかえる“つぁとぅぐあ”さん。でも、その瞳は普段のおっとりのんびりした輝きは宿っていなかった。あまりに妖艶過ぎる、魔王のように美しい眼差し――
「――っ!!」
 ビクっと“がたのそあ”さんの身体が震えた。
 “つぁとぅぐあ”さんがあの熱く濡れた長い舌で、首筋に走る蚯蚓腫れを『べろぉ〜〜〜ん』と舐めたんだ。
「うふふぅ……血の味が美味しいですねぇ」
 首筋から鎖骨を通って、平たい胸まで舌を這わせる“つぁとぅぐあ”さんだけど、その時、僕は奇妙な事に気づいた。まるで舌が傷跡を舐め取ったように、“がたのそあ”さんの鞭の跡が消えて行く。
「あぁあぁ……ひゃうん! いい……気持ちいい…よぉ!」
 どうやら、あの“つぁとぅぐあ”さんの治療は物凄い快感も与えるらしい。“がたのそあ”さんは全身をわななかせながら甘い声を絞り出している。実際、強烈だからなぁ、“つぁとぅぐあ”さんの口撃は。今の“がたのそあ”さんは、全身に媚薬を塗られている心地だろう。
「くはっ! あふぅ! もう……やぁん!!」
 そして、僕に抱かれながら腰を振っている“う゛ぉるばどす”さんも、だいぶ具合がよくなってきた。気持ち良いけど、きつ過ぎて痛かった膣内も、愛液があふれて柔らかくこなれてきている。“う゛ぉるばどす”さんの嬌声も、苦痛より快感が占める割合が多くなった。
「はぁうん!!」
 目の前でたぷたぷ揺れる見事なロケットオッパイをたっぷり口に含んで、舌先で勃起した乳首を転がすと、あそこを締め付けて面白いくらい反応してくれる。

「ひゃああああ……あふぅ! そ、そんな所……あぁ!!」
 “がたのそあ”さんの喘ぎ声も絶好調だ。彼女に刻まれた鞭の跡は全身を彩っている。つまり、“つぁとぅぐあ”さんの快楽の舌は全身を余す所無く嘗め回すという事だ。乳頭を含み、おへそをほじくり、脇腹を這い、背中を伝い、太ももを舐め、足の指をしゃぶる――あらゆる場所を舌で蹂躙される“がたのそあ”さんは、快楽のあまり泣き叫びながら、幼女のようなか細い肢体を跳ね上げた。
「あはぁあ!! やふぁあ!!」
 特に、真っ赤に腫れたお尻の肉たぶに口付けして、ちゅうちゅう吸い出すように愛撫すると、見ていて心配になるくらい悶えて、固い地面にがりがり爪を立てていた。真紅のツインテールはもう両方解かれて、溶岩のように岩肌を這っている。
 やがて、お尻のスパンキング跡もすっかり回復した後、
「まぁ、ここもこんなに腫れてしまってぇ……」
 “つぁとぅぐあ”さんは“がたのそあ”さんの秘所に妖しく微笑む顔を近付けた。“がたのそあ”さんの性器はスジのような割れ目もぱっくり開いて、赤く充血した淫肉も愛液まみれだ。そして、“つぁとぅぐあ”さんはあの魔性の舌で“がたのそあ”さんの秘所を蹂躙した。
「ひゃうっ!!」
 舌先がクリトリスを突つき、小陰口を伝い、尿道口と膣口をくすぐって、アヌスをねぶる――次は逆のルートを通り、クリトリスに到着したらまた反転する……何度も何度も舌が秘所を嬲り、往復する。

「きゃうっ! あふぅ! だめぇ! また出ちゃうぅ!!」
「やあぁ! だめぇ…来るっ! 来ちゃう! イっちゃうぅぅ!!」
 “がたのそあ”さんと同じく、“う゛ぉるばどす”さんも限界が近いようだ。今は彼女から僕の身体にしがみつき、腰を動かしながら乳房を押し付け、僕の肩に歯を立てている。
 そして――
「イクぅううううううう!!!」
 ビクビクっと痙攣しながら、“う゛ぉるばどす”さんが絶頂を迎えると一緒に、僕も彼女の中に精を放っていた。
 ほぼ同時に、
「あぁああああああああ!!!」
 ぷしゃぁああああ……
 “がたのそあ”さんはイクと同時に黄金色の聖水を噴出して、“つぁとぅぐあ”さんの顔を濡らす。
「あらあらぁ……ふふふ、んんっ……」
 しかし、“つぁとぅぐあ”さんは妖艶に笑いながら女王の風格を保ち、躊躇い無く“がたのそあ”さんの尿道口に濡れた唇を当て、最後の1滴まですすり飲んだ――
 ……さすが“つぁとぅぐあ”さん、どんなプレイでもOKなんですね……
 ぐったりとした“う゛ぉるばどす”の中からずるりとペニスを抜きながら、僕はそんな事を考えていた……

 十数分後――
「ふっふっふ! どうだ! 拙者の勝ちでござるよ!!」
 まいったかとばかりに胸を張って――もう、普段の袴姿に戻っている――“う゛ぉるばどす”さんは満足そうに笑った。
「色々突っ込みたい所はあるが、仕方ない。貴様の勝ちだ」
 こちらも誇り高い態度を保ったまま、“がたのそあ”さんは拘束着を纏っている。
 もう、2人の間に敵対心は無いようだ。
 正直、あの方法では絶対無理だと思っていたけど……上手くいっちゃったよ、オイ。
 あああ、やっぱり僕のようなちっぽけな人間には、神々の法則は理解できないのかな。
「めでたしめでたしですねぇ……くー」
 “つぁとぅぐあ”さんは眠そうに目をこすりながら微笑んで、次の瞬間には本当に髪の毛に包まって横になってしまった。
 はぁ……とにかく、無事に終わってよかった。
「……終わりじゃない……これは始まり……」
 その時、今まで僕達を無表情に眺めながらお茶を飲んでいただけだった“いたくぁ”さんが、音も無く僕の隣に腰を下ろした。その真紅の瞳は真っ直ぐ“がたのそあ”さんを見つめている。
「……せんせーに質問……まだ星辰も巡っていないのに……
……あなたが復活したのは……ホワイ?……」
「それは拙者も疑問であった。教えてくれぬか?」
 “がたのそあ”さんはアイマスクの向こうで、何か考えているように見えた。
「我にもわからん。しかし、我等のような旧支配者をこうして復活させるのは、『あの御方』しかおるまい」
 『あの御方』――その単語を耳にした瞬間、なぜか僕はぞっとした。理由はわからない。
「我等……と言いましたねぇ」
 いつのまにか、“つぁとぅぐあ”さんも身体を起こしている。眠そうだけど。

「具体的に誰とはわからぬが、我以外にも活動を開始した旧支配者がいるのは間違い無い。あるいは『外なる神々』もな」
「……びっくり……」
 一瞬だけど、沈黙が暗黒の世界を支配した。
 よくわからないけど、なにか途方も無く恐ろしい事態が起こっているような予感がする。
「人間よ」
 と、いきなり“がたのそあ”さんが僕にアイマスク越しの視線を向けた。
「は、はい」
「お前と直接的に関係があるとは限らんが、お前のように『旧支配者と直接的に交流している人間』が存在している事を確認しておる」
「……え?」
「その人間が何者かはわからぬ。興味も無いしな。しかし、人間どもと交流している旧支配者は判明しておる」
「むむむ、それは誰でござるか? 場合によっては拙者が動く事態やも知れぬ」
 “う゛ぉるばどす”さんが少し緊張した顔付きで刀を構えた。
「“くとぅるふ”、“はすたー”、“くとぅぐあ”の三神だ。だが、おそらく彼奴等以外にも人間と交流している旧支配者はいるだろう」
 ええと……つまり、僕みたいに“つぁとぅぐあ”さんとエロエロ――じゃない、“つぁとぅぐあ”さんみたいな神様と一緒にいる人間がいるって事か。でも、そう言われても、僕はどうすればいいのだろう。
「お前とその人間達との接触は、我々にも多大な影響を与えるやもしれぬ。本来なら有り得ない事だが、『あの御方』が絡むのなら話は別だ。注意しろ」

 それきり、“がたのそあ”さんは踵を返して、闇の中に歩み去ろうとしていく。
「こら、どこに消えるでござるか?」
「我も疲れた。星辰が巡るまで、またヤディス=ゴーで眠るとしよう」
「ちょっと待つでござる。確認するまで拙者もついて行こうぞ」
「信用が無いな」
 “う゛ぉるばどす”さんは“つぁとぅぐあ”さんと“いたくぁ”さんに深々と御辞儀すると、
「世話になったでござる。近いうち、また挨拶に行くでござるよ」
「そうですかぁ、お待ちしてますねぇ〜」
「……ばいちゃ……」
 片手を振りながら、“がたのそあ”さんを追って闇の中に消えて行ってしまった。
 やっぱり僕は無視ですか。そうですか。
 それにしても……どうやら、事態は混迷の度合を増してきているようだ。
 これから一体どうなるのか、神様にもわからない事が僕にわかる筈がない。
 でも……
「それはそれは大変ですねぇ」
 くてーと地面に横になって、ジタバタ暴れる“いたくぁ”さんを押さえつけてお尻を甘噛みしながら、のほほんと微笑む“つぁとぅぐあ”さんを見ていると、何とかなるような気がしてくる。
 まぁ、何とかなるだろう。
「……それはいいから……助けて……」

 そして、同時刻――
「“がたのそあ”が、また眠りについたみたいだよ」
 何処とも知れぬ広大な廃墟の中に、その壁はあった。
「それはおかしいね。もう少し暴れる筈じゃなかったのかな」
 あちこちに穴が開き、ボロボロに崩れかけた煉瓦の壁――
「面白い事が起こっているみたいだね」
 その壁の向こうに、その人影があった。
「じゃあ、今度は私達が動いてみようか」
 奇妙な事に、その人影は1人しかいないように見える。
「それは面白そうだね」
 しかし、明らかに複数人が会話しているように、その声は廃墟に響いていた。
「次は私達の出番だよ……この“いごーろなく”のね」

 続く


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