cresciuta



「そ、そうだったんですか…」
恥かしそうに俯いたツナは、耳から首筋まで真っ赤に染まっている。

なんて可愛らしい!

「10代目」
獄寺は抱きしめたいのを、ぐっと堪えて、そっと優しく呼んだ。

「う、うん」
「手を握ってもよろしいですか?」
ぱっと顔を上げるツナと目が合うが、獄寺が微笑むと、また俯いて、小さく頷いた。
膝の上で握り締められた両のこぶしをやんわりと包むと、ツナの肩が震えた。
「10代目、お顔を上げてください」
おそるおそるといった感じで顔を上げたツナと正面から向き合う。
「目をそらさないで、俺を見てください」
「あ、あの…」
大きな琥珀色の瞳が揺れて、獄寺を映した。
「そ、そんなに、じっと見ないで」
「どうしてですか?」
「さ、さっき言ったじゃん……俺の知ってる獄寺君と…その、違うから…」
「俺は、変わってませんよ、十年前と少しも」
「う、嘘」
「本当ですよ。十年間ずっと変わらず貴方をお慕いしています。
貴方の右腕、貴方の恋人、貴方の獄寺隼人です」
「……………!」
「愛してます」
「そ、そ、そそそ」
「ソ?」
「そんなにスラスラ言えなかったから!獄寺君は!」
まあ言ってる内容は、そんな変わんなかったけど、と付け加えるツナに獄寺は思わず吹き出した。
「よ、余裕ぶって、ずるい…!」
「余裕なんかありませんよ、貴方の前では、いつもいっぱいいっぱいです。メロメロなんです」
「うそぉ…」
「今も、その可愛らしく尖らせた唇にキスしたくてたまらないのを、耐えてるんですよ」
ツナの顔がますます赤く染まった。
「な、何言って……!」
「キス、してもよろしいですか?」
「え、あ、あの、えっと…………………うん」
ギュッと目をつぶったツナの頬を両手で挟んで、上向かせる。
そう言えば十年前は、ほんの僅かな接触にも、いちいち了解を取っていたな、と獄寺は思い出した。
今でも、獄寺が自分本位にツナに触れることは無いが、
口付けるくらいは、ツナに事前に聞かずにも出来るようにはなった。
それは、いつ頃からだったろうか。
そっと唇を押し当てる。
二度、三度と触れると、固く引き結ばれていたツナの唇が、柔らかくほどけていく。
舌先で軽くつついて、隙間から差し入れると、咥内をゆっくりと嘗め回した。
「ふ…ううん……」
ツナが鼻にかかった声をあげる。
ちゅ、とわざと音を立てて唇を離すと、耳元で囁いた。
「キスは、初めてじゃないですよね?」
「……ん、うん…」
「これは?」
「あ」
耳たぶを甘噛みして、舌を這わす。
ツナの両手が、ぎゅっと獄寺のシャツを掴んだ。
「あ、あっ……」
「10代目は、こうされるの、お好きでしたよ」
「あ……やだ…や…」
「可愛い、10代目」
獄寺は再び口付けると、ツナの細い腰を抱いて、強く引き寄せた。
腕の中の柔らかな体の温度が、どんどん高くなっていくように感じた。
甘い匂いが獄寺の鼻梁をくすぐる。
普段、公務の時にはツナは、獄寺の勧めた香水をつけている。
今、化粧もしていないツナから香るのは、ツナ自身とシャンプーとボディソープの匂いのみで、
それは、プライベートの――ベッドに入る時のツナの匂いだ。

ヤバい。

獄寺はだんだん自身が制御出来なくなってきた。
宣言した通り、ツナに対しては、いつでもすぐに臨界点を越えそうになる。
しかしそれだけツナに惚れているからこそ、大事にしたいと強く思っている獄寺だ。
そろそろ止めないと、今の10代目は、見た目は大人でもまだ中学生。これ以上はまずい。
と、思っても、なかなか止められない。
ツナの両腕はいつしか獄寺の背中に回っている。
嫌がられてる訳じゃない。もう少し、もう少しだけ……

どんどん深くなっていく口づけに、飲み込めなかった唾液がツナの口元から垂れる。
唇を離して、そっと指先で拭う。
「ふ…はあ…」
「10代目…」
とろんとした瞳が獄寺を見上げている。
桜色の首筋に吸い付くと、そのまま押し倒した。
荒い呼吸にシャツの膨らみが上下するのが見える。
吸い寄せられるように手を伸ばし、シャツのボタンをはずしていった。
「あっ」
ツナが獄寺の手を止めるよりも早く、全てのボタンをはずして、前を広げる。
「触っていいですか?」
「あ、あの…」
ツナの顔は真っ赤だ。
黙ってそっぽを向くのを了承と受け取って、掌を膨らみにそわせるように、やんわりと覆う。
「ん…」
ツナの唇がぷるぷると震えた。
感触を確かめるように、ゆるゆると撫でる。
「柔らかいです、とっても」
「やだ…」
ツナの声は消え入りそうに小さい。
指に少し力をこめる。グニュっと僅かに膨らみが崩れた。
「あっ!」
「10代目」
「あ、やだっ!」
獄寺はツナの下着の端に指を引っかけ、ぐっと引き下げた。
押さえるものが無くなって、ぷるんと白い胸がはねる。
その先に小さなピンク色の粒が勃ち上がっていた。
しっかりと両手で掴むと、掌の中央で乳首を刺激するように動かす。
「ふあっ!」
「こんなに硬くなって、気持ちよかったんですね、良かった」
「や、やだ、や……!あっ…あ…」
ぐにぐにとこねくり回しながら、掌をずらし、人差し指と中指の間に乳首を挟んで刺激する。
「ふあぁっ!あんっ!」
ツナの体がビクビクと跳ねる。
獄寺はツナの開いた脚の間に脚を割り入れて、グッと膝を押し当てた。
汗ばんだ布地を擦るように揺らすと、白い太腿が獄寺の腰を挟んだ。
「やあっ!ああ…っ!あっ!やだあっ!あっあっ!」
「10代目、10代目」
片方を指で優しく刺激ながら、もう片方の尖りを口に含んだ。
唇で食みながら、コリコリした感触を舌先で転がす。
突付いて、甘噛みし、先端の割れ目に舌をねじ込んだ。
「ああっ……!ふあっ…ふ…………ひうっ…」
ツナの喉がしゃくりあげるように鳴った。
「ふえ…」
「ん?」
「ふ…ふ…うわああああああああんっ!」
「じゅだいめっ!?」
「ひ……うう……も、やだ……ううっ」

ツナは、しゃくりあげながら、ボロボロと涙を流した。

しまった、やり過ぎた!――というか普段の調子でやってしまった…。

我にかえったが、もう遅い。

「ふええええええええんっ!」
「じゅ、じゅうだいめえっ!す、すいません!すいません!」





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