その日田代は授業をサボって屋上にいた。いつものことだ。極楽トンボもすでにもらっている… 
でも今日はいつもと少しだけ違っていた。もう1人側にいた。その名は石津…妙な取り合わせだった。  
 
「なぁー オマエもサボったりすんのな 意外だぜぇ?」  
「わたし…だって……出たくない時…ある…もの……」  
「へぇ〜 そんなモンなのか?」  
「…………………………………」  
 
音の無い時間が過ぎる…たまらず田代が口火を切って話し出そうとした時石津がこれまた予想外な発言 
をした。  
 
「好きな人…い…る?」  
「!?」  
「い…るんだ…」  
 
答えは無かった、と言うより答えられなかった。田代は意外のコンボであっけに取られていたのだ。  
 
そこは既に異質な空間となっていた。普段あまり喋らない石津・他人との接触を拒む田代の2人が言葉 
のやり取りをしているのだ。偶然見かけてしまった田辺は困り顔で後にこう言っていた。  
 
「普段見れないモノを見てしまうのって…幸運なんでしょうか…不幸なんでしょうか…」  
 
「へぇー 石津って瀬戸口好きなんだー」  
「田代さんは…速水…君なのね…滝川君とも…仲…いいでしょ?」  
「あーまぁーそのなんだー…速水はアレだ 憧れてるってヤツで滝川は…悪友か?」  
「…いいな…田…代さんは…言いたい…ことも言えて…怖いものも…無くて…」  
「あん?オマエも言えばイイだろ ストレス溜めてたら体にワリィぞ?」  
「……」  
(ピリピリした雰囲気)  
 
田代は石津の話を聞いていた。昔いじめられていたこと・瀬戸口に声すら掛けられない自分のこと・そ 
してまだいじめられていること…  
 
「ぅあんのいけ好かねぇ女 んな陰険なコトしてやがったのか!」  
「…いいの…ガマンすれば…いいか…ら……」  
 
いきり立って駆け出そうとする田代の袖を石津が掴んで止める。その時田代の目に思わぬものが目に入った。  
 
「…オイ…石津 ちょっと見せてみ…」  
「え?…あ…!!ダメ!!」  
「いいから!!」  
「…」  
「なんだこりゃ!」  
 
その目に飛び込んだのは無数の傷跡が刻まれた手首だった。いや手首だけでは無い腕に続いている、し 
かもまばらに…思わず石津の袖を捲り上げる…そこに刻まれていたのは思いつめた結果のリストカット 
だけでなく、何者かに付けられた付けられた傷がしっかり残っていた。石津はその場に泣き崩れ、田代 
は彼女を強く抱きしめていた。  
 
田代の拳は震えていた。肩をいからせハンガーに向かっていた。視界に原と森が入ったその時、田代の 
感情がハジけた。  
 
「うあぁっ!?」  
「がっ…何するの!?」  
 
2人は田代の手にのど元を握られ壁に押し付けられた。  
 
「今後石津にちょっかい出すんじゃねぇ…いいな 1回しかいわねぇゾ?」  
「わ・解ったから…放し…」  
「ぐぁ…かはっ…」  
 
すでに森はオチていた。原もむせながら田代をにらむ。田代はにらみ返しながら最後に言った。  
 
「アイツはオレのダチだわかったな?」  
 
 
「かおり…ちゃん……おべんと…つくったの」  
「お?ありがてぇー!今金欠でなぁー…」  
「たくさん…作ったから…いっぱい食べて…」  
「…太らせて食う気じゃねーだろーなぁー?黒魔法とやらの生贄もかんべんな」  
「そんなこと…しない…わ…と…友達…だもん…」  
 
田代も石津もも友達が出来た。田代は自分が生きて戦いつづける限り、石津は自分が思いつづける限り 
消えることの無い友達が出来たのだ。このコトは慣例に基づきこう締めくくろう。めでたしめでたし…と。  
 
 
====5分後 OVERSシステム起動====  
 
「エロなしか?」  
「マズイかな?」  
「皆納得しないぞ?」  
「でもなぁ…エロじゃなきゃだめって言われてなかったし…」  
「まぁアレか…」  
 
2人:コレが世界の選択ってやつかw(後射殺対象に選ばれたり選ばれなかったり  
 
とちゅーけいか 

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