ビューティフルデイズ 3話



 

 相談をしたらいくらか気持ちが楽になっていた。どうにもウジウジと悩んで自己完結した挙句に袋小路に入るのは、自分でも自覚している悪癖だ。しかし人間、一朝一夕に性格が変わるわけがない。
 あっさり開き直れるぐらいには大人になったという事か。
 生きるって面倒だな…と思いつつ、観月はきちんとすべき仕事をこなして、久し振りの自由を手に入れた。
 ただ渡した原稿は一週間後ぐらいには、校閲を通って返ってくるだろう。そこからまたパソコンの前で戦う日々だ。まあ、自分は真っ赤になって返ってくるタイプではないので、その辺は楽観しているが。
 楽観できないのは、今これからくるであろう状況だ。ヘタをすれば仕事どころではなくなる。
 それでも、これ以上先延ばしにしていては、精神的に参って潰れてしまうだろう。

 観月はマンションの前で足を止めた。街灯だけが照らし出す道は暗い。自宅から十分。何度も来た、レンガ模様のマンションを見上げる。赤澤の部屋は四階の右端だ。無意識に跳ね上がる心臓をなんとか宥めて、ゆっくりと建物の窓を視線でなぞり上げる。そして落胆した。
 部屋が真っ暗だったのだ。
 腕時計を見れば十時過ぎだが、未だ帰ってないらしい。本当に大変な職業だと、改めて感じてそれを思いやれなかった自分を省みて嫌悪する。

 本格的になりはじめた、冬の匂いのする風に身を竦めて、ポケットに手を突っ込んだ。そこにある固い感触。

 ―――赤澤の部屋の鍵だ。

 ぎゅっと握ったら、氷のように冷たかった。
「……まさか、別れを切り出されて勝手に入るわけにも…いきませんよね……」
 何度も入ったことのある部屋だが、そこは常識としてやってはいけないだろう。
 エントランスの前で暫くうろついたあと、もう一度出直すかと、窓を改めて見上げた。
 そこでふっとした違和感に気づく。

「………?」

 暗いから今まで見えなかったが、窓にカーテンがかかってない。
 じっと目を凝らすと、窓際にはなにもないのがわかった。空のカーテンロールだけしか確認できなくて、寒さのためでない悪寒が背中を走る。慌ててエントランスに入る。ポストの並ぶ所に目を走らせて、唖然と立ち尽くした。
 少なくとも一ヶ月前まではあった『赤澤』という名札が無い。
 昨今は名札を出さない者も増えているが、郵便物が間違われると困ると言って赤澤は出していた。―――それが、無い。
 観月は踵を返して、エレベーターを待つのももどかしく階段を駆け上った。四階に着いて、目的のドアの前に急ぐ。異様に心拍数が上がっていた。それを運動不足のせいにして、ドアの前に立つ。

 ―――ここにも名札が…無い。

 ごくり、と咽を鳴らして、震える手を叱咤しながら鍵を差し込んだ。

 チャリン……

 コンクリートの廊下に、小さな金属音が響く。
 見つめていた取っ手から、ゆっくりと下に視線を移して、信じられないように落ちた鍵を凝視した。
 入らなかった。鍵が変わっていた。

 導き出される答えはただ一つ。
 観月は崩れるように、ドアの前に膝をついた。

「なんで……」

 そこに赤澤は二度と帰ってこない――という事だ。

 

 

 どこをどうやって帰って来たのかはわからない。
 それでも何とか、観月は己の部屋に入り、へたりこんだ。
 混乱した。一体なにがどうなっているのかがわからない。
 いや、本当はとても単純なことだと、もう一人の自分が冷静に指摘してくる。
 別れを宣言された。知らないうちに引っ越された。
 ―――赤澤は自分の前から、姿を消した。

 自分の側に戻ることは、決して無いというあからさまな現実がそこにあった。
 信じられない。どうしても信じられない。
 最後はどうあれ、彼は優しかった。
 あの日、久し振りに求められた時。やはり期間が空けば、受け入れるには辛くなる躰を、彼はとても丁寧に宥めてくれていた。 優しく、労るように。そこに愛がなかったとはとても思えない。
 十代の頃と違って、そう会えばがっつくようなことはもうないし、性急に求められることもなかったが、その分肌を合わせる時間は長くなっている。そこに、降り積もった愛情を、いつも直に感じていた。
 それが全部嘘だと、最後のあれがお情けだと……?

 おかしいくらいに震える手で、携帯を取り出す。登録先を映して『バカ澤』のところを選んだ。
 口から心臓が飛び出そうになる。しかし、観月は勢いで通話を押した。
 耳元には恐くてもっていけないでいたが、音はまるで観月を逃さないが如く、しんとした部屋に大きく響いた。

『――――プ。お客様のおかけになった電話番号は現在……』

 慌てて切った。そのさいに携帯を取り落とす。ゴトリと、床に落ちて転がった。
 液晶が暗闇の中異様に明るく輝く。だがそれも、暫くして消えた。
 そのまま、観月は朝まで動けなかった。

 

 

 

 

 壁に背をあずけて、ぼんやりと明るくなってきた部屋を眺める。 カーテンが陽を浴びて仄かに光っていた。
 外からはしきりに鳥の囀りが聞こえる。
 近くに川があるので、この辺は鳥が多い。うっかり朝方に目を覚ますと、煩くて眠れなくなるほどだ。
 なのに今はえらく遠くに聞こえる。
 冷たくなった部屋で、なんとなく昔のことだけを思い出していた。
 部屋を出てすぐの川を越えれば、十代の内五年間を暮らした町がある。大学に進学した時に一度離れたが、社会に出てから懐かしさとすごしやすさに惹かれて戻ってきた。最初は世田谷の方に住居を探そうとしたのだが、近くに一緒に住もうと決めていた赤澤が川を隔てた川崎の方が、福利厚生がしっかりしているからと選んだのだ。
 何かを思い出せば、必ずおかしなぐらいに赤澤へと繋がった。 学生時代を思い出せば、殆ど傍らに彼が居たと言っても過言ではない。

 初めて出逢った時。全国に行けずに悔しかった時。負けては泣いて、勝っては喜んで。高等部に上がり、全国まで行けたはいいが、最高でベスト8止まりで。どうすれば勝つのか、どうすれば強くなるのか。それのみを追い求め過ぎて、時には部員の反感を買うこともあったが、常に赤澤が間に立って緩和してくれていた。自然と赤澤が気になって、彼の不器用だけれど率直な優しさに気づいて。
 ただ自分はずっと、後悔しない生き方を、捨てるだけでなく、拾う生き方を、持ち歩く力が欲しかっただけなのだ。
 それなのに利口な分、損をしている。世の中なにも知らないバカほど気楽に生きられるのだと、いつも感じていた。が、それは単なる僻みなのだと気づかせてくれたのは赤澤だった。
 だからこそ惹かれたし、同時に奔放に生きる彼が恐かった。

 肝心なことは何も言えない自分はいつか呆れられて、捨てられる。その卑屈な自分が嫌でたまらずに、結局は投げ捨てたのだ。

 どうせ投げやりになるのなら、と前々から興味のあった留学を敢行した。結果としてそれはとても良い経験となった。

 場所が変われば人も変わる。生活習慣も考え方も違うイギリスに行き、色々と思い知らされたものだ。どこの国でもそうであるように、ニュースをつければ、毎回どこかで(それはとても身近な場所だったり)人が簡単に殺されているのがわかる。
 その度に暗雲とした気持ちで、テレビを見ていたものだった。

 ―――自分がこんなところであっさりと殺されたとして、一体誰が見つけてくれるんだろう。なんとか死体は日本に行けるだろうか? だが、日本に家族と呼べる者はいない。誰が弔ってくれるだろう。

 観月には両親が居ない。小学五年生の時に、交通事故で失っている。二人揃って即死だった。
 その後は父方の叔母夫婦に引き取られたが、明らかに邪魔者だったのは肌でひしひしと感じていた。叔母は良い人なのだが、いかんせん旦那や旦那の家族の手前、肩身の狭い思いをしていたらしい。両親のどっちかに男兄弟が居たなら良かったのかも知れないが、あいにくと父には妹しかおらず。祖父母も既に他界していたのだから仕方がなかった。母方にいたっては親戚すらわからない。のちに知ったが、母は施設育ちだったようだ。
 二人がどのようにして出会い、愛を育んだのかは知らないが、観月にとっては仲の良いとても優しい両親だった。そして最後まで仲良く一緒に逝ってしまったわけだ。
 子供だけを残して。

 鬱屈とした日々を過ごしていた、中学一年の時だ。小さい頃から通っていたテニススクールだけは、なんとか続けさせて貰っていた観月はそこでスカウトされた。
 何かと金銭面で免除をされる特待生は、棚から牡丹餅この上ない。一も二も無く承諾すると、都内へと出て来た。
 お盆と年末だけは叔母夫婦の下に戻ったが、いろいろと理由をつけては三日以上滞在したことはない。そして叔母夫婦も引き止めることはなかった。
 十八になると同時に、両親の残してくれていた貯金と保険金を受け取って観月は大学に進学し、留学も実現したのである。
 ホームステイ先の老夫婦はとても良い人達で、観月はステイ期間が過ぎても自分で金を払って居座った。長期でも十ヶ月ぐらいが普通らしいので、これは異例だったろう。実際ホームステイでのトラブルはよく聞く。お金目的で何人もの学生を要している家もあるようだが、観月の滞在先は本当にボランティアだからと、最初は金も受け取って貰えなかった。その間アダルトエディケーションやカレッジのショートコースなどにも通った。

 もともと寮生活が長く、自分の事は自分でするクセがついていたのも良かったかもしれない。とにかく観月は留学をして良かったと心から思ったものだ。

 だが、ふいに日本を恋しがる自分が居る。どうしても――捨てたはずの思いを胸に抱えたまま、気づかないうちにそれは澱のように溜まっては重みを訴えた。

 自分が死んだ時―――あの男は泣いてくれるだろうか…

 そればかりを考えていた時期もある。
 女を知らないのがいけないのかも知れないと、カレッジで出会った女性と一度だけ関係を持ったこともあった。
 しかし、一度きり。躰の快楽は得られても、心がそこについていけなかった。
 男で試してみる気は元から起きない。それこそが、特別だと思い知った。
 どれぐらい自分が赤澤を大切に思っていたかを…あの男にだけはいつも本音を曝け出せたことを…。

 それを自分から捨てたのだ。ただ、捨てられることを恐れて。
 なんて臆病で卑怯なのだろう。
 こんなにも、こんなにも自分は彼が特別だったのに。
 自国では当たり前でも、他の国では全然違う考えや習慣がある。
 自分の考えをはっきり言わない日本人は何を考えているのかわからず、気味悪がれるのがもっともな例だ。
 だからこそ、己の気持ちを正直に言わずに、相手の配慮だけに頼ってきた今までの関係を思い知り、恥じ入った。
 成田に降り立った時。久し振りの日本への郷愁も、別れがたかったイギリスへの感慨もがごちゃまぜになっていて、そのままの勢いで赤澤の元を訪れありのままをぶつけた。住所は留学前に、お節介な柳沢がメモに書いてくれていたのがあったから、そこから引っ越してないことを祈り電車を乗り継いだものだ。
 我ながらなんて恥知らずで、大それた行動だったろうかと、思い返すだけで顔が赤くなる。
 玉砕覚悟で赤澤の元に戻ったら、なんだか上手くいってしまって一番信じられなかったのは自分だった。

 ……その行動力が無ければ、赤澤とよりを戻すことはできなかったろう。

 

 観月は焦点を掛時計に合わせる。
 一晩中、思い返して、初心を取り戻した。

 後悔しない生き方を―――玉砕元々は、あの頃だってそうだった。
 別れるにしても、きちんと理由が知りたい。
 そうでなければ、自分はずっと前には進めないだろう。

 日が昇った。

 温かい日差しが自分を包むと同時に、勇気を奮い立たせる。
 腹は減ってなかったが、おとといから何も食べていないのを考慮して、パンを一枚だけ焼き、コーヒーで飲み下した。
 じりじりとした感覚を持て余しながら十時まで待ち、初めてかける番号を押す。

『―――――はい。おはようございます。Y本社、営業課の堀井です』
「あ…あの…。観月と申しますが、そちらに赤澤はおりますでしょうか?」
『赤澤ですね? 少々御待ちくださいませ』
 年若い女が答えると、かろやかな保留音が流れた。冷静になったつもりでも、早まる鼓動はどうにもならない。 この保留が終ったと同時に赤澤の声が聞こえるかもしれない。もしかしたら、自分の名前を聞いて切られるかも知れない。
 不安と期待をないまぜにしながら、短くも長く感じる時を待った。

 保留音が途切れる。息を詰めた。

『御待たせ致しました。申し訳ありませんが、赤澤は退職いたしております』
「――――えっ? た、退職って…辞めたってことですかっ」
 思いもよらぬ返答に慌てた。まさか、と耳を疑ったが相手ははっきりと『はい』と答える。
 しばし呆然とした。
「そんな…何故ですか? 彼は何故辞めたんですか!」
『―――それはお答えはできません』
 冷たく突き放されて、言葉に詰まったところに『それでは失礼致します』と切られた。
 おかしい、とここで観月は並々ならぬ以上な事態に戦慄する。 自分の近所に住んでいた赤澤が、別れたと同時に引っ越したのも、携帯のナンバーを変えたのも納得はいく。
 だが、自分から逃れるために仕事まで辞めるものだろうか。 しかもその仕事を、彼は誇りとしていた。
 文句なしの花形企業である。
 では何故?
 何故仕事を辞めたのか?

 訝しげに眉を潜める。
 そこをまるで見計らったように携帯が鳴った。思いがけない大きな音に肩が跳ね上がる。
 曲は観月にはてんでわからない、流行の歌で、毎回勝手に設定を変えるのは木更津と柳沢だ。
 
軽快なメロディに舌打ちしながらディスプレイを見ると『不二裕太』とあって驚く。

「――――もしもし?」
『あ、おはようございます。観月さん。朝早くからすみません』
「珍しいですね、裕太君。…どうしたんですか? 全豪オープンも近いでしょう」
『はい、そろそろ合宿に入ります』
 語尾に車と人の喧騒が重なったので、どうやら出先らしい。突然の後輩からの電話に首を傾げる。裕太は中学時代に観月が目をつけてスカウトし、青学からルドルフへと編入までさせた、一番可愛がっていた後輩であった。躰のできていない中等部時代は、あまり力を発揮できなかったが、高等部へと上がるとめきめきと才覚に体格が追いつき、力をつけて個人戦では全国の常連となっていた。いつも天才と呼ばれた兄の影に隠れていたことに少々卑屈になりやすかった少年も、その頃には己の胸を堂々と張って戦っていたものだ。
 努力を惜しまない、そんな彼に観月はあらん限りの手を貸した。まあ柳沢あたりに言わせると、その愛情は屈折していて大変わかりにくいものであったが。当の裕太が純粋に感謝していたのだから、構わないだろう。そしてその甲斐あってか、裕太はH政大学に進み、プロのテニスプレイヤーとなった。現在日本テニス界は、越前リョーマを筆頭にかなりの実力者揃いで世界にひけを取らない選手が活躍中である。その中の数名は観月も直に知っている選手が多い。今更ながらにこの世代は特殊だったな、と感じ入る。
 有名になったとはいえ、裕太の性格は変わることもなく。今でも部の先輩や後輩との仲は続いているようだ。特に観月のことは慕っており、何かといえば連絡をくれる。
 しかし朝も早くからとは初めてかもしれない。

「そうですか、応援してますよ。頑張って下さいね」
『ありがとうございます。―――それで…その聞きたい事があるんですけど……赤澤先輩が会社辞めたの知ってます…か?』
「え……どこでそれを……」
『やっぱり知ってましたか。一体どういうことですか? オレ昨夜Y社の営業と飲んでたんですけど、そこで聞いたんですよ。理由を聞いても「一身上の都合らしい」とかみんなも知らなくて…何があったんですか?』
「ああ、君はY社の契約プロでしたね。…一身上の都合って言ったんですか?」
『はい。いきなりのことで、本当にびっくりしちゃって……観月さんなら何か知ってるかと思って』
「―――……」

 観月は押し黙る。赤澤が仕事を辞めたのさえ知ったのはつい先ほどなのだ。一身上の都合とも知らなかった。
『それに…ちょっと気になることもあるし……』
「気になること?」
 携帯の向こうから躊躇いが伝わってくる。
『その…先月高等部時代のテニス部員で飲んでた時なんですけど』

「ああ、僕と木更津は仕事で行けませんでしたけど、結構集まったんですよね」
『ええ、かなり盛り上がって大変でした。赤澤先輩も始終笑ってて、一人一人と話をしてたようでした。でも、暫くして気づいたんですけどお酒好きの先輩が殆ど飲んでないで、酌ばっかしてたんですよね。飯も全然食ってなかったし…なのに、もう皆が出来上がった頃かな。トイレに行った時、個室からうめき声が聞こえて…赤澤先輩だって気づいて大丈夫ですかって聞いたんですよ。中で吐いてたみたいで』
「吐いてた? 酒も飲んでないのに?」
『はい。びっくりして、何度も帰るよう勧めたんですけど「ちょっと体調が悪いだけだから、たいしたことはないんだ」って言って結局最後まで居たんですよね』
「体調が悪い……」
『あの…まさか何か病気なんてことないですよ…ね?』

 不安を隠し切れない相手の声音に、観月の息が止まる。

 ここ数ヶ月の赤澤を思い浮かべて、彼の体調の如何を考えるもよくわからない。
 しかし、よくよく考えると食事の量が少なくなっていたようにも思う。ただ彼は、多忙で不規則になりがちだから、変な時間にたくさん食べてしまうんだと、言っていた。
 それを観月は疑うことなく信じていたのだ。

 とても嫌な予感した。
 初めて会った頃から健康だけが取り得のような男だ、知りうるだけでも風邪で三日間倒れたのが最長だったろう。

『観月さん?』

 はっとして考えを慌てて中断した。とにかくこれから大きな大会を控える裕太に心配をかけらない。
「病気って、あんな殺しても死なないような男がしますか? ちょっとこの頃僕も仕事が忙しくて会ってないんですけど、近いうちに会いますから。そしたらまた連絡入れますよ、裕太君」
『あ、はい。赤澤部長のこと、よろしくお願いします』
「部長って…貴方も部長だったでしょうに」
 昔ながらの呼称が癖になっている裕太に苦笑を漏らす。
『や…だって、やっぱりオレにとって部長と言えば赤澤先輩だから……』
「わかりました。そう伝えておきます。貴方も変な心配はしないでグランドスラムで越前リョーマを打ち負かすことに専念なさい」
『かなわないな…観月さんには…』

 そう二言三言交わして、観月は携帯を切った。
 そのまま暫く考え込む。


 観月はゆっくりと立ち上がると上着を着込み、部屋を出た。

 








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