蛇足 結局気付いた時には7時過ぎで明日も学校があるので十代目は慌てて帰宅された。 無事送り届けて帰ってきた俺は、ブレゼントした箱が残っているのを見つけた。 渡したかったのは中身だし捨てるかと手に取ったところで、 自分が十代目からもらった品は包み紙も全てとってあるのを思い出す。 十代目もそんな風に思ってくださるだろうか、だとしたら捨てるわけにはいかない。 「獄寺君のくれた物は全部大事にしたいんだ」 はにかみながら言う十代目を想像して顔がにやけた。可愛いなあ十代目。 …でも結構クールな方だからなあ。そんな十代目も渋くて好きです。 どうすっかなと思いながら何となく箱を開け 俺は硬直した。 箱の中には、見覚えのある白いブラと青のストライプのパンツが入っていた。 …どう見ても十代目の使用済み下着だ。 一瞬、十代目がお返しに俺にくださったのかと思ったが、シャイなあの方がそんな事するとは思えない。 着替えた時に入れて忘れてしまったのだろう。 ドジっ子十代目も大変キュートで萌える。 じゃあこれはまとめて十代目に返……す前に―― いや!ちょっ!何考えてんだ俺は! そんな事…!いやでも……ぐあーっ!! 俺は生まれて初めて下着ドロの気持ちが分かった。 なんで下着なんだ、重要なのは中身の方で、あんなん布だろ!と思っていたが。 いや前言撤回。下着ドロの気持ちはやっぱわかんねー。 俺がこんなに心乱されるのは、これが十代目の持ち物だからだ。 十代目だけが俺を惑わすのだ。 そう、数時間前まで十代目を包んでいたコレが…。 気付いたら手に取っていた。どわーっ!! さすがにもう十代目の温もりは残っていなかった。 温もり“は” うわーダメだ!そ、それはアウトだろう!違う!俺は変態じゃない!落ち着け俺!!考えなおせ! 翌日。 「…あのさ、獄寺君、俺昨日、箱忘れていっちゃったんだけど…」 「あ、ハイ、捨てときました」 「え!?す、捨てちゃったの?」 「まずかったですか?」 「あ……う、うん、それならいいんだ……あーでも、えーと…や、うん、いいよ」 ……すいません、十代目、俺は変態なんです。 でも、あなた限定だから、許してくださいますよね? 終 |