ゴジラ-1.0特集
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■人間ドラマとして
ここでは、主人公敷島をメインとした人間ドラマについて書いていこうと思います。
ここでも作品のストーリーに沿って観ていきましょう。
序盤。ゴジラと初遭遇。
主人公の敷島は特攻隊員の生き残り。死ぬのが怖かった。そんな人物です。
ゴジラ襲来時、怯えて機銃を掃射しなかったため、味方はほぼ全滅。
橘(青木崇高)に叱責される敷島。
これが敷島の十字架(トラウマ)となります。
終戦後、内地に返った敷島。そこで赤ん坊を連れた典子と出会います。そのまま典子は敷島の所に居候。
近所の太田(安藤サクラ)は、赤ん坊が不憫なので、なけなしの白米を敷島達に分け与えます。
また母乳の出ない典子に代わり乳母の役目も担うことになります。
敷島は生活のため機雷除去の仕事に就きます。高収入を得た後は、家を新築、典子達と新生活を始めます。
機雷除去の仲間と語らう中、典子の子供、明子(永谷咲笑)は、空襲でなくなった見知らぬ他人の忘れ形見であったことが語れます。
戦後はこんな事が日常茶飯事だったようです。
典子の実の子供でもなく、まして敷島の子供でもない。
かりそめの家族が過ごす中、仲間たちは典子との結婚を勧めますが、敷島は過去のトラウマでその気になれないでいました。
無理もありません。夜中夢の中でうなされるぐらいですから。
2回目の遭遇。巨大化したゴジラ。
終戦から3年。明子も歩けるぐらいに成長。典子も銀座で働きたいと言い始めます。
そんな最中、敷島はゴジラの足止めに駆り出されます。
前回とは違い、今度は機銃を掃射します。しかし銃では歯が立ちません。
そこで除去した機雷を口の中に入れ、爆発させる事に成功しますが、ゴジラはすぐに自己修復してしまいます。
重巡洋艦が運よく通りかかり無事帰還した敷島。
ゴジラに一矢報いた事で、敷島は少しは気が楽になったのでしょう。
何気ない日常の中で、自分も幸せになってもいいかも。と思い始めるのでした。
3回目の遭遇。銀座上陸。
典子は銀座で働くようになっていたため、ゴジラ上陸の惨劇に遭遇してしまいます。
ゴジラ上陸のラジオニュースを聴いた敷島は銀座に急行。典子と再会。ゴジラの姿に圧倒される二人。戦車隊の攻撃に対抗すべく、放射線流を発するゴジラ。その爆風に巻き込まれる敷島と典子。典子の機転で助かる敷島。しかし典子は。。。
自分も幸せになってもいいかも。と思い始めた矢先の出来事。敷島の感情の揺らぎは察するにあまりあるものがあります。敷島は強運なのか、不運なのかわからなくなってしまいます。
そんな運命に翻弄される敷島は、ゴジラを倒すことで活路を見出そうとするのでした。
「わだつみ作戦」立案。
発案者は野田(吉岡秀隆)。作戦の聴衆は「本当にそれで倒せるのか?」と質問を浴びせます。この質問はある意味メチャクチャリアルで、野田自身も自信がない。本当にこれでゴジラが倒せるのか、何の保証もないわけです。
そんな心もとない作戦に参加を辞退する人も出来てきます。戦時下と違い、これは命令ではありません。あくまでも自由参加なのです。これもリアル。戦争を生き残った云々よりも、一か八かのギャンブルのような作戦に参加する方が余程どうかしています。
それでも「やれるだけのことはやろうじゃないか。」という誰かの声に賛同した者のみで「わだつみ作戦」は開始されます。
そんな折、戦闘機「震電」を修理してゴジラに対抗しようと考えた敷島は、橘にその修理を依頼しようとします。
しかし戦後の混乱期で人探しは難航を極め、すぐに見つかりそうにありません。そこで敷島は、初遭遇時に生き残った人物達に嘘の手紙を出し、橘が無視できない状況を作り出します。
案の定、橘が敷島の前に現れます。
以前同様に叱責する橘でしたが、敷島も典子を失った事で、態度が変わっていました。碇シンジくんさながら、逃げるばかりでなく、ゴジラを倒すことに目標が変わっていたのです。
橘の協力を得て、「震電」は完成。爆弾も搭載しゴジラの口の中を攻撃する。という事になります。
敷島は特攻隊員の生き残りを恥ている所もあり、爆弾がダメなら特攻してでもゴジラを倒す気でいました。
「わだつみ作戦」前夜。
野田はこの作戦に一抹の不安を持っていました。ですから作戦参加者に最後になるかもしれない家族との時間を大切にするよう伝えます。
また秋津も機雷除去で一緒に行動してきた水島(山田裕貴)を作戦には参加させませんでした。
というのも未来を担う若い人材を失いたくなかったからです。
明子と最後の夜を過ごす敷島。
それぞれの想いを胸に夜が明けていきます。
「わだつみ作戦」開始。
作戦途中では応援が駆けつけます。その中に水島の姿がありました。
作戦通りになんとか急浮上させたゴジラですが、ほとんど効果なし。
敷島の震電が放った爆弾は見事ゴジラに命中。同時に震電もゴジラに体当たりし大破してしまいます。
ゴジラの最後と敷島の最後。誰もが固唾を飲んで見守る中、一つの落下傘が上空から落下してきます。
敷島は無事落下傘で脱出していたのでした。
作戦終了後、帰還すると敷島宛てに電報が。死んだと思われていた典子は、病院に収容されて無事でした。
再会を喜ぶ人々。めでたし。めでたし。となるのでありました。