第一章「運命のはじまり」
もう、十数年前の話になるんだけど、4年生になるとき、俺は父親の転勤に伴って、
東京から中部地方の人口10万のある町に引っ越した。
最初に住んだのは社宅で、敷地内には2階建てのユニットが二つずつ組になってくっついた建物が、 数軒ほど立っていた。
どういうわけか空き家が多く、うちの隣も空いたので、物置代わりにつかわせてもらっていた。
仮住まいということもあって、荷物の多くが、ダンボール箱に入ったまま、隣のユニットに詰め込まれていた。
大きなタンスやら、家具やら、ダンボール箱やら、とりあえずいらないものが雑然と、
詰め込まれたその空き家は、俺の格好の遊び場になった。
社宅には、年が同じくらいの子供が何人かいた。俺は皆とすぐ仲良くなり、学校から帰ってくると、いつも 一緒に遊んだ。
特に気があってよく遊んだのが愛美ちゃんという一つ年下の女の子で、隣の建物に住んでいた。
彼女は、成長が早く一つ下ながら、俺よりも体が少し大きかった。おてんばで、いつも男の子いっしょに走り回ったり、
いろんなところによじ登ったりして、肉付きのいい体は、よく日に焼けていた。
その頃は俺たちの間で流行っていたのは缶蹴りだった。鬼に見つけられて名前を言われたら、つかまってしまう。
誰かが鬼が名前を言う前に缶を蹴ったら捕まった子はみんな逃げられる、という遊びだ。
そのうち皆、鬼に見つかってもすぐに誰かわからないように服をお互い取り替える「服替え」をするようになった。
男の子同士、女の子同士でどっかに隠れては服を取り替えていた。
あるとき、愛美ちゃんと俺は一緒に社宅の敷地を囲うコンクリートのブロック塀の外側に隠れた。
塀の外は、畑になって開けていたが、塀に沿って植え込みがしてあったので、格好の隠れ場だった。
彼女は、俺に「『服替え』しようか」といってきた。男の子と女の子の服だから、
絶対間違えるだろうと言って興奮気味だ。でも、今まで誰もそんなことをしたことが無かったのだ。
俺は女の子の服をきるなんて考えただけでも気恥ずかしかった。俺がなかなか踏み切れずに躊躇しているうちに、
彼女は「ここの木の陰だったら見えないからいいじゃん。脱いだらここにおいて」といって草の生えた地面を指差した。
そして、彼女は植え込みの中に入って、ごそごそと自分の服を脱ぎ始めた。俺も仕方なくシャツ半ズボンを脱いで、
指定された場所に置いた。女の子のシャツを着るのはなんか不思議な気分だった。思った通り少し大きめだった。
そしてスカートも履いてみた。めちゃくちゃ恥ずかしかった。そして、あれ、まだ何かあるぞ、と思って拾い上げたのは、
なんとブルマー。その頃、子供心にも、 女の子のブルマー姿になんとなく性的なものを感じていた俺は、
愛美ちゃんのブルマーをみて異常に興奮してゾクゾクした。 俺がそこで何を言ったか定かではないが、
「スカートの中が見えたら困るから」という変な理由づけをした彼女の言葉を今でも覚えている。
俺は顔を真っ赤にしながらぴったりとした彼女のブルマーをはいたら、
中でオチンチンがカチコチに堅くなっていたのも覚えている。彼女はと見ると、俺の服の中で窮屈そうだった。
俺の半ズボンはぴちぴちで、彼女の太腿にギュウっと食い込んでいた。
さて、その時の缶蹴りがどういう結末になったかは覚えていない。でも、それを境に、二人で隣の空き家に入ったりすると、
「服替えの練習」と称して意味もなく服を交換して遊ぶようになった。
俺にとっては、女の子の着るものを着るという行為自体が興奮の材料になって、ドキドキしてそれがたまらなかった。
そのうち、俺たちは、下着まで全部交換するようになった。
愛美ちゃんのパンツを履くと、堪らなく興奮してオチンチンが堅くなった。
その頃のことに関する記憶はあやふやなものがあって、前後関係は確かじゃないのだけど、
ちょうど同じ頃、近所の子供達数人で股間を見せあって遊んでいたことがある。
誰がどういうきっかけで始めたのかもよく覚えていないが、社宅の建物の裏とかで皆であつまって、
それぞれ、ズボンやらパンツやら下ろして見せた。俺は小さい弟が一人いただけなので、
女の子のあそこの形が興味深かった。男の子にはついてるべきものが無くて、そこにはただ縦の筋が一本あるだけだった。
べつにそれを見てどうということは無かったのだけど、いつもドキドキしていたことだけは確かだ。
その頃の仲間に浅利ちゃんといういい子ぶってる子が一人いて(当然、彼女はそういうことには加わらなかった)
その子の告げ口で(多分)彼女の母親にこっぴどく叱られ、その楽しみは終わってしまったのだ。
でも、完全に終わったわけではなかった。俺と愛美ちゃんは空き家で遊んでいるときに、二人だけで、
下半身の見せっこをした。愛美ちゃんが言い出したとおもう。愛美ちゃんは妹しかいなかったから、
オチンチンが珍しかったのだろう。興味津々で、俺の前にしゃがんで、ものめずらしそうに観察した。
彼女は嬉しそうにつついたり引っ張ったりしていたが、そのうち、両手の親指と人差し指でオチンチンの皮を、
根元に向けてギュウっと引っ張って、亀頭を完全に剥き出しにしてしまった。それまで、風呂上りに、
皮をちょっとだけむいて遊んだことはあったが、なんとなく怖くて、完全に剥いたことは無かったので、
ちょっとびっくりした。でも同時になんとなく気持ちよかった。
人にオチンチンを触られることの気持ちよさを始めて知ったのもこのときだろう。
俺も、相変わらず興味津々で、そのときは愛美ちゃんの割れ目をもっとじっくり と見せてもらった。
オシッコはどこから出るのかという俺の質問に、愛美ちゃんは段ボール箱に半うずもれたソファの端に
腰掛けて足を開くと、ツルツルのあそこを両手で引っ張って、割れ目を開いて見せてくれた。
初めて見る女の子のそこは不思議だった。たて筋だと思った場所は意外に複雑で、
赤紫色のアサリ貝のようなものがついていてその真ん中はピンク色のくちゅくちゅとなって柔らかそうだった。
彼女は、「ほら、私のオチンチンは、ここに穴があるでしょ?ここから出てくるの」といって
ピンク色の部分に指を入れて見せた。彼女は自分の性器のことをオチンチンと呼んだ。
俺は、彼女が両手で広げたオマンコの入り口に顔を近づけてじっくり観察して、
それから恐る恐るピンク色の部分をつついてみたが、指を入れる勇気はなかった。
自分にとって非常に衝撃的なことが起こったのは、そんなある日のことだった。このときのことは、
今でも昨日のことのようにはっきりと覚えている。例によって、空き家で遊んでいたときのことだ。
愛美ちゃんはいきなり「ねえ、変な事してみたい?」と聞いてきた。
俺にはいったい何のことを言っているのかその時には見当もつかなかった。
俺が、聞き返すと、「すごい変だけど、面白いかも」と、もったいぶって、教えてくれない。
俺がそれじゃわからないといって、何回も問いただすと、じゃあ「やるっていったら教えてあげる」という。
好奇心に引かれて「うん、じゃあやる」というと、「絶対だよ、すっごいへんな事だけど、本当にいい?」と念を押す。
俺はなんか心配になって、「えー?愛美ちゃんもやるの?」というと、彼女は「うん」というので、
俺は「じゃあいいよ」といった。 でも彼女は、「えーとねー」「えーとねー」ともじもじしている。
いつも、しゃきしゃきしている彼女にしては珍しい。
さんざん躊躇した挙句の果て、俺に何度もせかされて、彼女は「私のオチンチンの中にリョウ君のをいれるの」と、
恥ずかしそうにいうと、笑みをうかべながらおれの顔をうかがった。
俺には彼女の言ったことが一瞬よくわからなかった。想像できないぐらいエッチなことだった。
おれは考えただけで、興奮して心臓が張り裂けそうだった。その頃は性の知識はゼロで、
オチンチンを女の子の穴の中に入れるなんて事は、当然一度も考えたこともなかったし思いつきもしなかった。
当然、そんなエッチなそんな行為が、この世の中では許されるはずが無いと思った。
でも、やってはいけない事だと思うとますますやってみたくなった。なんか愛美ちゃんと二人で、
秘密で悪いことをするということ自体、十分な興奮材料だった。 こういった思いが頭の中をぐるぐると巡っていた。
もうそれだけで股間が張り裂けそうなくらいパンパンに張っていてずきずきと痛む程だった。
彼女がどうやってそんなことを思いついたのかは、今でもわからない。自分でやってみたいと思ったのか、
あるいはどっかで、エロ本の類を見たのだろうか。いずれにしても一番わからないのは、その次に起こったことだった。
そのとき俺がどんな表情をしていたのか想像するよりないのだが、よっぽど恐い顔をしていたのだろうか。
あるいは今は忘れてしまっただけで、俺が何かひどいことを言ったのだろうか。とにかく、
その直後に彼女はわっと泣き出したのだ。 そして彼女は家に帰ってしまった。
俺は狐につままれたようなその気分だった。 それが、俺の乙女心のミステリーに遭遇した初めての経験だった。