「10代目!これ!誕生日プレゼントです!」
「え?」
ツナはきょとんとした。今は5月で、自分の誕生日はまだ5ヵ月も先である。
獄寺は家族以外で初めてツナの誕生日を覚えていてくれた人だったはずだ。
寧ろ親が忘れていた時も覚えていてくれたたった一人だ。
ツナはちょっと悲しくなった。
「あのさ、獄寺君…」
「分かってます10代目、10代目のお誕生日は10月14日ですよね、だからこれは一昨年の誕生日の分です!」
「おととしぃ!?」
獄寺が突拍子も無いことをするのは今に始まったことではないが、さすがに驚いた。
「ハイ、俺、10代目の御誕生日を一回しかお祝い出来てません。
だから今までの十二回分これからお祝いしたいんです」
「で、でも…」
いやまだ会ってなかったんだから祝える訳ないじゃん!つか、会ってたって十二回は無理だろ、
君は幾つからパーティー開くつもりさ!
と、ツッコミ台詞は頭に浮かぶもののツナは何も言えなかった。
「…本当は俺が十代目にプレゼントしたいだけなんです」
「え?」
「これ、店に飾ってあんの見て、10代目似合うだろーな、着てるとこ見たいなって思って。
でも意味無く物をもらうのは10代目はお嫌いみたいですし…」
「ああ…」
以前、ツナがショーウインドウに飾られた洋服を眺めていたら、獄寺がすぐにそれを買おうとした。
結構な値段がついていたし、ツナはそんな無駄遣いしてはダメだ、誕生日でも何でもないし受け取れないと獄寺を諫めたのだ。
斯くしてその服は、ツナがそんな事すっかり忘れた次の誕生日に贈られたのだった。
「でも10代目の今までの分の誕生日を祝いたいのも本当です!すっげーめでたいです!
マジで感謝してます、十二年間健やかで、俺に出会って下さってありがとうございます!」
「オーバーだなあ獄寺君は」
恥ずかしくてついそっけない言い方になってしまうがツナは嬉しくてたまらなかった。
目の前に差し出された箱を受け取りそっと抱き締める。
「ありがとう獄寺君」
にっこり微笑めば獄寺も照れたように笑う。
「開けていい?」
「…あ!あの、着てみてもらえませんか?」
「今?」
「はい!」
「…いいよ」
獄寺の頼みなら何でもきいてやりたい気分だった。
「じゃ、ちょっと待っててね」
ツナは箱を抱えて隣室に向かった。もう何度も裸を見られているとはいえ、やはり目の前で着替えるのは気恥ずかしい。
それに、こういうのは、パッと別の衣裳になって現われた方がいいだろう。
ウキウキとツナは箱の包装を解いていく。
獄寺が自分に似合うと思ったのは一体どんな服だろう?わくわくしながら箱を開け、ツナは
思い切り脱力した。
数分後。
扉を開けて戻ってきたツナは出ていった時と同じ制服のブラウスとスカートだった。
「アレ…10代目?」
「何?」
「着て下さらないんですか?」
「着たよ」
「え、でもっ…」
「着てるよ!ちゃんと!この下に!」
獄寺のプレゼントはオレンジに赤い水玉でフリルのとても可愛らしいデザインのブラとショーツのセットだった。
「ああなるほど」
獄寺は手をポンと打って納得したように頷いた。
「つまり俺に自分で脱がして確かめろとゆーことですね!」
「えっ!な…!」
「では早速!失礼します10代目!」
「や、ちが…っ」
ビリビリに破かれこそしなかったものの、まさに子供がプレゼントの包みを開けるように、さくさくと剥かれてしまう。
あっという間に愛らしい下着姿のツナが出てきた。
「ああ、やっぱりとてもよくお似合いです10代目…」
獄寺はうっとりため息をつく。
「もう〜」
ツナは赤くなってそっぽを向いた。ジロジロ見られて恥ずかしい。
「サイズ大丈夫ですか?」
言いながら下着と素肌の境目辺りを指でたどる。
「う、うん」
「良かったです」
「あ」
手のひらがふわりと胸を撫でたかと思うと、もう片方の手が背中のホックを外しに来た。
何だよもー!結局H目的なの!?
ツナは憤慨した。先程ちょっと感動してしまったので何だか余計悔しい。
「ダメ!」
ツナは身を捩って獄寺の手から逃げる。
「着てる姿が見たかったんでしょ?じゃー脱がしちゃダメ」
「ええっ!?そんなあ」
本音を言えばツナだって獄寺とイチャイチャしたい。でもあまりに即物的なのは嫌なのだ。
だから少しじらしてやろうと思ったのだが
「脱がさなければいいんですよね?」
「やっ!」
獄寺の骨ばった手がツナの乳房を掴み下着ごと揉む。ダイレクトでないせいか、いつもよりやや力が強い。
揉みながら更にトップの部分を親指でぐりぐりと押す。
「う、うぅん」
獄寺はツナを後ろから抱き、左手で胸をいじりながら右手をツナの股間に伸ばす。
「あっ!」
布の上から指がツナの敏感な部分を縦にゆっくりとこする。
くすぐったいようなもどかしい快感がたまらない。
ひょっとして俺、さっきから墓穴堀り続けてる!?
寧ろ獄寺にとっては、
焦らし上手な小悪魔10代目萌え〜以外の何物でもなかった。
ある意味お似合いの二人である。
「ん…んっ、あ…」
何度も上下に指を這わしているうちに、じんわりと布の中心に丸い染みが浮かんでくる。
「ふ、はぁ‥あ…」
「10代目、ここの色が変わってきましたよ?」
熱い吐息と一緒に意地の悪い台詞をツナの耳に吹き込む。
「や…ぁん!言わないでぇ」
クスリと笑って、獄寺はツナの一番弱い一点を軽く爪を立てて引っ掻いた。
「ひゃっ!あふぅん!あんっ!」
直接触れてそんな事をされては痛みが勝るが布越しの刺激は激しくも甘い快感でツナを悶えさせた。
「ああぁっ!やあん!あんっ!だめぇ…あっあっ!」
「どんどん濡れてきちゃってますよ、下着の上からでも10代目のアソコの形が分かっちゃいます」
今度は指の腹で円を描くようにいじる。
「ああん…そこばっかいじんないでぇ…く、ふぅううん…」
「じゃ、こっちスか?」
濡れた布ごと獄寺の指がズッとツナの中に入ってくる。
「あああああっ!!」
「うわ…」
指が半ばまで入って、自分でやっておきながら、獄寺が驚いたような声を出す。
そのまま抜き差しするとグチャグチャと卑猥な音がした。
「やっ!やっ!やん!」
思わず腰を引くと、尻の辺りに熱いものが当たっているのが分かった。
あ…獄寺君の…
硬い感触が挿入の快感をツナに思い出させて、無意識に腰が揺れる。
「う」
こすられて獄寺が切なげな声をもらすのに、ツナはたまらなくなった。
「獄寺くぅん」
願いを込めて上目遣いに見つめながら囁けば、いやになるくらい鼻にかかった媚た声になった。
しかしもうそんな事気にしていられないくらい獄寺が欲しかった。
「ね、もう……」
今度は意識して獄寺を刺激するように腰をすり付ける。
「うぁ、じゅ、だいめ」
指が離れ、太ももをつかんで片足が持ち上げられる。
まさかこのまま!?とツナが焦ると、下着の脇から獄寺のペニスが侵入してきた。
蕩けきったツナのヴァギナは自重が手伝い、ズブズブと呑みこんでいく。
「あっあぁぁぁぁ…」
「はあ…すげ…」
深くツナの中に入りこむと、獄寺はツナの両腿を抱えなおした。
「いきますよ、10代目」
「んっ!んんっ!」
腰を突き上げ、えぐるようにツナの腰を回す。
「ひあっ!やあああああんっ!」
動く内にショーツがツナの股の裂け目に食い込んできてクリトリスを刺激する。
「あっ!いやっ!あっあっああー!!」
「10代目!10代目ぇ!」
激しく揺さ振られ、ツナはすぐに達してしまった。
絶頂に痙攣し強く締めつける膣に獄寺も射精する。
びゅくびゅくとかけられる精液の熱さを感じながら、下着もう汚しちゃったなあ…とツナはぼんやり思った。
乳房の上にずり上がったブラと、捩れて紐のようになったショーツを取り去って、獄寺はツナを全裸にしてしまう。
「やっぱり10代目は生まれたままの姿が一番可愛いです」
「ばか…」
快感で力の抜けた体をくったりと投げ出し、頬を染めて唇をとがらしながら悪態をついても効果は無い。
楽しそうに抱きついてくる獄寺にツナは気になっていた事を聞いてみた。
「獄寺君、コレ、どーやって買ったの?」
「普通に店で買いましたけど」
「ええっ?よく買えたね!?」
下着売場で獄寺が買い物していて、周りの女性客がよく騒がなかったものだ。
「そーいや女どもがいつもよりうるさかったッスね」
「あー…」
騒がれるのなど日常茶飯事か。大体ツナ以外の女は雑音でしかない獄寺だ。
しかし獄寺が女物の下着を買う姿を想像するとツナは目眩がした。
せっかくかっこいいのにさー何やってんのさ君はー
「何考えてんの獄寺君…」
「あなたの事だけを」
これが口説き文句ではなく素の発言だからタチが悪い。
「好きです」
「……う」
「愛してます10代目」
ああもう
「こんなにもらっちゃったらお返し出来ないよ…」
「え、別にそんなの――」
獄寺が言い終える前にツナは力の抜けた体を起こし、獄寺に軽く口付ける。
「好きだよ」
「じゅっ…」
「俺だけ裸で恥ずかしい。獄寺君も脱いで…もっかい、普通に、しよ」
ツナは獄寺のネクタイに指をかけて外した。
箱にかかったリボンをとくように。
勿論そんな風に誘われた獄寺が一回で終わるはずもなく。
ツナが自分はまたしても墓穴を堀ったのだと気付くのは数時間後であった。
おしまい
何故かツナが墓穴堀る話になってしまった…まあでもツナの穴なら獄寺が突っ込(ry
おまけ
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