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2005,03,26, Saturday
マインド・リワインド
ここ数日、狂気との狭間を彷徨っていた。今のところ何とか正気を保てているようで少しホッとしている。
しかしそれでも相変わらず、見る物全て地獄、聞く事全て地獄である。何かにつけ過去の幻影が付き纏う。家も家族も失い、長年共に頑張った職場の友人たちとも別れ、この先いつまで正気でいられるのか。そんな事を本気で考える自分がいる事に驚きを隠せない。ただこのままダメ人間として廃人と化す訳にはいかない。何か策を講じねば。 まず思いついたのは「記憶喪失になる」。恐ろしくネガティヴだが一時期本気でそう願ったのだ。今の記憶を、少なくともこの10年間の記憶だけでも、まっさらにする事が出来たらどれほど楽になろうか、と。だが現代の科学技術ではこんなSFチックな望みを叶えるのは到底ムリだ。かといって、もっと原始的にそこらじゅうに頭をぶつけまくって脳に損傷を...ってそんな事をしたらタダでさえよろしくない形の頭が余計デコボコになってしまう。大事な大事な頭髪にもダメージだ。打ち所が悪けりゃヘタすると死んでしまう。大体イタイのは嫌いだ。そんな事をしたとて、この記憶を消すことは出来まい。 記憶の消去を断念して次に思い至ったのが「記憶の巻き戻し」である。10年以上前、まだ一人でいた頃に歩いた道、通った店、夢中になっていた事、そういった事どもをトレースして精神的に過去へタイムスリップするのだ。この際オレンジのポロシャツに白の短パン、ジャイアントケムコを持ってMeet My FriendをBGMに踊りまくるのもいいかもしれない。まあタイムスリップショッピングダンスはともかく、この「心のニュー・ディール政策」を実施してみるとしよう。なんだか中途半端な幼児退行のようでもあるが、この際構わぬ。もはや失う物など何も無い。 |
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