柊家の野望〜革新〜














第三話 躍進。









―――1560年 久留里城。





「大分、発展したねー」




「そうだね。兵力もずいぶん増えたし、技術革新もかなり進んだし」




「ただいまー」




「あ、ともねぇ、お帰り」




「足軽技術『陣太鼓』の開発、終わったよ」




「巴お姉ちゃん、お疲れ様」




「丁度、新技術も開発されたし、そろそろ出陣してもいい頃かな?」




「うむ! 待ちわびたぞ」




「わぁ、雛乃姉さん」




「もう我らは、戦うには十分な力を蓄えた」




「そうですね」




「周辺の弱小国家など切り取ってくれるわ! よし、くうや我に続け!」




「は、はいっ」




「雛乃お姉ちゃん、ノってるねぇ」




「うむ。侵略する事火の如くで、あるぞ」




「ふぅ、ただいまー」




「あ、姉貴、お帰り」




「ようやく足軽学舎を40個、建てたわよ」




「お疲れ様、高嶺お姉ちゃん」




「学舎って、一つ建てるのに日数がかなりかかるから、ヤになるわ」




「でも、これで足軽技術はSランクから開発できるね」




「じゃあ、次の技術開発に移るよ」




「うん、頼むよ」




「透子さん、ヤスさん。行こうか」




「はいはい」




「仰せのままに」




(このおっさんも馴染んだなぁ……)




「よし、いざ出陣だ!」




「はいっ」








こうして出陣した柊軍。


その勢いは破竹の如く。


瞬く間に近隣諸国を制圧し、北へと攻め上ったのであります。


しかし、その行く手を阻むのは東北随一の大名、伊達家。


あの、独眼竜政宗を輩出した大家であります。


しかし、切り取った諸国の兵力を吸収し、大軍勢となった柊家の勢いを止める事などできやしなかったのであります……。


ベベベン。
(三味線の音)








「よし、先鋒部隊撃破!」




「ぬう!」




「よーし、囲んじゃえー!」




「うむ! 敵は完全包囲下にあるぞ!」




「うむむむ……」


















「岩出山城、獲ったどー!」




「ここでお姉ちゃんのワンポイントアドバイス!」




「敵の城はできるだけ包囲して落とす方がいいよー」




「そうすれば敵の兵力をごっそり取り込めるからね」




「ちまちま募兵するよりも、こっちの方が一気に兵力を増やせるよー」




「そうだね」




「残りの敵は港に逃げ込んだみたいね」




「よーし、追撃だ!」




「待ちなさい、空也」




「な、なんですか要芽姉様」




「力押しばかりが能ではないわ。ここは私に任せなさい」




「は……はぁ」



















「柊要芽殿か……今日は如何なる用であるか?」




「単刀直入に言う。もうあなた達に戦う兵力はないわ。大人しく降伏しなさい」




「何を申すか! 貴様らのような、どこの馬の骨とも分からぬ輩に……」




(ギロリ)




「……………………」


















「フフッ、伊達家は我々の軍門に下ったわ」




「さ、流石、要芽姉様……」




「勧告で降伏させれば、相手の全武将を忠誠度が高い状態で取り込む事ができるから、お得だよ♪」




「申し上げます!」




「ん?」




「空也様に会わせろと言う者が……あ!」






「空也ーーーーっ!」







「おわぁ!?」





だきっ。



「だ、団長! 団長じゃないか!?」




「我が心の友よ、会いたかったぞー!」




「団長も来てたのか」




「ビックリしたぜ。いきなり気がついたら戦国時代に飛ばされてて……いかつい戦国武者に囲まれて、いつの間にか家臣にされて……オレ、ホントに泣きそうだったよ」




「苦労したんだなあ」




「なあ、一体何がどうなってるのか説明してくれよ」




「実は……」














「そうか……分かった。こうなったらオレも力を貸すぜ! とっととクリアして早く帰ろうぜ!」




「おう、頼むぜ団長!」




「よし、ここでオレのステータスの紹介だ」











団長(ダン オサム)





「……バカだ」




「莫迦よのう」




「馬鹿ね」




「にゃはは、バカだー」




「ば……ばか?」




「バーカ」




「バカだねー」




「あはっ、バカね」




「………………ばか




「バカですねー」




「馬鹿、ですか」




「はぁ……バカね」




「ぐぁ、一斉にバカって言われた」




(戦場で見かけないと思ったら、使って貰えてなかったのか……)




「と、とにかくだ! よろしく頼むぜ空也!」




「お、おう」




「申し上げます!」




「今度はなに?」
















「周辺の国々が手を組み、柊家包囲網を成立させました!」




「ほ、包囲網?」




「勢力が強大になると、周辺の勢力が結託して攻めて来るんだよー。柊家も随分強くなったからねー」




「結託って、一斉攻撃されちゃうの?」




「そーだよー」




「それってヤバイんじゃ……」




「うろたえるでない、くうや! そこらの弱小国が束にかかってこようが我らはビクともせぬぞ!」




「は、はぁ」











一方その頃……。






「よし、今こそ出陣の時であるぞ!」










「申し上げます!」




「今日は忙しいなぁ……今度はなんだよう」












「山形城の上杉謙信が出陣! この岩出山城に向かっております」




「なんと!? 謙信公までもが包囲網に加担しておるのか?」




「ウエスギケンシン? ああ、なんか聞いた事あるなあ……確か、ものすごく強いって」




「うむ、あの第六天魔王と呼ばれた信長公ですら恐れた戦国大名であるからの……これは苦しい戦になりそうよな」




(だ、大丈夫かな……)








……果たして、柊家の運命やいかに!

ベベベン。
(三味線の音)











―――次回予告。


瞬く間に近隣諸国を併呑して、その勢力を拡大した柊家。

しかし、その前に戦国最強の軍神、上杉謙信が立ちはだかる。

柊家包囲網真っ只中、果たして空也達はこの猛攻を防ぎ切る事ができるのだろうか?


次回、柊家の野望〜革新〜 第四話。


『軍神』

乞うご期待っ!




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