皇帝夫妻、夜のお時間(4-796さん)
【少なくとも片方は大真面目、怖いのはもう片方も大真面目にやってそうなトコ】
ラインハルトが病気になりました。
全身に激痛の走る病です。
医者たちは、医学的根拠は今のところ発見されていないが、
経験上母乳を飲めば直る奇病だと判断しました。
ラインハルトは、夜、寝室でそのことを妻であるヒルダに伝え、
協力を願いました。
ヒルダは快諾しました。
寝台に上半身を起こしているラインハルトの膝に、彼女は腰をかけます。
自分から脱ぐのははしたない、と思ったのでしょうか、
彼女は動かずに夫を見上げていました。
ラインハルトはぎこちない動作で、ヒルダの薄い紗の夜着を脱がせます。
朝陽を燦々とあびた白百合のような、光り輝く柔肌が現れました。
武骨な指が這うと、しっとりと肌が吸いついて応えます。
薄紅のばらの蕾を優しく摘まむと、
真珠を溶かしたような色合いのミルクが指にからみました。
ラインハルトは、貌を近づけて、震える頂に接吻します。
そしてそのまま、頬ばり、ミルクをすすりました。
湿り気をおびた吐息が、
ヒルダの硬質な唇からもれて、彼の金髪を薄っすら濡らします。
「美味だな」
軽い衝撃と心地よい快感のおりまざった旋律で、
彼はそうつぶやきました。
むさぼるような愛撫を微笑ましげに眺めていたヒルダは、
少しちゃめっ気をふくんだ調子でたずねます。
「陛下、実は他にもほしいものがあられるのではございませんか」
ラインハルトは不思議そうに首をかしげてから、
破顔してたずね返しました。
「アップルトルテでもあるのか? 予の好物だが」