□HAPPY MERRY BIRTHDAY TO YOU□ |
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黒い髪と黒い瞳を持つ麦藁帽子を被った船長には色々と驚かされてばかりだ。 ロビンはコーヒーを片手に古びてページとページがくっついてしまっている本を破らないように注意深くめくりながら改めてそう思った。 今まで生きてきて出会ったどの人間にも属さない人種。 こちらの常識など一切通用しない彼がとても面白かった。 以前何かの本で読んだことがある。 冠する者たる資質とは。 冷静な判断力でも秀逸な戦闘能力でも優秀な頭脳でもない。 その者と一緒にいるだけで胸が高鳴る昂揚感。 その者となら地獄の回廊を腕を組んで一緒に歩いていけるだろう輝き。 ロビンが出会った悪党の誰も持つことがなかった強い輝きを、自覚こそしていないだろうがこの船のクルーは感じ取っているのだろうとロビンは思った。 だからどんなに彼が非常識なとんでもないことを言い出したとしても、すんなりそれを受け入れ、どうにか彼の言葉を実現しようとするのだと。 慣れた手つきでコーヒーミルを回し、ロビン好みの絹引きにした香り高い豆を、注意深くドリップして絶妙のタイミングでロビンに出してくれるあの金色の髪のコックも全くその一人だろうということをロビンは確信していた。 →NEXT □□□□□ サンジの誕生日まで毎日更新しますです。冠する者に関しての元ネタは大好きなサラディーナーサより。おわかりになる方はぜひお友達になってください。 2004年2月22日 |