王様は我に変えると自分を責めしました。
また、やってしまったと。
・・・しかも、今回は男を・・・。
女か男か分からなかった自分に。
王様は、フラフラと部屋から出て行き、
自分の部屋に閉じこもってしまいました。
王様が出て行った事を確認すると、ルミエール達がやってきました。
ハイドの姿を見ると、ポット夫人は泣きだしてしまいました。
「可哀相に・・・でも、どうか王様を許してあげて・・」
ルミエール達は、ハイドを牢屋に入れとくのは可哀相だと思い、
力を合わせてハイドを部屋から引きずり出すと、
綺麗な客室に運びました。
---翌朝
ハイドは目を覚ますと、一瞬ここがどこだか分かりませんでした。
そして、少しづつ思い出します。
昨日、テツの代わりに自分がこの城の囚人になった事。
もう、テツとは一生会えないという事。
・・・そして、昨日の・・・思い出したくもない出来事。
ハイドは絶望しました。
とめどなく涙が流れてきます。
そして、ハイドは考えました。
ここから逃げようと・・・。
ハイドはベットから起き上がろうとしました、
すると、腰に激痛が。
それども、ハイドは逃げようと必死でした。
歩くのもおぼつかなく、何度も転びました。
「ハイド・・どこに行くのです?」
途中、ルミエール達に見つけられてしまいました。
「・・・悪いけど・・・もう、ここには居れへん・・・」
ハイドはそう言うと、体を引きずりながら、出口に向かってひたすら歩きました。
ルミエール達には止める事は出来ませんでした。
王様は一睡も出来ませんでした。
ハイドを襲ってっしまった自分を責め続けていました。
散ってゆく薔薇を見ながら・・・。
薔薇の横には鏡がありました。
その鏡は、呪いの魔法をかけられた時に、薔薇と一緒に貰ったものでした。
その鏡は、自分が思ったものを映し出してくれる魔法の鏡です。
お城に閉じこもっている王様にとって、
その鏡が外の世界を知る唯一の手段でした。
王様はその鏡を手に取りました。
映し出したのは、ハイドでした。
鏡を見て王様は驚きます。
ハイドはお城に居る筈なのに森の中、、
しかも、狼に襲われていたのです。
王様は急いで銃を準備すると、ハイドの元に向かいました。
あんな事をしておいて、今さら会う顔がない。
でも、放っておく事は出来なかったのです。
「あっちいけ!!」
歩くのもおぼつかないハイドは、逃げる事が出来ません。
その隙に、狼達はどんどんハイドを追い詰めていきます。
一匹の狼がハイドに飛び掛りそうになり、
ハイドはもう駄目だと、目を瞑りました。
その時です。
パァーンッッ、という音と共に狼がバタッと、道に倒れたのだ。
ハイドが目を開けると、そこには王様が立っていた。
狼は王様に次々と飛び掛っていった。
その度に銃で倒していく王様。
2・3匹倒すと、狼達は怯んで逃げていきました。
狼達が逃げると、王様は狼にやられたのか、
腕から血を流し倒れてしまいました。
ハイドは、王様を見捨てて逃げようとしました。
しかし、心の優しいハイドは例え自分を襲った相手でも、
見捨てる事が出来ません。
ハイドは、近くに繋いであった馬を連れてくると、
王様を乗せて、お城に戻って行きました。
『森の中で』