Birthday Card 4
めでたく試食できる分のクリームが出てきた、わーいv
…という思考回路には当然ならなかった。もうこれは絶対の絶対の絶対に陰謀だと悟浄は思った。何が嬉しくて牛乳クリームを全身に塗りたくらなければならないのだ。
「ああ、確かに耳には塗りませんでしたね。危うく耳にひびを切らすところでした」
八戒が心底感心した風な声を出し、その耳用のクリームまで平らげようとしていた悟空の機先を制する。
「ここの主人は用意周到ですねえ。細かいところまでよく気がつきます」
「そんなことより早く飯が食いたいーー」
感心する八戒の隣で悟空はじたばたと腕と足を振り回した。
悟浄はもう誕生日など二度とくるなと不可能なことをとりあえず神に祈った。しかし祈った直後、まさか神というのはあの両性具有のとんでもないキス魔だったりなまずひげだったりする神かもしれないということに思い当たり、そう祈ったことを激しく後悔した。事態が悪い方向へ雪崩を打っていきそうな気がしたからだ。
しかし、もうこれ以上悪い方向もなかなかありえないだろう。悟浄は観念して残り僅かのカードを引いた。
「料理はもうすぐできます。15分とお待たせはいたしません。すぐ食べられます。
早くあなたの頭に瓶の中の香水をよくふりかけてください」