<<次の記事 前の記事>>
|
2005,04,24, Sunday
泳げ！たいやきくん
平凡な毎日の繰り返しに嫌気がさし、レールをはずれて自由に生きようとするが、結局既成の枠から逃れる事は出来ずにその平凡な生涯を終える、そんなブルージィな物語だ。だが私はそんな平凡なたいやきくんになりたかった。ちっぽけでも十把一絡げでもいい、ただささやかな幸せだけが望みだった。それすら、叶わなかったのだ。海に投げ捨てられ、ふやけきったたいやきは、徐々に崩壊しながら深海をたゆたっている。
しかし今日は、海ではなくプールで泳いできた。「Y.O.M.計画」の一環だ。そう、いかなる境遇に陥ろうとも、年頭に自ら掲げた「ジ・イヤー・オブ・マッスル」の誓いを忘れてはいない。予てから近辺のジムやフィットネスを調査していたのだが、どこもコストパフォーマンスがよろしくない。 ところが今日、耳寄りな情報を得た。つい先日、ものすごく近所に市民プールがオープンしていたのだ。この広い市内にはいくつか市民プールがあるが、どれも遠過ぎてイマイチ気が乗らなかったのだが、この場所はいい。すぐそこだ。料金も他の施設同様一律1回700円とリーズナブルだ。早速でかける事にする。とりあえずタオルだけもって出かけよう。そもそも水泳グッズなど持ってない。まあ現地で買えばよかろう。 クラニィを駆ってほどなく現地に到着。ホントは少し迷子になったのだがそんなのは日常茶飯事、もはや特筆すべき事でもなかろう。だって住宅街の中にあって判りにくかったのだ。問題なのはそんな事ではない。施設の門をくぐった私はまっすぐ受付へ向かった。 「この中で、水着とか販売してますか？」 「帽子とゴーグルは販売しておりますが、水着の方は取り扱っておりません。」 キャップとゴーグル、それのみでも泳げないことはないが、私が許しても世界が許すまい。 「そうですか、この近くにあるスポーツ用品店なんかご存知ですか？」 「んー、ダイエーならたくさん置いてあると思うのですが、この時期だとまだかも...」 ダイエーかよ。しかもグレーかよ。まあここからだとそんなに遠くはない、行くだけ行ってみよう。一旦施設を後にし、再びクラニィのイグニションをオンにし、ダイエーに向けて発進する。案の定、また少し迷子になったが何とか到着した。自転車で来たのは初めてだ。どこに駐めたらいいのだ。もうその辺でいいか、どうせすぐ戻ってくるのだ。 ところがどっこい、このダイエー一筋縄ではいかない。店内の通路がものすごく入り組んでいる。テロ対策か何かかと見紛うほどにラビリンスだ。また迷子である。第一、スポーツ用品売場はどこだ。探索を進めるうちに、漸くスポーツコーナーが最上階である事が判明した。後はエスカレータで最上階へ。 ない。最上階への道が。エスカレータは一つ下の階までで終わっている。どういう事だ。ここから先は階段オンリーってパターンか。ウロウロ歩き回って、先ほどのエスカレータの対角位置あたりまで来ると、もう一つのエスカレータがあった。なんとこちらは最上階まで続いている。やれやれ、まったくどういう了見だ。テロ対策か。 やっと目的地までたどり着いた。海パン、ゴーグル、キャップの3点セットを購入。海パンが異様に高価かったのがちょっとショックだ。まあよかろう、このセットを装備すれば誰憚る事無く水泳に勤しむ事ができよう。さあ、プールへ戻るぞ。 またしても、だ。どうやら入ってきたのと違う出入り口から出てきたらしい。クラニィがない。ダイエーの外周をグルグルまわり、ほぼ裏側でクラニィを発見。ダイエーでか過ぎ。ってゅか方向音痴過ぎだ私。 プールに戻ってきた。が、チャリ漕ぎまくりのダイエー歩きまくりで何かもうヘトヘトである。現時点で既にかなりのメニューを消化しているのではなかろうか。私の迷子っぷりは、汗に関して言えばスポーツに近い。汗といっても冷や汗だが。ともかく、気を取り直して着替える事にしよう。 紆余曲折あったが、漸くこうして水に浸かっている私がいる。寄り道してたおかげでエライ時間になってしまったが、しっかり700円分モトをとらねば。手始めに、軽く25ミターを流してみる。ブランクは長いが体はベストなフォームを忘れてはいなかったようだ。だが、どういうワケか息継ぎの仕方を忘れてしまっていたようだ。薬まみれの水を鼻と口の両方から強かにゴックンしてしまった。ベストなフォームから一転、15ミター地点で密かに溺れかけている男がそこにいた。 しばしあって、平静を取り戻した私は再び泳ぎはじめる。息継ぎの方はもう大丈夫だ。ところが、20本程こなした辺りで腕が上がらなくなってきた。水から上がり休憩する。はじめてからまだ30分くらいしか経っていないというのに、両の二の腕がかなり悲鳴を上げている。長年の運動不足が祟ったのか、ペース配分がまずかったのか。これより後はビート板を使うより他なさそうだ。って別に泳ぐ練習に来たのではないのだ。第一、チャリ＆ダイエーのせいで下半身もちょっともうご勘弁な状態になっている。 結局、ご利用時間30分、距離わずか500ミター、しめてお会計700円で撤収の運びと相成った。これでは到底割りに合わない。だが、来週再度チャレンジだ。10回分の価格で11枚綴りの回数券を購入。一つだけゆっとく。ちゃんと全部使いきるからな。 帰り道、また迷子になった事には触れないでおく。 |
|
この記事のトラックバックURL
http://yellow.ribbon.to/~anecdote/tb.php/39
トラックバック
トラックバックはありません。
| | |
|
|
コメント
コメントはありません。
| | URL | | | |
コメントする
|