お仕置き
| ゚Д゚)ノ氏



「いいだろう、次第点だ」
「よーし、じゃあ始めるぞ」
「楽しみにしてるよ」
「見てろ、ヒイヒイ言わせてやるからな!」

そういうと彼女は腹から降りて横に座り、私の性器に避妊具を被せて舐め始めた。
さっき射精したばかりで、多少のことでは復活しないことは、彼女もよく知っている。
気持ち良いのは間違いないが、臨戦体勢にまでなるには時間がかかりそうだ。
それでも彼女は手を添えて、ゆっくりと舐め上げる。上体を起こして、その様子を眺めた。
濡れた音と、彼女の少し乱れた息遣いが耳に快い。
肉体的にも快感ではあるが、性的興奮にはまだ至らない。その分、いろいろ楽しめそうだ。
気持ち良いと礼を言いながら頭を撫でてやると、少し顔を上げて、にっこり笑った。
成長したものだ。昔は性器を見ることだけでも嫌がって、触れるなどもってのほかだったのに。
……まあ、そういう状況に何の抵抗も感じない少女は、こちらが嫌だが。
時々、支える手を離してみて立ち上がり具合の確認までしている。
まだまだ力なく横倒しになるそれに苛立つようで、ついに口に含んだ。
彼女が望む程度に立ち上がるまで続ける気なら、あごが疲れて大変だろう。
もっと別のことをしてみせてくれた方が早いとは思うものの、つい内緒にしてしまう。
これも、昔に頼み込んでしてもらったはいいが、無邪気に噛まれて大変な目にあった。
今や歯をたてまいと、懸命に唇と舌を動かしているのがわかる。
頭を撫でてやりながら、彼女にしてみればお仕置きのつもりの奉仕を続けてもらった。
しばらくして、ぷはっと息を吐きながら顔を上げた。やや立ち上がってはきているか。
「どうだ、辛いだろ?」
「? 辛い、とは?」
「さっき出したばっかりでさ、続けてこういうことされるの、辛いだろ?」
「……あー、ああ、なるほど、それでお仕置きか」
「寝たいだろうけど、勃ってもらうからな」
「そうだな、今日はもう何度勃たせたことか」
「ふん、体力の限界までいかせてやるから、気絶してそのまま泊まっていけ」
「前線に立つ機会は減ったが、これでも一応は軍人だよ、大丈夫かい?」
「若さで勝つ!」

いつから勝ち負けに。……好きにさせておこう。
彼女はまた口に頬張って、上下に唇を滑らせている。顔が見えないのが残念だ。
私としては、彼女へのお仕置きが中途半端になっているのも気にかかる。
早く臨戦体勢に入らなければ。しかし彼女が奉仕してくれることなど、この先いつになることか。
奉仕はゆっくり味わいたい、しかし彼女へのお仕置きはじっくり施したい。
この体勢では、せいぜい頭を撫でてやることしかできないではないか。
さて、どうしたものか、と考えて、以前盛大に断られた体位があったのを思い出す。
今なら嫌とは言うまい。

「君にばかり、こんなことをさせるのは申し訳ないな」
「いいよ、俺が好きでやってんだから」
「いやいや、ここはやっぱり二人そろって気持ち良くなるべきだよ」
「それじゃお仕置きにならないだろ、俺はいいんだってば」
「そう言わずに、私の顔をまたぐように座り直してごらん」
「! やだ! それ恥ずかしいから嫌だって言ったろ!」
「おや、そんなことを言って、君の方こそ体力的に不安なんだろう?」
「そっちは全然平気だ! そうじゃなくて恥ずかしいの!」
「今日は君もよく達していたからね、精根尽きるのも仕方ないさ」
「だから平気なんだって」
「いいんだ、無理することはない、そろそろやめて一眠りしようか?」
「へーいーきーだー! わかった、またげば良いんだろまたげば!」

彼女の目的を妨げない方向で負けず嫌いなところを刺激してやれば、大抵は思惑通りの反応をする。それが面白くて昔から散々構ってきた。体まで構うようになったのは、いつ頃だっただろう。
背中を向けて腹をまたぐところまでは威勢が良かったが、それ以降はおずおずと尻が近付く。
完全に仰向けになって、しだいに開けていくそこを目で犯すつもりで見つめた。
彼女の股の間に、薄い毛と濡れた赤い襞が見えてくる。襞は時折ひくりと動いて湿った音をたてた。
あれは、ここにまだ毛がわずかにしか生えていなかった頃だった。そういえば14と言ったか。
わずか過ぎるのが逆に気になって、燃やしてしまったのを思い出した。
体を弄くったことより、挿入してしまったことより、そのことを後で激しく怒られたものだ。

「生え揃ったな、ここも」
「そりゃそうだろ、年齢的に」
「燃やした時、怒ったね」
「生えなくて気にしてて、やっと生えてきたって思ってたところだったのに、それを」
「悪かった、もうしない」
「んー、今なら燃やしてもらってもいいんだけど」
「何故?」
「生理の時に蒸れるからさ、かといって下手に切ったら毛先がチクチクして痛いし」

いかん、ここで萎えたら真剣に明日の業務に支障が出る。聞き流して踏ん張ろう。
幸い、赤い谷間は目前に迫っている。尻を掴んで引き寄せて指で襞を分け、むしゃぶりついた。
すぐに彼女の口から、抑えきれない喘ぎ声が漏れてきた。
花芯を舌で転がし唇で吸い上げる。指は襞の奥へと進め、彼女の良いところを擦る。
彼女も負けじと私のものを口に含んで上下させ、添える手もそれに合わせて動かした。
赤い谷間からは止め処なく液を吐き出し、喉の奥でひっきりなしに喘いでいる。
ほとんど我慢比べの様相を呈してきた頃、ついに彼女が口を離して背を反らせた。
指の数を増やして奥へ進め、退ける尻を引き戻して顔の上に座らせた。
彼女が達するのが先か、こちらの息が続かなくなるのが先か。
やがて新たに顔を伝う温かさに気付くのと同時に、彼女の上体が視界から消えた。
しばらく、お互い呼吸を整えることに専念する。

「もういったのか? 私を限界までいかせるんだろう?」
「……うるせえ……髭のせいだ……これからだ、見てろよ」
「期待してるんだ、ほら、こっちを向きなさい」
「言われなくても向くよ、入れにくいし」

こちら向きで腰の辺りにまたがり、自分の腰を下しながら私の立ち上がったものの先を手で探る。
この辺かなぁ、あ、ここだ、という実況中継は聞かなかったことにした。
あまり見るのも可哀想かと目を逸らしていると、名前を呼ばれて彼女を見る。
彼女は怒るでも悲しむでもなく、素の顔とでもいうか、そんな表情をしていた。
それからいたずらっ子のように笑って、私が笑い返すと、一気に腰を沈めて自身を貫いた。
魂の歓喜の叫び、詩人ならそんな言葉で書き表わしたか。彼女の声はまさにそれだった。
ただし、声が出る間は、彼女にはまだ余裕があることを知っている。

「んっ ああ、あ、……ロイ、動いていい?」
「いいとも、好きなだけ腰を振るといい」
「そ、んな言い方、あっ あ、するなよ、恥ずかしい、だろ」
「何も恥ずかしくないさ、歓びの表現だろう、見せてごらん、見ていてあげるから」
「ちくしょ……余裕、だな……んぁ、あ、ん……」

ゆっくりと腰が動き始め、くちゅくちゅと音がしてきた。
彼女は頬を紅く染め、とろんと焦点が合っていないような目でこちらを見ている。
これしきの振動では決して揺れない乳房でも、乳首は立ち上がって快感を主張する。
なるべくこちらからは動かないようにして、彼女の好きなように腰を振らせる。
騎乗位はあまりしてくれないので、こんな彼女を見る機会はめったにない。
今日は自慰に続いてこの姿、しばらくは妄想のネタに困らずに済みそうだ。
しかし物足りない。自分が強弱を付けられるせいで、彼女もあまりひどく乱れないままでいる。
持久戦になると、やはりこちらが不利だろう。どれ、動いてやるか。
そんなこちらの思惑を察したのか、彼女は自分の両手で自分の胸を揉み始めた。
持ち上げて回すように揉み、指で乳首を摘んで刺激してみせる。目は変わらずこちらを見たまま。
自分の喉がごくりと鳴ったのがわかる。下の方も一段階進んでしまったことも。

「ふふ、元気になってる……ん、あ、あん……ん……」
「君は、何てことを」
「あんたが、言ったんだろ、あん、あ……口紅、取れちゃった、だろうけど、ん」
「……」
「娼婦、だって、あっ、あんたの娼婦、なんだろ? だから」
「だから?」
「この体、全部使って、抜かせてやる」

よくぞ言った。両手で彼女の腰を掴んで揺さぶると、喘ぎが声にならなくなった。
彼女は手を胸に付いてきた。自分の上体を支えるのが精一杯らしく、愛撫どころではないようだ。
何度も何度も突き上げて、そろそろ射精しようかという頃に、彼女が胸にすがってきた。

「ああぁ、だめ、まだ、いっちゃだめ、んぁ、あ、あぁん」
「しかし、私も、そろそろだ」
「だめだ! だめ、あぅっ、まだ、だめぇ…っ」
「いや、そう言われても」
「我慢して、あっ、まだ、いけるだろ? んぁ、あ、まだ、んんっ」
「……すまない、いくぞ」
「あ! あぅっ、だめ! いや、待って、だめぇ………あぁ……」

あんなことをしておいて、我慢しろはない。思いきり出してしまった。
肉体的には満足だが、腰の上でむくれている彼女を何と言ってなだめたものか、思案する。
まだ不満足なのだろう、しかし今夜はこれで打ち止めにしたい。
とりあえず口と手で我慢してもらうことにして、さりげなく本日終了を訴える。
彼女は腰を上げて、聞いているのかいないのか、膣内から性器を抜き出して後処理をしてくれた。
そして、おもむろにこちらを見て、ニタリと笑った。
「終わるわけねーじゃん、お仕置きだぜ?」

そう言いながら、力ないそれに器用に新しい避妊具を被せ、手で支えながら再び膣内に収める。
もう勃つものかと思いつつ、確かな快感を得てしまう我が身が恨めしい。
彼女の締め付け具合が素晴らしく、口で奉仕されるよりも短い時間で、再び戦闘状態になった。
帰る、帰るぞ、絶対に今晩中に家に帰るんだ、それだけは忘れてはならない。
だが、明日のことは、もういい。仕事はきっと部下がする。明日のことは忘れよう。
彼女の尻肉に指を食い込ませながら、一心不乱に突き上げることにした。

「ふぁ、あ、あぁん! ああ、いい、ロイ、すご……あっ」
「そんなに、腰を振って、濡らして、悪い子だな」
「あ、あぅっ! あっ、あん、ん、そ、んなこと、言った、って」
「君も、たくさん、出すといい、出しただけ、きれいになる」
「あっ、あぁ、んぅ、嘘、ばっかり」
「本当だとも、君のこれは、君が、心に秘めていた悪いところが、溶けて出てるんだ」
「やだ、こんなに、んあ、あ、濡れてんのは、その、せい?」
「そうだ」
「……ずっと、ほんとは、あ、あんたが、好き、だったって、ことも……?」
「ああ、そうだ」
「ずっと、ずっと前から、好きだったって、ことも?」
「そうだとも、だから、全部、出しなさい」
「あ、あぁ、ロイ、あ、愛してる、愛して…………ああぁっ…………っは、はぁっ……」
「愛してるよ」

気の抜けた彼女の上体が倒れるのを腕で支えてやりつつ、自分で腰を振って出した。
私の方はもう真剣に限界だ。彼女の方も、ひとまず絶頂を迎えて満足そうにしている。
頼む、終わってくれ。半ば祈るような気持ちで彼女を見つめた。
横になった彼女は、もぞもぞ動いていたものの、やがてすーすーと寝息をたて始めた。
しばらく見守って、完全に寝入ったのを確認する。引き止められない内に帰ろう。
すでに視界がゆっくりと渦を巻いている、急いだ方がいい。
起こさないよう、慎重に身支度を整える。風呂は今は諦めざるを得ない。
このまま帰るのは気が引けて、机の上の適当な紙に書き置きを残した。
そして、彼女の頬にそっと口付けて、音を立てないように部屋を後にする。

廊下に出ると、台所に灯りが付いていて、彼女の妹がいた。
妹まで泊まっていけばいいのにと言うので、からかって会話を短く切り上げることにする。
本当は、半分くらいはお仕置きをし返されたということは、もちろん内緒で。
しゅんとしおらしくなった妹に、早く寝なさいなどと大人らしいことを言って、玄関へ向かう。
ドアノブに手をかける。やった、もう少しで外だ! 帰れるぞ! 頑張れ!

「待って、お父さん!」

ゴンという鈍い音と共に、目の前に星が広がっていく。ノブが回ってなかったようだ。
とても痛い。だが、おかげで少し正気に返ることができた。今の内に早く帰ろう。
笑って妹に挨拶をして、やっと彼女の家から出た。もう人通りもほとんどない。
一応周囲を警戒しつつ自宅まで戻る。鍵を開けて中に入り、施錠を確認して寝室へ転がり込んだ。

どうにか服を脱いで、ベッドの上へ身を投げる。ギシギシと嫌な音がした、買い換え時か。
しかしなぜ、こんなに疲れているのか。体力には自信があるのに。年なのか? そんなバカな。
よくよく考えてみれば、今日はあまり食事を取っていなかった。
日の高いうちから夜更けまで、色事のみ。飲まず食わずで、いや、彼女のあれは口にしたが。
久々に赤玉が出るかと思った……本当に出るのかどうかは知らないが。
風呂、は、明日の朝でいいか。もういい、明日、仕事に遅れさえしなければ、後はどうでも。
睡魔からの抗えない誘惑に、身を任せつつ思う。
もしかして、結婚したら、毎日こうか? …………まあ、結婚してから考えるか。
近々、彼女が試験を受けにやってくる。できる限りの手は尽くそう。
失った青春を、あの姉妹がこれから取り戻し、謳歌できるように。できる限りのことは。
…………案外あっさり謳歌しそうな気もする……そうだといい。
顔を埋めるこの枕が、いつか彼女の乳房と成り代る日を夢見つつ、思考を停止した。

終わり




お仕置き

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