なぜか乳首を口に含み、髪を撫でられている。  
安心できる。それに心地良い。  
ナディアはうっとりと女の乳房に顔を埋めて乳首を吸いながら、そんなことを感じていた。  
 ・  
 ・  
(えっ、グランディスさん?)  
娘は大きく目を見開く。  
どうやら完全に覚醒したようだ。  
乳首から唇を離して上目遣いでグランディスを覗き見る。  
視線が合った。  
ナディアは慌てて視線を外すと、女の乳房へ顔を埋める。  
「目が覚めたかい? ほら、おっぱいに隠れてないで顔を見せておくれ」  
少女は、おずおずと顔を上げる。  
赤ちゃんみたいに乳首を吸って、あやされるように髪を撫でられていた・・・  
それが恥かしくて、ナディアは真っ直ぐグランディスを見ていられない。  
きょときょと視線を彷徨わせていると、女が頬に口付けてきた。  
「ナディア・・・あんたのこと、大好きだよ」  
そして浅い口付けを繰り返した。  
いつの間にか、ふたりは視線を絡ませている。  
グランディスはナディアを床に横たえると、自らも娘に添うように身体を合わせた。  
ようやく娘の頬が緩む。  
ふたりは深く口付けを交わした。  
 
ナディアは仰向けに身を横たえながら天井を見ていた。  
グランディスは赤子をあやすように寄り添いながら、娘の小さな乳首を手のひらでコロコロともてあそぶ。  
肌を上気させる、少し気だるげなナディアが愛おしかった。  
「どうだった?」  
ちょんっと乳首を爪弾くと、少女はくすぐったそうに首を竦めて微笑む。  
「すごかった・・・わたし、あんなに・・・」  
そこまで呟いてからナディアは女の首に顔を埋めた。  
娘は達したときに晒した、己の乱れきった振舞いを思い出して恥じ入っている。  
頬に柔らかな髪を感じながら、女は乳房から下腹部へ、すうっと手を這わせた。  
「んっ! ・・グランディスさん、また・・・・するの?」  
恥かしげに、しかし期待を込めて少女はささやく。  
だが女は顔を曇らせながら、娘をクッと抱きしめた。  
「あたしね、これ以上続けると本気になりそうなんだよ。必ずあんたを手放せなくなる。 
そんなこと出来ないのにね・・」  
しかしグランディスの中のナディアへの想いは、とうに引くに引けないところまで大きくなっていた。  
でも、そんなことを娘に言えるわけない。  
少女の顔色が変わる。  
ジャンへの想いがナディアの中で蘇り、そして大きく膨らみ娘を困惑させる。  
「でも・・・どうしたら良いの? わたしグランディスさんのことが凄く好き。 
ジャンを好きなのは変わらないわ。それでもグランディスさんが大好き」  
女は娘を抱く手に精一杯の力を込める。  
この娘には、結婚をして子を成すという女として当たり前な幸せを掴んでほしい。そう女は願っていた。  
「ありがとナディア、ほんとうに嬉しいよ。あたしもあんたが好き。ナディアのことが大好き。 
でもね、こんなの続けられるわけない。・・・これっきりにしなくちゃいけないんだよ」  
グランディスは己を言い聞かせようとしている。そうナディアは思う。  
だから少女も従おうとする。  
「・・・うん」  
未消化の想いを抱えながら、ふたりは己を納得させようとしていた。  
 
 ちゅくっ  
ふいにナディアがグランディスの乳首を咥える。  
くっ、くっ、と出るはずも無い乳を吸う。  
「ナディア?」  
女は急な振舞いに戸惑いながらも、やさしく娘の頭を抱えた。  
「わたし、グランディスさんの赤ちゃんみたいに、おっぱい吸ってたね」  
娘は話をする間も、乳首から唇を放そうとしない。それどころか、もう一方の乳房も手で揉みしだく。  
「そうさねぇ、ナディア赤ちゃんは何ておっきい子なんだろうね。 
おまけに恋の相談まで持ち掛けてくる、ませた赤ちゃんさ・・・」  
グランディスが、むにむにと娘の頬を摘んで引く。娘は乳の出が悪い母親へ抗議するみたいに乳房を揉む。  
・・・はふぅ  
ご馳走様の合図でもするように溜息を吐いて乳首から唇を離す。  
「お母さんって、こんな感じかな」  
ナディアは赤子のように名残惜しげに乳首を手でいじり、未練たらしく頬を乳房によせた。  
「馬鹿なことお言いでないよ。あたしが母親だなんて・・・あんたのお母さんに申し訳がたたない」  
グランディスは微かに震える手できゅっと娘を抱きしめる。  
「あんたがもう少し小さければ良かったのにね。そうすれば、あたしだってさ・・」  
娘には女が泣いているように思えた。グランディスを慰めてやりたかった。  
だからナディアは呟く。  
「お願い・・ずっと、そばにいて」  
言ってはならないことばを娘は漏らしてしまった。取り返しのつかないことを言ってしまった。  
娘の残酷な言葉にグランディスは泣き叫ぶ。  
「あたしだってそうしたいよ。あんたはね、あたしの恋人、あたしの娘、あたしの映し身、 
あたしの半身! ・・・でも、どうにもならないじゃないのよぉっ」  
グランディスが心の奥底に仕舞い込もうとしていた想い。  
それを女の胸に抱かれながら聞くナディアは、幸せというものを噛み締めていた。  
そして他人を信じられると思った。  
 
たとえ人とは違う己であっても、きっとグランディスなら受け入れてくれる。  
もしかするとこの女性は、わたしがナディアであるというだけで全てを受け入れてくれるのかもしれない。  
だが、ジャンという少年も何の躊躇いも無くわたしを受け入れてくれるだろう。  
だから最後の一線でこのひとは必ず身を引く。それがグランディスという女性のわたしへ示してくれた 
愛情だから。  
連れ添うことが無いのなら、せめて今だけはこの人と共にありたい。  
生涯忘れられない程の想いを心と肌に刻み付けてほしい。  
娘はそう願った。  
「グランディスさん。お願い、わたしを抱いて・・・あなたに身体を汚してほしい、心を汚してほしいの。 
一生忘れないほど、目を閉じればすぐに思い出せるように」  
女はナディアの唇を己の唇で塞ぐと、臀部に手を回して思い切り抓る。  
「いいよ、抱いてあげる汚してあげる。ナディア、後悔はしないね?」  
「何されてもいいの、絶対に後悔だけはしないわ。ううん、してくれなければ、それが悔いになる」  
ふいにグランディスは立ち上がると、備え付けの棚の前に立つ。そして香水の瓶からゴムのポンプと管 
をはずし、ポンプの中へ化粧用のグリセリンと精製水、そして先に垂らした香料を数滴注入した。さら 
に、同じ液を500ccほど用意する。  
「いまなら止められるわ。たぶんこの先は絶対に止められなくなっちゃうからね」  
そして意味ありげにゴムのポンプと管をナディアの前に指し示す。それでも娘は怯まずに身をさしだした。  
「グランディスさんのこと忘れないように、忘れられないようにして・・・お願い、あなたの好きにして・・・」  
女は娘の瞳を正面から見つめ、そして心を決めた。  
「わかったわ。そのまえに用をたしておいで。大きい方も済ませておくんだよ」  
なぜ、そんな事をするのかわからなかったが、ナディアは頷いたあと、トイレへと行く。  
 
娘がドアの外へ出てから、グランディスは金属製のカップに消毒液を作った。  
なぜか小さめのタライも引き出して床へ置いた。そしてゴムの管の端を消毒液の中に浸し、滅菌後に取 
り出すとワセリンを用意する。さらに爪切りを探し出すと、良く手入れされた長い爪を惜しげも無く切 
り、さらにヤスリでケバの無いように磨いた。  
すべてが終わるころ、ナディアが浴室へ戻ってきた。  
グランディスはナディアを膝をついて座らせる。そして口付けを交わし、前に伏せさせた。  
「さあ、お尻を高くあげるんだよ。足はもう少し開いておくれ」  
前に拒んだ全てを曝け出してしまうポーズ。恥じらいながらもナディアは女のために尻を高く上げた。 
もっとすべてを見てもらおうと、すすんで足を開いた。  
「これで・・・いいの?」  
グランディスはナディアの尻をゆっくりと撫で回す。娘から小さな喘ぎが漏れ出すと、少女のそれに指 
を這わせ、上下に摺りはじめた。  
「やっ!・・もっと優しく、強すぎる」  
しかし、女の指は変わること無く少女を責める。閉じた丘を開き、襞を小刻みに揺らし、ぬめり始めた 
口に沿って指で撫でる。  
やがて溢れてきた液を指に纏わせ、会陰部を震わせた。  
「ほら・・・ここでしょ? あら、もう溢れているのね。もう少し強くしたほうが良い?」  
言葉遣いがいつもと違う。グランディスの求め方も強引になっている。ほんとうにわたしを責めてくれ 
るんだ。わたしどうなっちゃうの? どんなふうにされちゃうの?  
女の別の指が、そっと内側の襞を擦する。娘は、その緩慢な動きに焦れる。  
「ううんっ、もっと強く!・・・そう、いいの・・そこ、いいのぉっ!」  
ナディアは内心の不安を行為に没頭することで悦びに変えて喘ぐ。  
ふるふると、下腹が揺れるようだ。  
また、きたみたい・・・こんどは、どうなっちゃうんだろう? 前より、もっと気持ちよくなるの?   
はやく・・もっとはやく欲しい・・  
娘は振り向くと、縋るように女を見つめる。  
グランディスは少女の瞳から、ナディアの身体が高まってきたのを知る。  
 
だが、女は愛撫の手を強めようとしなかった。それどころか指を娘の部分から離し、手のひらでそっと 
全体を揉みしだくだけに留めてしまう。そして、けっして娘を登りつめさせようとしない。  
「やぁ・・なんで?」  
ナディアは尻を振ってグランディスの指を、より強い愛撫を哀願する。  
でも、女は取り合おうとしない。それどころか尻を高くあげて伏せる少女の横に並び、ゆるゆるとした 
愛撫を重ねるだけ。  
「グ・・グランディスさん?」  
もっと女がほしくて娘は縋ろうとする。  
しかしグランディスはそれを許さない。そして娘への緩慢な愛撫を繰り返す。  
突然、指で包皮に包まれ膨らんだところをはじいた。  
「っ! ああぁぁっ・・・それ、もっとぉっ・・」  
ナディアの声が甘みを増した。でも、それで終わり。再びゆるやかな刺激にもどった。  
ゆらゆらと娘の尻が揺れる。快感を求めて淫猥に蠢く。  
ナディアはグランディスの唇を求めた。女はそれに応じて娘の口内をねぶる。  
くちゅっ、じゅっ・・・妖しく漏れる水音。だが、娘が女の舌を絡めとろうと舌を伸ばすと顔を引き離して 
しまった。  
そのかわり乳房へと手を這わせ、やわやわと揉む。乳首を指で擦る。  
 ふあぁ・・くぅぅ・・・・娘は甘い溜息を漏らし、ピンと背を反らせた。  
しかし、それきり手を動かそうとしない。ナディアは全身を蠢かせ、身悶える。  
グランディスの指が欲しい、唇が欲しい、舌が欲しい・・気がふれてしまうほどグランディスが欲しい!  
「もっと・・もっと、もっと虐めて! 足りないのぉ、このままじゃおかしくなっちゃう!」  
焦れた娘は、ついに娘は言葉にして懇願した。  
グランディスはナディアの瞳をじっと見つめて微笑む。  
「そう・・・虐めてほしいんだね。それなら、どんなに苦しいことをされても良いかしら?」  
つつっと娘の背筋に指を這わせ女はささやく。  
 
「うん、苦しくってもいい・・・もっと欲しい、もっと虐めて欲しいの・・・あうっ!」  
ナディアがことばを終えるのも待たず、グランディスは娘の尻を強く握る。  
「いまの言葉を忘れちゃだめよ・・・ぜったいに忘れるんじゃないよ!」  
そして、跡が残るほど尻の肉を絞り上げる。  
「んうぅっ・・いたい、いたいの、グランディスさん。なんでも我慢するから、だからもう許して・・」  
許しを請うナディアの声には艶が滲んでいた。こんな粗暴な痛みにさえ娘の身体は甘く応えていた。  
・・・もう良いようね。  
グランディスはナディアの尻をおし開くと、指を再び娘の陰液で浸して陰核を包む包皮を剥く。  
「ふあぁぁぁっ・・いいっ、ぁぁ、そこがいいの!」  
娘は大きく身悶えて悦びに浸る。  
「ナディア・・・あたし、もっとあんたを気持ちよくさせてあげたいの。だから我慢してね?」  
女は淫欲にまみれた己の欲望を抑えつつ、娘の耳元で優しく囁く。  
「なんでも、してっ・・もっと、気持ちよくしてぇ!」  
娘は途切れ途切れに女を求めて喘ぐ。女は横目で娘の顔を流し見しつつ、己の唇を舌で舐めて濡らした。  
グランディスは片手で激しく愛撫を重ねる。そしてもう一方の手を少女の別のところに這わせた。  
その中指はワセリンがべっとりと纏わりついている。その指を伸ばすと、少女の後ろを指の腹で蓋をす 
るように押さえた。  
「きゃっ!・・・なんで? そこ違うわ!」  
途端に、じたじたと娘が暴れ始める。だが女は潤う前のところに愛撫をくわえて、それを押し留めた。  
「ここで良いの。あたし・・・あんたのここが欲しい」  
女は少しためらったのちに、きっぱりと言い放った。  
「いやぁっ! そんなのやだぁ・・・グランディスさん、冗談よね? からかってるだけよね? ねえ、 
汚いよぉ。汚いからそんなところ触らないで!」  
ナディアは排泄器官を嬲られる嫌悪感に叫んび、そして女の名を呼び哀願した。  
しかし女は指を退けようとしなかった。それどころか円を描くように蠢かし広げようとする。  
そしてナディアの尻の穴へグランディスの指が僅かに食い込む。  
 
「やあっ! やだ、やだ、やだぁ・・ぅぅっ・・お願いだから、やめてよぉ・・くぅぅぅっ・・」  
少女が嗚咽を零している。それでも彼女からは逃げようとする気配が感じられない。  
そう、こんな仕打ちを受けてまでもナディアは女から逃げることなど思いつけないでいる。  
たとえ屈辱的な扱いをされても、娘はグランディスを裏切れない。ナディアは身も心もグランディスに 
絡めとられていた。  
「静かにおし。さあ、ここの力を抜くんだよ・・・ほら少しずつ指が入ってゆくね。ねえナディア、 
どんな感じ?」  
ゆっくりと、ゆっくりと、指を円を描くように回し、粘膜を傷つけないように深く挿入させてゆく。  
ナディアは魚のようにパクパクと口を動かし、浅い呼吸を繰り返している。とても答えを返す余裕など無い。  
「どんな感じがするのか、あたしに教えておくれよ・・・ 
ふふっ、それとも気持ち良すぎて答えられないのかい?」  
いつのまにか口調を戻したグランディスは、言葉でナディアを苛みつつ指を進める。  
それと共に恥部に這わせた指で敏感な突起を摘み、一瞬フルフルと震わせた。  
「っ!!」  
快感とはかけ離れた痛みに近い刺激が娘の身体を走る。身体が硬直し、そして徐々に柔らかく戻ってゆく。 
女の指を咥え込んだ括約筋も僅かにその力が弱くなった。その間隙を突いて、グランディスは差し入れる。 
ひぃっ・・・と悲鳴があがり、中指の第一間接までが押し込まれた。  
「あああぁぁ・・・入っちゃった、指が入っちゃった・・・」  
なにかを諦めたような声色で呟く娘。  
異物感と嫌悪感よりも、こんな汚れたことをするグランディスの思いが知りたい。だから嗚咽混じりの 
声で女に問う。  
「なんでこんなことするの・・・ねえ教えて、なんでこんなことするのよぉ・・・」  
喰い締める入り口の力を削ごうと指を動かしていたグランディスは、指を止めナディアの問いに少しだ 
け戸惑いを見せた。  
「そうだね・・・あんたがどうしようもなく可愛いから・・・壊してしまいたいくらい愛しいから」  
そして女はナディアを見つめながら再び指を動かしてナディアを責めはじめた。  
娘は首をもたげ、在らぬ空間に視線をむける。  
虚空を見つめる少女の瞳は哀しげに潤んでいた。  
 
「いいわ・・・わたしを壊して・・・」  
ナディアは力を抜く。およそひとの成す行為ではない。  
しかしグランディスが堕ちるというのなら、わたしも行為を受け入れて、ふたりして一緒に堕ちよう。  
娘はそう心を決めた。  
徐々に指を拒む力が弱くなる。  
「・・・・ナディア」  
最後まで抵抗されると思っていた女は、覚悟を決めた少女に戸惑う。  
娘は顔を横に向け、気遣わしげにグランディスに頷く。  
「して・・・あなたの思うとおりに・・・」  
娘は女の名前をいわず、『あなた』と呼ぶ。  
それは共に堕ちると決めた娘の最後の抵抗なのだろうか・・・  
 ずずっ  
指が奥へ進み、括約筋の門を通り抜ける。  
いっそう強くなった異物感に娘の身体が震える。嫌悪のあまり身体中から汗がふき出していた。  
グランディスは指を抜くと、傍らに置いてあったゴムの管を手に取る。  
ゴム管を消毒液で滅菌し先端にワセリンを塗り、ナディアの後ろへあてがう。  
柔らかな管では当然深くまで入らない。グランディスは管に指を添えて強引に不浄の門の奥へと挿入した。  
「ひっ・・・ふぅっ、ふぅっ、ううぅぅぅっ」  
ナディアは尻を上げた姿勢で唇を噛み、冷や汗を流して耐える。  
女の指が括約筋の門を抜けて娘の中の柔らかいところまで押し入った。  
うねうねと纏わり付く肉の壁にゴム管を置き女は指を引き抜く。その指を水で清め、更に消毒液に浸し 
て滅菌しておく。  
あっけ無くグランディスが指を抜いたのでナディアは拍子抜けしたが、残されたゴムの管に気付き愕然とする。  
 
「何を・・するの?」  
女は薄く笑うと、答えようともせず壁に背を持たれ掛けて足をしどけなく開いた。  
娘はその姿に見入ると、管を引きずりながら近づく。  
グランディスは娘の腕を取り抱きしめて太股の上に乗せる。  
「あたしの腰に足を回すんだよ。そして思い切りしがみ付いて」  
ナディアは言われた通りに足を女の腰へと絡めた。これから女に何をされるのかも分かってしまった。  
それでもナディアはグランディスに縋る。  
「苦しいだろうけど我慢するんだよ・・・」  
グランディスはゴムのポンプに薬液を満たすと管につなぎ、すぐさま少女の体内へ注入した。  
わずかに粘る薬液が徐々にナディアの腹を満たして行く。  
「ぁぁぁ、入ってくる・・・入ってきちゃう」  
直腸に溜まった薬液が音を立て逆流する。腸管が蠕動(ぜんどう)して薬液を排泄しようとする。  
刺すような痛みが下腹部を襲い、ナディアは脂汗を垂らしながら痛みを耐えた。  
200ccほど注入して、グランディスはゴム管を抜く。  
「も、もう終わりね? はやくトイレに行かせて」  
だが女は少女を抱きしめて放そうとしない。  
「苦しいのかい?・・・・ごめんよ、まだ堪えておくれ。中を奇麗にしておかないと感染症に罹っちゃうからね」  
ナディアの苦痛を逸らしてあげたくて、女は貪るように唇を奪う。  
「んんっ!・・・ジュっ・・クチュっ・・・ぅぅ・・だめっ、痛いよぉ・・・」  
大腸に行き渡った薬液を押し戻そうと腹部が蠢く。娘は女の乳房に顔を埋めて痛みに耐えた。  
グランディスはしがみ付く娘と己の間へ強引に手を差し込み少女のところに触れる。  
異物感、違和感、不快感、そして耐え難い苦痛と排泄欲求が娘の身体を冷ましていた。  
開き綻んでいたところは、半ば閉じて強張りかけていた。  
 
もう一方の手を尻に這わせ、女はさやさやと指をそよがせる。  
くすぐったさと背筋を震わせる心地良さに、ナディアの括約筋がキュッ、キュッ、と締まった。  
「それ、ダメっ! ・・・くうっ・・漏れ・・ちゃうの・・・あっ、あっ、ふあぁぁぁっ!」  
括約筋が締まる合い間の緩みに、わずかに漏れる薬液。その度、懸命に排泄を押し留める少女。  
少しでも排泄感を逸らそうと臀部が悩ましく前後左右に蠢き、自然と娘の秘所が女の指を喰い締めてゆく。  
女は少女の秘裂に手首から親指にかけての柔らかな膨らみを与えた。  
極限に近い下腹部の苦しみは娘の感覚をいやがおうにも高めていた。娘に快楽の自覚は無いが、身体は 
グランディスの愛撫に敏感に反応している。溢れる淫液は、しとどに女の手を濡らしていた。  
「気持ち良いんだね。ナディアのここ、すごく濡れてきたよ・・・」  
淫らな肉の谷間は括約筋の動きに連れてヒクヒクと律動し、会陰部の小さな突起がぷくりと膨らむ。  
(痛いのに、苦しいのに、我慢してるだけなのに、身体が熱くなっちゃう!)  
膣がきゅうっと締まり、淫液が溢れ出る。  
「どうなっちゃうの? わたし恐い・・くふぅっ! ・・ねぇ、どうなっちゃうの!」  
グランディスは襞に手を擦り合わせ、ふるふると細かく手を震わせた。  
ぶるぶるっとナディアの下腹部から臀部が震える。ぎゅっと括約筋が閉じられ、ぎゅるぎゅると薬液が逆流する。  
 ふう、ふうっ、くうぅっ!  
娘の吐息が苦痛混じりの喘ぎに変わり、女の乳房に押し付けた頭を左右に大きく振り、忍耐の限界を知らせた。  
「我慢できないのかい? それなら、ここで出すんだよ・・・」  
顔をあげ、うわ目遣いに女を見上げる悲痛な表情のナディア。  
「やだ、絶対に、んんっ! ・・いやぁ・・お願い、トイレに行かせてぇっ!」  
ナディアの悲鳴は逆に彼女の身体を緩ませてしまった。震えは痙攣に近いほど細かくなり、括約筋は緩 
み始めてしまう。  
そして無理矢理高められた、少女自身もそれと知らない官能は非情にも彼女を登りつめさせて行く。  
 
(全然気持ちよくなんて無いのにどうして? わたし、わたし、このままだとっ!)  
きつく閉じたナディアの瞳からは涙が零れ、女はそれを唇で拭い取る。  
そして込み上げる嗚咽に震える娘の唇を強引に貪り尽くす。  
少女の秘裂に添えられた手を、クチュッ、クチュッ、グチュグチュッと淫らな音を立てるほど滅茶苦茶 
に動かし、いきり立つ小さな突起と襞を捏ねまわした。  
「ほらっ達しておしまい。はやく諦めて楽におなりっ!」  
グランディスは金属の盥をナディアの後ろに引き寄せる。  
痙攣のような震えが止み、ビクンビクンと身体が跳ねて尻の肉がブルンと大きく震え、ビッ、ビビッと 
小さな音と共に液が僅かに尻から漏れて出る。  
「だめっ! 見ないで、見ないで、いやあっ! お願い、見ないでぇっ!」  
ナディアの悲痛な叫び。  
そして破裂音。  
茶色がかった液体が飛沫をあげながら迸り、金属の盥に音を立てながら満ちてゆく。  
それでもグランディスは少女の陰核を襞を責め続ける。  
ナディアは尻を引き剥がそうともがくが、グランディスは絶対に逃さなかった。  
抑えていた快楽が一挙に押し寄せ、少女の背が思い切り反りかえった。  
女は娘の腰に手をまわして強く抱き寄せながらグチュグチュと陰唇を掻き混ぜる。  
白い肩にあてた褐色の手がピンと張り詰め、仰け反らせていた首を引き、そして瞳を見開くと娘の全身 
が硬直した。  
「っっっ!! ・・・ひぅ! ・・・・うぅっ・・・いっちゃう、いっちゃう! ・・・やめて、やだあぁぁっ!  
あああぁぁぁぁぁっ!」  
そして登りつめた。不浄の場所から漏れ出ていた茶色の迸りが止まる。  
 
グランディスは娘を責めたてる手を放し、そっと背を撫でた。  
やがてナディアの身体が柔らかくなり、女にもたれ掛かる。  
女が娘に口付け舌を絡めとると、茶色の液が再び零れ始めた。  
「・・・・・ゃぁっ・・・ぅぁ・・ぅぅぅっ・・・・」  
時折ヒクッと下腹を揺らしながらナディアがすすり泣く。  
液体だった雫にドロドロとした物が混ざり、ポチャ、ボチャッと音をあげて盥に落ちた。  
「うぅ・・・・ふゎ・・うぅっ・・・・うあああぁぁぁぁぁぁ・・・・わああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」  
その音を耳にしたナディアが弾けたように号泣する。  
ボロボロと涙が頬を伝い、水滴となって零れ落ちる。  
グランディスは排泄を促がすように娘の背に、臀部に、そして下腹に手を這わせ、撫で揉みしだいた。  
全てを出し尽くしたのか何時しか音が止み、ナディアからは何も漏れ出していない。  
女は金属の盥を押しやると娘を湯で清めはじめる。双丘を開いて人肌の湯を少しずつ少女の臀部に垂らし、 
汚れを流すと手で拭う。  
女の手が動くたびに少女は身体をヒクっと揺らし、そして泣いた。  
そしてグランディスは再びゴムの管を手に取り、ナディアの不浄なところに挿入する。  
「・・ああっ・・・ふあぁぁっ・・・ううぅぅ・・・・グシュッ・・・・」  
女に縋りつきながら耐えるだけで、娘は涙を零しながらも、嗚咽を漏らしながらも抗おうとしない。  
先ほどより多量の薬液が少女の腹を満たしてゆく。  
まるで、それだけが目的だという程に女はひたすら娘を汚す。  
 
「あんたはあたしのもの・・・・ナディアはあたしだけのものなんだよ・・・・」  
グランディスは小さな声で、そう呟き続けていた。  
娘の耳にも女の呟きが届いていた。  
だがらナディアはグランディスにしがみ付いて涙の雫を零し続ける。  
女の手で身体中を汚してほしかった。そう、心まで全部ボロボロになるまで責めさいなんでほしかった。  
白い指が唇を割って口内を蹂躙する。ナディアはそれに舌を絡めてしゃぶり、吸い尽くす。  
薬液で満ちた腹を揺らされた。尻を揉みしだかれ、指で栓をするかのように不浄なところへと深く突きこまれた。  
・・・っ、ああぁぁ・・・  
不快感と嫌悪感で、ぞわぞわと鳥肌が立つ。  
・・・気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い・・・  
悪寒にも似た寒気が背筋を駆けあがる。  
「もっと汚して! あなたの手で、何もかも汚してっ!」  
被虐的な歓びが娘の心を汚してゆく。  
いつのまにかナディアは涙を止めていた。  
グランディスの指が中で折り曲げられ、ぐりぐりと腸の内壁をなぞる。  
・・・もうダメ、我慢できない・・・  
尻の肉がぶるぶると震える。  
グランディスが尻から指を抜いた。  
破裂音に似た下劣な音。そして金盥に満ちた液に、ビチャビチャと粘り気のある液が叩き落ちる音。  
色の薄い液をふき出しながら、何故か想いが満たされている。  
わたしはなんて醜い女なんだろう。そう思うと視界が白く変わってゆく。  
ナディアは己の愚劣さに心を汚しながら意識を失う。  
 
グランディスは娘の身体を清めていた。  
尻の肉を割り、湯をあて、丹念に丹念に拭き清める。  
そしてまだ華奢な身体をうつ伏せに横たえると、全ての痕跡を残さぬように浴室も清めた。  
それからナディアの身体を再びまさぐり始める。  
うなじから肩へ舌をはわせ、背筋を指でそよがせる。ピクンピクンと小さな反応を返す身体が、どうし 
ようもなく愛おしい。  
腰に手をまわし、くいと抱いて尻を上げ足を広げる。  
なかば開いた娘の秘裂は形こそ崩してはいないが、激しい責めを受け赤く厚みを帯びていた。  
いまだ潤いを失わないそこへ舌を這わせる。  
厚みを帯びた襞には淫液が粘り、会陰部から膣口へと拭うように舐めると更にとろとろと液が溢れ出す。  
チロチロと膣を舌でなぶり、ずずっと音をあげて溢れる淫液を啜る。  
・・・ふう、ふう、ふぅぅ・・・  
ナディアの息が荒くなり、もじもじと尻が小刻みに揺れた。  
(目を覚ましたようね。寝たふりなんかして・・・今更恥ずかしくも無いだろうにね)  
だが、娘のそんなことすらも可愛かった。汚してしまいたかった。  
グランディスは不浄の場所に指を添えると、香油をまぶして塗りこむ。  
すっかり柔らかくなった排泄の場所は、なんの抵抗も無く指を飲み込んだ。  
いったん指を抜き、両手で穴を広げて香油を流し込む。  
そして再び指を入れて中がグチュグチュになるまでかきまわしす。  
「あっ・・はあぁぁ・・・それ、なに?・・・ふわぁ・・」  
堪えきれずナディアが声を漏らす。後ろの穴を責められて始めて喘ぎ声をあげる。  
女は指を抜くと舌で不浄の場所を舐め始めた。  
緩んでいた括約筋がきゅうっと締まる。ヒクヒクと皺が深くより穴がすぼむ。  
舌を尖らせて細かい皺を拭うと娘の喘ぎが甲高くなった。  
「くあっ!・・・やっ、汚いから・・だめっ・・・あなたが汚れちゃう・・・・」  
 
グランディスは娘の尻から顔をあげてナディアを見つめる。  
「あんたって娘は・・・あたしがあんたを汚しているんだよ。それなのに、あたしが汚れるだなんて・・・」  
それまで、ひたすら冷たさを保とうとしていた女の表情がついに崩れた。  
瞳が潤み、喉から嗚咽が漏れそうになる。  
グランディスはナディアの尻にむしゃぶりついた。  
そこを吸い、両手の指で穴を広げて舌を突き入れ中を舐めまわす。  
2本の指を強引に突き刺しグジュッグジュッと捏ね上げる。  
溢れ出た香油や液を女は音を立てながら啜り飲み込む。  
「痛い、だめっ!、うあ・・・やめ・・・んっ・・あああぁぁ・・・」  
ナディアの腰がヒクンと揺れる。  
痛みとは別の感覚が、迸る悲鳴に僅かな艶をにじませている。  
グランディスはそこを責める指を中指だけにして深くまで挿し入れた。  
グリュ、グリュと指の腹で内壁をかき回し、ゆっくりと前後に動かす。  
指を引きながら肉壁を擦ると、引き攣るように尻の肉が上がり、きゅうっと括約筋が締まる。  
擦りあげる位置を変えながら何度も繰り返えすと、ヒクヒクと淫裂が蠢き始めた。  
前のように異物感や嫌悪感、ましてや痛みからではなく、ごく自然に快楽を追い求める動き。  
強制された官能では無い、おのずから求める悦び。  
女が薄い恥丘を手で包みやんわりと撫でると、娘はさらなる刺激を求めて尻を振る。  
それを見て、グランディスはふと我に返った。  
とても年相応とは言えない淫らな尻の蠢き。そして悦楽に浸りきった表情。  
(・・・・ナディア)  
グランディスは娘の顔から視線を背けて身体を離し、息を荒げる娘を仰向けにした。  
 
女はナディアの腰を跨ぐと薄い胸に手をついて身を屈め、溜息をこぼしながら腰を降ろす。  
娘の視線が薄い乳房を越え、大きく開いた太股の付け根の蔭りを突き刺している。  
ナディアは見つめるだけで何もしない。女がつややかな黒髪に手を触れて撫でると、娘は熟した臀部に 
手を添えた。  
「これで終わりなの?」  
・・・  
「ナディアは続けたいのかい?」  
コクンと娘が頷く。  
「あたしといると、もっと酷いことをするよ」  
ぷるぷると首を左右に振る。  
「酷いことなんて何ひとつされてない。酷いことしてるのも、あなたを苦しめているのも全部わたし・・・」  
グランディスの瞳が優しさを帯びる。  
「ほんとうに・・・あんたは本当に酷い娘だよ」  
ナディアが女の手を取って己に引き寄せると、白い身体が倒れこむように娘へと覆いかぶさった。  
女はつい今しがたまで不浄な場所を慰めていた舌で娘の頬を舐め、つつっと娘の唇に這わせて挿しいれる。  
ナディアも女の求めに舌を伸ばして絡め、そのまま唇を開き互いの口内を貪る。  
娘がグランディスの太股に足をまわした。女は身体を後ろに下げて尻を床につけると、娘の手を握り身 
体を起こす。  
そしてナディアの足を大きく開いた。わけも分からず、娘は少し戸惑う。  
「ふたりで気持ち良くなりたいからね」  
片方の太股を跨ぐ形で腰を寄せて互いの性器が近づけると、娘も女の意図を察して腰を突き出した。  
貝が合わさるように互いのものが触れ合う。  
グランディスは手を伸ばして陰毛をよりわけると、仰向けに横たわりナディアの足を抱えた。  
女は身動きせずにナディアの感触を楽しむ。自身のそこと違い、固さの残る娘の丘。  
それでも先ほどまでの余韻が娘のものを開かせ、そして熱く潤わせていた。  
何もしないグランディスに焦れたのか、ナディアが腰を揺らす。  
 クチュ、チュクッ  
水音が合わせた場所からした。  
 
「あんたはせっかちだね・・・そんなに急ぐことは無いだろうに」  
ナディアもグランディスの足を抱えて強く引き寄せる。  
「いじわるっ! だって・・・ねぇ、良いでしょ?」  
女の返事も待たず、娘はクチュクチュと音を立てながら腰を蠢かせた。  
まるでグランディスの身体を使って自慰をするようにナディアは腰を揺らし、振り、そしてグリグリと 
押し付ける。  
「んっ、んっ・・・んんっ!」  
唇を噛んで快感を追い求める娘。  
グランディスはさみしくて、そして悲しくて、また涙を零す。  
陰核をすりつけるナディアの動きが小刻みになった。  
「んん・・・ぁぁああっ! お願い、来てぇっ」  
少女が女を求めている。  
求めに応じてグランディスは己の陰核をナディアのそれになすり付けた。  
「どうなのさ・・・ほら感じるかい? くりくりって擦れてるね?」  
言葉でなぶりながらも女の表情は歪んでいた。  
(あたし気持ち良くなりたくなんか無い。あんたが傍にいてくれたら・・それでだけでいいのに)  
だが思いとは裏腹に身体が動く。  
互いをピッタリと密着させてなすり、そして責め立てる。  
濡れた陰毛がゾリゾリと襞にからむ。  
「もっとぉ、それいいの、もっとしてぇっ!」  
ものほしそうなナディアの嬌声。  
(気持ちよくしてあげるよ。だからあたしの傍にいておくれよ。 
ほかの誰かのところへなんか行かないでおくれよぉ)  
娘のふくらはぎから足の指先へ舌を這わせる。  
小指を口に含みコロコロと舌で転がし指の間も舐め尽す。土踏まずや足首に手を滑らせる。  
「ひゃんっ! なに・・ぁ・・・ああっ」  
足への愛撫を繰り返すと娘のそこがヒクヒクと震えた。  
グランディスは半身を起こして娘へ手を伸ばす。  
 
「ナディアっ!」  
娘も女の手を取りキュッと握りしめた。  
互いに手を引き合い、淫唇を擦り合わせたまま尻を蠢かせる。  
膨らみきったクリトリスをなすりつけ小刻みに震わせる。  
赤くはれた二枚貝を合わせるようにして上下に激しく腰を振る。  
「くる・・きちゃうよぉ・・・もう、きちゃうのぉっ!」  
ふたりの動きが勢いを増す。  
「あたしも・・だよ、あんたといっしょに、ね・・・ああ、ナディア、ナディアぁ」  
・・・うぁ、あああぁぁ、んんぁ、ふあ、はぁ、はぁ・・・ぐりゅ、ぐちゅ、ぐじゅっ、じゅくっ・・・  
喘ぎ声と荒い呼吸と淫らな音が浴室に響く。  
「んあぁぁぁっ・・わたし、もうっ! ・・ふああぁぁぁ・・・・・」  
甲高い声と共に先に達したのはナディアだった。  
「まって、あたしも・・・んんっ!」  
ふたりの間にグランディスが指を挟み滅茶苦茶にかき混ぜる。  
娘の腰を引き、執拗に互いの陰核をこすりあわせ腰を捏ねあげる。  
「ゃぁぁぁぁっ、ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・」  
ナディアの身体がビクビクと跳ねあがり、細く小さな悲鳴が延々と続いた。  
そして娘の身体が完全に硬直し、まったく動かなくなるころグランディスも高みに登る。  
「ぁ・・くぅっ・・・ナディア! ・・ああっ・・んぁぁああぁぁ・・・」  
グランディスは無意識の内に娘を胸に抱きしめていた。  
・・・この子さえいてくれたら・・・あたしは、もうなんにもいらない・・・  
叶うはずもない願い。  
それでもグランディスはナディアを求めずにはいられなかった。  
 
胸に抱いた娘がぐったりと身を預けてくる。  
・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・  
せわしなく繰り返す浅い呼吸と朱のあがった頬、そして甘い匂い。  
疲れ果てたような、それでいて満ち足りた面持ち。  
いつもの苛立ちに似た棘々しさは微塵も感じられない。  
まるで幼子のように己のすべてを任せきっているみたいだ。  
この子が愛しい。  
まだ足りない、全然足りてない。  
この子が欲しい。  
達したばかりだというのに、また肌がざわめき始める。  
 
女は心の渇きを淫らな肉欲に変えて娘にせまった。  
ゆっくりと浴室の床に横たわり、胸に抱いた娘をそっと床に降ろす。  
そして娘とは逆に向いて、荒く息を継ぐナディアの上に覆い被さった。  
グランディスが赤くふくらみ顔をのぞかせた陰核に口付けると、娘は内腿をビクンと揺らし体を丸めよ 
うともがく。  
「はぅっ!・・・やぁ・・・敏感、すぎて・・辛いよぉ・・」  
切れぎれな言葉で苦しげに許しを請い、女の下でジタジタと力なく暴れるが、組み伏せられて身動きできない。  
娘は膝を閉じて愛撫をかわそうとする。だがグランディスは太股を抱えてナディアの小さな突起を吸い尽くす。  
「だ・・・っ・・・・く・るし・・・ゃ・・め・・・・・」  
満足に息も継げない娘の抵抗が小さくなってゆく。女は新たに開かれた場所へ手を這わせる。  
しかし仰向けに寝ている娘の後ろへ指が届かない。グランディスは少女の太股を抱え直すと、膝を曲げ 
て腰を後ろに下げた。  
幼さを残す尻が持ち上がり、ナディアの秘裂も、そして後ろも露になる。  
「まだよ、まだ放してあげない。たったこれだけじゃ全然足りやしない!」  
グランディスは娘の膣に指を這わせると、薄い膜に空いた小さな穴へ中指を突き刺した。  
 
「いっ・・・・あ、あ、あ、あぁ・・いやあああぁぁぁぁっ!」  
息も絶え絶えにしていた娘が悲鳴をあげ、腰を捩り、ばたばたと足を振り、必死にグランディスへ抵抗した。  
ナディアが暴れるたびに膜が引き攣れて破れそうになるが、その痛みに怯えた娘が更に身を捩らせる。  
そして手で女の腰を掴み身体から引き摺り下ろそうともがく。  
「およしっ! こんな薄っぺらい膜なんて直ぐに破れちゃうよ!」  
女の言葉がこたえたのか、それとも力を使い果たしたのか、娘はぱったりと抵抗をやめた。  
細い息を継ぎながら両手をだらんと広げ虚ろな視線を宙に浮かべる。  
「いい子だね。もっと気持ち良くしてあげるよ」  
グランディスは再び陰核を唇に含みしゃぶり始めた。  
突き立てた指を一杯まで押し込むと、生まれてから一度も異物を入れた事の無い膣で間接を曲げる。  
くいっくいっと娘の腹部が蠢く。  
折り曲げた指を中でよじり、未通の膣を思うが侭に蹂躙すると、別の生き物のように狭い膣が締まり指 
を絡め取る。  
「あたしの指にナディアが吸い付いてる・・・あら、また溢れてきたんだね。 
びしょびしょで暖かくて指がふやけちまうよ」  
擦る位置を変えて娘の中を責める。  
不浄のところへも指をあて、ふるふると刺激を加える。  
・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・っぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・  
もう娘の口から悲鳴はあがらない。ただ、細い息とも喘ぎともつかない声が長く続くだけ。  
膣に挿入した指をギリギリまで引き抜き、思い切り勢いをつけて深く突き刺す。  
・・・っっ・・・・・・・っっ・・・・・・  
ナディアは呼吸を止めて微かに身悶えた。  
今度はゆっくり引き抜いて、中を味わうように捏ね回しながら挿入する。  
・・ぁぁ・・・・ぁぁ・・・・・ぅぁぁぁぁぁ・・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・  
切れ切れに喘ぎながら息を継ぐ。  
グランディスは強弱を付けながら指を動かして娘を嬲り、舌と唇で娘を弄び続けた。  
 
それでも物足りないのか、女は不浄の穴にも指を一気に挿し込む。  
うねうねと肉壁が指に絡み付く。  
やがて膣に入れた指の感触を見つけたグランディスは、2本の指でナディアの内壁を挟んだ。  
厚みを計るように擦り合わせグリグリと揉み合せると、娘の中がきつく締まり指を絞りとる。  
ビクっビクっと内腿を揺らし、背筋を張り詰め、首を仰け反らせて髪を振り乱す。  
「ぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」  
娘の唇から聞き取れないほど小さな悲鳴があがる。  
ナディアが最後の力を振り絞って女の身体を抱きしめる。  
そして全身が一瞬だけ硬直した。  
だが直ぐに力は抜けてしまった。  
女の腰を抱いた腕は床に落ち、足は女の腕に支えられてだらんと垂れ下がる。  
とうに限界を越えたナディアの華奢な身体には何の力も残されてはいなかった。  
 ・  
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 ・  
 ・  
浴室を清めたグランディスは乾いたバスタオルを床に延べる。  
女はその上に愛娘の身体を横たえて優しく寝かしつけた。  
娘の全身をタオルで拭ってから、そっと下着を身に着けさせる。  
赤子のように女のなすがまま身繕いを整えてゆくナディア。  
欲も徳もなく、全てを白紙にしてグランディスに何もかも委ねている。  
この時、始めて女の心は満たされた。  
やっと娘を許してあげられると思った。  
そして、自分自身さえも許していた。  
 
ナディアを操縦室兼居間に運び、服を身に纏わせてソファーへ寝かせる。  
ふと気付けばグランディスは素裸だった。  
慌てて浴室に戻り、身を整えて居間に戻る。  
なぜか毛布が全て無くなっていた。  
体力を無くした娘を暖めたいが、身体に掛けてやる物が無い。  
女は仕方なく薄いシーツを取り出し、ナディアの横へ潜り込んで一緒にシーツを被った。  
愛娘の体が少し冷たい。  
グランディスは服をはだけてナディアの体を抱きしめる。  
早くあったまるようにと願いながら・・・  
だんだんと娘の体がぬくもりを帯びてきた。  
グランディスも安心して眠りに落ちた。  
 
しばらくして、マリーを抱いたサンソンが居間に入ってきた。  
彼はソファーに眠るふたりを交互に見つめ、そして気付いた。  
グランディスが自分と同じ想いを抱いているんだと。  
そして、マリーの親父になれるオレは幸せなんだろうな、とも思った。  
すでに物心のついたナディアの母親には、グランディスが何をしようとなれやしないのだ。  
サンソンはふたりの髪をそっと撫でると、マリーを抱きなおしてもう一度眠りに付いた。  
 
そうして時は流れゆく。  
 
 
 
 
タルテソスに辿りつき、そこで娘の真実を知ったグランディスは、少しも動じていない己を笑う。  
ナディアにそれを告げると、娘は泣いた。  
ネモの死に際して真っ先に考えたのはナディアのことだった。  
男の死様など眼中にもなかった。いや、勝手に娘を残して死んでゆくネモを憎んでさえいた。  
だから娘を後ろから抱く。  
ナディアはグランディスの手を取って涙を零す。  
その雫が女の手に落ちる。  
やはり男なんて勝手な生き物だと改めて心に刻み込んだ。  
小笠原に船を着水させた乗組員達は、レッドノアから拾った船を日本海溝深くに潔く沈めた。  
彼等は遭難者を装って日本国に救助された。  
 
 
 
 
 
ネモは相当量の金塊をエレクトラに託していた。  
元ノーチラス号乗組員達は思う。  
オーバーテクノロジーを身に着けたネオアトランティスの技術者達が世界中に散った今、己は何を成すべきかと。  
彼等はまずパリの復興に力を尽くす。その傍らで託された金塊を元手に複数の会社を買収し、そして興した。  
自分達の足場を確立し、その上で世界の動向を探る。  
高度な科学技術とは必ずしも幸福をもたらすものではない。  
身に染みているあたりまえのこと。  
もし大きな戦いがおこれば、ネオアトランティスの技術は悲惨な結果をもたらすに決まっている。  
その技術に対向しうるのは自分達しかいないのだ。  
だから、元ノーチラス号乗組員達は戦い続けねばならない。  
それが残された者達の辿る宿命だった。  
 
 
 
 
だがグランディスは幸せだった。  
いまナディアとふたりで暮らしているから。  
ル・アーブルからセーヌ川を少しだけ遡った小さな町の郊外。  
そこにある質素な家の庭から、ほんのりと頬を染めた娘が駆け出してゆく。  
ナディアがジャンに会いに行くのだろう。  
窓から寂しげな瞳が愛娘の様子を見つめている。  
結局、グランディスは母親に成れなかった。恋人にだってなれるわけない。  
ふたりで暮らす束の間のとき。そして束の間の幸せ。  
交わすことの無い互いの想い。  
もう直ぐ訪れるであろう別れ。  
もちろん、それは承知している。  
それでも今この時、グランディスは幸せだった。  
 
 
 
 
グランディス  
 
 終  
 
次回予告

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