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2005,07,01, Friday
限りなく透明に近いブラック2
気がつけばまた月が変わっていた。私の時計は停まったままだが外の世界では当然休むことなく時が流れていた。そして例によって諸々の支払い関係を悉く忘れていたわけだがそんなのは日常茶飯、問題なのはそこではないのだ。
7月を待たずしてそれはもうムサ苦しい日々が続いていた。あれ程ゆめ使うまじと心に決めていたガスクーラーも既にフル稼働である。にも拘らずそれでもまだ暑いのは、ボサノバ状態の頭髪だ。ボサボサに伸ばしっぱなしな状態、略してボサノバ。 一つだけゆっとく。流行らせようなどとはミジンも思ってない。 ともかく髪が鬱陶しくて仕方がない。後頭部の辺りなどやたら熱がこもっており卵でも設置しようものなら雛が孵りそうな勢いだ。伸ばしているのは別にジンクスでもポリシーでもなく単にエコノミックで省エネな観点からだったのだが、こうまで過剰に熱エネルギーを生じてしまうのは反って如何なものかと思われる。 そういうワケで、固く縛った財布の紐を弛めてついに散髪することにしたのだ。こんなことで千円も消費するのは非常に勿体無いと思いつつ私は、ガンガンに効いているガスクーラーを停めて渋々トコ屋へ向かった。 その日の担当は程よくナイスなおねぇさんであった。普段トコ屋ではノッポさんばりに無口な私が「いやーホントあついねぇー」とかなんとかやたら饒舌になっていた。「暑くて鬱陶しいから、ボウズ頭にしよかなー」と冗談めかして言ったのだが「え!?マジですか?」トコ屋嬢、さっきまで笑っていたが既にプロの顔になっていた。 「え、あ、う、うんボウズボウズ...」なんか後に退けなくなった。「ボウズ、って...ボウズですよね?」何故にたじろぐトコ屋嬢。「そそそ、ボウズね。バッサリと、ウン。」何回も確認せんでくれ。「わかりました。じゃボウズで。」チェック・メイト、だ。 その後ほどなくして一体の魔物が誕生した。今度ばかりは相当アレな事になっている。もはやこれはハゲと髪一重いや紙一重だ。そしてこんなにイカツい顔してたのか自分。左半分の顔の窪みも更に際立ってより一層モンスティーな感じに仕上がっている。だいたい髪よりも眉毛の方が長いのだ。 以前フェリエでもって眉メンテを試みた際には不覚をとってしまったが、今回は意図的に2ミリの設定で眉をケズる。こうでもしないと髪とのバランスが取れないのだ。結果、確かにバランスは取れたもののイカツさに拍車がかかってしまった。以前はメガネをかけるとやれわいせつ教師だのインテリヤクザだの言われたが、今の私は裸眼で普通にヤクザである。インテリ度はゼロだ。 最後にもう一つだけゆっとく。今回の所業、断じてハゲ隠しなどではない。まだだ、まだ終わらんよ! |
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