ある町に、だれもが認める美男がいました。
その美しさといったら、どんなに美しい女性も敵わないぐらいでした。
その男の名前はハイド。
ハイドは、町から少し離れた小さな家に、仲のいい友達と二人暮し。
その友達の名前はテツ。
テツも、ハイドの次に美人なのですが、
発明家で、喘息という病気をもっていたので、町にはあまり出ず、
家に篭って発明ばかりしていたので、町の人に変わり者と言われていました。
ハイドは絵を書くのが大好きで、
毎日、町に出掛けては、その風景などを描いたりしていました。
その姿がとても美しく、毎日町の男を釘付けにしました。
しかし、ハイドもまた、変わり者のテツと住んでるという事で、
変わり者と言われていました。
それでも、ハイドに心を奪われる男は後を断ちません。
その中でも、ハイドにしつこく言い寄る男が居ました。
その男の名前はサクラ。
サクラは、顔はいいが、乱暴者で有名。
でも、女性からは人気がありました。
今日もまた、懲りずにハイドに言い寄っているようです。
「なぁ〜、ハイド。俺の女になれよ!」
いつもの事なのでハイドも軽く交わします。
「いやや。それに、俺は女やないっ」
「じゃぁ、俺のモノになれよ」
「いやや。今から絵描くんやから、あっち行って」
そう言って、ベンチに座って持っていたスケッチブックを広げて絵を描く準備をしました。
すると、サクラはスケッチブックを取り上げて、放り投げました。
「絵何か描かないで、俺の相手しろよ」
「ちょっと!!何すんねんっ」
そう言って、絡んできたサクラから放れ、スケッチブックを取りに行きました。
ハイドがスケッチブックを取りに行こうとしたら、
家の方から、爆発音が聞こえました。
原因はテツ。
どうしよう、と考えてる時、
丁度、サクラの追っかけしている女が来てサクラに絡んできたので、
ハイドはその隙に、急いで家に帰りました。
『町一番の美女』