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2005,07,22, Friday
Satan
知らない人から電話がかかってきた。昼休み中ではあったがちょうどその時私は多忙を極めていたがために電話に出る事ができなかった。だいたい人がカレーを食っている時に電話をかけてくるなどタイミング悪すぎなのだ。
食事を終え着信履歴を確認してみるとマッタク知らない番号であった。かなり長い間コールしていたのでワン切業者ではないと判断。かつなにげに人恋しい私はご丁寧にも自分からその番号にかけてみることにした。 こちらがワンコールするかしないかのうちに相手が出た。 「○#×&◇%△$ですけどっ!?」 プライバシー保護の為に伏せているのではない。かなり早口なうえに先方の周囲がノイズだらけでよく聞き取れなかったのだ。 「さっき私に電話をかけてきていたようだが、どなたか。」 ただの間違い電話だったのだろうか。相手の身元を再確認すべく質問する。 「ハァ?……あ!あぁハイハイハイハイ、ABCマンション555号室にお住まいのA.Z.様ですね?」 どうやらマンションの管理会社からだったらしい。なんだ、つまらん。 「そうだが、どういったご用向きか。」 「あのですね、お客様深夜にお友達がお部屋にこられたりしてませんか?」 「いや、いつも独りだが。」 質問も唐突だが私の答えもちょっとどうかという感じだ。なんだか無性に悲しくなってくるではないか。 事の経緯はこうである。私と同じフロアの住人から管理会社に苦情の電話が入ったらしい。どの部屋だかわからないが夜中まで大騒ぎしていてうるさい、と。1フロアの部屋数は5部屋、原告を除くと容疑者は残る4部屋のいずれか、という事で片っ端から電話して確認しているとの事。 しかしまあ、こういう事ってホントにあるものなのだな。苦情をいう者があり、管理会社はちゃんと仕事をしている。よろしい事だ。それはさておき深夜の騒音問題だが、苦情の主には特定できなかった犯人を私は知っている。私の隣の住人だ。 隣にはおそらくガクセーであろうハタチそこそこのチビッコ三人組が住んでいる。といっても共同出資で溜まり場替わりに借りているだけなのだろう。いない時は静かだがいる時はたいてい三人一緒で非常に騒がしい。 帰ってくるのはたいがい深夜だ。そこからドンチャン騒ぎを始める。おそらく酔ってでもいるのだろう、ひどい時にはノリノリで歌を唄ったりもしている。上手いならまだしも、ジャイアン・リサイタル顔負けである。 普段怒りというものを自分以外に向けることなどよっぽどでない限りありえない私だが、さすがにこのチビッコ三人組には少々腹立ちを禁じ得ない。自身夜行性である故夜にやかましいのは一向に気にならない(唄以外はな)のだが、周囲への迷惑に対する配慮の無さ自体に怒りを覚えるのである。 まあ私もガクセー時分はといえば、実家に帰らず女性の部屋に棲みついて隣室や階下に騒音を撒き散らしていた類であるのであまり大きな事はいえないのだが。 などといいつつ、管理会社にはしっかり通報しておいた。 「ああ、それなら隣だ。しっかり注意しておいていただきたい。」 これで苦情の主も心穏やかに暮らせよう。私の内なる憤怒も昇華された。気分スッキリ、いやはや善い事をすると気持ちがいいなあ。 一つだけゆっとく。こういうのを偽善というのだ。 |
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