「なぁ、佐奈」
「なに?」
「お前ってさぁ、501なの?」
一瞬の痙攣のあと、僕、日ノ内佐奈はガチンと固まってしまいました。その、たった三桁の数字には、佐奈のことを凍りつかせるだけの魔力がありました。
「なんだよ、501って」
「なになに〜?」
放課後、まるで物置のようにとっちからった文芸部の部室。少ない部員でトランプなんかやってるそんな時、悠紀は突然、ちょっと思い出したかのように発言しました。
そんなはずはありません。悠紀はずいぶん前から気づいていて、今、最悪のタイミングで発言したのです。
一緒にゲームを楽しむ先輩達には、もちろん意味なんて分かりません。いや本来、絶対に誰にも分かるはずがないのです。
……まさか、こんな近くに佐奈の正体を知る人があらわれるなんて思いませんでした。
「……あ、……あぁ」
ショックのあまり、佐奈は息が詰まってしまいました。目は確かに開いているはずなのに、視界が暗転していきました。歯の根は全然かみ合わなくなって、カスタネットのようにカチカチと鳴りだしました。
破滅する……。佐奈は本当にそう思いました。
今にも泣き叫びそうだった佐奈を、悠紀は慌てて外に連れ出しました。ドアをまたいですぐ、佐奈はヘナヘナと冷たい床に座り込んでしまいました。
「う……うああぁ……」
佐奈は前後不覚になっていました。パニック寸前。頭の中がグルグル回っていて、本当に気が狂いそうです。
「悪い、佐奈……。もうちょっと、上手く誤魔化すと思ってた。お前、反応分かりやすすぎ……」
「誤魔化すって……、悠紀、どこまで知ってるのぉ……?」
「このくらい」
悠紀はポケットから携帯電話を取り出しました。待ち受け画面には、セーラー服の女の子が映っていました。
その娘は、顔は隠れているけれど自分でスカートをまくって、チンポをさらけ出していました。お尻には不器用に突っ込んだバイブまで見えていました。
こんな女の子、存在するはずがありません。それは間違いなく「佐奈」でした。
「ふ……ふぐうぅ…………」
佐奈はそのまま、床に突っ伏してしまいました。
「あー、ここで撮影してたのかー。この白いシーツ、壁に貼ってたのな」
悠紀はウチに来たいと言い出しました。もちろん、佐奈には逆らう事なんてできません。悠紀は佐奈の全てを知っています。自分からさらけ出していたものですが、正体がばれてしまったら、もう終わりです。
悠紀は、佐奈のことをどうするつもりなんでしょう……。佐奈はすでに半泣きで、おもわず鼻をすすってしまいました。
「そんなビビるなよ。別にどうこうしようってワケじゃ、ないとは……言い切れないけど」
……佐奈には悠紀の一挙手一投足、いや、言葉の一つ一つまでが恐怖でした。
そして、どうしてもこの疑問を聞かないわけにはいきませんでした。
「どうして……、分かったの? 佐奈の正体……」
「なんとなくだよ。ほら、お前って肩とふくらはぎにホクロがあるだろ。体育の時、見えた。あそこにアップロードされていた501タンの画像も同じだった」
「そんなことで……」
「それだけじゃないよ。ほら、佐奈ってすね毛ないじゃん。女装する奴で、すね毛はやしてたら興ざめだもんな」
「あ、うん……、」
「で、体つきも似てるし、もしかしたらと思ってカマかけてみた。まさかぶっ倒れるとは思わなかった」
そうか、顔を隠してるだけじゃ駄目だったんだ……。佐奈は、猛烈に反省しました。迂闊な自分を心底呪いました。
佐奈は某大手匿名掲示板で、女装の写真を晒していました。
始めはお姉ちゃんの服をちょっと着て、写真をアップしていただけでした。でも「オナニーしてみて」「射精してみて」とレスがどんどんついたことで、調子に乗ってしまいました。
ちょっと白い液が先っぽについていただけで反応がありました。面白かったので、お母さんが鏡台の奥に隠していたバイブレーターを、チンポになすりつけてみました。やっぱり、すごく反響がありました。
どんどん増えていくレスの数。たくさんの人に見られているという満足感。全てが佐奈の性的欲求を満たしてくれました。
佐奈は昔から女の子の格好が好きでした。ときどき、お姉ちゃんの服を勝手に着ては、誰かにこの姿を見て欲しいと思っていました。でも、常識的に考えて、そんなことが許されるはずありません。
だから、匿名で写真を晒して、たくさんの人に感想をもらえるこのシステムはまさに理想的でした。……そう、今の今までは。
佐奈は501という初めに投稿したレス番号をハンドルネームにしていました。ファイルを開くときのパスワードも同名だったため、「501タン」でそのスレでは名前が通っていました。
最近では、お父さんのビデオカメラを借りて、動画までアップしていました。おちんちんをしごいたり、指やバイブをお尻に入れたりまでしていました。局部をアップで映して、射精の瞬間を撮ると、死ぬほど気持ちよくなれました。
でも、もう駄目です。まさか知人、しかも同級生に知られるとは思いませんでした。
「……佐奈のこと、どうする気なの?」
「うーん、これがエロ漫画なら『ネットに晒すぞ、ゴラァ!』なんて脅迫するんだろうけど、意味無いよなぁ。とっくに晒していたわけだし」
佐奈には、返す言葉もありません……。
「とりあえず、佐奈は俺の言うこと、なんでも聞いてくれるんだ?」
「……聞くよ、……しょうがないもん。全部ばれちゃったんだもん」
「そっか……。じゃあ、お願いがあるんだ」
「なに?」
「いつものヤツ、見せてよ。あんな20秒の動画じゃなくて、最初から最後までさ。はは、生で女装オナニーショーだ」
眩暈がしました。見慣れた部屋が大きく歪んで、まるで異次元に迷い込んでしまったかのようでした。
「……いいよ、入ってきて」
「失礼しまーす」
着替えの最中は、部屋を出てもらいました。悠紀はとっくに佐奈のおちんちんなんか見ているのに――射精するところまで見ているのに、それでも、恥ずかしいものは恥ずかしいのでした。
悠紀もあっさり言うことを聞いてくれました。着替えるところも見たいって言えば、佐奈は逆らわなかったのに……。
悠紀のリクエストは、待ち受けにもしていた「セーラー服」でした。佐奈はお姉ちゃんの昔の制服を押入から引っ張り出して、むりやり袖を通しました。
佐奈も背は高くありませんが、お姉ちゃんもチビ助さんです。服のサイズは少し小さめで、どうしても太ももが大きく露出してしまいました。
佐奈は恥ずかしくてスカートの裾を掴んで下に下ろすけど、今度はおへそが出てしまいました。佐奈はなんだかモジモジしながら、悠紀の前に立ちました。
「うわあぁ……、やっぱ首から上がついてると違うわぁ……」
「気持ち悪い?」
「……いや、怖いくらい似合ってる。本当に男だよな……、佐奈」
「よく知ってるはずじゃん……」
「男がスッピンで、なんでこんなに可愛いのかなぁ……。俺には理解できないよ」
「………………」
まあ、幾分お世辞とかも入っているのだと思います。よく考えてみれば、あんなスレッドを覗いていたくらいです。悠紀だって変態さんです。
それでも、可愛いなんて言われて少し嬉しくなっちゃっているんだから、佐奈も相当なものだと思います。やっぱり佐奈って、こういうのが好きなんです……。
「じゃあ、始めようぜ。シーツの前に座ってよ。カメラ借りるな」
「うん……」
ビデオカメラは佐奈の机の上に、三脚をセットしたまま置きっぱなしでした。悠紀はそれを床に立て、ファインダーをのぞき込みました。
佐奈は言われるまま、白い背景の前に膝立ちで座りました。いつもなら喜んで股間を開いているところですが、今日はさすがに内股気味になってしまいました。
「顔、映すよ。このファイルは俺のものだしな」
「絶対にアップロードなんてしないでよね。そんなことされたら、佐奈、本当に死んじゃうから……」
「こんなおいしいもの、タダで他人に見せてやるほど、俺の心は広くないね」
「ちょっと……、お金取るのなんて、もっと駄目だからね!」
「大丈夫、絶対に人に見せたりしないよ。家宝にする。永久保存」
それはそれで、イヤです。
「そんじゃいくよ、録画!」
軽い電子音がカメラから鳴って、RECの赤いダイオードが光り始めました。
もう、本番がスタートしてしまったようです。
「え、……えぇ?」
突然のことで、佐奈は何をしたらいいのか分からなくなってしまいました。思わず空中で手をあたふたと振ってしまいます。
見れば、悠紀はカメラの向こうでスカートを持ち上げるゼスチャーをしていました。どうやら、自分の声は記録に入れたくないようです。
佐奈はいつもの手順を思い出しました。そうか、オナニーをするには、まずスカートを上げなくっちゃ……。
左手で裾をめくると、ショーツの中にはガチガチに勃起しているペニスが透けて見えました。カメラ越しの視線は、佐奈を無意識のうちに狂わせていたようです。
「ああぁ……」
佐奈は声を震わせながら、少しずつ、ショーツの端を引き下げていきました。
硬くなった陰茎がはみ出しました。皮を被ったそれはショーツのゴムで大きく弾み、ビクビクと脈拍に合わせて震えています。
佐奈は少しずつ指を伸ばして、熱くなった肉棒を握り締めました。
「ひっ……?! うあぁ、あぁっ! あああぁっ!」
まだ、さすってももいないのに、触れただけで腰が跳ねました。まるで、ペニスの表面全てが粘膜になってしまったかの様です。佐奈は、とんでもなく興奮している自分に気づきました。
佐奈は悠紀を見ました。悠紀の息もとてもせわしなく、荒いものになっていました。佐奈の視線に気づくと、悠紀はゆっくりと腕を上下させ、「こすれ」と合図しました。
佐奈はおそるおそる手を上下に動かし始めました。
「あぁっ……、んっ! んうぅっ! ふうっ……、はぁっ!」
甲高い、とても男の子とは思えない声が漏れてしまいました。切なげな喘ぎ声は、まさに女の子のそれでした。
自然とペニスとこする手の速度が上がっていきました。腰がイヤらしくクネり始め、お尻の肉が上下に揺れました。
思わずスカートを掴んでいる左腕に力が入ってしまいました。裾が皺になってしまうけど、そんなことを気にする余裕もなくなっていました。
もの凄い快感です。今までのオナニーの中で、本当に一番気持ちいいのです。そして、人に直接見られているというだけで、こんなになってしまう自分がとても恥ずかしいのです。
その時、カチャカチャと金属をあわす軽い音がしました。見ると、悠紀が腰のベルトをはずしていました。
ズボンがスルッと下がり、柄物のトランクスがあらわれました。それもすぐに引き下ろされ、悠紀の勃起したペニスがあらわれました。
そして、悠紀も一緒にペニスをこすり始めました。
「ゆ……悠紀……、あぁっ! うああぁ……!」
目の前のとんでもないおかずに、佐奈は思わず喘いでしまいました。他人の勃起したペニスを生で見るのは初めてのことでした。
悠紀のペニスは佐奈のものより少し大きくて、先端からはトクトクとカウパーが漏れ始めていました。
悠紀もとても気持ちよさそうでした。彼は目を細めながらも、佐奈の揺れる股間をずっと見つめているようでした。
佐奈の興奮はさらに高まってしまいました。頭は脳の神経が焼き切れそうなくらい熱くなって、肩がワナワナと震えはじめました。
「や、やあぁ……、もう……、もう出るぅ……! イくよぉ……、イっちゃうよおぉっ!」
まだ始めて2分も経っていないのに、佐奈はもう絶頂寸前になってしまいました。少し気を緩めただけで、精液が漏れ出してしまいそうです。
佐奈の訴えに、悠紀は自分のモノをこすりながらも、首を横に振りました。唇が「まだだめ」と動いています。
悠紀はまだ、射精まで快感曲線が上がっていないようでした。でも、顔は真っ赤で、目も少し潤んでいました。
悠紀も懸命でした。その手の動きはとても速くて、佐奈に追いつこうと必死に見えました。
だから、佐奈も耐えました。手の動きはどうしても止められないけど、せめて首を振って、目をつぶって、歯を食いしばって我慢しました。
「ぎぃ……、くううぅっ!!」
顎が反り返り、背筋がガクガクと震えました。佐奈は身をよじり、足の指先をつりそうになるくらい折り曲げました。
佐奈は、悠紀が速く追いついてくれることを、心の底から祈りました。
速く、速く追いついて……、一緒にイってえぇっ!!
やがて、悠紀もお腹を大きく波打たせながらカクカクと腰を振り始めました。いよいよ、二人とも限界です。
悠紀が頷き、それが合図になりました。佐奈はついに、ギリギリまで張りつめていた理性の紐を切りました。
「……で、出るっ! 出るうぅっ! いぃ、イくっ、イっちゃうぅっ! うあああぁっ!!」
ドビュウウゥゥッ! ビュクン! ビュルルウゥッ! ビュンッ! ビュウウゥゥッ! ドビュウゥッ!
ブビュルウゥッ! ビュクルウゥッ! ビュン! ビュリュリュリュウゥゥッ! ドピュウゥッ! ビュクン!
佐奈はカメラに向けて射精しました。まっすぐに打ち出された白濁は長くたなびき、敷かれたシーツに一筋の線となって落下しました。暴れたペニスはスカートの裏にも、さらに汁を振りまきました。
悠紀も同時に達して、煮えたぎった熱い樹液は真上に飛び散りました。悠紀は二度、三度と腰を震わせながら射精して、ガクッとひざまずきました。
佐奈も体から力が抜けて、後ろのシーツに倒れました。まだ、ペニスはビクビクとわなないていて、スカートの中で透明な液を噴き出していました。
あまりの快感に、佐奈は何も考えられなくなってしまいました。ただ、一緒に射精して、一緒に震えている悠紀が視界に映っていました。
「ゆうきぃ……」
思わず、名前を呼んでしまいました。佐奈にオナニーを強要しておきながら、自分も勝手に果てた無責任な少年が、なぜかとても気にかかりました。
「佐奈……、すごかった……」
悠紀は、熱に浮かされたような声で、佐奈に応えました。
悠紀は腰が抜けたのか、四つん這いになっていました。そして、ノソノソと佐奈に近づいてきました。
「ゆうき……?」
「……ずっと、こうしたかったんだ」
悠紀はカメラを越え、ついに佐奈の側までやってきました。佐奈達は射精の虚脱感に捕らわれたまま、ボンヤリと見つめ合いました。
「……何回も、何回もムービーを再生したんだ。……いくら射精しても足りなかったんだ。……次のアップデートまで、本当にドキドキしていたんだ」
「……ゆうき」
「そのチンポが……目の前にあるんだ……」
「ゆ、ゆうきぃっ?!」
悠紀は佐奈のスカートの中に頭を潜り込ませてきました。あっという間の出来事に驚く暇もなく、佐奈のペニスは柔らかい唇に挟まれてしまいました。
「ふあぁっ!」
悠紀は佐奈の肉棒をストローの様にすすり上げました。精液の残滓がむりやり吸い上げられ、佐奈はうめいてしまいました。
でも、甘い快感もここまででした。悠紀は佐奈の収まらないペニスをさらに口内でしごき上げてきました。
射精直後で敏感になったペニスは、触ることさえつらいのに、それを無理矢理フェラチオされたのです。佐奈の身体は灼けるような悦楽に引きつりました。
「ふぐううぅぅっ! や、やめっ……、やめてえぇっ! いやっ、いやだぁ……! あ、あぁっ! ふあぁっ!!」
息を詰まらせながら、佐奈は悲鳴を上げました。いくら体をひねっても、佐奈の太ももを掴む悠紀の両腕は離れませんでした。
背筋が弓なりに反り、足が勝手に悠紀の頭を挟みました。膝が交互に上下して、卑猥にくねりだしました。
「佐奈……」
悠紀の口が離れて、快感の波が一時的に収まりました。佐奈は必死になって悠紀に訴えました。
「だめぇ……、やぁ、休ませてぇ……。このままされたら……死ぬぅ……、死んじゃうぅ……」
でも、悠紀は僕の言う事なんて聞いてくれませんでした。
「あのさ……、空いてる腕は、おっぱい揉んでよ……」
「お、おっぱいぃ……?」
「佐奈の、かわいいおっぱいだよ……。そこまで手が届かないんだ……、自分で揉んでよ……」
「おっぱい」という、女性を現すキーワードに佐奈の脳は勝手に反応してしまいました。
よせばいいのに、言われるまま自分の胸に手を伸ばしました。制服の下には、とりあえずつけられたブラジャーと、触らなくても痛いくらい勃起していることがわかる乳首がありました。
指の腹で、そっと乳首をさすりました。
「きゃふうぅっ!!」
電気が走りました。胸から脳まで一気に快感が通り抜け、ビクンと佐奈の体が跳ねました。
信じられませんでした。男の子の佐奈が、おっぱいを服の上から触るだけで、こんなに感じるなんて……。
ブラジャーの下に、本当に膨らんだ乳房があるみたいでした。佐奈はたまらず、両手で薄い胸を揉みしだきました。
「やぁ、ふわあぁ……、おっぱいぃ……、おっぱい気持ちいい……、嘘ぉ……、こんな、こんなこと……」
制服の中でブラジャーがグチャグチャになっていくのが分かりました。それはまるで、本当に男の人に陵辱されているかのようで、佐奈の理性はどんどん壊れていきました。
「おっぱい……、おっぱいすごいぃ……! 佐奈、おっぱいあるよぉ? おっぱいあるぅっ!」
「佐奈……、お前、本当にすごいな……。マジで、女の子になったんだね……?」
「……うんっ、さ、佐奈っ、女の子だよおぉっ! ああぁっ! はあっ……、あぐうぅっ! ひいぃ……ふああぁっ!!」
佐奈は狂った様に悶え始めました。女の子だと一度認めてしまうと、もう後戻りができなくなってしまいました。佐奈は進んで裏声を出して、イヤらしい嬌声を上げました。
悠紀は再び、佐奈のペニスに吸い付いてきました。まるで母乳をねだる赤ちゃんのように、無心に佐奈の包茎チンポに舐めついてきました。
佐奈の腰が勝手に揺れ、悠紀の口に突き入れるように上下に震えだしました。悠紀はそれを全て受け止めて、さらにのどの奥深くで佐奈のペニスを締めつけました。
佐奈は制服の中に手を入れて、直接おっぱいを弄りだしました。硬いしこりになった乳首を摘んで、グリグリとひねりました。
「ふぐうぅっ! おっぱい気持ちいいぃっ! かっ、かはあぁっ! ちんちん……、違うぅ……クリトリスなのぉ! クリトリスもすごいよおぉっ! 佐奈のクリトリス、食べられちゃってるよおぉっ!」
佐奈は頭の中で、自分の身体をどんどん女の子に変換していきました。おちんちんはクリトリスだし、お尻の穴はおまんこです。そう考えるだけで、全身が痺れました。
ついに快感が大きな波になって、体の芯を突き抜けました。
「ふうぅっ! ふぐううぅっ! イくうぅっ! イくっ、イくっ、イくううぅっ!!」
ドビュウウゥゥッ! ブビュルウゥッ! ビュルンッ! ドビュッ! ドブビュウゥッ! ビュクン!
佐奈は腰を限界まで突き上げて、悠紀の喉奥へ射精しました。悠紀はとても苦しいはずなのに、無言で佐奈の精液を飲み干しました。
大きなアーチを描いていた佐奈の体はしばらく後に脱力し、腰がシーツに落ちました。スカートの裾が舞って、遅れて床に広がりました。
佐奈は必死になって、ゼイゼイと荒い呼吸をくり返しました。無理にでも肺に酸素を送り込まないと、本当に窒息してしまいそうです。頭が酸欠で上手く働かず、視界も妙にぼやけていました。
手も足も自分では動かすことが出来ませんでした。ただただ、圧倒的な快感に酔いしれるだけでした。
「佐奈……、気持ちいいの……?」
「うぅっ……、きもち……いい……、いいのぉ……、うぐうぅ……いいよぉ……」
「佐奈の、すごくおいしいよ……。俺、佐奈のを飲むだけで、気持ちいいよぉ……」
「……やあぁ、そんな……いやらしいこと……、いわないでぇ……」
「ゴメン、でも俺……まだ足りない……。もっと飲みたいんだ……」
「ふうぅ?」
「ごめんなぁ……、でも、止められないんだ」
そう言うと、悠紀はふたたび佐奈のペニスに食いついてきました。
「うぅ……うっ、うぐううぅぅっ!!」
衝撃で、世界が歪みました。本当に、死にそうなほどの快感でした。
発作的に全身を反り返りました。背筋から指先まで全てが引きつり、筋肉が小刻みに震えだしました。
悠紀は柔らかい舌にたっぷり唾液を含ませて、丹念に佐奈のペニスを口内で舐めていきました。
丁寧に皮を剥かれて、ひりつく粘膜に舌が這いました。カリ首と包皮の間をゾリゾリと舐められて、佐奈は呼吸が止まりました。
どうにか悠紀の頭を引き剥がしたかったけど、佐奈の体は全然動きませんでした。悠紀は糸の切れた人形の様な佐奈を、徹底的にいたぶり始めました。
とても丁寧なフェラチオでした。恥垢の一片さえも残さないように皮の中を吸いまくって、唇が何度も何度も上下に動きました。
佐奈の抵抗がないことが分かると、悠紀はお尻の穴にも指を伸ばしてきました。精液やら唾液やらで濡れた指はあっさりと肉環を抜け、佐奈の奥まで進入してきました。
「ああぁ……お……おまん……こぉ、……おまんこ……やめてぇ……」
佐奈は、まだ懲りていませんでした。ひくつくアヌスは、佐奈にとっておまんこでした。女性器をいじくり回されていると錯覚するだけで、佐奈はふたたび絶頂に押し上げられてしまいました。
佐奈の肉体はもう本当に限界でした。これ以上の快感は、本当にただの苦痛です。それでも、陵辱が終わることはありませんでした。
悠紀は佐奈の股間から顔を離しませんでした。ずっと肉棒をくわえ続けたまま、舐めて、舐めて、吸いまくりました。
悠紀の指は太ももを這って、内股を押して、アヌスをもてあそびました。キンタマまでさわさわと刺激され、佐奈はくぐもった悲鳴を上げるしかありませんでした。
直腸の中で鈎型に曲げられた悠紀の指は、ついに佐奈の一番感じるところを見つけ出しました。前立腺を直接爪で掻かれ、佐奈のペニスはただ反射的に精液を吐き出しました。
もう、精子はでていないようでした。精輸管をカウパーがダクダクと流れ続け、佐奈は止まらない射精感に苦しみました。
目にはもう何も映っていませんでした。世界は真っ白でした。ただ、佐奈は今、女の子に変身しているんだと思いました。これは、その為の儀式なのだと感じていました。
やがて、連続絶頂で壊れた佐奈のペニスは、プシュッと熱い液体を噴き出し始めました。
ジョロロロオォッ、プシュウゥッ! ジョジョジョオオオォッ…………。
佐奈は失禁してしまいました。大量のおしっこも、残らず悠紀に飲まれているようでした。
排泄の快感で絶頂に押し上げられたまま、佐奈の意識は薄らいでいきました。
……でも、これで佐奈は本当に女の子になれたんだと思いました。
モニターの中では、セーラー服の佐奈が恥ずかしげもなく悶えていました。
佐奈と悠紀は同じ毛布にくるまりながら、その光景を見ていました。
佐奈の汚れた制服は脱がされ、悠紀も汚物にまみれたシャツを捨てていました。佐奈は悠紀の膝の上に座らされていました。
佐奈はどうしても虚脱感がとれず、体を動かすことができませんでした。だらしなく悠紀にもたれながら、さっきまでの自分の痴態を見ていました。
悠紀はとてもやさしく後ろから佐奈を抱いてくれました。時々、佐奈の首筋を舐めたり、うなじの匂いを嗅いだりしていました。
「佐奈……、いい匂いがする」
「あのさぁ、佐奈、さっきおしっこ漏らしちゃったんだけど……」
「関係ないよ。佐奈の匂いは全部いい匂いだ……」
いっちゃってる……。やっぱり、悠紀も変態さんです。
モニターの中の佐奈が射精しています……。女の子が射精している不思議な画面を、佐奈達は惚けた目で見ていました。
「悠紀……、やっぱ変だよ」
「何が?」
「さっきのこと。どうして佐奈のこと、501って気づいたの?」
そう、どう考えても変でした。あれが佐奈だなんて気づかれるはずがありませんでした。普通は友達のホクロの位置なんて、知るわけありません。
その問いに対する悠紀の答えはとてもシンプルでした。少し恥ずかしげに、佐奈の肩に額を乗せながら、悠紀はつぶやきました。
「……佐奈のこと、ずっと見てたから」
なるほど、得心しました。そして、なんだか佐奈は悠紀のことがとても愛おしくなってしまいました。
倒錯した鑑賞会が終わった後も、佐奈達は抱き合い続けました。悠紀はずっと佐奈の体を撫でていました。サラサラした掌がとても心地いいです。
「ねえ、悠紀は女装しないの?」
「似合わないだろ、俺なんか」
「そうかな、佐奈は一緒にして欲しいんだけど」
悠紀はちょっと困った顔をしました。佐奈の言うことはなんでも聞いてあげたいみたいだけど、さすがに躊躇しているようです。
そこで、佐奈はもう一押ししてみました
「女の子の格好してくれたら、佐奈のバージンあげる」
「えっ! ま、マジ?!」
「そして、その場面を写真に撮るの」
「……こらこら」
でも、それが佐奈の恋愛の理想型でした。
「佐奈は本気だよぉ。……アップしたら、どのくらいレスつくかな。女装少年同士の本番写真♪」
「……20、30じゃ、きかないかもね」
「へへー」
佐奈は少し回復した筋力全てを使って、悠紀の首に腕をかけました。そうすると、悠紀の濡れた唇が見えました。
佐奈はそっと、自分の唇を押し当てました。
順番がメチャクチャだけど、これが佐奈達のスタートです。
これから、とても楽しそうです。こんな変態の佐奈を認めてくれる、変態の恋人がいます。佐奈をとっても愛してくれています。
二人でとったムービーがネットに流れます。世界中に佐奈達の愛し合う姿を見てもらえます。あはっ、すっごいドキドキします。
いっぱい、いっぱい、写真を撮ろうね。もっと、もっと、キスをしようね。
そして、一つのマウスを二人で持って、一緒にアップデートのアイコンにカーソルを合わせるんだ。
カチッとクリック!
みんな見て。佐奈の恥ずかしい、この姿。――ほら、とっても綺麗でしょ?
(了)