『物語のはじまり』
昔、昔のお話。
ある日の事です。
その日は、とても天気が悪く、
雨が降り、雷が鳴り響いていました。
そんな時、山奥の大きなお城に老婆が訪ねて来ました。
用件は、一晩だけお城に泊めて欲しい、という事。
お城にはたくさん部屋があるはず。
けれども、意地悪だったそのお城の王様は、
その老婆を追い返えそうとしました。
思いやりの優しい心がない王様に、
怒った老婆は、その王様に呪いの魔法かけてしまいました。
老婆の正体は魔女だったのです。
王様にかけられた魔法は、
一時的だが、女の人を見ると見境なく襲ってしまうというもの。
そして、王様だけでなく、お城に使えていた召使も魔法をかけられていまいました。
その魔法は人間の姿でなくなるというもの。
呪いの魔法を解く方法はただ一つ。
魔女から与えられた薔薇の花びらが全て散ってしまう前に、
人を愛し、そして自分が愛した人からも愛される事。