柊家の野望〜革新〜
第四話 軍神。
―――1563年 岩出山城。
「はははっ! 我こそは上杉謙信、毘沙門天の化身なるぞ!」
「どうしよう、どうしよう。なんか恐そうなヒゲのおっさんが迫ってくるよう」
「うろたえるでない、くうや!」
「だ、だって」
「にゃはは! ここは私にまっかせなさーい! ものども、私に続けーっ!」
「あ、ねぇねぇ」
「むっ? 打って出てきおったか!」
「そおれ! 必殺車懸りーーーー!」
「ふっ、効かぬな」
「にゃんですとー!?」
「本当の騎馬隊の威力を見せてやろう、ゆくぞ景勝!」
「はい、義父上」
「真・車懸りーーーッ!!」
注:あくまでイメージです。
「にゃうーん にゃうーん にゃうーん にゃうーん にゃうーん」
「はっはっは、召し取ったり!」
「うわ、ねぇねぇが捕まった!」
「いかん! くうや! 我らも打って出るぞ!」
「は、はいっ」
「む、新手か!」
「ねぇねぇを返せーっ!」
「はっはっは、粉砕してくれる! 突撃!」
「なんの! 我が当世具足には通じぬわ!」
「むっ!?」
「いくよ、透子さん!」
「OKよ!」
「纏身!」
「なんだと!?」
注:だから、あくまでイメ(略
「ええいっ! 強襲ッ!」
「続いて乱戦!」
「ぬうっ!?」
「組打ち鉄砲……てーッ!」
「それっ、釣瓶打ち! 撃て、撃てーっ!」
「ちぃっ! 退け、退けーっ!」
「な、なんとか撃退できた……」
「うむ、苦しい戦であったな」
「でも、ねぇねぇが捕まっちゃった……助けに行かないと」
「そうね……でも、他の城も他国からの攻撃を受けているから、それを凌いでからになりそうね」
「それまで、処刑とかされなきゃいいけど……」
「たっだいまー」
「あ、お帰りー」
「運動したらオナカすいたー、モエー、なんか喰わせろー」
「うん、じゃあ夕食の仕度するね」
「え? まだできてないのー!? 早く喰わせろー! ニクー! 炭水化物ー! ビタミン、ミネラル、カルシュームー!!」
「せ、瀬芦里姉さん、暴れないで」
「……って、ねぇねぇ、捕まってたんじゃなかったのかー!?」
「逃げてきた」
「逃げてきたって、そんなあっさり……」
「忍者に追いかけられたけど、まあ、あの程度の監視じゃ私に言わせればザルだね、ザル」
「あ、そう……」
「しかし、流石に謙信公は手強いのう」
「正面から戦えば、たとえ勝利したとしても被害は甚大なものになるかと」
「うーん、ここはどう動くべきか」
「はいはいはーい! くーや! お姉ちゃんに秘策があるよ!」
「え? ホント? 海お姉ちゃん」
「まっかせて!」
「流石、海お姉ちゃんだ。で、その秘策って?」
「それはねぇ……」
「ゴクリ」
「……次回に続く」
「ズコッ」
「ごめんねぇ、この方法、ちょっと時間が必要なんだよー」
「そ、そうなんだ」
「それまでは、なんとか凌いでねー」
(大丈夫かな……)
―――次回予告。
強敵上杉家の猛攻に耐えつつも、北へ勢力を徐々に伸ばす柊家。
そして、ついに海お姉ちゃんの秘策が完成する。
その秘策とは……?
次回、柊家の野望〜革新〜 第五話。
『大海原はオレのもの』
乞うご期待っ!