第四話 〜嵐の前の静けさ〜
『ピンボ〜ン』
辰実の家の前。ドアの横のインターホンを押す。少し長い事連絡がなかったさかい
心配になって来てみた。おらんかもしれんなぁ。先に携帯で連絡しとくんやった。
「よ、よぉ。和久・・・」
「なんや、おるんやないか」
ドアが開くと腹を押さえて真っ青な顔の辰実が出てくる。どないしたんや。
「辰実、オマエ顔色悪いぞ?」
「ん、ちょっと・・・お腹痛くて・・・」
それだけ言って顔をしかめる。ほんまに辛そうやな。
「とりあえず上がれよ」
「ええんか?体調悪いんやったら帰るで?」
「気使わなくてもいいって。ほら」
「わかった。じゃまするで」
部屋に上がると辰実は腹を抱えたままうずくまってしもうた。
「なんや、悪いもんでも食ったんか?」
「いや、そう言う訳じゃないんだけど・・・いたたた」
辛そうに身体を縮め込む。まいったで。病院に連れてった方がえんやないか?
「何か今朝から腰も痛くてさ・・・」
「困ったのお」
腹と腰が痛いか・・・・・・、もしかして・・・。
辰実、それ生理とちゃうんか?」
「へ?」
俺もようはわからんけど女の子が腹痛くなるっちゅーたらやっぱり生理なんと
違うんかな。辰実は今立派な女の子なんやし。
「そやろ?辰実が女の子になってそろそろ1ヶ月やし。月のものっちゅーくらいや
からそろそろなんと違うか?」
「う〜・・・、そんな事言われても・・・こんなの初めてだし」
確か前にどっかで読んだ事あるな。生理の時は腹を暖めるとええとか何とか。
「辰実、ちょっとこっちこい」
「へ?―――きゃっ」
辰実の身体を掴むとぐるんと反転させてあぐらをかいた足の上に座らせる。その
まま後から抱きしめる感じで腹の上に手を置く。
「か、和久。これは一体何の真似・・・」
「ええからちょっとじっとしとけ」
効くかわからんけど何でもやってみるのがええやろ。戸惑っとる辰実はとりあえず
無視してそのまましばらく抱きしめる。
「・・・・・・・・・」
よう見ると辰実は耳まで真っ赤にして照れとる。こう言う仕草は可愛ええなあ。
「どや?」
「な、何がだよ」
「腹や腹。まだ痛いか?」
「そんなの・・・あれ?少し楽になったかも・・・」
腹の前で組んでる俺の手を辰実が不思議そうに撫でる。ひんやりしてやらかい手が
気持ちええ。
「暖めるとええって聞いた事あったさかいな、試してみたんや」
「そ、そう言う事は・・・先に言えよな・・・」
「まあええやないか。効いたんやから万事OKや。もうしばらくこのままじっと
しとくぞ」
「・・・わかったよ」
強張っとった辰実の身体が俺に預けられてくる。これが幸せの重み言うんかなぁ。
「・・・・・・なあ和久」
「何や?」
しばらく二人共口も聞かんとじっとしとったら辰実がぽつりと口を開いた。
「じ、実は・・・さ、俺・・・この前その・・・」
「何や、ハッキリ言わんかいな」
辰実が言いにくそうに言葉を濁す。何かあったんか?
「桜子に・・・襲われちゃってさ」
「な、なんやて!?」
予想もしとらんかった言葉が返ってくる。桜子に襲われたってどう言う事や?
「襲われたて・・・エッチな事されてもうたんか?」
「・・・・・・・・・・・・」
辰実はまた顔を真っ赤に染めて黙り込んでしもうた。それにしてもまいったなぁ。
アイツの事やからいつか何かするんとちゃうかなと思っとったんやけど・・・。
油断したわ。
「流石桜子やなぁ・・・。俺もうかうかしれられんな」
「お、怒んないのか?」
「そりゃちょっとは悔しいけどな。どうせ無理やりやったんやろ。それに辰実は
何だかんだで押しに弱い所あるからな。抵抗しきれんかったんやろ」
「あう・・・」
図星だったみたいやな。辰実の言う通り怒るとかそんな気持ちは不思議と沸いて
こんかった。辰実だけやなくて桜子もノリも気に入っとるからなんかなあ。俺にも
ようわからん。
「辰実は桜子の事嫌いやないんやろ?だったら今はそれでええわ」
「い、いいのか?そんなんで・・・」
「今はな。せやかて俺も桜子に負ける気はないで。俺は辰実に惚れとるんやさかいな」
「んぁ・・・こ、こら・・・」
辰実の首筋に顔を埋める。シャンプーのええ匂いがするわ。
「・・・・・・その、生理中なんだったら・・・エッチな事は・・・しないぞ?」
「わかっとる。俺も流血試合はイヤやからな」
「ふぁっ・・・言ってる事と・・・やってる事が・・・違う・・・」
顔を首筋に埋めたままキスをする。正直生理中やわかって少しほっとしとる。
前はつい気持ち良くて中で出してしまったからなぁ。大当たりしとったらどないしよ
思っとった。辰実の事好きなんやったらちゃんとゴム買っとかんとな。悲しい思いは
させたない。
「か、和久って・・・手を置く所が・・・ちが――あんっ」
無意識に片手を胸に移動させとったらしい。あいかわらずおっきくて柔らかい胸や。
「ん?辰実、お前ブラジャーしとらんのか?」
「だって独りで家に居たから・・・ひぁっ――も、揉むなって・・・」
むにむにと柔らかさを楽しむように手を動かす。このマシュマロみたいなのにちゃんと
押し返してくる弾力っちゅーのはたまらんな。
「うぁっ・・・あっ、ふぁ・・・」
もうかたっぽの手を服の中に潜り込ませて直接触る。少し汗ばんどるな。辰実の
可愛い反応がみたくてついつい意地悪してまう。
「辰実、カチカチになっとるぞ」
「こんなにいじられたら・・・くぁっ・・・しょ、しょうがないだろ・・・んん」
服の上から揉んどる方からでも辰実の乳首が固くなっとるのがわかった。少しだけ
じらしたろか。乳首には触らんようにしてその周りだけをむにむにと揉み続ける。
「あっ、うぁっ、やぁっ・・・か、和久・・・くぅん」
辰実の切なそうな喘ぎ声が直接の頭に響いて来る感じでたまらん。た、楽しいな、
こりゃ。こうしてる時の辰実はごっつ女の子らしくなるっちゅーか可愛くなるっちゅーか・・・。
「ふぇ・・・あ・・・ひんっ・・・・はぁん・・・」
そのまま胸だけ揉み続けとると辰実の声が少し震えだした。あかん、泣かせてし
もうたか?
「辰実?」
「ふえぇ・・・和久のバカ・・・」
こりゃあかん、ちょっと意地悪し過ぎてしもうた。
「すまん辰実。もう止めるから泣かんといてくれ」
「ちが・・・う・・・もっとちゃんと・・・さわって・・・」
頭を金属バットでどつかれる感じっちゅーのはこれを言うんかなあ。この一言
は効いたで。
「ホンマに辰実は可愛ええなぁ」
「んくっ!ひあぁぁぁぁ!」
ぎゅっと辰実のカチカチになっとる乳首を指先で摘むとぐんっと辰実の背中が
仰け反る。ちょっと強過ぎたか?
「あっ!あぁっ!あうっ・・・ふあぁっ!ひぁっ・・・やぁ」
これまでと違って辰実は手の動き一つ一つに激しく反応してきよる。・・・何か
俺もたまらんくなって来てしもうたかな。でも辰実生理中やし・・・まいったなぁ。
「かずひさぁ・・・も・・・イク・・・・・・っ」
辰実の身体が突然ぶるっと震える。胸だけしかいじってへんのやけどな。
「あっ・・・あぁっ・・・ひあぁぁっ!」
でっかく喘いでつっぱったかと思うと辰実がグッタリと体重を俺にあずけてきた。
胸だけでイカせてしもうた・・・。ごっつい興奮するな。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・和久のエッチ・・・」
「すまんすまん。今日はもうせえへんから怒らんどいてくれや」
捲れ上がった服を直してやるとまた腹の上に手を置いてやる。
「ごめん和久・・・なんか・・・・・・眠くなってきちゃった・・・」
「おい辰実?」
「・・・・・・・・・」
さっそく静に寝息立て始めとる。ノビ○みたいなやっちゃな。それにしてもまいった
なぁ。俺の息子元気一杯になってしまっとるのにこの体勢で寝られるとなんもできん。
意地悪した罰やと思て我慢するしかないか。
・・・・・・しかし桜子か・・・エライ凶悪なヤツがライバルになってしもたなぁ
・・・・・・。