慰安旅行
>409氏

「うーみーッ♪♪」
「うーみーッ♪♪♪」
 列車の窓に張り付いて、エルリック姉妹はワクワクしながら海が見えてくるのを待っていた。
「姉さん、ボク、海を見るのは初めてだよ」
「ああ、オレもだ。楽しみだな!」
「海の水ってしょっぱいって本当かな」
「行ったら、ちゃんと確かめてみないとな!」
 姉妹の子供らしいハシャギっぷりとは裏腹に、陰鬱な顔で俯いているのはロイ子だった。
「…中尉、いや、リザ男」
「なんでしょうか」
「君は、本当にあの水着を着ろというのか?」
「私のプレゼントは、お気に召しませんか?」
「私は、てっきり君と二人きりなのだとばかり思っていたんだが」
 ロイ子がそう言うのも無理はなかった。
「おい、エド子、アル子! みんなでババ抜きするからこっちに来い!」
「はぁい!!」
 ハボックが大声でエルリック姉妹を呼ぶ。
「しかし、大佐も太っ腹ですよね。自腹でリゾート島のプライベートビーチを借り切って、慰安旅行しくれるんですから。ねえ、ブレダ少尉」
「ああ見えて、部下思いな人だからな」
「僕、大佐に付いてきてよかったです」
 ヒュリー曹長は、そう言って嬉しそうに笑った。
 しかし、今回の旅行は、ロイ子の予定、いや、ホークアイの話では、二人きりのプライベートビーチで水いらずという話だった筈だ。
「何故、慰安旅行なんだ…?」
「言い出したのは大佐です」
「そもそも、少尉達がいる場所で、海へ行く予定を告げたのは君だ」
「私は、エド子ちゃん達に質問されたので、大佐のバカンスの予定を教えてあげただけです」
「適当に誤魔化せばいいだろう」
「少佐相当の地位の方が答えろと言ったんです。下官の私に拒否権はありません」
「…確信犯だな」
「人聞きの悪いことを言わないでください。海を見たことがないってエド子ちゃん達に、一緒に来いと行ったのは大佐ですよ?」
「慰安旅行を提案したのは君だ」
「上官が遊び惚けていては、部下の士気にかかります。部下の士気を盛り立てるのも、将校の仕事だと思われますが?」
「君には、まんまとはめられたよ」
 鬱々としているロイ子の前に、水が入ったグラスが差し出された。
「大佐、大丈夫ですか? 車掌から酔い止めを貰って来ました。よろしければ、どうぞ」
 ファルマン准尉だ。
 しかし、差し出されたグラスを受け取ったのはホークアイだった。
「ありがとう、准尉。大佐の事は、私が見ていますから、あなたもみんなとのんびり過ごしてください」
「わかりました。では」
 ファルマンは敬礼をすると、ババ抜きの輪の中へ入っていった。
「いい部下をお持ちね、大佐」
「ああ…」
「しっかりと、日頃の労ってあげなくてはいけませんね」
 ロイ子の顎を掴んで、顔を上げさせるとホークアイはじっとロイ子の眼を見つめた。
 冷たく優しい金色の瞳に、ロイ子は動けなくなる。
 ホークアイは、微かに開いた唇に錠剤を押し込むと、口移しで水を飲ませた。
 飲み込めず唇の端から零れた水が、ロイ子の顎を伝い、胸へと滴り落ちる。
「や…やめめたまえ、こんなところで…」
「大丈夫です。みんなトランプに夢中ですから」
「しかし」
「ああ、濡れてしまいましたね」
 白いシャツが一部だけ透けて、ブラの色が透けている。
 胸に出来たシミに指を這わされ、ロイ子は顔を赤くして俯く。
 耳元にかかる息、太股に置かれた手の平が、そっとロイ子のミニスカートの裾をたくしあげようとする。
 その奥は既に潤み切っている事は、ホークアイにも判っている。
 だが、彼の手は太股の上を彷徨うばかりで、奥ヘは触れようとしない。
「や…やめたまえ…!」
「わかってますよ。このような公共の場では、これ以上はしません」
「なら…いい」
 ロイ子は欲情の焔がくすぶりを納めようと、豊満な胸を抱きしめ、内股に力を入れて膝を摺り合わせる。
 ホークアイは、そんなロイ子の肩をそっと抱き寄せた。
 抱き寄せられるまま、リザ男の肩に頭を持たせかけると、汗ばんだ男の肌の香りがロイ子の鼻腔をくすぐった。
 開けっ放しの窓から吹き込んだ夏風が、過敏になった肌を愛撫する。
 欲望を抑えきれず、ロイ子はホークアイの股間に手を伸ばそうとした。
「wait!」
 ロイ子は弾かれたように、手をひっこめた。
「いい子ね。向こうについたら、嫌というほど可愛がってあげますからね」
 ホークアイはそう言って、優しく微笑み、ロイ子の髪を撫でてくれた。
 二人きりの予定を慰安旅行に変更した以上、ホークアイが彼らを使って何かしてくる事はロイ子にも想像がつく。
「信じているからな、リザ男…」
「ええ」
 頷いたホークアイを、何処まで信じていいのかわからない。
 我ながら、悪い男に掴まったものだと、ロイ子は思った。
 だが、もう、鋭利な刃物で刻みつけるような、真綿で首を絞めるような、ホークアイの愛情なしではいられない。
「少し、眠ったらどうですか。海が見えるまで、ずっと、こうしていてあげますから」
 額にキスをされ、ロイ子は素直に目を閉じた。


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 姉妹用に用意されたゲストルームで、水着に着替えたアル子は、半べそでエド子に言った。
「姉さん、ボク、こんなの嫌だよ」
 一行が逗留するリゾート島は、国内外の富豪や軍の上級将校達のバカンスの為に作られた高級リゾート地である。
 貸別荘は、船着き場から車で移動する事、二十分。海を望むプール・ジャグジー完備、ゲストルームが八室、専属スタッフとプライベートビーチ付きの高級別荘だった。
 ただし、ショッピング出来る場所は島の反対側にあるホテルのみで、水着を忘れた二人は別荘にある水着を借りる事にした。
 だが、別荘には女性用水着は二着しかなかった。
 なぜなら、大抵の女性客は荷作りを自分専属の使用人に任せているので、水着を忘れるなどというヘマはしないからだ。
「我慢しろ。この別荘で貸して貰える水着は、これしかないんだから」
「そりゃ、姉さんはいいよ。ジャストサイズだからさ!」
 ふてくされたアル子の一言が、エド子の逆鱗に触れた。
「なんだと! 誰が濃紺スクール水着がお似合いなツルペタパイパン幼女体型だ!!」
「本当の事なんだから、仕方ないでしょ。大体、姉さんが悪いんだからね!」
「んだと! 昨日の夜、ホテルで水着を着てみようって言いだしたのはアル子だろ!」
「でも、先にHな事したのは姉さんじゃん!」
「おっぱい揉まれたくらいで、もっとぉ!…とか言ったのは誰だよ!」
「普通、姉なら、明日は早いから、早く寝ようとかなんとかいうでしょ?」
「あー、はいはい。えっちな妹に指入れろって強請られて、指突っ込んだオレが悪うございました! ってかさ、おまえ、簡単に潮吹きすぎなんだよ!」
「居直ったね、姉さん。自分の事、棚にあげて居直ったね!」
 昨日、中継地の駅のホテルで、生まれて初めてのバカンスに、二人は興奮気味だった。
 シャワーをあび、買ったばかりのビキニを早く着たくてたまらなかったアル子は、早速、身につけて姉に見せびらかしていたのだ。
 もっとも、一緒に買いにいったのだから、見せびらかす事もないのだが。
 妹が着ているとなると、エド子も自分の水着が着たくなった。
 お互いの水着姿を誉め合っているうち、気分が盛り上がり、二人はいちゃいちゃし始めてしまったのが悪かった。
 イチャイチャが、グッチョングッチョンに盛り上がり、気付いた時には、水着がHな汁まみれになっていたのだ。
 夜更かしして洗濯し、翌朝、迎えに来たハボックのノックで目を覚まし、ホテルを飛び出して、現在に至る。
「姉さんだって、いく時、お漏らししたじゃん!」
「だから、漏らしてねえつってるだろ!」
「だって、おしっこの味したよ?」
「それはトイレに行ったあとだからだっつの!」
「ふっ、姉さんはいいよね、ツルペタでパイパンでおもらしっ娘でさ。買ったサーフスーツみたいなのより、スクール水着の方がお似合いだよ」
「なんだとッ! くぉの、潮吹き牛娘がぁッ! このスク水から零れんばかりの巨乳はなんだぁッ!!」
「いやァアアアアアッ!!!」
 エド子はここぞとばかりに、アル子の胸を鷲掴みにして揉み倒す。
「言っておくがな、アル子。おまえのスクール水着姿は、ハンパじゃなくエロいぞ」
「やだ、姉さん! 胸、痛ーいッ!!」
「もともと、こいつは子供向けの水着だ。なのに無駄にナイスボディなおまえが、小さめでギチギチの水着に無理矢理でかい乳を押し込んで、股間の割れ目をくっきり浮き立たせててみろ! ジャストサイズのオレなんかより、遙かにマニア心をそそるエロさだっての!」
「そんなの、ボクのせいじゃないやい! 姉さんがそういう風に錬成したんでしょッ!」
 痛いところを突かれたエド子は、アル子の胸を鷲掴みにしたまま、近くにあったソファに押し倒した。
「何するの、姉さ…キャアッ!!」
 アル子の肩ひもを下げ、胸を露わにすると、エド子が問答無用でむしゃぶりついた。
「もうやァーーーッ! 何すんの、この馬鹿姉えッ!!」
「くーッ、たまんねえな! やっぱアル子のおっぱい、最高ッ!」
「うわっ、オッサンくさッ!」
「そのオッサン臭い奴に、舐められて乳首を浮き立たせてるのは誰ですか?」
「もう、知らないもん!」
 顔を赤らめて尖らせたアル子の唇に、エド子は軽いキスをした。
「可愛いよ、アル子」
「姉さんったら。これで誤魔化したつもり?」
「誤魔化すって、何をだ?」
 小首を傾げるエド子を見て、アル子は噴き出した。
「もう、姉さんはぁ」
「なんだよ」
「もういいよ。おっぱいパフパフしなよ」
「やったー!」
 エド子は、少し脇に流れている胸を両手で寄せ集め、出来た谷間に顔を突っ込んで、スベスベの肌に頬擦りをする。
「んもう、くすぐったい…やぁん!」
「あー、この感触、最高…ん…」
 エド子は嬉しそうに乳首を吸ったり舐めたりしながら、胸の感触を楽しんでいたが、ふいに思い出したようにアル子の名を呼んだ。
「アル子ぉ」
「なあに?」
「あのさ…」
「んっ?」
「オレ達、ずっと一緒だよな…?」
 不安げな瞳で、自分を見つめるエド子にアル子は、優しく微笑んで答えた。
「うん」
 エド子は安心した子供の顔をして、アル子に微笑み返し、柔らかな胸に顔を埋めた。
 そんなエド子の仕草に、アル子は母性本能をくすぐられ、姉の髪を優しく撫でてやる。
 しがみついてくるエド子の身体のそこここに、白い傷跡が見て取れる。
(姉さん、こんなに可愛いのに、こんなに傷だらけで…)
 二人の身体が元に戻るまで、傷つくのはエド子の役目だった。 
(こんな華奢な身体で、独りぼっちで、辛い思いをしてたんだもんね、姉さん…)
 時折、どうしようもなく甘えん坊になる姉がアル子には愛しかった。
 それが、姉妹愛なのか、恋愛感情なのかアル子にもわからない。
 ただ、一つだけハッキリしているのは、アル子にはエド子以上に誰かを愛する事はできないということだった。
 エド子が、手を伸ばして水着越しに秘裂を指でなぞりあげる。
 こんなイタズラ好きなところも可愛いとアル子が思ったその時だ。
「アル子。股のとこが、ちょっと湿ってるぞ?」
「え…?」
「おまえ、やっぱ、濡れ過ぎだって」
「え…ええ?」
「胸弄られただけで、ここまで濡れるかね」
「…姉さん?」
「やっぱ、おまえ、エッチすぎ…うわっ、何するんだ!」
「もう! 姉さんのばかたれッ! ばかばかばかばかばかーーーッ!!!!!」
 怒ったアル子が、ぽかすかエド子を殴っていると、誰かがノックした。
「はーい」
「エド子ちゃん、アル子ちゃん。用意はできたかい? みんな、浜辺で待ってるんだけど」
 フュリー曹長だ。
「やっべぇ! 行くぞ、アル子!」
「チッ、これからが、いいとこなのに」
「何、ブツクサ言ってるんだ?」
「まあいっか。そのかわり今夜はたっぷり…」
「ほら、早くしろ! 曹長待たせちゃ悪いだろ!」
「はぁい!!」
 二人は軽くキスをして、エド子は大きめの赤いTシャツに黒のショートパンツを、アル子は青いスリップドレスを着ると海へ出かけた。


********************************


「あー、すげーひま。ビーチの設営やりたかった。なあ、ブレダ?」
「たく、大佐に無断でボーイまで追い返して、少しは楽する事も覚えろ」
 別荘のスタッフに準備万端整えらたプライベートビーチで、ハボックとブレダはデッキチェアに座りビールを飲みながら、する事もなくダラダラと過ごしていた。
「ヒュリー曹長、楽しそうだなぁ」
 ヒュリーは、エルリック姉妹にメガネをとられて、鬼ごっこの最中だ。
「それにしても大佐は遅いなぁ」
などと話していると、ホークアイが声をかけてきた。
「ブレダ少尉。ファルマン准将は?」
「さっき、釣りをするっ岩場の方へ行きましたけど、何か用ですか?」
「いや、出かけたのならかまいません」
「あのー、中尉。大佐はまだ…」
「大佐に何か?」
「いえね、ハボックの奴が大佐の水着姿、大佐の水着姿って煩くて」
 ホークアイは苦笑すると、もうすぐ来るだろうと答えた。
「おい、ブレダ。そんな言い方はないだろ!」
「大佐の三角ビキニがみたいって言ってただろ?」
 ホークアイはおもむろに、サマージャケットの内側に手を突っ込んだ。
「うおっ、ちちちがいますよ、中尉! 俺はただ、こんな機会でもなきゃ、大佐の水着姿なんて見られないって話を…って、わあっ、ごめんなさい!!」
 ハボックは、イスから転げ落ち、頭を抱えて丸くなる。
「どうした、ハボック少尉?」
 ホークアイは内ポケットから取り出したサングラスかけた。
 してやられたハボックは、腹を抱えて笑うブレダを睨みながらイスに座り直す。
「で、ブレダ少尉の予想は?」
「は?」
「大佐の水着ですよ」
 ホークアイに尋ねられて、ブレダは慎重に言葉を選びながら答えた。
「大佐も大人だし、無難にシックでエレガントな黒のワンピースってとこじゃないですか?」
「でも、二十九歳ってギリギリの年齢だしな。案外、弾けまくって三角ビキニだったりしてな」
「おまえ、何が何でも三角ビキニなんだな?」
「ああ、大佐が三角ビキニ着てくれるなら。向こう一年、文句言わずに残業してやるさ!」
 などとくっちゃべっていると、ようやく、大佐がビーチに姿を見せた。
「やあ、諸君。待たせたね」
 大佐の声に振り向いた三人が見た者は、野戦服姿の怪しげな人物だった。
 頭からタオルを被って顔を隠し、サングラスを装備、タオルの上に麦藁帽をかぶっている。
 手袋に描かれた錬成陣のお陰で、かろうじてロイ子である事がわかった。
「た…大佐…?」
「ああ」
「なんで、野戦服なんか着てるんですか?」
「ああ、日焼け対策だよ。あとでヒリヒリしたり、シミになると困るのでね…んっ、どうした?」
 がっくり項垂れる部下が二名。
「む…無能だ」
「浜辺でも無能か…」
 彼らが、今日ほど大佐を無能だと思った日があっただろうか。
 大人の女ならUV対策は必須だろうが、幾ら何でもビーチに野戦服はないだろう。
 砂浜に蹲って落ち込む二人にかわって、ホークアイが無能な上官に言った。
「大佐、どういうおつもりですか?」
「私は日焼けすると、水ぶくれが出来る体質なんだ」
「…」
「日焼けとは、そもそも軽度の火傷の事だからね。ハンパではなく痛いのだよ」
「……」
「という訳だから、私はこの格好で参加させて貰うことにした」
「かまいませんが、それではいささか暑ッ苦しくはありませんか?」
「暑くても、日焼けするよりはマシだ」
「つまり、日焼けしなければいいんですね?」
 ホークアイはロイ子の腕を掴み、有無を言わさず防風林の方へと歩いていった。
「あっ!」
 突き飛ばされ、太い松の幹に縋り身体を支えるロイ子にホークアイが言った。
「脱ぎなさい」
「しかし…」
「大丈夫。ここなら日陰だし、日焼けの心配もありませんよ」
 ロイ子は小さく首を横に振る。
「では、今ここで、本格的に躾をしてさしあげましょうか?」
 躾という言葉に、ロイ子は身を強ばらせた。
「早く脱がないと、本当に躾を始めますが?」
「…わかった」
 冷ややかなホークアイの口調に、のろのろとシャツのボタンを外し始めた。
 ボタンを全て筈し終わった時、ホークアイはロイ子が水着を着てきていることに気が付いた。
「下にちゃんと水着を着てたんですね」
 そう言いながら、シャツをはだけさせる。
「着なければ…お仕置きだろう?」
「ふふ、思った通り、よく似合っていますよ」
 それは、水着と呼ぶにはあまりにも小さな布きれだった。
 紐で繋がった白くて三角の生地が二枚、Fカップはあろうかという豊かな胸の先端を、申し訳程度に隠しているだけの代物だ。
「もうこんなに乳首を立てて…はしたない子…」
 薄い生地を押し上げる小さな突起をギュッと抓られ、ロイ子は身を強ばらせる。
「さあ、次はどうするんでしたっけ?」
 乳首を摘まれ、捏ねられながら、ロイ子は自らベルトを外しジッパーを降ろす。
「下も…ご…御覧……ください………」
 ロイ子が手を抑えていた放すと、すとんとスボンが下草の上に落ちた。
 露わになった腰には、細い紐が巻き付いていて、やはり申し訳程度の白い布が、大切な部分に張り付いていた。
「嫌がっていたけど、毛を全て剃っておいて正解でしたね」
 そう言って、ホークアイは少し紐を引っ張りあげて、股間に布を食い込ませる。
「あッ…!」
「こうすると、パイパンになった大陰唇が丸見えで、素敵ですよ」
「う……」
「何?」
「…いやだ…」
「何がですか?」
「君は、こんな破廉恥な姿で、私に人前に出ろと言うのか!?」
「それが何か?」
「君は、嫌じゃないのか…。私が、他の男達に嫌らしい目で見られる事が…」
「なら、どうして私に内緒で浮気をしたんですか?」
 ロイ子はハッとして、視線を反らせる。
「あれは、君が潜入調査中で…。でも、1度だけだ! ちょっとした気の迷いで…!」
「…やっぱり、浮気してたんですね」
「えっ、あっ、いや…してない! 浮気なんて一度もするわけないじゃないか!」
「浮気を自白しておいて、まだ嘘をつく。とんだ無能犬ですね」
「君が悪いんだろう。調査に手間取って一ヶ月もいないから」
「調査を命じたのは大佐です」
「でもまさか、あんなに時間がかかるとは…」
「問答無用! これは罰です」
「罰って、部下の前でこんな格好…痛ッ」
 ホークアイは、ロイ子の胸を乱暴に掴みあげると、耳元で囁いた。
「ハボック少尉は、あなたのはしたない水着姿を楽しみにしていましたよ」
 ホークアイは、そう言いながらロイ子の秘裂を指でなぞりあげた。
「見られると思っただけで、こんなに濡らしてくせに」
「う…」
「あなたのその淫乱な身体で、彼らをたっぷり慰労をしてあげててはいかがですか?」
「…い…いやだ!」
「何故です?」
「それは…君だって…わかっている筈だ…」
「わかりません」
「こんな…毛を剃られて……あんなものまでつけられて……」
「あんなものって、これですか?」
 指先で肉芽についた金の輪を弄りながら、耳元で囁く。
「これは、二人だけの秘密じゃなかったの…ア……ヒギィッ!」
 突然、股間に激痛が走り、ロイ子は悲鳴を上げた。
「狗の癖に、主人の命令が聞けないの?」
「痛ッ…やッ…」
「だったら、契約の時にクリトリスにつけてあげたこのピアス。引きちぎって、全てをなかった事にしてもいいんですよ?」
「や…やめ…」
 痛みと快感で、膝の力が抜けていく。
 ロイ子は懸命に痛みに耐え、意識を保つ。
「それとも狗は狗らしく全裸にして、ここに鎖をつけて彼らの前に引いていって欲しいと?」
「や…それだけは……」
「自分の上官が、こんなはしたないメス狗だと知ったら、みんな驚くでしょうね」
 金の輪を引く力を緩め、ホークアイはロイ子の疼く肉芽に溢れ出した愛液を擦り込んでやる。
「あ…あ……」
「ロイ子、いい? おまえは私の何?」
「…狗です」
「なら、狗は狗らしく、主人の言うことを聞かなくてはね」
「は……はい……」
「では、浮気した罰として、これから三日間、あなたの部下達の慰労に励みなさい」
「…い…」
「いくら慰労の為とは言え、あなたにも楽しみは必要でしょう。この三日間は好きなだけイッていいですよ」
「んっ…あふッ…イッッッ…イクッッッ…!!」
 イッていいという言葉を耳にして、ホークアイにしがみつき、ロイ子はイッてしまった。
 ホークアイの肩に顔を埋め、余韻に浸っていると、耳元で声がした。
「まったく、しょうがない子…」
 顔をあげ、ロイ子はホークアイの瞳を覗き込んだ。
 イッてはいけなかっただろうか。
 不安げに主人の顔色を伺う黒い瞳に、ホークアイはクスリと笑う。
「かわいい子、ロイ子は本当にいい子ね」
 額と頬にキスをされて、ロイ子は戸惑いながらも嬉しそうに首をすくめる。
「その調子で、みんなの慰労に励んでくださいね」
 許して貰えたわけではないと知って、ロイ子は再び泣きそうな顔でホークアイに懇願した。
「だが、日焼けの話しは本当なんだ。だから、この格好で浜辺に行くのは許してくれ」
「なら、これを使ってください」
 ロイ子はホークアイから白乳色の液体が入った瓶を受け取った。
「これは?」
「軍が開発した、超強力日焼け止めです。それを塗れば、砂漠の陽射しに晒されても日焼けしな
いそうです」
「それは凄いな」
 早速、蓋を開けようとしたロイ子をの手をホークアイが掴んで止めた。
「塗り残しがあっては意味がありません。ですから、きちんと人に塗って貰ってください」
 ホークアイは、ビーチパラソルの下でビールを飲んでいるハボックとブレダに目をやった。
「まさか…」
「ええ、彼らに塗って貰ってください。もちろん、全身くまなくね」
「そんな…」
「さあ、行きなさい」
「けど…」
「口答えをするんですか?」
「ちっ、違う! 君は…その…どうするのかと思って」
「私は、あなたの痴態を見学させて頂きます。私が満足するように、思う存分、淫乱な本性を丸出しにして、はしたなく乱れてください。ちゃんと、言いつけを守れたら…」
「守れたら?」
「とっておきのご褒美をあげます」
 ホークアイはロイ子の鼻の頭にキスをすると、手足にまとわりついていた衣服を脱がせ、没収する。
 かわりに、日焼け止めの乳液が入った瓶をロイ子にしっかりと持たせると、もう一度、浜辺へ行くように命令をした。
 のろのろと浜辺に向かって歩き始めたロイ子を見送り、ホークアイは近くに生えている松の巨木に向かって言った。
「この事は、他言願います。ファルマン准尉」
「…知っておられたんですか」
 松の影から、スコップとビニール袋を手にしたファルマンが姿を現した。
「気配でわかります」
「釣りの餌を取っていたんですが、出るに出られなくて」
「でしょうね」
「しかし、大佐と中尉はその…いや、やめましょう。上官のプライベートに口出しするのは下官にとってあるまじき事ですからね」
「賢明ですね」
「でなければ、軍では生き残れませんから」
 そんなファルマンに、ホークアイはポツリと言った。
「あの人は優しいから…」
「……」
「私は、あの人の優しさに溺れてしまうのが、恐いのかもしれない」
 海風が松の葉を揺らし、吹き抜けていく。
 やはり、他人がとやかく言うことではないのだと、ファルマンは覚った。
「餌も手に入ったし、私は岩場で釣りでもしきます」
 何事もなかったかのような明るい口調に、ホークアイも普段の彼に戻って答える。
「釣果、期待してます」
「大物を期待していてください。では」
 木に立てかけていた釣り竿を手にすると、ファルマンは岩場に向かって歩き出した。
 ホークアイは、ロイ子が落として行ったサングラスを拾いあげると、浜辺へと戻っていった。








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