「ぅひっ!あはは……だ、ダメだってばぁ……っ!」 さつきはベッドに上がり、容赦のないくすぐりから逃れようと試みる。 ピンクのワンピースからちらりと下着がのぞくが、そんなことを気にしている余裕はない。 転がるようにして必死に智恵から距離をとる。 しかし智恵は 「こら、逃げちゃダメでしょー!!」 と自らもベッドに上がり、這うようにして逃げるさつきの背中に飛びついた。 どうやら休ませる気はさらさら無いらしい。 ちなみに智絵はピンクのキャミソールに黒い短パンという格好なので、暴れてもパンツが見えるというような心配はない。 「さて、と…こっちはどうかな?」 前に逃げることしか考えていなかったさつきは手を前に投げ出しており、その両腋は完全に無防備だった。 そこに、背中に跨った智恵の指先が迫る。 「はぅんっ!」 腋の窪みに指先が触れた瞬間、ぞくっ!とさつきの体が震えた。 智恵はそんな反応に口元を緩ませ、指を動かす。 「はぅ…っく、くひっ!あはははははっ!やあぁーっ、めぇぇー!!きゃはははっははは!!」 けたたましい笑い声がほとばしる。 「なーんだ。こっちが弱点だったんだ」 脇腹の感度の良さからそこが弱点かと思ったのだが、腋の下はさらに敏感だったようだ。 さつきは必死に両脇をきつく締めるが、その対応は遅すぎた。 既に腋に入り込んだ手は、腕と体に挟まれたままでも小刻みに震え続ける。 「ひぁ……んっ!きゃは…っはっはははは!腋だめえぇっ!!」 (このままじゃ、おかしくなっちゃうよぉっっ!) 本格的に危機感を感じたさつきは、無我夢中で暴れ始めた。 スプリングの利いたベッドの上でそんなことをすれば、当然ベッドは大きくギシギシと揺れる。 「あわっ…」 背中に乗っている智恵がぐらついた瞬間、さつきは全身全霊の力を振り絞ってぐいっと身を捩った。 そして振り向きざまに右手を伸ばし、智恵の左脇腹を鷲掴みにする。 「ひぁっ!?」 思わぬ反撃に、思わず仰け反って手の動きを止める智恵。 そんな彼女を一気に押し倒し、さつきは智恵の体に覆いかぶさっていく。 「ちょっと!なんでさっちゃんが…ぁうんっ!?」 再び脇腹を刺激され、台詞を途中で遮られる。 見上げると、頬を紅潮させたさつきが息を荒げていた。 「は……はぁっ…今度は…こっちの、番なんだからっ…!」 「な、何言って…!?あたしがさっきのお返ししてるんじゃない! それに、まだ全っ然終わってないんだからねー」 智恵はさつきの発言に戸惑いながらも、強い口調で言う。 「あたし、あんなにくすぐってないもん。だから今度はこっちがお返し〜!」 「やだっ!さっちゃん、ちょっ、ズルいぃー!」 ここで攻勢に出なければ、延々とくすぐり続けられてしまう。 さつきは抵抗する智恵に体重をかけ、彼女の足を押さえつける。 そしてその両足を乗り越え―― 「あっ…!」 智恵が「しまった!」という表情を浮かべた。 気づいたときにはお腹に跨られ、いわゆるマウントポジションの形になっていたのだ。