一条薫子、一条菫子。この学園では有名な美少女双子姉妹だ。僕はこの双子と仲がいい。
入学して数ヶ月。僕が登校するとすでに姉妹は登校していた。皆いつも通りだったけど、何か違和感
があった。
僕が自分の席について、女子と話している姉妹を見て、気づいた。
「一条さん」
「ん? どうしたの」
ポニーテイルの女子が振り向いた。ポニーにしているのは薫子さんの方だけど、
「君、菫子さんの方でしょ?」
「え?」
「あっちにいるのが薫子さんだね」
指差した方にはショートカットの一条さん。声は聞こえていたようで、驚いた顔をしていた。
「何でわかったの?」
ポニーテイルの菫子さんが言った。
「誰も気づかないからいけると思ってたんだけどな〜」
ショートの薫子さんが近づいてきて、同時に2人はカツラを外した。
「う、嘘!? 全然気づかなかった!」
「入れ替わって、え!?」
同級生達もわからなかったようで、動揺している。
ちょうどその時担任が入ってきてその場での追求は免れたのだけど。
「あ〜あ、朝一で気づかれちゃうなんてなぁ〜」
薫子さんがカツラを回しながらふくれている。
「ねえねえ、ホントに何でわかったの?」
HRが終わり、菫子さんが僕の席まで来た。しかも、転入生が来たかのように僕の席の周りに人が集
まってきた。
「何でって言われてもね。なんかいつもと違う感じがしたとしか……」
何かが違うって、そう思っただけなんだよね。細かい動作とか。
「へぇ〜、よく見てるんだ」
薫子さんが言う。
「そういうわけじゃ……」
「あ、照れてるぅ〜」
そっぽ向いた僕の頬を、菫子さんがつつく。
「や、やめてよ」
「ふふふ、可愛い〜」
勘弁してくれ。
ま、そんなことがあってから仲がよくなった。
文化祭も一緒に回り、後夜祭ではキャンプファイヤーをバックに踊り、体育祭で活躍した。
そして2年生になって……
下駄箱に封筒が入っていた。
「ん?」
封筒の裏には可愛いシール。はて?
「何だろ?」
下校ラッシュの今読むのは少々あれだけど、読んでみると。
「これは……!」
呼び出しの手紙。名前がないけど、字から見ると女の子だ。
「ラブレター……かな?」
校舎裏に来てくれとのこと。
まあ、特に急ぐ用もないし。からかわれてもそれはそれだ。
校舎裏。ここには一本木が生えている。結構大きな木だ。樹齢とか詳しいことは知らないけど。
その下に、よく見る人たちがいた。
「あれ、薫子に菫子?」
ここ一年で、呼び捨てにするぐらいには仲がよくなっている姉妹がそこにいた。
「こーんにちわっ! ……エヘヘッ、ビックリした?」
「ってことは、この手紙の差出人は」
「そ、私達。あの……突然なんだけど……。私たち、あなたの彼女にしてほしくって来ました!
……どう、かな?」
薫子がはにかみながら言う。僕は、少し戸惑った。
そりゃ、可愛いとは思ってたけど、こういうのははじめて見たから。
「2人一緒なんてちょっと変かもしれないけど、でも、あなたのことを好きになっちゃったのも2人一
緒だったから仕方ないの。
あなたが好きなほうを選んでくれてもかまわないけど。でも、まだ決まった彼女がいないはずよね?」
確認するように言うけど、知っているはずだ。僕たちの間にはほとんど隠し事がない。
というより、隠し事をするとかならずバレて話させられるし、彼女らは隠し事っていうのがなかった。
薫子はいったん深呼吸して、
「それで、ね。2人一緒に彼女にしてほしいなって」
僕が黙っていると、
「……っていうワケだから、お願い! って……エヘヘッ ダメ、かなぁ……?」
菫子が拝むように手を合わせた。
「あのね、私たち好みとかもスッゴイ似てたのは本当だったんだけど……
でも、まさか好きになる人まで一緒なんて、自分たちでもホントにびっくりなの!
……だからあの……とりあえず2人一緒にアタックしてみることに決めちゃった!」
決めちゃったって……何と言うか、本当に仲がいいよな。
「とりあえず……3人でデートしたいな。ってまあ、いつも通りかもしれないけど」
3人で出かけたことなら前にも何度かあった。ただし、彼氏彼女での間柄ではなかった。
「あのね、ナイショなんだけど……」
菫子が僕の耳を口を寄せてささやいた。
「私たちのこと平等に愛してくれたら……2倍の愛が手に入っちゃうのよっ!」
吹き出しそうになった。薫子は緊張しているように見えたけど、菫子はいつも通りだったから。
そして返事待ち。僕は同級生には感情の起伏が少ないように思われているけど、そんなことはない。
自分も憎からず思っていた女の子達に告白されて嬉しいわけがない。
今、人生始まって以来緊張しているかもしれない。
深呼吸、深呼吸。
「何て言うか……本当に反則だよな」
呟く。全く、反則だ。
「僕が悩んでいたっていうのに、答えを先に出しちゃうんだもんな」
「え?」
「それって、どういうこと?」
馬鹿らしい気もしてきた。僕の悩みは彼女らの仲の良さの前に無意味だった。
「僕は薫子も菫子も、同じように好きだってこと。
どちらかとだけ付き合って、どちらかと微妙な感じになっちゃうのがいやだった。
だから、そうなりたくなかったから今まで通り友達でいようって考えてたのに」
ため息をつく。本当に馬鹿らしい。
「僕の思いもよらない解答をくれるんだもんな」
真面目に考えていた自分が馬鹿だ。おかしくて、僕は笑う。
「僕は欲張りになろう。薫子、菫子。これからもよろしく。彼女として」
にっこりと笑って言うと、僕は2人に抱きつかれた。
僕らは晴れて恋人関係になったわけだけど、実を言うと菫子とはキスをすでにしていた。
菫子は薫子より少しだけ大胆なところがあって、薫子より僕との距離が近かった。
だから、ちょっと体勢を崩したりするとより接近したりするわけで。
「あ……」
「え……?」
僕と菫子のファーストキスはこんなものだった。ちなみに文化祭の最中だ。
「あ、あはははは……。い、今の無しね。ノーカン」
と妙な笑みを浮かべてカニのようにチョキチョキさせたりした。
ちなみにその場には薫子もいて、3人で乾いた笑いをしたんだ。
まず最初にしたことはやり直しだ。つまり、ファーストキスのやり直し。
放課後の校舎裏。そこで僕は薫子とキスをした。ノーカンとはいえ、菫子とは経験済みだから。
腰を抱き寄せて超至近距離で、じっくりと女の子の唇を味わうのは初めてだ。
フニッとやわらかく、ちょっと湿っていた。
僕も薫子も同じく息を止めていたので、唇を離したときには息が切れていた。お互いに見合って、笑う。
「む〜」
その隣で頬を膨らせている菫子。
「はは、ごめんごめん」
僕は薫子と同じように菫子を抱き寄せた。
「じゃあ、やりなおし」
「うん……」
最初のはどちらにも不意打ちで、すぐに離れてしまったから感触なんて味わう暇もなかった。
だけど今回はお互いの気持ちがハッキリしていて、僕たちは友人じゃなくて恋人だ。
だからじっくりと味わう。薫子と違って、
菫子の唇はプニプニしてるとでも表現したらいいのか、そんな感じ。
「えへ……薫子の味」
「……したことあるの!?」
「菫子!」
姉妹がおっかけっこをして、うやむやになって結局真実はわからなかった。
それから、やってることがそうそう変わるわけではなかった。
元々一緒に遊びにいってたし、今まで一番距離が近かった女の子も一条姉妹だ。
ただ遊びにいく回数が増えたのは確かで、
さらにデートの終わりにサヨナラのキスをするようにはなった。
それだけっていうのも変だけど。確実に変わったのは夏祭りの日だ。
(去年の夏祭りも2人と来たんだよな……)
去年と同じく、待ち合わせ場所に先に来ている僕。
几帳面だか神経質なんだか、僕は待ち合わせにはそうそう遅れない。
それどころか時間より先に場所に行ってしまうので待つ時間が長い。
それは別にいいんだけど、今回は時間になっても2人が来ない。
「去年も遅れたよな……」
今回は怒ってもいいだろうか?
『おっ待たせーっ!!』
「おそ……い……」
振り向いた視線の先には姉妹がいた。しかも、
「浴衣か。だから遅かったの?」
う〜む。そこはかとなく色気があるな。これなら遅刻しても許せるかも。
「あはは。いや、ナンパされちゃって」
「本っ当にしつこくってさ」
むう……。
「あ、微妙な表情してる」
「あは、可愛い。嫉妬してる」
菫子が僕の頬をつつく。彼女はこれがお気に入りだそうだ。
それはともかく、嬉しそうな顔をされてもね。
僕としては複雑な気持ちなんだけど。
「……」
「あ、怒った?」
薫子が神妙な表情で僕の顔を覗き込んでくる。こういう顔は見たくないよね。
「別にそういうわけじゃないよ。さ、行こうか。ナンパされないように」
右手に薫子、左手に菫子を。
僕は手をつなぐつもりだったけど、彼女らは腕を組んできた。
「こっちの方が」
「絶対ナンパはされないわよね」
いや、全くだ。
射的に金魚すくいに輪投げ。ワタアメにヤキソバ、カキ氷。
祭りの醍醐味を味わいつくした頃、ちょっとした事件がおきた。
「混んできたね」
「そろそろ盆踊りがはじまるからかしら?」
人の流れが一定に、さらに大きくなってきている。その中を逆流している僕たちにはきつい。
「はぐれないようにね」
2人と組んでいる腕に力を込めると、柔らかな身体の感触がより強くなる。
強くなるけども、人の流れには逆らえず……
「あっ、薫子。もっとこっちに!」
「わかってるけど〜」
「菫子もがんばれ!」
「あン、もう!」
とまあ、なんやかんやで落ち着ける場所にこれたはいいけど、
「あ、帯が……」
「ありゃりゃ。ほどけてるね」
2人の帯は見事にほどけていた。
「ど、どうしよう……」
薫子が顔を真っ赤にして言った。そんなこと言われても困るけど。
「とりあえず……人目のつかないところに行こうか」
そこで適当に帯を締めればいいだろう。
確か祭りに関わらない、古い境内があったはずだ。
道を外れると、祭りの騒がしさが遠くなり、薄暗い境内に出る。
薄暗いとはいっても月明かりがあるので、2人の顔が見えないほどではない。
「それじゃ、帯貸して」
まず薫子の方からやろうと帯を受け取る。
「うん、お願い」
はだけないように浴衣の裾を押さえている薫子の細い腰に抱きつくようにして。
というか抱きついたようなものか。
僕の顔は薫子の柔らかいお腹に押し付けられた。
女の子の柔らかさにドキドキしていると、薫子の体が揺れて小さな悲鳴が上がった。
「ちょ、ちょっと菫子!」
何事かと見上げると、薫子を羽交い絞めにするように菫子が抱きついていた。
「ね、いいもの見せてあげよっか?」
菫子が笑った。ただし、お尻からシッポがはえていそうだけど。
こういう笑い方をするとき、菫子はいたずらを考えついている。
内容は時々シャレにならなかったりする。そして今回も。
「じゃ〜〜ん!!」
菫子は両手を広げた。薫子の浴衣の裾を握りながら。
「きゃああっっ!!」
見上げた視線に入ってきた双丘と、先端のピンク色の蕾。
ストレートに表現するならば薫子の乳房だ。
いつもならば目を逸らすであろう状況で、僕は薫子の乳房に目を奪われてしまった。
いわゆる巨乳ではないが形がよく張りもありそうだ。
下から見上げるなんてことはそうそうないだろう。
さらに浴衣が開いたから、そこから薫子のにおいが湧き出してきて僕の頭を焼く。
ずっと2人の身体と密着させていたためか、僕の身体の一部は急に元気になった。
焼けた脳みその変わりにそれが物事を考えてくれそうだ。
「……薫子」
「うぅ……なに?」
羞恥に顔を真っ赤にして、僕を見つめながら薫子が言う。
菫子はまだ楽しそうに笑っていた。
「ごめん……」
「えっ……? ひゃっ!?」
薫子の乳房に手を添える。
キメ細やかな肌、柔らかい感触が伝わってくる。
「ど、どうしたの……!?」
「……」
僕は何も言えなかった。だから代わりにキスで答えた。
「ん! ……むぅ……」
驚愕に目を見開いていた薫子だけど、すぐに目をトロンとさせて僕とのキスに夢中になる。
もちろんその間にも手を動かすのを忘れてはいない。
最初は柔らかさを堪能していただけだけど、なけなしの知識を総動員して乳房を攻める。
「あっ……んふ……ぅ」
息継ぎだかあえぎなのだかわからないけど、声を上げる薫子の反応が嬉しかった。
「あっ……そこ……!」
丘を登り、ピンク色の先端をつつく。
既に硬くなっているそこは、周りの乳輪から盛り上がっているように見えた。
力いっぱいつまみたい衝動を抑え、出来る限り優しくつまんだ。
「ひゃんっ!」
コリコリとした感触を楽しみながら、唇を離して首筋にキスをする。
ちょっとしょっぱかった。
肩越しに薫子を羽交い絞めにしたまま硬直している菫子と目が合う。
珍しく怯えた表情をみせる菫子。何か言いたいのだろう、口をパクパクさせている。
菫子が何かを言い出す前にその唇をふさぐ。
「ん……! う……」
開いたままの口内にするっと舌を差し込んだ。お互い初めてのディープキス。
「んむぅ!」
入り込んだ舌に一瞬逃げそうになるけど、すぐに舌を絡めてきた。
「ん……んふぅ……ちゅ……」
僕がリードしていたつもりだったけれど、なんだか僕よりも上手く舌を動かしている気がする。
やっぱり姉妹でしていたことがあるんだろうか?
それはともかく、薫子を攻めつつ、羽交い絞めにしている菫子の手を優しく解いていく。
スイッチが入っている僕は止める気はないし、たぶん2人もそうだろう。
「あたしにも……してぇ……」
唇を離して菫子が切なそうな声で言う。
僕は無言で頷いた。
「んく……あふ……は……」
「ふぁん! あぁ……それ気持ちいい……」
境内の階段に2人を連れていき腰を下ろした僕の右側に薫子、左側に菫子がいる。
今度は薫子とディープキスをし、菫子の乳房をまさぐっている。
今、2人は帯のない浴衣で前をはだけさせて僕の膝の上に座って、というよりもたれかかっている。
「あぁっ! もっと、もっと強くしてぇっ!」
菫子が完全に脱力して僕に体重を預けてくる。力が抜けてしまっているようだ。
今まで乳房ばかりで乳首には触っていなかったんだけど……
僕のサドっ気が顔を出し、薫子に僕の考えを呟いた。見事、賛成してくれた。
菫子だけを膝に乗せ抱きしめる、ように見えるこの格好。
実は菫子を逃がさないようにするためなんだけど。
「あ……ひゃあん!」
ねっとりと、菫子の首筋に舌を這わせる。その感触にもだえる菫子。
その隙に、器用に足を絡めて菫子の足を開帳させる。
「や……あ、恥ずかしいよぉ……」
足を閉じようとする菫子だが、僕の足がそれをさせない。さらに、
「薫子……?」
「んふふ……ちゅっ」
「ふぁん!」
もはや悲鳴と言ってもいいような声を上げる菫子。
足の間に薫子がいて陰唇を舐めている。
その上、胸や首筋は僕がいまだ攻めているのだからたまったものではないだろう。
「ひゃっ! だ、だめそこは……ぁ……ダメだよぉ……」
ピチャピチャと音を立てて舐める薫子。丁寧に往復させている。
「な、なんでこんなことするのぉ……?」
菫子が言っていることは僕が動けないように抱きしめていることと、
薫子がペッティングをしていることも含まれているだろう。
「これはお仕置きだよ」
「おし……んうぅ……おき……?」
舌を差し込んだ薫子。前々から思っていたけど、やっぱりこの2人って?
「そう、お仕置き。いくら何でもさっきのはやりすぎだよ」
「すっごい恥ずかしかったんだからね」
薫子が菫子を舐めながら言う。上目遣いの目つきがすごくいやらしい。
「僕は嬉しかったけど……」
とまあ、そんな本音は置いておいて、
「だから菫子には恥ずかしいぐらいに感じてもらうからね」
「そんなぁ……」
言って、僕は耳に舌を差し込み、今まで触っていなかった乳首をつまむ。
「んぐぅ……!」
さすがに人が来ないとはいっても、ここは祭りの近くで外だ。
さらに空いているほうの指を菫子の口に突っ込んで、口内を蹂躙する。
僕の身体は本当によく動いてくれる。
「うぐっ……んっ……!」
「菫子。指を僕のモノだと思って舐めてみてよ」
耳たぶを甘噛みしながら囁くと、目尻に涙をためながらうなづいた。
「んっ……ふぅ……ん……」
菫子の舌が僕の指を舐め回す。
指先を舐めたかと思えば、爪の間をつつく。
神経が集中しているだけあって、こそばゆいような感触がある。
ところで、僕のモノは結構前から元気になっていたのだけど、
菫子を膝に乗せているのでお尻にぴったりとモノがはまっていて、
しかも菫子が微妙にお尻を動かすものだから刺激されて。
何が言いたいのかというと、攻めていたはずの僕が
逆に我慢できなくなってきてしまったということだ。
情けないことだ……。
「薫子」
上気した顔で菫子の股間を舐めていた薫子に声をかける。
同時に菫子の口から指を抜き去って、ベルトをゆるめてモノを取り出す。
ベルトをはずしてモノを取り出すと、驚いた薫子が目を見張る。
女の子にとっては未知の物だろうこいつは、男には長い付き合いだ。
だからこんな時の女の子がどんな気持ちなんだかわからない。
「こ、こんなになっちゃうんだ……」
「な、なに?」
僕が抱いている菫子には状況がつかめないためか、不安そうな声を出す。
僕はそれに答えず、菫子を僕のモノの上に持ち上げた。
「な、何するの!? ねぇ」
最初は痛くないように一気に入れるといいだとか、
ゆっくり入れれば痛みは少ないだとか。
本の知識しかない僕には正解はわからないし、
もしかしたら正解はないのかもしれない。
だから、お仕置きをしているという状況上、僕はこうする。
「菫子、我慢してね」
「え、なに!? んんんんんっっっ!!」
狙いを定め、菫子を僕のモノで突き刺す。
途中でプツリという感触がしたような気がする。
間違いではなく、菫子の股間から乙女の証が流れだした。
「う……うぅ……痛いよぉ……」
「ごめんね、菫子」
いつも元気で満面の笑みが似合う菫子の顔が、苦痛に歪んでいる。
申し訳ないと思う反面、なぜだか僕は興奮していた。
「いくらお仕置きでも……これはひどいよぉ」
「……ごめん。ちょっとあせりすぎたかも」
ポロポロと涙を流す菫子を抱きしめる。ぎゅっと、力強く。
さっきまでやっていたように、菫子の首筋を舐める。
「や……ぁん……」
さっきまでの行為でここが弱点だということはわかっていた。
さらにちょっと強めに乳首をつまむ。
「あ、そこぉっ!」
というより、全身弱点というか。すごく敏感なんだよな、二人は。
目で薫子に合図をすると、薫子は菫子に覆いかぶさった。
「薫子……?」
「菫子……可愛い」
「あん! 薫子ぉ……」
薫子は僕がつまんでいる乳首を舐める。
「薫子……?」
「菫子……可愛い」
「あん! 薫子ぉ……」
薫子は僕がつまんでいる乳首を舐め、
さらに菫子のむき出しの花芯に指を這わせる。
「あ! そ、そこ……ダメ……ェ……!」
強すぎる快感を抑えるかのように体を振るわせる菫子。
もう痛みはないのかと驚きだけど、そういう人もいるって聞くし。
「菫子。動くよ」
「う、うん。動いてぇ……私の中で動いて……」
鼻にかかったような声でねだる菫子。そんな声を聞いたらとまれない。
「ひっ! ひゃんっ! き、気持ちいいよぉっ!」
腰を激しく上下させる。それに合わせて菫子の体も上下する。
そのためか胸を舐めづらくなった薫子は、舌を下げていき僕らの接続部を舐め始めた。
「あ! 薫子……そこぉ……」
僕のモノの幹を菫子の舌が動き回る。
快感の強さとしては菫子の中ほどではないけど、
感覚としては確実にプラスされていく。
「んちゅ……ぴちゅ……はぁ……菫子……ん……」
なにやら薫子の声も色っぽくなってきている。
見れば薫子は自分で自分を慰めているようだった。
「あ、ん! わ、私……もうダメ、ダメなのぉっ!」
菫子の声が1オクターブ上がったような気がする。
限界に近いのかもしれない。
そう悟った僕は菫子の体を抱きしめて固定させ、
腰の動きを激しくし菫子の体も上下させる。
「あんっ! はぁん! ああっっっ!!
ダメ、いく、いっちゃうぅぅぅ!!」
嬌声とともに背筋をそらす菫子。
菫子の中が律動し、モノを刺激して、僕も限界だった。
「っく……!」
急いでモノを抜き、外に放った。
「んん……!」
頭の中が白くなってしまうような、今までにない快感。
だからだろう。僕と菫子の接合部の前に薫子がいることを忘れていた。
「あ、ご、ごめん! 薫子!」
呆けている薫子。そりゃそうだろう。前触れなしにいきなり顔射をされれば。
「……あ……はあ……ちゅ……」
驚いた。呆けていた薫子が、顔からたれている僕の精液を舐めとる。
「ん……苦ぁい……」
顔をしかめつつ、舐め取ることをやめない薫子。
なんとも扇情的で、僕のモノはすぐに復活してしまいそうだ。
はぁはぁと荒い息をつき動けないでいる菫子を僕の横に座らせ、
薫子を僕に抱きつくようにまたがらせる。
「いい? 薫子」
「う……うん……」
さすがに緊張しているのか声を震わせる薫子。
モノを入り口に触れさせると、
薫子の体がビクッとなり体が硬くなった。
いくらかでも緊張を解いてあげたいと思った僕は薫子の片手を握る。
そして、隣で息を整えた菫子も自分の手を握らせる。
「あ……」
「ね、薫子。私の……
ううん、私たちの大好きな人とできるんだよ。落ちついて、ね?」
「うん……」
決心が着いたか、薫子はゆっくりと腰を降ろしてくる。
この体勢だと僕の自由度は高くないので、挿入は薫子に任せるしかない。
「ん……くぅ……」
目に涙を浮かばせ、苦痛に耐えながら腰を降ろす薫子。
変な話、そんな薫子がとても可愛く思えた。
やっぱり僕ってサドっ気があるのかな?
ともあれ、僕のモノはヌルヌルと絡み付いてくる薫子の中に侵入し、
処女膜に引っかかり、そして貫いた。
「薫子……」
「〜〜!! うぅ〜、痛ぅ〜」
辛そうにしているのに、無理に笑顔を見せる薫子がとても可愛かった。
可愛くていとおしくて、ちょっと強引に唇を重ねた。
「んぅ! ……ん……ちゅく」
もちろん舌も入れた。
空いているほうの手で乳房をつかみ、痛みを紛らわせようと優しく愛撫する。
「ん……ふぅ……んんーっ!」
急に薫子が声を上げたので何事かと思えば、
菫子が僕と薫子の接合部分に舌を這わせていた。
「ふふ、お返しのお返しだよ」
いつものような小悪魔な笑みを浮かべ、菫子の逆襲が始まった。
「あっ……やんっ!」
菫子の舌が薫子を攻める。
負けじと僕も少し身をかがめ、乳房に舌を這わせる。
「やあっ! ふ、二人がかりなんてぇ……」
「さっきは私がそうだったんだからね」
落ちついてきたのか、薫子の反応が良くなってきた。
「菫子」
菫子に身を起こすように言って、僕が舐めているのとは反対の乳房を舐めさせる。
「ん、ふぅ……んん……!」
さらに僕は薫子の腰に手を回し、腰をゆっくりと上下させる。
「ん、あっ! はぁん!」
多分大丈夫だろうとあたりをつけ、薫子の方も動かしてみる。
「ひぅっ! あん、ちょ、ちょっと激しいよ」
つらそうなことを言う薫子だけど、目を下に向けてみると愛液が溢れていた。
体のほうは正直だ(妙な言い方だ)。
「はっ、ひぅ、んぁっ!」
もしかしたら薫子も激しいほうがいいのかもしれない。
初めては優しくしたほうが、なんてことを考えてはいたけども、
人それぞれ感覚は違うわけだし。
「ひあああっ!」
乳首に軽く歯を立ててみると薫子はのけぞって悲鳴を上げた。
それは痛みではなく、明らかに快感によるものだった。
薫子の反応に気を良くした僕は、痛すぎないよう気を使いながら
乳首を吸い、腰の動きを激しくした。
「ひっ! あっ、も、もうだめ、ぇ!」
「薫子……僕も……!」
「うん、来て! 今日、大丈夫だから! あっ、ふっ! ん、んんんんんっ!!」
クタッと薫子から力が抜け、僕にもたれかかる。
薫子の中がうごめき、引きちぎらんばかりにモノを締め付ける。
その感覚に一気に限界を超えて、僕は薫子の中に放ってしまった。
「あ……は……中に入ってる……」
恍惚とした表情でつぶやく薫子を、菫子はうらやましそうに見ていたのだった。
「……」
「……」
「……」
行為の後、さすがにこの後もお祭りを楽しむ気分でもなかった僕たちは、
服装を整えて、腰が抜けている菫子を背負い、神社を後にした。
しかし、頭が冷静になってくると、
僕のしたことがとんでもないことだってわかってしまった。
しかも二人は何も言ってこないので、どんどん不安になってくる。
とうとう無言のまま、一条家についてしまった。
「……菫子、立てる?」
「ん……大丈夫そう」
菫子を下ろし、二人を目の当たりにする。
……ちょっと怖いけど、言っておかないと。
「あ〜その……今日は……その……ごめん」
「……何で謝るの?」
不思議そうな顔で菫子が答えた。
「何でって……僕のこと怒ってないの?」
「何で怒るのよ?」
はて……。
「じゃあ、何で何もしゃべらなかったの?」
何でが多いなと思いつつ聞く。
「それは……何か恥ずかしくて……」
うつむきながら言う菫子。顔が真っ赤だった。
「恥ずかしい……なるほど」
そうか。そういうものなのかと、納得。だけど、
「薫子?」
菫子の向こうで薫子が物憂げな顔をしていた。
「え!? あ、なに?」
「何って……どうしたの?」
「……なんでもない」
どう見てもなんでもないようには見えない。菫子と違って薫子は怒っているのかな?
「薫子。もしかして……」
「え?」
「私が……初めてを二つとももらっちゃったから……」
「菫子……」
初めてって……ああ、そうか。
僕のファーストキスは例えノーカンと言ったとしても菫子で、僕の初体験も菫子になったわけだ。
「そうなの、薫子?」
「え……ううん。最初はそう思ってたけど、
私も……その、あなたのゴニョゴニョをもらったし」
「何?」
最後のほうが聞き取れなかった。
聞き返すと真っ赤になってうつむいてしまった。
「ねえねえ」
「ん?」
菫子がちょいちょいと僕を引っ張る。そして僕の耳元でささやいた。
「薫子はあなたのセーエキをもらったって言ってるの」
「菫子!」
で、いつもの光景。菫子が逃げ、薫子が追う。
その後、何を考えていたのかを聞いたところ、僕と同じようなことを考えていたらしい。
つまり、初めてなのに激しくされて気持ちよかったのでマゾっ気があるのではという心配。
僕はサドっ気があるのでは、という心配。
菫子もそう思っていたらしいけど、サドマゾでちょうどいいんじゃないとのこと。
それもどうかな……。
あ、追記。
やっぱり僕の予想通り、二人はお互いに攻めあっていた。
オナニーとはいえないけども。