+third


 夜が更けて一条はようやく部屋に戻り、鍵を開ける。
 中に入ると暗く、明かりは点けられていなかった。
 一瞬不安に思った一条だったが、無造作に脱ぎ捨てた雄介の靴が昼間のままであるのを確認して安心した。
 静かに歩いて明かりを点け、寝室へと入る。
 ベッドの上では雄介が規則正しい呼吸をしながら眠っていた。
 起こさないようにそっと額に触れる……まだ雄介の熱は下がってはおらず、軽く汗が浮いている。
 困った、と心中で呟いて……ふと一条は視界に光るものを見付けた。
 隣室からの明かりの反射だろうか……雄介の目尻に。
 「……五代……?」
 思わず声に出して呻く。
 するとすぐにぱち、と目蓋が開いてその輝きが散った。
 「あ………」
 「あ、お早よ……一条さん」
 雄介は寝呆けたように目を擦る。
 「……お早よう」
 何か言うタイミングを逃した一条は、普通に答えを返した。



 かろうじて冷蔵庫に残っていた食材と、今買ってきたものとで適当に夕食を作る一条。
 雄介ほどではないにしろ、一人暮らしの長かった彼はそれなりに家事はできる……もちろん、その中には料理も含まれていた。
 てきぱきと台所で動くその姿をリビングでシーツに丸まりながら雄介は眺める。
 やっぱり新婚さんだよね、という感想は胸の奥にしまっておくことにした。
 黙って休んでいろと一条に言われた雄介だが、どうにも暇で仕方がない。眠ろうにも一条がいるところではあの手段は使いたくなくて。
 寝すぎてもう寝れないんですよ、と言ったらリビングに来ることを許してくれた。
 このまま黙って一条の仕事振りを見学していたい気もするが、もし眺めていたと知られたら何をされるか分かったものではない。
 仕方がないのでぽち、とテレビの電源を入れた。
 少し低めの音量設定にして、ニュースをやっている局を探す。すぐに目的の番組は見つかった。
 一条はガス調理の最中でテレビの音は聞こえない。
 《………未だに復旧活動が続いている現場から、中継で伝えてもらいます》
 アナウンサーがそう言って現場のリポーターの名を呼ぶと、画面が変わって夜の街が映し出される。
 ヘルメットに軍手、などという物々しい格好をしたリポーターが次に映り……彼はしゃべりながら移動すると、立入禁止のロープをくぐって窓ガラスがほとんど割れたビルの中に入っていった。
 《……見てください、このガラスの破片!掃除しきれなかったのでしょうか、まだあちらこちらに散らばっています……》
 しゃがみこみ、壁ぎわに落ちていた小さなガラス片を摘む。
 《……ここは爆心地から約1キロ離れています、それでもこの被害とは……一体4号がもたらした爆発はどれだけのエネルギーがあったのでしょうか?》
 そしてどこそこの大学の協力による実験が始まろうとすると、ぷつ、とテレビが消えた。
 「…あれ?」
 「…………しばらくテレビは禁止する」
 声のする方を雄介が振り向くと、眉根を寄せた一条がコンセントプラグを持って不機嫌そうに立っていた。
 コードを視線で辿ると、それはテレビに。
 「………駄目ですか」
 「ああ……さて、出来たぞ」
 「お、やたっ」
 気がつくといい香りが台所から漂っていた。



 出された料理を綺麗に平らげて、雄介は満足そうに床に転がった。
 「……お腹いっぱいになっちゃいました」
 「……きちんと全部食べるからだろう」
 少し多めに作ったはずが、もうどこにも残っていない。
 「だって美味しかったんですよ」
 ごろん、と寝返りを打って一条を見て雄介は笑った。
 「また作ってくださいね」
 「……君の方が上手だろう?」
 もはやプロ級の腕前としか思えない彼の料理と比べると、自分の料理などは……と一条は思う。
 前にも彼に食事を作ったことがあったのだが、そのときも彼は美味しいと喜びながら完食した。
 「でも、本当に美味しいですし」
 そう言って笑われると、悪い気がしないのも事実だったので今回も作ったのだが……
 「………体調悪いときに……」
 そう呟いて軽く睨むと、雄介は横に畳んでおいたシーツにまた包まった。
 そこからひょい、と顔だけ出して、
 「……だから熱だけなんですってば」
 と訴える。
 その仕草に、本当に同級なのかと頭を痛めたくなるが…それを何とかやり過ごして一条は食器を片付け始めた。
 台所から戻る途中で雄介の傍を通るときに、シーツの裾を引っ張る。
 ころん、と床に雄介が転がった。
 「…何するんですかっ!」
 「行儀が悪いぞ」
 一条は立ったまま雄介を睥睨する。
 「う……」
 「……早くベッドに入って寝め……まだ熱があるんだろう?」
 「そう、みたいですけど……」
 むく、と上半身を起こす雄介。
 「……一条さんはどうするんですか?」
 「…俺はまだ起きているが」
 持ち帰ってきた書類に目を通しておきたい、と一条が言うと、雄介はそうじゃなくて…と言い足した。
 「……寝るときは?」
 そう聞かれて一条は驚いた。
 「………五代?」
 見下ろす視線から、正面で向き合う視線にするために床に膝をつく。
 戸惑う雄介の額に改めて手を押し当てて熱を確認した。
 「え……俺、何か変なこと言いました?」
 「……やっぱり、熱がひどいのか……」
 「ええっ?」
 何でっ、と声を上げる雄介を見ながら、一条は眉をひそめた。


 頻繁に雄介が一条の部屋に泊りに来るようになって。
 いや、頻繁になる前までだって。
 いつも雄介は一条がうんざりするほど積極的に、二人で寝ることを望んでいた。
 俺はどんな場所でも眠れる、第一シングルベッドに成人男性二人は狭すぎる……といくら一条が言っても雄介はそれを聞き入れず。
 最近ではこちらの意志を確認することなくそうすることが当たり前となっていた……それなのに。


 「………何故だ?」
 「………いや何故と聞かれても」
 一条は額に当てていた手を下ろして、雄介の肩に。
 「……以前風邪を引いたときでさえも、君は俺をベッドに引きずり込んだ」
 「あ、はい」
 そんなこともありましたね、と雄介は笑う。
 「そして今、君は自分の症状を熱だけだと言っている……風邪ではない、と」
 「いや、だって本当に熱しか」
 雄介のことばの途中で、一条はぐい、と彼を引き寄せた。
 鼻と鼻がぶつかりそうな至近距離で、呻くように一条は言う。
 「……だったら、どうしてさっきあんなことを聞いたんだ?」
 「…あ」
 ようやっと一条の言いたいことが分かったのか、雄介は目を見開いた。
 しまった、というように一瞬瞳が狼狽える。
 それを見逃すほど、一条は甘くはなかった。
 「…どうして、だ?」
 本当なら聞くべきことではないのかもしれない、誰にだって一人になりたいときはあるだろうし……それにはそれなりの理由があるだろうから。
 しかし、雄介の熱の原因を突き止めたいという気持ちが一条を急き立てた。
 ……普段なら絶対に聞くことはないことばを聞いたせいもあるかもしれない。


 「……どうして、と言われても……」
 雄介は雄介なりに困っていた。
 またガラスが割れたのに今度はどうしてとは。
 ぼうっとテレビを見ていたり、誰かと話をしていたり……何らかの行動があり、意識が無意識に働いているときはそうでもないのだが……そうで無いときは途切れる事無く誰かが頭の中で叫んだりする。
 一条との会話の中でも、ちょっとの沈黙を見付けては車がクラクションを鳴らす。
 今度は暗やみで泣き続ける少女の声も追加された。
 ブロック塀にもたれ掛かりながらどうしてと泣き続ける少女。
 「……どうして、なんでしょうね」
 泣いていても戻らないものは戻らないのに、それでもどうしてと泣き続けるのは。……その気持ちはそれこそ痛いほど分かるのだけれど。
 「……どうして、なんだろう」
 「……五代……?」
 一条が心配気に雄介を覗き込む。
 その視線を感じて、雄介は顔をあげた。
 「あ、すみません心配かけて……やっぱり熱があると思考力落ちるみたいですね」
 そう言って笑う。
 「……お仕事終わったら一緒に寝ましょ?俺隙間空けときますから」
 一条と一緒に眠れるのは雄介にとって本当に嬉しいことなのだ。
 だけど今日は眠れそうにないから、朝まで横で爆発音でも聞いていようと雄介は思った。



+++



 シャワーを浴びた雄介が元のようにベッドに横になってからしばらく、一条は書類に目を通していた。
 始めのうちは雄介が気になって仕方がなかったが、一度集中すると今度はそれしか見れなくなる。
 気がつくと、それなりの量があった書類を全て見おわっていた。
 シャワーを浴びてリビングの明かりを消し、寝室へと入る……言った通りに律儀に空けられている隙間に苦笑しながら、一条はそこに静かに滑り込んだ。
 背中を向けて丸まっている雄介。
 眠っているだろう彼を起こさないように……と思っていた一条だったが。
 「……起きてるのか?」
 ふと違和感を感じて小さく雄介に呼び掛ける。
 それでも何の反応も返さない彼に、一条は後からそっと手を回して鼻と口を抑えた。
 十秒、二十秒……一分、二分が経過する。
 三分が過ぎるころになって、我慢仕切れなくなった雄介がようやく一条の手を振り払った。
 「っぷはぁ!………っな、何をするんですか!!」
 「……狸寝入りしているからだ」
 抗議するために寝返りをうってこちらを向いた雄介を正面から睨む一条。
 「……何で分かるかなぁ……」
 「………一体何回君の寝ている姿を見たと思っている」
 「………いや、まあそうですけど」
 そんなに分かりやすいですか?と愚痴る雄介の頭をくしゃ、と撫でて、一条は苦笑する。
 「……君は、分からないのか?」
 俺が寝ているかどうか。
 「……分かりますね」
 試しに聞いた問いに、雄介は納得したように首肯いた。
 「だってほら……こうすれば丸分かりですよ」
 「……それはそうだろう」
 雄介が腕をのばして一条を閉じこめる。
 身体はまだ熱を帯びている。
 ぎゅ、と背中に回された手が一条の服地を握り締めた。
 「………いい音だなぁ」
 そう言って雄介は一条の胸元に耳を押し当てる。



 とくん、とくんと規則正しい音が聞こえて雄介は深く息を吐く。
 色んな音を聞いてきたけど、その中でも彼がかなり好きな音。心音。
 「……そうか?」
 一条が小さく呟くと、軽く音が響いてくる。
 「そう、思うんですけど……」
 こうしていると、自分で言ったことばも普段とは違って聞こえるのも好きだった。
 そのまま黙って雄介は耳を傾ける。
 一条の心臓が動く音、自分の呼吸、一条の呼吸、自分の心臓が動く音。
 少し動くと布の音まで。
 そしてその隙間を縫うようにまたガラスが割れた。
 「………」
 雄介は無言で一条の背に回した手に力を込める。
 脈、クラクション、爆発、呼吸、悲鳴、悲鳴、悲鳴…
 「………どうか、したのか?」
 一条の声。
 「いや、聞こえにくかったから……」
 「はあ?」
 「一条さんの音」
 もちょっと、聞かせて下さい。
 そう言うとまた黙って耳を押し当てる。
 「…………?」



 ああよかった、今度はきちんと聞こえる。
 一条さんの心臓が動く音。
 あとちょっと困ったようなため息。
 何とか俺の顔見ようとして態勢変えようと動いて起こる衣擦れの音。
 それが出来なくて仕方ないって感じで俺の髪を梳く音。感触。
 「………本当に、どうしたんだ?」
 どう聞いても困り切ったような声。ことば。
 ……すみませんまだ聞き足りない。
 だってまた誰かの叫びが聞こえてきた。
 「よい、しょっと」
 身体をずらして、一条さんと視線を合わせる。
 ちょっとごめんなさい。
 「…………っ!?」
 ああやっぱり、こうするとよく一条さんが聞こえる。
 驚いたようにまつ毛が瞬かれる音とか。
 何か言い掛けようと声帯が震えるけどそれを抑えて深めると軽く鼻にかけて息が漏れる音とか。
 互いの舌が触れ合う音とか、ちょっと苦しげになってきた息とか、たまにちょっと歯がぶつかる音とか、イイトコロ舐めると背が少し跳ねて布が動く音とか。
 「ぅ……んん……!」
 いい加減やめろって背を叩く音とか。
 それでもやめないで続けるとだんだんそれが弱くなっていって。
 「……っ、はぁ……」
 たまに空く隙間から苦しそうに息を継ぐ声とか。
 背中に回された手が力を無くして滑り落ちる音とか。
 こくん、と喉が動く音とか。
 次第に静かになっていって……
 「………」
 ………あれ?またクラクション………



 いきなり雄介の力が弱まり、一条はようやく長い拘束から解放された。
 荒れた息を抑えて、口元を拭う。
 「……っ、君と、いうやつは……」
 文句を言おうと目の前の雄介を睨む。
 そこで一条は呆然とした彼の表情に気がついた。
 「……五代?」
 「……どうしよう」
 「………?」
 また一条は黙って抱きつかれる。
 「…………困ったなぁ」
 態勢のために顔はもううかがえない。
 「………何が、困ったなんだ」
 困ったのはこっちだ、ということばが込み上げるが、それを言うのは堪えた。
 …椿の言うことが本当なら、彼はかなり困って苦しんでいるはずだ。
 普段と変わらない態度を取り続ける彼に騙されそうに……事実、何度か騙されたが、触れ合う身体は未だ熱を帯びていて。
 彼が何かに苦しんでいることが伝わってきて一条は眉をひそめた。
 「……いや、これが困りものなんですよね」
 うーん、と首を捻りながら雄介はぶちぶち呟く。
 「だから、何が」
 「いや、その……」
 ぽふ、とまた胸元に。
 「……何に困っているんだ?」



 「………うーん」
 困ったな、どうしよう。
 一条さんの声も聞こえるんだけど、でもまだやっぱりクラクションとか煩い。
 いい加減飽きればいいのに……鳴らしても何も変わらないのに。
 あ、今度は悲鳴。これは上げるなと言う方が無理だから仕方がない。
 「……五代」
 「あ、はい」
 一条さんの声、と深い深いため息。……やっぱりこの人の声はきれい。
 「何に困っているのか知らないが………」
 ああ、単なる騒音公害だから気にしないで下さい。
 ……だなんて、とても言えないけど。
 「………そう一人で困られると、少し疎外感を感じる」
 「………え?」
 ぎゅ、と頭を抱き込まれる。
 「……どうせなら、一緒に困っていた方がいい」
 頭の上で一条さんが苦笑した。




 「…………?」
 抱え込んで軽く撫でていた頭が小さく震えた。
 どうかしたのか、と思って雄介を覗き込む。
 「…………五代………?」
 彼は音も無く。




 あ、また一条さんが俺のこと呼んでる。
 どうかしました?……ってあれ、声が出ない。
 おかしいな、と思っているとぐい、と顎を上げられる。ぐえ。
 ふ、と目尻にキスされる。
 そして次に唇に。
 ………あれ、しょっぱい?
 「…………?」
 一条さんはすぐに離れていったので、す、と手を上げて目元に触ると指先が濡れた。
 「…………」
 困ったな、泣こうと思ってないのに。
 ああそうか、久しぶりに泣きたいと思ったのかな、俺。
 でも一条さん驚いてるだろうから止めないと……
 「………あ、れ…」
 おかしいな、止まらない……特技なのに。
 止まらない?




 「………泣きたかったのか?」
 息をつまらせながら泣き続ける雄介を抱き締める。
 一瞬の後に雄介は首を振った。
 「……でも泣いてるぞ?」
 「わか、らな……」
 「………そうか」
 分からないならそれでもいいか、と思い一条は黙って雄介の髪を梳き続けた。
 ひとしきり泣いて、涙が収まると雄介がぎゅ、と一条の服を掴む。
 それを合図に、どちらからともなく唇を重ねた。








+last


 次の朝になると、雄介の熱はすっかり下がっていた。
 「…………何でだ………?」
 「………うーん……やっぱり頭の中一回真っ白にしてもらったのがぶふっ」
 一条は雄介に枕とキスさせながら自分の髪を掻き上げる。
 本当にそんなので治っていいのか、などと一人でしばらく苦悩していると何とか枕から逃れた雄介が一条にへばりつく。
 「……っこら五代!」
 「悩むんなら二人で悩みましょ?」
 「……………」
 何も言えずに一条は黙って眉根を寄せた。



 とりあえず椿に診せ、雄介自身の思い当ることを改めて聞く。
 すると朗らかに、今考えると騒音公害のせいでしょう、と答えた。
 雄介は、熱が出る前の晩からどうも耳元が騒がしかったんですよね、と言い、更に椿に問い詰められると素直にどんなものが聞こえていたのか話した。
 「………それで、今は?」
 話を聞いて、理解できんと言うように顔をしかめた椿に問われて、雄介はきょとん、を目を丸くした。
 「……そういえば聞こえないですね……いつからだったっけなぁー………」
 あれぇ、と首を傾げた。



 今日こそはきちんと店手伝わないと、と焦って病院を出ていった雄介を見送って、椿はため息をついた。
 「………信じられん」
 「………?」
 一条が不思議そうに友人を見ると、彼は黙って頭を振る。
 「………どうして、壊れないんだ?」
 二十四時間ずっと地獄を聞き続けて。
 それが何に起因するものかを理解していて、それでいて狂わずに壊れずに。
 「…信じられん」
 「………それが、五代なんだろう」
 一条は深くため息を吐く。
 何があっても壊れずに、立ち向かう。
 「……彼の“大丈夫”を信じるんじゃなかったのか?」
 「……まあ、な」
 以前椿が言ったことばを茶化すと、彼は困ったように苦笑った。





 ただ。
 何があっても壊れない心というのは最初から壊れているのと同じではないか、と一条は思った。
 どんなことがあってもそれ以上壊れようのないこころ。
 だからといって雄介がそうだとは一条は考えない。
 彼は何があっても壊れることはないかもしれない。
 けれど壊れないなりに苦しんで悩んでいるから。
 自分には何もできないが、せめて一緒に悩んで苦しんで、朝を迎えてやろうと思った。
 たぶんきっと、それだけでも彼は喜んでくれるはず。
 ………もしかしたら甘やかし過ぎかもしれないが。




+end





メット越しに見上げた空はいつも通りに晴れていた。
嫌味なほど透き通って、遠くまで高く。
でも吸い込まれそうにはならなかった。
ただ見上げてその青に見入る。


いつかきっとあの人と。
何も考えず二人で。



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