小説

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たまには、こんな夜(コナン 新蘭)
親と新一に頼りきった生活が嫌で、大学進学と同時に、私は一人暮らしを始めた。
とは言っても、家から車で5分程の距離にしたのは、新一と離れたくなかったから。
別々の大学になってしまったのに、家まで離れてしまうのは不安だった。
 
そんな私のワガママを新一は笑って許してくれた。
私って、愛されてるんだなぁって、嬉しく思ったのに、新一の本心と来たら・・・。
結局、男なんて、Hなことしか考えていないのね。
 
 
ピンポーン。
 
誰だろ?
こんな時間に。
もう、夜の11時過ぎてるよ。
 
って、こんな時間に来る人なんて1人しかいないじゃない。
わかっていながら、私はインターホンで応対する。
「どなた?」
「蘭ちゃん♪ 俺♪」
はぁ。
また、酔っ払ってる。
最近の新一は、事件を解いた後に、警部さん達と一杯引っ掛けてくる。そりゃ、20歳を越えて、お酒を飲めるようにはなったけど。
これじゃあ、お父さんとかわんない。
「もぉ、何時だと思ってるの??」
少しだけ、声を尖らせてみる。
すると、一瞬、沈黙が広がった。
さあて、名探偵さん。
どうするの?
「蘭ちゃん、開けて」
最後にハートマークがつくくらい、甘いテナー。
こんな時だけ、甘やかな声で囁くんだから。
 
調子のいいヤツ。
 
 
・・・・・。
 
 
でも、そんなアイツに惚れているのよね、私は。
 
NOなんて言えるはずもなく、私は、そっとドアの鍵を開ける。
「サンキュ。蘭」
開いた隙間から、新一の腕が私に伸びる。
 
「大好きだよ」
 
大好きなテナーで、耳元で囁かれて、私は天にも昇るほど、舞い上がってしまう。
 
私が一人暮らしを始めた本当の理由を、名探偵のあなたは、とっくに気づいているのね。
 
            BY  be様
更新日時:
2003/09/30

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Last updated: 2003/10/17

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