レッドクリフ特集
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■感想
Part I
あまりにも有名な三国志の世界を映画化。
日本でも小説、漫画、人形劇、ゲーム、アニメとあらゆる媒体で扱われ、中国史の中でももっとも面白いとされる時代の映画化だ。
ハリウッドでも「ラストサムライ」、「300」などいくつか歴史大作が登場しているが、ハリウッドではないアジアの映画人による歴史大作。
これまでの三国志といえば劉備を主人公に据えるのが常であったが、この作品は周瑜をメインに据えている所がポイント。
ジョン・ウーの漢字表記が呉宇森なので、「呉」に思い入れがあるのかどうかは不明だか、これまでの三国志とは違った視点で見せてくれる。
周瑜と諸葛亮が琴で解り合ったりするシーンは、いかにも東洋って感じがした。
また、前半の趙雲の強さは凄すぎる感もあるが、槍の使い方が新鮮だったし、CGかどうかはともかく逃亡する領民や、そのあたりの地形はリアルで
「本当にこんな所を逃げたんじゃないだろうか」
と思ってしまった。
三国志を知っている人にはどちらかというとおさらいのような感じで、後半はつまらなかったかもしれない。
実際、私も観ているうちに眠くなり八卦の陣のシーンは観ていない。
Part II
そんな私の不満を知ってか知らずか、Part IIは女性が大活躍する。
確かに三国志の世界には女性が数える程しか登場しない。
それを逆手にとって需要な役目をさせるあたりは、ジョン・ウー版三国志を観ているようで面白かった。
東南の風が吹いてから戦いが始まるまでが長いので、そこでダレた人やここを短くすれば1作品に収まったかも。
と思う人もいるかも知れないが私はこのくらいジらされても面白かった。
また、水上戦のイメージが強い赤壁の戦いを陸戦まで描き、大群の曹操軍に対抗するため孫権軍が密集して戦っているシーンは
「史実もそうなのでは?」
と思ってしまった。
「300」にも似たような戦法で大群と戦うシーンがあるが、「300」は伏兵を用いることが出来たはずなので、この映画の方がよりリアルではなかっただろうか。
他にも悪役として描かれることの多い曹操が、兵を気遣っていたりして単なる勧善懲悪だけに留まらない歴史大作としてよく出来た作品でした。