「おら、もっと腰動かしな!!」
スーを犯してる男が催促した。
スーもできる限りそうしようと努力するのだが、
口にも一物を押し込まれているため、思うように動けなかった。
男はスーが言うことを聞かないので彼女のクリトリスを思いっきり抓った。
「!!!!!」
あまりの激痛にスーは口に入れている一物に歯を立ててしまった。
「イテエなこの野郎!!」
男はスーの口から一物を引き抜くと、スーの腹部を思いっきり蹴り上げた。
(みしっ)
男が蹴り上げるとスーの腹部から鈍い音がした。
「あーあ、いっちまったか。まぁ死にゃしないだろう。」
そう言うと男は、腰にかけてあった鞭をスーに振り下ろした。
(ピシャン)
鞭が打ち付けられる度にスーは悲鳴を上げた。
「おね…がいします…。もう…許し…て…。」
スーがそう哀願すると、男の手はやっと止まった。
「もうするんじゃねえぞ。」
そう言うと男達は、自分の服を着て牢を後にした。
「ぐっ…。」
スーは立ち上がろうとするが、腹部の痛みでまたうずくまってしまった。
腹部を触ると、肋骨の所々が凹んでいた。
必死で痛みをこらえて立ち上がり、あたりに散らばっている自分の服
を拾って身につけた。服といっても、下着同然の物しか無いのだが…。
スーは、ベットにある毛布を羽織ってベットの影に座り込んだ。
その日の午後
牢の外が騒がしくなった。
どうやらリキア同盟軍がすぐ側まで迫ってるらしいと言うことだった。
看守達がどこかへ走っていく音がしたあと、
また牢獄に静けさが戻った。
そのときスーは日に一度出される食事を食べていた。
パンとスープと少しの野菜と一切れの奇妙な肉だった。
「うっ、うぇっ。」
スーがその肉を口にする度、強烈な吐き気に襲われた。
なんの肉かスー自身も分かっていた。
その肉は人の肉だった。
拷問や、牢獄の中で死んだ人間の肉を看守達が焼いて食事に出していた。
かといって食事を残すと看守達はスーに対してむごい折檻を加えた。
スーは何度も戻しそうになりながらも、何とか食事を食べきった。
食器を扉の前に置くとスーは又ベットの影に蹲った。
それからしばらくすると廊下から、看守の物とは違う
軽快な足取りが聞こえてきた。
その足取りはだんだん近づいてきて、スーの牢獄の前で止まった。
(ガチャ)
扉の鍵が外され、重い扉が開いた。
「誰かいませんかー?」
入って来たのは少女だった。
彼女の名はキャス。城に潜り込んでは宝を盗む怪盗だった。
キャスは牢の中を一通り見渡すと、ベットの影にいるスーを見つけた。
「生きてる?」
キャスが近づいて来るとスーは首をもたげてキャスの方を見た。
「女?あんたもしかして灰色の狼の孫娘?」
スーはこくりとうなずいた。
(ラッキー!!この娘を灰色の狼の所へ連れてけば報酬ががっぽりともらえるかも。)
「善は急げ、さっさとここからとんずらするわよ。」
キャスはスーの腕を引っ張ったが、
「嫌…。」
「どうして?あんたずっとここにいたいわけ?」
「いたくないけれど、もし看守にでも見つかったら、どんな酷いことを
されるか・・。」
「びびってちゃなんにも始まらないわよ。さぁいくわよ。」
キャスが強引にスーの腕を引っ張ると、スーが羽織っていた毛布が
体から落ちた。
「なにそれ…。」
キャスがスーの体を見て愕然とした。
体の至る所に痣や裂傷、打撲の後があり、
右足の腱は何かで切られており、背中の傷は傷口から骨が見えるほど深かった。
「その傷、看守にやられたの?」
キャスからはさっきのような下心は無くなっていた。
「あんたここから出たい?」
スーはうつむいたままだった。
「出たいの、出たくないのはっきり言って!!」
「出たい…です。」
「分かった、必ずあたしがあんたを自由にしてあげるから安心して。」
そう言うとキャスはスーに自分が着ていたマントを着せて、
スーに肩を貸した。
二人が牢獄から出るともうすでに城内で戦闘が始まっていた。
二人が廊下の角に差し掛かると、そこから見慣れぬ一団が出てきた。
「何故、女の子がここに?」
その先頭にいたのはロイだった。
「あんた、リキア同盟軍でしょ。だったらこの子を
保護してくれない?」
「分かった、シャニーちょっとこっちに来てくれ。」
「ハーイ。」
と言う声がすると天馬に乗った少女が降りてきた。
「大至急この子を軍の救護班の所へつれてってくれ。」
「あ、ちょっとまって私も行く。途中でこの子を捨てられたら困るからね。」
ロイは苦笑いすると、キャスも行くことに承諾した。
こうして二人はリキア同盟軍に加わった。
これからどうする?