□HAPPY MERRY BIRTHDAY TO YOU□


 あの金色の髪のコックは、ナミからのものなら何でも喜んで受け取るだろうとナミは思う。
 自意識過剰の結果そう思っているのではなく、そういうリアクションを取れば女の子を喜ばせることができるだろうとあのコックが思っていることがナミにはわかるからだ。
 自分の気持ちはともかくとして、とにかく自分に対して何かしてくれた相手がいたなら、その人を喜ばせることが彼にとっての至上命題なのだから。
「…でもそーいうのってさー…」
 相変わらずペンをぐるぐる回しながらナミはひとりごちた。
「サンジくんの気持ちがよくわからないから、返ってサンジくんに気を遣わせてごめんなさい、って気分になっちゃうのよね」
 ナミからのプレゼントを目をハートにして受け取り、ゴロゴロ転がっているサンジに向かってアホコックだのラブコックだの言っておけばサンジはそれで満足なのだ。
「…サンジくんに気を遣わせずに喜んでもらえてありがとうの気持ちも伝わるものがいいんだけど」
 それは大変難しい問題だ。ナミはしばらくため息をついてペンをぐるぐるぐるぐる回していたが、突然その手をばん、と木の机に叩きつけた。
「…あれしかないわ」
 何かすばらしいアイディアを思いついたらしい。勢いよく女部屋の扉を開けると、ナミはあっという間に階段を駆け上った。

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 サンジの誕生日まで毎日更新しますです。

2004年2月21日



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