竜王古代篇2/(3-136さん)





もう一度抱きしめなおすと太真王夫人も彼の背中に手を回し、見つめ合えば愛しさに満ちた視線がぶつかり
ついばむような軽い口付けをくりかえす。彼女を湯から抱き上げると、軽くはだけた湯着の谷間に
水滴が流れ落ちた。
湯ですべらかになっている平らな岩に太真王夫人をそっと横たえさせ、肌に張り付いた薄絹をすっかり剥くと
内側から発光しているかのような美しい肌が現れ、青竜王の意識は急激に一箇所に絡め取られた。
体重を掛けないよう太真王夫人に覆いかぶさり、いつの間にやら伸びた彼女の髪をかき上げ、うなじに
そっと口をつけると、彼女のしなやかな体は若鮎のように跳ねた。
腰を抱き、これ以上ないほどに身体を近づけ、割り開いた唇から舌を差し入れる。
額が触れるほどの顔の距離で、熱く潤んだ瞳が交じり合う。
白く揺れる胸の頂に軽く口付けると甘い声が青竜王の耳をくすぐり、肌の甘美さに彼の脳髄は蕩かされた。
水滴が転がり落ちる先をそのままたどるように唇を下にさげていくと、淡い陰りにたどりついた。
そのまま可憐な花弁に口を寄せていく。

サラサラと流れる湯の音とは違う水音を恥ずかしく思いながらも太真王夫人は声をあげるのを止められない。
お互い経験もないことだが肌に触れる相手の熱が愛しくて嬉しくて、彼女もそっと彼に手を添える。
「くっ…」青竜王は優しく太真王夫人の手を外させると足を割り、熱を持った入り口に彼自身をあてがうと
ゆっくりと深く彼女に沈んでいった。
「あ、ああっ」
痛みよりも、結ばれたことが嬉しい。
目尻に溜まった涙をそっと吸い、胸の頂を摘まむと、太真王夫人の身体は弓なりに反った。
最初はお互いぎこちなかったが、互いに馴れるにつれて動きは滑らかになり、肌は熱く溶けていった。
温泉のへりに腰掛けた青竜王は上に乗った彼女の腰を支えると、顔をかたむけ深く口付けた。
あふれた唾液が彼女の細い顎を濡らす。淫らな姿でありながら、月光に照らされた白い裸身は彫像以上に美しい。
限界が近いと覚った青竜王は太真王夫人を深く胸に抱きしめると幾度も腰を突き上げた。
「っは、ああ、青竜王さ、ま」
(…愛している、誰にも渡しはしない。俺の、ものだ!)
愛する男の脈動を体奥で痛いほど感じながら、青竜王の胸に太真王夫人は倒れこんだ。
ゆるく胴にまわされた逞しい腕は優しいが、首筋にかかる息は熱く荒い。
そのささやかな刺激にさえ太真王夫人は身が震え、ひそやかな刺激を青竜王に送り返した。




…再び彼の竜は力を取り戻した。
彼女を後ろ向きに抱き抱え、水仙の茎を思わせる細い首筋に顔を埋める。
両の手は熟れた白桃よりも柔い双乳の重みを感じ、内ではあたたかく濡れた滑らかさに包まれ、
青竜王は美酒から口が離れぬ酔人のように、何度も口付けを白い肌に落としていく。
奥深くをぐるりと突く度に高く甘い声が漏れ出で、その声さえも味わうように舌を絡めると
切ない目が、彼女の快楽の深さを訴えてくる。深く結ばれた箇所に手を伸ばし撫であげると
いっそう声は甘く高く、体の震えは大きくなった。何度かの軽い頂点を迎えたあと、
糸が切れた人形のように太真王夫人の体は崩れ落ち、同時に青竜王も精を解き放っていた。

睦言を囁き合い別離を惜しむ二人の影は、山の端に月が架かる時分まで片時も離れなかった。

翌早朝、朝もやの中太真王夫人は都へ向かう竜王四兄弟と別れ、崑崙へと戻っていった。
まだ数日は共に行動しても良かったのだが、太真王夫人にはある予感があったのだ。





それから、竜種一行は地方の豪族の子弟という触れ込みで都の一学生の身分になりすました。
大量に持ち込んだ金子や調度品、彼ら自身の器量を見て、貸家の主人は快くそれを信じた。
青竜王は太真王夫人を火の粉から遠ざけるため、彼女も竜王家の邪魔にならないように連絡を控えたが、
二人ともに、あの月夜に結んだ時の気持ちをそのままに持ち続けていた。
牛種を倒し玉帝をお探し申し上げ、竜王家の汚名を雪ぎ、皆で太真王夫人を崑崙に迎えに行く。
これが至急の目的となった今、たとえ仮とはいえども“学生”ということに不満の声をあげていた
白竜王も、玉傘聖呪を一文字は多く覚えるよう、かなり前向きな気配を見せるまでになっていた。

ある夜、太真王夫人から宝貝で通信があり、気を利かせた紅竜王は下の二人を夕食に連れ出した。
三人が帰ってきた後も、変わらず戸が閉まったままなので開けて兄の様子を伺うと
すでに画像は消えているにも関わらず、そのまま青竜王は壁を見つめ続けている。
「どうしたのですか?兄さん」
前に回りこんで顔を見ると、目は赤く、膝に置かれた手は固く膝頭を握り締めている。
(まさか、振られた…!?)(そんな?!)思わず三兄弟、最悪の事態を想像してしまったが
「太真王夫人が…」
「…(ゴクリ)」
「俺との子を身ごもっている、そうだ」

兄弟が事態を飲み込むまで、しばし部屋の空気は固体化した。それを真っ先に破ったのが
「いーーやっほぉぉぉぉぉぉ!」
天井に頭が着くほどに高く飛び上がり、青竜王の両手を握り上下にぶんぶんと振る。
「やったね!おめでとう!あ、名づけは俺にさせてね」
「あなたは生まれる前から御子に不幸を負わせるつもりですか」
「そんな、人を疫病神みたいに言わないでくれる?」
「…妹だといいなあ」
「黒竜王、こういう場合は妹とは言わないんですよ。姪っ子です。つまり彼女からみたら」
「叔父さん、だね!」
「…ええ。そうですね、叔父さん…という呼び名で合ってますよ…」
「ふふ、まだ僕こんな年齢なのに叔父さんかあ、ふふ、叔父さんだって」
「…もういいでしょう、黒竜王…」
オトナな紅竜王は“いつ”なのかは察していたが、年少の二人の手前それは言わないことにし
「これはより早く太真王夫人を迎えに行かねばなりませんね」
「ああ」
「街のあちこちでこのような噂を耳にしました。都から十里は離れた皇族の別荘に
“前代の皇帝のご落胤”がいらっしゃるらしいと。しかもその話の出所が、宮廷で一年ほど前から
 派閥を広げて帝におもねり、いまや最大勢力となった一派だというのですから…」
「こっちは私塾で“官僚への一番の近道は高い徳より袖の下”だなんて耳に入ってきてるよ」
「定食屋の人も“税はますます重くなるし、大臣は次々に処刑されるしどうなるのやら”って嘆いてた」
「宮廷が乱れ始めた時期と、牛種が我らにあまり構わなくなった期間と、奇妙に一致しているな」
「ええ、これはどう考えたらいいでしょうね」
「…その噂の人が玉帝、というわけでもないだろうが、その別荘の位置は分かるか?」
「すでに聞き込み済みです」



早速、そこまで兄弟は様子を探りに別荘まで走った。彼らにとっては十里も一刻の距離である。
広い人工池に蓮が一面に浮かぶ、まことに瀟洒な造りである。その池に張り出すように設けられた
きざはしに人影が歩み出た。木陰に隠れた彼らのもとにまで伝わってくる波動には覚えがある。
(まさかこんなあっさり見つかるとはなー、やっぱり牛の脳みそじゃこれぐらいが関の山か?)
(罠という可能性を考えたらいかがですか?)
(今日は何の準備もしてきていない、また出直そう)

しかしてその三日後、その「玉帝かもしれないお方」から使いが兄弟の下へやってきた。
携えた手紙を読むと“こちらのほうが皇位継承権が高く、その証拠もある。だが何分手元不如意で
ただいま支援者を募っているところである。聞くところによれば地方の豪族とか、
帝位に就いた暁にはきっと相応の礼を尽くす。ぜひとも詳しく話をしたい”とある。
「…なんですか?この、三流脚本以上にベタなこの設定は」
「こちらが先日非公式に訪問したこと、とうに向こうは気づいていたんだろう」
「じゃあ、あそこで見た人影は?」
「偽者、か玉帝ご本人でいらっしゃるか…はてさて」
「当然受けるんだろ?この挑戦状」
「あなたは街で娯楽小説読みすぎですよ」
「せっかく向こうから招いてくれたんだ、せいぜい乗ってやるとしよう」

翌日、礼服をまとい手配した馬にまたがり兄弟は別荘地へと向かった。
お互いに手の内は透けている以上、このような装いも馬鹿馬鹿しいことなのだが仕方がない。
「むこうではお茶菓子に茶ぐらい、用意してくれてるんだろうな?」
「こちらのお行儀しだいでしょうね。毒見役はお任せしましたよ」
敵地に乗り込むという緊張してしかるべき時なのに、相変わらずの舌戦に末弟もクスクス笑う。
そんな下の兄弟のやりとりを聞きながら、こっそり嘆息していたりしたのだが(これが俺ららしいのかな)
と青竜王は思い直した。この世でなにより信頼しあえるこの四人、それに加わる一人の女性。
これから始まる戦いに負ける気などさらさらなかった。





ところが事態は急変する。
謁見に出てきた皇帝後継者だという人物は、意識をあやつられた単なる人間であった。
ここまでは予想通りであったが、その後、敵の急襲もなく別の部屋に丁重に通された。
「ほら、白竜王。お望みどおりに茶菓子が用意してありますよ。ご遠慮なく」
「俺だってさすがにこんな所で用意されたものにまで手をつけたりしないさ」
「以前よりちょっとは成長してますね。いいことです」
「ちっとも褒められた気がしないんだけど」

突然、四方に開け放たれていた扉が派手な音を立てて次々に閉まっていった。
「ようやくお越しなすったか」
ところが、これまた敵が侵入してくる気配はいっこうにやってこない。
扉の隙間から外をのぞき見ると、呪符が幾重にも貼り付けられている。
「これは?!」
四人の脳内に、地を這うような湿った声が直接語りかけてきた。
『天界から人界にまではるばる落ちてきて、まことにご苦労なことであった。
 だが、我らは人界より下、地界にて貴様らを待ち構えておったのだ』
「玉帝はいずこにおわす!!」
『それを教えるものがおるか、馬鹿め』
「地面にもぐっていたのなら牛と名乗らず、土竜とでも改名しなさいな」
「いやそれは土竜にも悪いし、なにより竜の字が汚れてしまう、蚯蚓がせいぜいだろう」
「蚯蚓は畑を耕す役に立つものなんだよ」
「うーん、それじゃあ何とあいつらを呼べばいいんだ?」
『ええい、貴様ら!!』

『まあいい、これから我らはお前らの手の及ばない、さらには妨害もさせない地へ赴くのだからな』
「どこへですか?いまさらお前らが身を隠せるところなど、どこにもありはしませんよ」
「竜一族の機動力と探査能力と、こちらの実力を知らないわけではあるまい」
『だが、時空にまで網をかけているわけではあるまい』
「まさか!」
『いくら玉傘聖呪であろうと、その結界が破れるには丸一日は掛かろうぞ。
 その隙に我らは時空を飛ぶ儀式を悠々と済ませて遥か飛んでいくという算段だ』
「ならば、なぜ我らをここに招いた!」
『知れたこと。何もできぬ無力感を噛み締めながら、お前らの言う正義が朽ちていく屈辱を
 その身に染ませてやりたい。ただそれだけのことよ』
反駁する動機も奪われ、邪悪な波動が去った後も重苦しい沈黙が四人の上に降ってきた。





それから四人は扉に体当たりもしたが扉は呪符で鋼鉄以上に固く閉じられているのを知ると
今度はこれからの対策を頭をつき合わせて話すこととなった。
「時空を飛ぶ、というのはどういうことでしょう」
「やつらなら過去に飛んで事象を改悪、とかやりかねないが、それはまず叶わないから無しだな」
「辰こう?(タイムマシン)は?」
「それで過去に行ったとして、果たして牛が地上で二足歩行をする世界が今に実現するか?」
「小細工程度じゃ、歴史の大本流に全部呑み込まれてしまうってことなんだね」
「それじゃ、未来へ飛ぶというのなら、いったいどこらあたりまで?」
「少なくともこの御世より先、だがいつ時空間から降りるのかは残念だが分からない」
「そんな、みすみす奴らを逃がしてたまるもんかよ!」
「方法はある。牛種と同じように時を飛ぶ術が我らにもある。だが…」
「兄さんが決断されたことなら、皆気持ちは一つです」
紅竜王の台詞に白竜王も、黒竜王も首をきっぱり縦に振る。
「気がかりなのは、太真王夫人のことですね?」
「…ああ」
「まだ多少時間はあります。早く通信を開いてあげてください」

ブン…と鈍い音がして空中に電磁の幕が映し出される。
「みんな、元気そうね。それよりも、事態は急を争います。異様な波動を天界も捉えました。
 牛種はいったい、何をするつもりなの?」
手短にこれまでの経緯を青竜王は太真王夫人に伝えた。
「青竜王、いいえあなた。未来へ飛ぶつもりなのでしょう?」
「…ごめん、迎えに行くという約束を守れなくなった」
「あら、いつその約束が破れたの?わたし、期限をつけた覚えなんてないわよ」
月夜の思いを互いに胸に抱き、万感の思いを込めて二人は見つめ合う。

画像が乱れると同時に、生き埋めにするつもりであろう、部屋全体が鳴動しはじめた。
「太真王夫人!幾世に渡ろうとも、俺の妻はそなた一人だけだ!」
「あなた!」

途切れた画像をそれでも数秒見つめていた太真王夫人は息を整えると振り返り、
心配げに背後に控えていた崑崙の神仙に、矢継ぎ早に指示を出した。
「これから竜一族の時空飛翔への回線を開きます。崑崙の名誉をかけ、全力で支援します。
 護符の用意を!竜種との唱和を合わせて空間の歪みは随時除去すること!」

天界と人界で増幅された思念波は、竜種の体細胞を原子にまで還元し、光り輝く粒子は
時空の流れにのり空中に溶け出し流されていった。彼らの意識も白く蒸発していく。
「太真王夫人…ありがとう」
回線が混じったのか、青竜王の最後の意識のかけらを感じ取った彼女は、そのまま泣きくずおれた。




意識を取り戻したのは、身重の自分のため手厚く設えられた寝所の上であった。
「そう、竜王様達は無事、未来世へと旅立たれたのね…」
「…お気を落とされぬよう、太真王夫人どの」
「いいえ、私の魂はすでにあの方に繋がれていますから、ご心配なく」
気遣ってくれた神仙に、気丈さを装った風でもなく自然に微笑んで太真王夫人はそう答えた。
彼女の繊細な美貌は、いまは柔らかい気配に包まれている。
「あと、半年ほどですか?」
「ええ、そのくらいに」
太真王夫人は自分の腹部に手をそっと添えた。

太真王夫人の出産は崑崙の西王母の宮殿の奥で無事に済まされ、一年を経過した後
その女子をつれ、太真王夫人はひそかに人界に降りた。
寒村のこれまた外れに建つ、清潔でこざっぱりした一軒家である。
数分歩いたところに老夫婦が暮らし住む農家がある以外は、何もないところである。

その子が五歳、可愛い盛りの歳になったころ、都の流行り病がこの寒村にまで及んできた。
それに掛かってしまった母親は儚くなり、幼子はどこからともなくきた大勢の人に
世話を受けながら、母親の棺が地に埋められるのを綺麗な目に涙を溜めて見つめていた。
隣の老夫婦は幼い子を残して亡くなった母親の無念を思い、その女子を貰い受けた。

もちろん、その母とは太真王夫人であり、竜一族と同じく時空を飛翔するため
牛種の残党に気づかれないよう、流行り病という偽装をとったのである。
我が娘への限りない愛おしさもあったが、人界に手放しても自然に溶け込んで生活できるまでに
成長するまでは、と未来世への転生をこれまで留めていたのである。
亡くなる(ふりをする)前日、太真王夫人は愛しいわが子を枕元に呼びこう言った。
「母さまは、遠いところにいくわ。でも、覚えておいて。ずっと先、いつかは分からないけど
 絶対またあなたと会える。本当よ。これまで母さまが嘘をついたことはなかったでしょう?
 それとね、いつもあなたに話して聞かせてきた父さまともその時に会えるわ。楽しみでしょう?
 …悪い病気が移ったらいけないわ、さあ自分の寝所に戻りなさい、ね」





―それから、人界では三千年の時が経過した。
大陸は何度も戦の火に焼かれて、国境線も人も何度もめまぐるしく入れ替わった。
そのうち、中国から一人の男が陶磁器の売買いで名を揚げるべく、船の帆を張り日本へ進んでいた。
その男の祖先は中国の寒村から出てきたもので、その一族のものは皆、常人より力持ちで
体も頑丈とという特殊な性質を備えていた。それはさておき、貿易に成功したその男は
そのまま日本に居つき、そのまま代を重ねていった。
災害、戦争にもその一族は危機を“なぜか”回避し、さらに時代は下って現代の日本。


その日は朝から良い天気のせいか、多数の鳥が早朝から鳴きさえずっていた。

叔父夫婦に待望していた子誕生との知らせを聞いた始の母親は、始の手を引き、
続を背中に背負って産院へとお祝いに向かった。
産後の疲労よりも母となった喜びが勝るのか、胸に女児を優しく抱いた叔母、冴子は
「茉理、と名づけたの。いい名前でしょう」
「本当に素敵、さぞや優しい雰囲気をそなえた綺麗な子になるでしょう」
母親同士の会話を頭上で聞きながら、始はまだ固く目が閉じられた赤子の手のひらを
軽く握ってみた。すると思いもかけぬ力強さで指を握られてしまった。
一瞬焦った始であったが、この小さく可愛い子が自分の妹分なのだと思うと
続に対する兄の責任感とは違った愛しさが胸にこみ上げてきた。
「こ、こら!俺のお姫様に触れるなぞ、悪い虫が着くには十年早いわ!」
「まあまあ、多少その時が早まっただけではないか、婿殿よ」
何か思うところがあるのか、靖一郎の慌てぶりをニヤリと楽しげに見ている祖父。
「冗談じゃありませんよ!義父さん!冴子も何か言ってくれ」
「大きな声でわめかないで下さいな。茉理の情操教育に良くありませんわ」
「くっぅううう、お姫様のためとはいえ…」

そんな騒動をよそに、始は手をしっかり握られ離してもらえずそのまま茉理にスヤスヤと
寝付かれてしまったこの状況に、さてどうしたらいいんだろう、と軽く困っていた。

―高い天窓からは、二人を祝福するかのように煌めいた陽射しが真っ直ぐに差し込んでいる―






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